交易都市シンガポールで魔羅異怨(マーライオン)との死闘
登場人物紹介
黄忠漢升 二十三歳(西暦170年時点)十二月十九日生まれ 射手座
血液型AB型 身長八尺(184㎝)股下四尺弱(91㎝)視力5(集中時20)
好きな食べ物 羊を使った料理全般、波斯豆、芭蕉(バナナ)
利き手 両利き(元々、右利きだが玄武の籠手の力で両利きに)
好きな泳法
『海神泳法』
(凄いスピードの立ち泳ぎ)
必殺技
『双安息射法』
(安息射法が使える人との共同技)
『海神特攻』
(一撃で艦船に穴を空けるドルフィンダイブ)
『飛翔安息十連箭射法』
(後ろ向きで馬上でジャンプしてからの矢の連射技)
『双飛翔安息二十連箭射法』
(董卓との連携技。最高の射手と最上の馬が揃って初めて出来る超必殺技)
『立ち十連箭』
(その場に立っての超人的な速度の矢の連射技)
『象鼻暴鞭刎』
(暴れた巨象の鼻の如く大刀を振り回し首を刎ねる技)
角觝奥義『仏壇返し』
(呼び戻し)
漢帝国での見聞を終え、再び未知の世界に冒険に出る
次の漢帝こそ仕える主君であると期待しているが望み薄
最近は髭が生え始めたので女と間違われる事が無くなった
伴侶となった米を天下一、愛しているが官位に就くまで子作りはしない方針
装備
E 『象鼻刀』
(隕鉄製、その靭やかさと硬さは世界一の大刀)
E 『火浣布被藤甲鎧』
(火に燃えない究極の藤甲鎧)
E 『三月神合体弓・神月弓』
(アルテミス・ツクヨミ・セレーネーの月弓神の力が備わった神弓)
E 『イージスの楯』
(表が白金製、裏は木製、周囲にバリアを張る力がある)
E 『アテナの兜』
(隕鉄製、冠ると水中で10分は息が続く)
E 『玄武の籠手』
(玄武鋼を加工した籠手で玄武の力で所持者を両利きにする)
E 『黒竜の弽』
(黒竜の逆鱗の下の革を加工した弽で所持者の神経と集中力を増幅させる)
E 『黒竜の筋を弦として張った連弩、四挺』
(黒竜の筋の張力で通常の連弩の三倍の威力を誇る最強のボウガン)
持ち物
プトレマイオス著『地理学』の写し
指南魚(羅針盤・方位磁石)
『草薙剣』
『八咫鏡』
『八尺瓊勾玉』
所有楼船『黒波塞冬号』造船指揮 黄承彦 船体二十七丈 積載量一万八千五百石(500t)船体中央前部に羅馬式カタパルト付き投石器『回転式オナガー(黄承彦・改)』搭載 船体前部に『黄承彦製・連弩砲』十台搭載 船首に黒竜の彫刻のレリーフ(黄承彦・製作)が付属 建安の侯官(地名)で黒竜の翼で造られた帆と黒竜の骨を伸ばして造られた竜骨が付属され太平洋の荒波でも航海出来る船へと生まれ変わった
芭壇 二十二歳(西暦170年時点)五月三日生まれ 牡牛座 血液型B型
身長八尺七寸(200㎝)股下四尺四寸強(102㎝)
好きな食べ物、芭蕉(バナナ)
婆羅洲(シンガポール)の英雄だったが天竺の格闘大会で
黄忠に敗れた後に、黄忠の副将として付き従う、人並み外れた怪力の持ち主で
角觝(相撲)四十八手の使い手
安清世高四十三歳(西暦170年時点)十一月二十四日生まれ 射手座
血液型B型 身長七尺九寸(182㎝)
好きな食べ物 波斯豆
遥か安息から仏典の訳経の為に来朝した元安息太子の仏僧
元の名はスレナス五世
黄忠の弓術と馬術の師匠であり、仏僧になってもその腕は衰えず
経典の漢訳も遂に終わり、自由の身となる
装備
E 『アーラシュ弓・黒竜革コーティング』
(パルティア太子時代にその弓の腕を見込まれて王から下賜される。弓幹が黒竜の骨で出来ており、そこに更に黒竜の革が被せてある)
E 『黒朝星』
(黒竜の眼球と骨と爪と歯と舌を組み合わせて造った僧侶専用の無敵武器)
持ち物
『黄金の一対の賽子』
(フラーテス二世がデメトリウス二世、二カトルに贈った宝)
曹操孟徳 十六歳(西暦170年時点)十二月二十七日生まれ 山羊座
血液型A型 身長 六尺八寸(157cm)股下 二尺九寸(67㎝)
若輩者だが、その知力と武力と詩才は本物
後学の為に黄忠一行に加わる
黒竜の脳味噌を食べて更に頭脳明晰になったが
短足である事は相変わらず気にしている
E 『魏武王常所用挌虎短矛』
持ち物
『丹朱の囲碁盤』
(犀角と象牙製)
夏侯惇元譲 十七歳(西暦170年時点)八月九日生まれ 獅子座
血液型AB型 身長八尺一寸強(188㎝)股下四尺一寸(94㎝)
必殺技
『怨恨黒竜爪』
(黒竜爪牙の持ち主の怨みを倍増させて放つ一撃、その威力は悪神"阿修羅"をも両断する)
曹操の従兄弟(曹操の父、曹嵩の兄の息子)
曹操を称えており、曹操を侮辱する者は例え女であろうと斬り捨てる激しい性格
しかし、それ以外では極めて人格者で目上には厳しく、目下には優しい好漢
黄忠の嫁の黄米に気に入られているが、夏侯惇本人は
曹操を『短足ちゃん』と侮辱する黄米に憤っている
装備
E 『黒竜爪牙』
(黒竜の爪と牙で造られた大刀。斬られた者は本人の邪心に比例して苦しむ、また所有者の怨恨を倍増する効果が有り、別名『怨みの剣』と称される)
盧氏 二十一歳(西暦170年時点)九月八日生まれ 乙女座
血液型A型
二代目五斗米道教主・張衡の妻、その幼き美貌で劉焉を魅了する
黒竜の卵巣を食べて更に若返り、もはや五歳児にしか見えない容姿となる
持ち物
『賢者の石』
『メロパールの耳墜(イヤリング)』
華陀(旉)元化 五十一歳(西暦170年時点)二月三日生まれ 水瓶座 血液型B型
身長七尺二寸(166㎝)
言わずと知れた後の医聖。麻酔と外科手術と鍼治療の名人
張機仲景 二十一歳(西暦170年時点)十月一日生まれ 天秤座 血液型B型
身長七尺(162㎝)
華陀と同じく後に医聖と称される若き医者、血液型を発見して、それによる輸血を実現した
他にも各種の漢方薬や香辛料の調合の達人でもあり、カルテ(診療録)の始祖
持ち物
貴霜の三智人、チャラカから貰った書きかけの医学書『チャラカ・サンヒター』
時に漢の建寧三年(西暦170年)六月
黄忠一行を乗せた『黒波塞冬号』は扶南国から出港して
一路、婆羅洲(シンガポール)へと向かっていた。
そこは芭壇の故郷であった。
芭壇「俺の故郷は漢に比べて、まだまだ未開だが、様々な文化が入り込んで活況を呈しているぞ!人々も大らかで優しい人達ばかりだよ」
曹操「ふ~ん、漢や大秦のような文明が発達している国も、それはそれで、人の本来持つ優しくて穏やかな心が失われた国になってしまうので考えものだな。倭国もそうだが文明が遅れた国とは言っても馬鹿には出来ないよな」
黄忠「芭壇は天竺の大岩投げ大会で優勝して故郷へ錦を飾って帰って来たんだから、大歓迎で迎えられるよな」
芭壇「総合優勝は黄忠に取られたけどね……」
黄忠「今、お前と素手で闘ったら多分勝てないよ。倭国での『八俟遠呂智』の退治の時の芭壇は本当に強かった!俺が保証する!」
そんな話に花を咲かせているうちに、あれよあれよと言う間に、婆羅洲港
に到着した。
黄忠「凄いな!ここは!物資の搬出入量が半端じゃない!!貴霜や天竺でもここまで、物の出入りが激しい港は無かったぞ!ここ婆羅洲は世界一の交易港かもな!」
婆羅州の住人「バダン!バダンじゃないか!お前ここに帰ってきてたのか?」
芭壇「よお!俺も世界に出て修行を重ね、この婆羅州の英雄として恥ずかしくない漢として帰ってきたぜ!」
婆羅州の住人「そうか、でも今はお前の凱旋を祝う余裕も無いんだよなぁ………」
芭壇「何があった?」
婆羅州の住人「最近『魔羅異怨』とか言う、口からどんな物でも斬り裂く水を吐く化け物が現れて婆羅州を荒らし回っているんだよ。だから帰ってきて早々、悪いが、この国一番の国士無双であるお前にその化け物を退治して貰えないだろうか?」
安世高「魔羅異怨だと?それは仏典で描かれる邪神『魔羅』の怨念が異なる形で具現化した者だと聞いたことがある。『魔羅』は仏典では先の戦いで夏侯惇殿が対峙した『阿修羅』にも匹敵する邪神だ、これは拙僧も捨てきれぬな!」
芭壇「俺が旅に出ている間にそんな、ならず者が徘徊するようになってたのか!?もちろん、この俺と安先生で退治させて貰おう!『婆羅州一の力持ち』の名にかけて!!」
夏侯惇「俺の『怨みの剣』こと『黒竜爪牙』は役に立たぬのか?」
安世高「『魔羅』は煩悩の悪魔であるから、恐らく『怨みの剣』は、効かないどころか敵の邪心を増幅させ更に凶悪な力を与えるだけだと思う、故に夏侯惇殿は今回は参戦しないで貰いたい」
夏侯惇「そうか、残念だな………」
黄忠「ここでも化け物退治か………」
婆羅州の住人「ここが例の『魔羅異怨』が出てくる場所だよ。んじゃ、悪いが俺は先に帰らせてもらうよ」
芭壇「ここまでの案内だけでも充分だよ、ありがとう」
そして待つこと四刻(約一時間)、その化け物が姿を現した。
出てきて早々、その『魔羅異怨』は口から水の刃の
水を吐いて芭壇に切り傷を負わせた。
黄忠が『イージスの楯』でその水の刃を防ぎつつ
他の飛び道具を得意としている仲間達が一斉に飛び道具を放つが
『魔羅異怨』にはそれが通用しなかった。
黄忠「ここは一時撤退しかないな。全員退却!」
這々の体で婆羅州まで帰還する黄忠一行
残されたのは深い切り傷を負って出血した芭壇の姿であった
華陀の処置で血は止まっているが大量出血しており、輸血が不可欠であった。
曹操「あの『魔羅異怨』ってのは俺の分析では飛び道具は利かねえ。恐らくは直接的な打撃のみしか通用しないだろうな、よって攻撃できるのは安先生の『黒朝星』くらいしか使えないだろう」
芭壇「ちょっと待て!ならば俺が必殺技『魔羅異怨折り』で『魔羅異怨』を直接砕くのも有効な戦法だろう!?」
曹操「意気込みは良いが、その体ではなあ………」
安世高「いや、敵の『魔羅異怨』を倒すには拙僧以外にも強力な打撃攻撃が出来る芭壇の活躍が必須である!実は丁度、張仲景殿の『チャラカ・サンヒター』から、面白い即効回復法が記されてあってな。それによると、『まず必要な栄養を満たす食材を用意する』とある、これはスラビーの牛乳で事足りるだろう。次に『輸血用の血を用意する』とある、芭壇は丁型(B型)であるから、ちょうど丁型(B型)の拙僧の血を輸血できる。そして『これらを用意して南無宇摩志阿斯訶備比古遅神という呪文を賢者の石を持った仏僧が唱えれば即効回復法が成される』と書いてある、それを試そうと思う」
その胡散臭い方法に一行が半信半疑の中、『スラビーの牛乳』と
丁型(B型)の華陀、張仲景、安世高の血と
盧氏の持っている『賢者の石』が用意され、安世高は呪文を唱えた。
安世高「南無宇摩志阿斯訶備比古遅神、この者に活力を与え給え!!」
呪文を唱え終わると、賢者の石が眩く光り、その光は芭壇の体に
吸い込まれていき、芭壇の体を駆け巡った。
すると大量出血で弱っていた芭壇がまるで生き返ったように
息を吹き返し、燥ぐ姿が見られた。
芭壇「これは凄いぞ!まるで体中の血が入れ替わったような心地だ!体もビンビンに動くぞ!うおー!!」
安世高「これぞ、チャラカ・サンヒターに書かれていた伝説の回復法、その名も『得利苦去』❗❗❗❗❗」
黄忠「凄いな安先生!まるで魔法使いだ!これで戦いでの打撲や生傷も恐くないぞ!」
安世高「拙僧も佛に帰依する僧として、こんな事が出来た事を大変に嬉しく思うよ。拙僧はこの回復魔法で大勢の衆生を救うぞ!」
華陀「こんな魔法が使えるなら我ら医者の立場が無くなってしまうの~………」
安世高「いやいや、『得利苦去』はあくまで体内の活力を上げて血の巡りを良くする手法に過ぎません。故にその前の止血等はお二人のお医者様の医術がこれからも必要ですとも」
曹操「よっしゃ!芭壇の回復も済んだのなら、あの『魔羅異怨』に復讐戦だ!」
こうして『魔羅異怨』の元に戻る一行
『魔羅異怨』はまだその場所に居た。
『魔羅異怨』の水の刃を黄忠の『イージスの楯』で防ぎ
徐々に接近して至近距離まで来た時に安世高の『黒朝星』の
必殺攻撃が炸裂した。
安世高「悪魔特効秘技!!『魔羅異怨破砕』❗❗❗❗❗」
この必殺技で『魔羅異怨』の口元が砕け、水の刃は
止まり、その刹那に芭壇の必殺締め攻撃が追い打ちをかける。
芭壇「四十八の角觝奥義、付与の一『魔羅異怨折り』❗❗❗❗❗」
バキィッ!!!!!
こうして化け物『魔羅異怨』は退治された。
そして死んだ『魔羅異怨』の体を調査すると、それは人工物の彫刻であった。
その彫刻の足の裏に梵語でこう書かれていた。
『サジゲンホー』
黄忠「おのれ、また左慈の仕業か………」
こうして安世高と芭壇の活躍で婆羅州一帯を荒らしていた
化け物は退治され、この二人は現地で英雄視された。
芭壇は元々、英雄であったが今回の件で更にその名声を広めた。
そして安世高は仏教の布教僧として現地の住人から『生き佛』として
称えられ、仏教を三ヶ月間布教して現地での国教とした。
その三ヶ月の間に芭壇は黄忠に角觝(相撲)奥義、四十八手と
今回の戦いで使った『魔羅異怨折り』を伝授した。
芭壇「これで、もう黄忠に教える事は無いな、でも旅は一緒に続けるよ」
黄忠「これからもお前のような猛者が居てくれると心強いよ、これからも宜しく」
そして、別れも訪れた………
曹操「もっとお前らと遊んでいたいが、家の連中が『早く帰ってこい!』って騒ぎ出すのでな、ここでお別れだ。夏侯惇は残しておくので好きに使ってくれや。お前らとの旅で本当に視野が広がったよ。俺は必ず『治世の能臣』になって漢を住み良い地にしてみせるから、お前らもいつか必ず漢に帰ってきて俺に尽力してくれよ!!」
黄忠「曹操の智慧には色々と助けられたけど、もうそれに頼れないんだな……でも、これから先の冒険は俺達だけで智慧を振り絞って進んでいくよ。今まで本当にありがとうな曹操、漢でも立派になれよ」
時に漢の建寧三年(西暦170年)九月
黄忠漢升 二十三歳の東南アジアでの出来事であった
黄忠「『魔羅異怨』は千八百年後にここの守護神になってるかもな」
【交易都市シンガポールで魔羅異怨との死闘・完】
今回の習得技
安世高『魔羅異怨破砕』
芭壇『『魔羅異怨折り』』
今回も小説を読んで頂き大変ありがとうございます。
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