後漢の休日(1) 何皇后の諸外国コスプレファッションショーとそのレリーフ彫刻製作
登場人物紹介
黄忠漢升 二十一歳(西暦168年時点)十二月十九日生まれ 射手座 血液型AB型
身長八尺(184㎝)股下四尺弱(91㎝)
好きな食べ物 羊を使った料理全般、波斯豆、芭蕉(バナナ)
利き手 両利き(元々、右利きだが玄武の籠手の力で両利きに)
好きな泳法 『海神泳法』(凄いスピードの立ち泳ぎ)
必殺技 『双安息射法』(安息射法が使える人との共同技)
『海神特攻』(一撃で艦船に穴を空けるドルフィンダイブ)
『飛翔安息十連箭射法』(後ろ向きで馬上でジャンプしてからの矢の連射技)
『立ち十連箭』(その場に立っての超人的な速度の矢の連射技)
『象鼻暴鞭刎』(暴れた巨象の鼻の如く大刀を振り回し首を刎ねる技)
角觝奥義『仏壇返し』(呼び戻し)
倭国での冒険を終え、漢に帰還しようと準備中
次の漢帝こそ仕える主君であると期待している
最近は髭が生え始めたので女と間違われる事が無くなった
伴侶となった米を天下一、愛しているが官位に就くまで子作りはしない方針
装備
E 『象鼻刀』(隕鉄製、その靭やかさと硬さは世界一の大刀)
E 『火浣布被藤甲鎧』(火に燃えない究極の藤甲鎧)
E 『阿爾特弥斯女神弓』(兀突骨の乗っていた象の部位で製作)
E 『イージスの楯』(表が白金製、裏は木製、周囲にバリアを張る力がある)
E 『アテナの兜』(隕鉄製、冠ると水中で10分は息が続く)
E 『玄武の籠手』(玄武鋼を加工した籠手で玄武の力で所持者を両利きにする)←NEW
持ち物
プトレマイオス著『地理学』の写し
指南魚(羅針盤・方位磁石)
『草薙剣』
『八咫鏡』
『八尺瓊勾玉』←NEW
愛馬『火浣布被保法能(牝馬の五歳馬)』
体高八尺(184cm)体重百十鈞(750㎏)
マルクス帝とルキウス帝から貰った馬で、旧人類の共通言語「ホモフォーノイ」を
話し、また大型の馬でありながら食事を必要とせず歳も取らない神馬
一日に三千百十里(約720㎞)を疲れ知らずに走る駿馬でもあり
全人類の言葉を訳せることから黄忠一行の旅の通訳にして相談役でもある
所有楼船『波塞冬号』造船指揮 黄承彦 船体二十七丈 積載量一万八千五百石(500t)船体中央前部に羅馬式カタパルト付き投石器『回転式オナガー(黄承彦・改)』搭載 船体前部に『黄承彦製・連弩砲』十台搭載 船首に波塞冬の彫刻のレリーフ(黄承彦・製作)が付属
黄米 十五歳(西暦168年時点)十二月二日生まれ 射手座 血液型O型
身長 六尺八寸(157㎝) 股下 三尺四寸(78.5㎝)
好きな食べ物 お米のご飯、これから食べる大陸の料理全般に興味あり
利き手 両利き(元々、左利きだったが志能備の訓練により両利きに)
必殺技
体術奥義『狐円延髄斬り』
忍術奥義『影縫いの術』
黄忠の伴侶となった倭国の女志能備、旧名米、若くしてありとあらゆる
志能備の術をマスターし、黄忠を影で支える忍者となる
とにかくセクシーな『くノ一』で男を誑かすのが得意だが心は黄忠一筋
周囲が羨むほど黄忠とイチャラブしているが当人達は気にしてない
黄忠が官位に就くまでは子作りはしない予定なので周りをヤキモキさせている
同性愛の気はないが女子をも誑かせる房中術も極めている
後に黄叙を産み、何思の政争の裏で暗躍する
細身で痩せているが、一日九食は食べる大喰いにもかかわらず
胸以外に肉が付かない、かなり変わった体質の持ち主
最近は曹操を短足であると罵って誂っている
装備
E 『玄武丸・蛇』(『玄武鋼』と『妖刀イペタム』を融かし合わせ『ヘパイストスの鎚』で鍛えて造った神秘の力が宿る双刀)←NEW
E 『玄武丸・亀』(斬られた相手は所有者の憎しみに対比した毒が回り淫夢を見せて安らかに死に至らしめる玄武とイペタムの妖力が備わる)←NEW
黄承彦 二十七歳(西暦168年時点)五月三十日生まれ 双子座 血液型O型
身長七尺七寸(177㎝)
好きな食べ物 天竺で食べたカレー
貴霜で食べたナンカレーも秘かに気に入っている
利き手 左利き
黄忠達と共に漢へ帰国して同じく今の後漢に失望中
次の漢帝の治世に期待している
自他共に認める『工神』にして黄忠の叔父(黄忠の父の弟)鍛冶、兵器、建築、工芸の
知識の吸収の為なら手段を選ばないマッドサイエンティスト
後の世の黄月英の父であり、鍛冶師蒲元の師匠となる
装備
E 『ヘパイストスの鎚』(鍛冶の神の力で金属を火に入れなくても加工できる至高の鎚)
華陀(旉)元化 四十九歳(西暦168年時点)二月三日生まれ 水瓶座 血液型B型
身長七尺二寸(166㎝)
言わずと知れた後の医聖、麻酔と外科手術と鍼治療の名人
張機仲景 十九歳(西暦168年時点)十月一日生まれ 天秤座 血液型B型
身長七尺(162㎝)
華陀と同じく後に医聖と称される若き医者、血液型を発見して、それによる輸血を実現した
他にも各種の漢方薬や香辛料の調合の達人でもあり、カルテ(診療録)の始祖
持ち物
貴霜の三智人、チャラカから貰った書きかけの医学書『チャラカ・サンヒター』
芭壇 二十歳(西暦168年時点)五月三日生まれ 牡牛座 血液型B型
身長八尺七寸(200㎝)股下四尺四寸強(102㎝)
好きな食べ物、芭蕉(バナナ)
婆羅洲(シンガポール)の英雄だったが天竺の格闘大会で
黄忠に敗れた後に、黄忠の副将として付き従う、人並み外れた怪力の持ち主で
角觝(相撲)四十八手の使い手
何進遂高 二十一歳(西暦168年時点)四月十日生まれ 牡羊座 血液型A型
身長七尺五寸(173㎝)
自らの立身出世に生涯を捧げる事を誓った漢
出世の機を常に伺っている
何思 十七歳(西暦168年時点)四月十五日生まれ 牡羊座 血液型AB型
身長七尺一寸(164㎝)股下三尺六寸弱(82cm)
モデル顔負けのスタイルを誇る何進の異母妹
異母兄の何進と共に皇后になろうという野心を持つ、黄忠が大好き
そして百合っ気が有る
盧植子幹 四十八歳(西暦168年時点)十月二十七日生まれ 蠍座 血液型B型
身長八尺五寸(196㎝)股下四尺三寸強(100㎝)
必殺技『世界樹伐採牙撃』
漢の大儒学者にして豪傑をも兼任する儒将、第一次党錮の禁で暇になり黄忠一行に加わる
次の漢帝の決定で党錮の禁が解かれ復職
装備
E『ニーズヘッグの鉞』
黄蓋公覆 二十二歳(西暦168年時点)二月一日生まれ 水瓶座 血液型AB型
身長八尺一寸(187㎝)
必殺技『百鞭削岩打』(固有)
『江南激流衝撃波』(但し、程普と韓当との共同技)
『海神特攻』(黄忠直伝)
後に孫家三代に仕える宿将の一人、現在は仕える主君を探して程普、韓当の悪友たちとつるんでいるが武者修業の為に黄忠一行に加わった
装備
E『鉄鞭』
程普徳謀 二十一歳(西暦168年時点)二月二日生まれ 水瓶座 血液型O型
身長八尺弱(183㎝)
必殺技『海蛇畝舞』(固有)
『江南激流衝撃波』(但し、黄蓋と韓当との共同技)
『海神特攻』(黄忠直伝)
後に孫家三代に仕える宿将の一人、現在は仕える主君を探して黄蓋、韓当の悪友たちとつるんでいるが武者修業の為に黄忠一行に加わった
装備
E『鉄脊蛇矛』(←海神鉾を黄承彦から改鋳して貰った)
韓当義公 二十歳(西暦168年時点)二月三日生まれ 水瓶座 血液型A型
身長七尺九寸(182㎝)
必殺技『鬼虎断裂波』(固有)
『江南激流衝撃波』(但し、黄蓋と程普との共同技)
『海神特攻』(黄忠直伝)
後に孫家三代に仕える宿将の一人、現在は仕える主君を探して黄蓋、程普の悪友たちとつるんでいるが武者修業の為に黄忠一行に加わった
大刀の使い手である事から古の鬼退治を成就した吉備津彦命と
倭人達に称えられる
装備
E『魏武王常所用挌虎大刀』(←後に曹操愛用の刀となる)
曹操孟徳 十四歳(西暦168年時点)十二月二十七日生まれ 山羊座 血液型A型
幼名 阿瞞
身長 六尺八寸(157cm)股下 二尺九寸(67㎝)
かなり生意気なガキだが、その知力と武力と詩才は本物、後学の為に黄忠一行に加わる
短足である事を気にしている
E『魏武王常所用挌虎短矛』
劉表景升二十七歳(西暦168年時点)九月二十九日生まれ 天秤座 血液型O型
身長 八尺強(185㎝)
優柔不断だが『八俊』と称される若き儒者、党錮の禁で暇になり盧植と共に黄忠一行に加わる
儒者としては盧植に、謀略家としては曹操に出番を取られ、少し焦っている
新帝即位で党錮の禁が解かれた事で出世の機会を伺っている
安清世高四十一歳(西暦168年時点)十一月二十四日生まれ 射手座 血液型B型
身長七尺九寸(182㎝)
好きな食べ物 波斯豆
遥か安息から仏典の訳経の為に来朝した元安息太子の仏僧、元の名はスレナス五世
黄忠の弓術と馬術の師匠であり、仏僧になってもその腕は衰えず
経典の漢訳も遂に終わり、自由の身となる
装備
E『アーラシュ弓』(パルティア太子時代にその弓の腕を見込まれて王から下賜される)
持ち物
『黄金の一対の賽子』(フラーテス二世がデメトリウス二世、二カトルに贈った宝)
丁斐文侯十七歳(西暦168年時点)五月一日生まれ 牡牛座 血液型A型
身長七尺八寸(180㎝)
故郷の沛国譙県で放牧を商う青年
お金に目がないが稼いだお金は全部、牛馬の購入に使ってしまう牛馬マニア
牛乳や牛肉、牛車の設計や牛の医療・育成・体調管理に関する知識や造詣
馬術や馬肉、馬車の設計や馬の医療・育成・体調管理に関する知識や造詣も並ではなく
黄承彦や華陀・張仲景も一目置くほどである
士燮威彦三十二歳(西暦168年時点)五月二十九日生まれ 双子座 血液型AB型
身長七尺一寸(164㎝)
交州蒼梧郡広信県生まれの交州に代々続く豪族
現在は洛陽に遊学して『春秋左氏伝』を勉強中、他にも他国の言語や風俗への造詣も深い
持ち物
『食卓の賢人たち』(アレクサンドリア図書館に有った物を黄忠から譲り受けた)
時に漢の建寧元年(西暦168年)一月
黄忠一行は倭国を発ち、後漢の都、洛陽へと船を進めた
途中で遼東公孫氏の通行止めも喰らわずにその航行は順調であった
そして博多港を発って三ヶ月後に洛陽北の孟津港に到着した。
黄忠「じゃあ、黄蓋、程普、韓当の三人はここまでで。波塞冬号は約束通り江陵まで送り届けて貰いたい。お前らの強さは本当に万の敵に匹敵するものだったよ、また共に戦おう!」
黄蓋「おうよ!お前達と一緒の冒険は俺達にも良い修業になった!」
程普「我らもいつか必ず良い主君を見つけてみせる、それまで達者でな!」
韓当「今度の帝は仕える価値がある御方だといいな!漢升」
盧植「江南三人衆………間違いなく、この漢でも指折りの名将となる漢達であったな」
曹操「ああ、俺が出世したら間違いなく彼奴等を衛将軍、車騎将軍、驃騎将軍にしてみせるぜ」
そして陸路から帝都洛陽に入っていった。
劉表「私と盧植先生は党錮の禁が解かれて復職が決まったから直ちに朝廷へ行くよ、約束通り漢升達の名は伏せておいて"暇潰しに辺境の果てに行っていたせいで入朝が遅れた"と言っておくよ、さらばだ」
盧植「今上の帝も幼帝らしいから、また宦官と外戚が幅を利かせることになるだろうな………まだまだ君たち若き獅子たちが活躍できる世の中にはなりそうもないよ、今の国の不甲斐なさを漢を代表してお詫び申し上げる」
黄忠「いえいえ、今の漢がギリギリで治世を保てているのは盧植先生のような功臣のおかげですよ。景升も元気でな」
残った黄忠一行は安世高の邸へ向かった。
黄忠「安先生!黄漢升、ここに帰って参りました!!」
安世高「おお!また一段と逞しくなって帰って来たな、漢升!ん?見慣れない美人さんが居るが誰だね?」
黄忠「ああ、この娘は倭国で志能備…間者をやっていた米という者です………この度、嫁に向かい入れる事となりました………」
安世高「それは目出度い!是非、婚礼を執り行おう!私も三十四部四十巻に渡る経典を二十年かけて、やっと訳経を終わらせる事が出来て、晴れて自由の身と成った。これからは君たちと共に冒険がしたい、是非、連れて行ってくれ!」
黄忠「安先生が一緒に同行してくれるとは光栄の極み!こちらこそ是非お願いします!婚礼の儀を執り行うには何進の邸でいいですかね?」
安世高「今、あやつは肉屋の家業が更に軌道に乗り、今や宮廷の御用料理番になっていて、この洛陽にも邸をかまえておる。ここからすぐに着くから一緒に行こう」
洛陽、何進邸
何進「よお阿忠…いや、漢升と言った方がいいか…また一段と逞しくなって帰って来たな!」
黄忠「二人で居る時は"阿忠"でいいよ、ああ隣に居るのは倭国で娶った俺の嫁さん……何だけど………」
思わず何思の方に目をやる黄忠、何思のコメカミには血管が浮き出る。
何思「忠兄……その女、誰………!?」
深々とお辞儀をする黄米。
黄米「これはこれは、何思さまでいらっしゃいますね。あたい………私、倭国で志能備という間者をやっていた米という者で御座います」
何思「ふ~ん、ちょ~っとカワイくて良いカラダしてるからって、どうやって忠兄を誑かしたのかしら?ちょっとコレで試してみようかしら、この女狐ちゃん……!」
そういうと何思は『青銅で出来た男根が対になっている器具』を持ち出した
レズビアンの用を足す器具である
そして奥の寝室に何思は黄米を強引に連れて行き女同士の情事にふけこんだ。
それから二刻(約30分)後
そこには逆に逝きかけた何思の姿があった、完全にアへ顔になっていた
何思「こ、この娘、最高……まさか私が先に逝かされるなんて………」
黄米「忍びは女同士の房中術にも通じております、これくらい朝飯前です。あ~、お腹空いた~♫」
汗を垂らしながら状況を纏めようとする何進
何進「どうも阿忠の嫁さんはお腹が空いてるらしいな…ちょうど事前に黄忠との婚礼祝いという事でご馳走を用意してあるから、みんなで食べよう、これ!」
パンパン!と何進が手を叩くと使用人が羊、牛、馬、豚、鶏の肉を
ふんだんに使った肉料理を持って来た。
黄米「わ~い♫大陸のお肉って一度、食べてみたかったんです!倭には羊も牛も馬も豚も居なくて、ご飯のおかずは野菜と魚しか無かったんで……頂きま~す!パクパク、モグモグ♫」
何思「アンタ、いい食べっぷりね~…うん!そんな所も気に入った!!後で邸の庭園に来なさい」
黄米「また、情事をやるんですか?パクパク、モグモグ」
何思「違うわよ!丁度、家の桃の庭園が花盛りなのよ、だからそこで………義理の姉妹の契りを結ぼうと思うの………ダメ?」
黄米「モグモグ、ゴックン、いいですね~!あたいも、こ~んな美味しいご馳走を食べさせてくれた人と姉妹になりたいです!」
何思「米ちゃんは今年でいくつ?私は十七歳」
黄米「今年で十五になります。だから何思さんが姉になりますかね?」
こうして何思と黄米との間に義姉妹の契りの宴が催された。
何思「我ら二人、例え、生まれた日は異なれど、死す時は同年、同月、同日に死せん事を誓う」
黄米「我ら国の地位を極め、民に永遠の福音を齎さん事を願って」
何思・黄米「かんぱ~い!!」
こうして女同士の桃園の誓いが結ばれた、やがてこの義姉妹は
漢の政治の裏で暗躍し、後に何思は『何皇后』として漢を牛耳る事に
なるが、その事業にこの黄忠の嫁、黄米の裏の活躍が大いに貢献した事や
この建寧元年(西暦168年)の義姉妹の誓いがあった事は
史書には記述されておらず、後の発掘調査の発見を待たねばならない。
何思「ねえ、米。どうせなら買ってきた異国服、一緒に着ようよ」
黄米「異国の服?」
何思「一昨年、羅馬の使節団が来たじゃない?それ以降、漢には異国の商人がよく来るようになったのよ、それで私も異国の服を買い漁ったのよ。私達って羅馬人並みに手脚が長いからきっと何着ても似合うわよ!」
こうして何思と黄米のファッションショーが行われた。
何思「まずは羅馬服~♫どうかな?似合ってる?忠兄」
黄忠「凄いな………俺も沢山の羅馬の女性を見てきたけど、こんなにローマの服が似合う女の人は巡り合ったことがない、まるで芸術作品を見ているようだ………希臘彫刻にしたいくらいだよ………」
黄米「嬉しい❤漢升様があたいたちを絶賛してくれた❤」
何思「相変わらず、天然の女たらしなんだから忠兄は!でも、これなら次も期待できそうだね!次は安息服♫」
黄忠「う~む、上品な感じがよく出ているな……まるで波斯壁画に描かれた女性のようだ………」
何思「これも好感触みたいね❤次は天竺服♫」
黄忠「妖艶な感じが素晴らしい!これぞ身毒の神秘!」
何思「最後は米が持ってきてくれた忍び装束よ❤ニンニン♫」
黄忠「お~!正に東洋の魔女!これぞくノ一って感じだね!!」
何思「私たちって本当に何着ても似合うよね❤」
黄米「そうだ!義叔父さま!このあたいたちの格好を模写した彫刻を造って下さいな!絶対に芸術作品になるだろうから!」
黄承彦「いいぜ!俺も君たちほどの原型なら造り甲斐が有るってもんだ!俺の腕でも、それぞれ二人ずつで四つの彫刻を造るには二ヶ月は欲しい所だな」
何思「完成まで、ず~っと同じ姿勢で待ってなきゃいけないのね…ちょっと疲れそう……」
黄承彦「な~に、最初の鋳型さえ取れれば後は調製だけだから、そんなに君たちに負担はかからないよ」
何進「お前ら、調子に乗ってその格好で外に出るなよ…役人に逮捕されるぞ。なにせ漢では漢服以外の服を着て街を歩くのは御法度だからな………」
何思・黄米「は~い❤❤」
そこに、とある見覚えのある大漢が何進の邸の門前に現れた。
丁斐「すみませ~ん、ここに今、黄忠さんがいらっしゃると聞いて一昨年にご依頼下さった波斯豆牛乳のお届けに来ました~」
何進「はいよ~、入っていいよ牛乳屋さん」
丁斐「どうも黄忠さん、あの時に頂いた波斯豆を研究しましてね、そして安息からも商人が来て、いくつか波斯豆を買えたのでさらに研究を重ねて出来たのがこの波斯豆牛乳です、どうかご試飲下さい」
丁斐がピスタチオ牛乳をみんなに配る。
黄米「わ~♫あたい、飲んでみる!ゴクゴク!んん!?牛乳って飲むのも初めてだけど、こんなに美味しいんだ!そしてこの鼻に抜ける波斯豆の香りがたまんない!!」
黄忠「ああ、俺も羊乳のほうをよく、宛にある阿進の実家で飲ませて貰ったけど、牛乳も実に良いな!米の言う通り、この鼻に香る波斯豆の匂いが牛乳と良く合ってる!!」
安世高「いやあ~、驚いた!ピスタチオはパルティアに居た頃によく食べていたが牛乳と合わせるなんて思いもよらぬ発想力!これは売れるぞ!!」
丁斐「安息出身の安先生にお墨付きを頂いて恐悦の至りです。ならば早速、この波斯豆牛乳の大量生産体制を築いてコレで大儲けしてみせます!!」
何進「これを沢山売って儲けた銭でアンタは何をしようと企んでるんだ?」
丁斐「そりゃ~、勿論、更に事業拡大して、もっと牛馬を購入して、育成して、更なる牛馬の特性を活かした商品を開発して、それを更に売ってもっと儲けて、そして牛馬を購入、育成してを生涯にかけて続けますよ」
黄忠「ハハハ、あなたは相当の牛バカさんだな(笑)いや、イヤミじゃなくて貫徹した立派な生き方だと思うよ」
丁斐「そう言って頂けて光栄です!ではまた新たな牛馬の商品が思いついたら伺います。今後とも我が丁斐牛乳をご贔屓に」
何思「ところで米ちゃん、私達の彫刻の鋳型が取れたら、お願いしたい事があるんだけどいいかな?」
黄米「なに、改まって?義姉さん」
何思「忍びとしての任務でね、宛県に居る宦官の"郭勝"というヤツの好みの品は何なのかと、宛県の戸籍調査をしている役人の好みは何なのかを調査してきて欲しいの、頼める?」
黄米「お安い御用!報酬は羊肉十斤(2.26㎏)で手を打ちましょう!!」
何思「そうだね、一緒にご飯食べようね❤義妹よ❤」
黄米「それでそんな調査をしてどうするの?」
何思「私が宮廷に入る為の御膳立てをそいつらにして貰うの。私は近い将来、皇后になる女なんだから!!」
黄米「御意!必ずや義姉さまを皇后にする為に私も暗躍致しますわ!!」
そして黄承彦によって何思と黄米がそれぞれ四着の衣装を着た合計八体に及ぶ
彫刻の原型の鋳型が造られると、早速、黄米は調査に出かけた。
それから二ヶ月後、彫刻も完成の段階に入った時に黄米は戻ってきた。
シュタッ!と黄米が何思の後ろに降り立つ。
黄米「調査が終わりました。宛の戸籍調査の役人は女に目がなく、私の房中術で逝かせて"郭勝"との面会の約束を取り付けました。そして"郭勝"は宝に目がなく絹八千匹も用意すれば皇帝陛下への後宮入りを確約するとの事、以上です」
何思「うむっ、ご苦労」
黄忠「忍びの任務とは言え、君の体を穢してしまったのは夫として本当に申し訳無い………」
黄米「ああ、いえ……その例の戸籍調査の役人ってチョロい漢で、ちょっと下半身の棒を擦ってやったらすぐに逝っちゃって洗い浚いゲロしましたわ❤あたいは漢升様以外の"おとこ"には抱かれないと決めましたから大丈夫ですわ❤」
何思「私も経験したけどこの娘の房中術は本物よ!調査もほぼ完璧にこなすし、本当に恐ろしい子!!流石は倭国の志能備ね!」
黄米「それよりさ、例の彫刻が完成したって?見に行こうよ!」
そして何進邸の庭園にある何思と黄米の八体の彫刻を
みんなで見に行った、そこにはやはり黄承彦が目に隈と血を滾らせて
庭園の真ん中でぶっ倒れている光景が目に浮かんだ
黄米「義叔父さま、今回もお疲れ様です」
何思「お~♫良いじゃない!私達、義姉妹の麗しい姿が見事に再現されてるわ!芸術品とは正にコレね!!」
何進「何度も言うけどコレは他の人には見せるなよ。漢では他の国の芸術作品の所持は暗黙の了解で御法度だからな、阿思が宮廷に入る前に捕まったら元も子も無いんだからな………」
何思・黄米「は~い❤❤」
時に漢の建寧元年(西暦168年)六月
黄忠漢升 二十一歳は束の間の休息に身を投じていた。
黄忠「また党錮の禁が起きなければ良いけど………」
【後漢の休日(1) 何皇后の諸外国コスプレファッションショーとそのレリーフ彫刻製作・完】
今回の獲得品、及び習得技
無し
でも、何思と黄米の様々な国のコスプレを模写したレリーフ彫刻
プライスレス
今回も小説を読んで頂き大変ありがとうございます。
皆様の忌憚の無い、評価・いいね・ブックマーク登録・感想・イチオシレビューをお待ちしてます。
インスタグラムで『三国志美術館』を催しているので良ければ御覧下さい
https://www.instagram.com/kohata_toshihide/