表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/24

倭国の救世主 月弓尊

登場人物紹介

黄忠漢升こうちゅう・かんしょう 二十歳(西暦167年時点)十二月十九日生まれ 射手座 血液型AB型

身長八尺(184㎝)股下四尺弱(91㎝)

好きな食べ物 羊を使った料理全般、波斯豆(ピスタチオ)芭蕉(ばしょう)(バナナ)

好きな泳法 『海神泳法(ポセイドンスイミング)』(凄いスピードの立ち泳ぎ)

必殺技 『双安息射法ダブルパルティアンショット』 『海神特攻(ポセイドンチャージ)

飛翔安息十連箭射法ジャンピングパルティアンテンショット

角觝(かくてい)奥義『仏壇返し』(呼び戻し)

漢へ帰国したが、現在の漢帝を始めとした漢の体質に疑問を感じ、また旅に出る事になった

最近は髭が生え始めたので女と間違われる事が少なくなった

装備

E 『象鼻刀(ぞうびとう)』(隕鉄製)

E 『火浣布被藤甲鎧かかんぷコーティングとうこうがい

E 『阿爾特弥斯女神弓(アルテミスのゆみ)』(兀突骨の乗っていた象の部位で製作)

E 『イージスの楯』(表が白金(プラチナ)製、裏は木製)

E 『アテナの兜』(隕鉄製)

持ち物

今は無し


愛馬『火浣布被保法能かかんぷカタフラクトほほうのう(牝馬の四歳馬)』

体高八尺(184cm)体重百十鈞(750㎏)

マルクス帝とルキウス帝から貰った馬で、旧人類の共通言語「ホモフォーノイ」を

話し、また大型の馬でありながら食事を必要とせず年も取らない神馬(しんめ)

一日に三千百十里(約720㎞)を疲れ知らずに走る駿馬(しゅんめ)でもあり

全人類の言葉を訳せることから黄忠一行の旅の通訳にして相談役でもある


所有楼船『波塞冬号(ポセイドンごう)』造船指揮 黄承彦 船体二十七丈(62.3m) 積載量一万八千五百(せき)(500t)船体中央前部に羅馬(ローマ)式カタパルト付き投石器『回転式オナガー(黄承彦・改)』搭載 船体前部に『黄承彦製・連弩砲』十台搭載 船首に波塞冬(ポセイドン)の彫刻のレリーフ(黄承彦・製作)が付属


黄承彦(こう・しょうげん) 二十六歳(西暦167年時点)五月三十日生まれ 双子座 血液型O型

身長七尺七寸(177㎝)

好きな食べ物 天竺(インド)で食べたカレー

貴霜(クシャーナ)で食べたナンカレーも秘かに気に入っている

利き手 左利き

黄忠達と共に漢へ帰国して同じく今の後漢に失望中

自他共に認める『工神』にして黄忠の叔父(黄忠の父の弟)鍛冶、兵器、建築の

知識の吸収の為なら手段を選ばないマッドサイエンティスト

後の世の黄月英の父であり、鍛冶師蒲元(ほげん)の師匠となる

装備

E 『ヘパイストスの鎚』


華陀(旉)元化(かだ・げんか) 四十八歳(西暦167年時点)二月三日生まれ 水瓶座 血液型B型

身長七尺二寸(166㎝)

言わずと知れた後の医聖。外科手術と(はり)治療の名人


張機仲景(ちょうき・ちゅうけい) 十八歳(西暦167年時点)十月一日生まれ 天秤座 血液型B型

身長七尺(162㎝)

華陀と同じく後に医聖と称される若き医者、血液型を発見して、それによる輸血を実現した

他にも各種の漢方薬や香辛料の調合の達人でもあり、カルテ(診療録)の始祖

持ち物

貴霜(クシャーナ)の三智人、チャラカから貰った書きかけの医学書『チャラカ・サンヒター』


芭壇(バダン) 十九歳(西暦167年時点)五月三日生まれ 牡牛座 血液型B型

身長八尺七寸(200㎝)股下四尺四寸強(102㎝)

好きな食べ物、芭蕉(ばしょう)(バナナ)

婆羅洲(プ・ルオ・チュン)(シンガポール)の英雄だったが天竺の格闘大会で

黄忠に敗れた後に、黄忠の副将として付き従う、人並み外れた怪力の持ち主で

角觝(かくてい)(相撲)四十八手の使い手


何進遂高(かしん・すいこう) 二十歳(西暦167年時点)四月十日生まれ 牡羊座 血液型A型

身長七尺五寸(173㎝)

自らの立身出世に生涯を捧げる事を誓った(おとこ)

出世の機を常に伺っている


何思(かし) 十六歳(西暦167年時点)四月十五日生まれ 牡羊座 血液型AB型

身長七尺一寸(164㎝)股下三尺六寸弱(82cm)

モデル顔負けのスタイルを誇る何進の異母妹

異母兄の何進と共に皇后になろうという野心を持つ、黄忠が大好き

そして百合っ気(ゆりっけ)が有る


盧植子幹(ろしょく・しかん) 四十七歳(西暦167年時点)十月二十七日生まれ 蠍座 血液型B型

身長八尺五寸(196㎝)股下四尺三寸強(100㎝)

必殺技『世界樹伐採牙撃ユグドラシルスラッシュ

漢の大儒学者にして名将をも兼任する儒将、党錮の禁で暇になり黄忠一行に加わる

装備

E『ニーズヘッグの(まさかり)


黄蓋公覆(こうがい・こうふく) 二十一歳(西暦167年時点)二月一日生まれ 水瓶座 血液型AB型

身長八尺一寸(187㎝)

必殺技(但し、程普と韓当との共同技)『江南激流衝撃波こうなんジェットストリームウェーブ

(黄忠直伝)『海神特攻(ポセイドンチャージ)

後に孫家三代に仕える宿将の一人、現在は仕える主君を探して程普、韓当の悪友たちとつるんでいるが武者修業の為に黄忠一行に加わった

装備

E『鉄鞭(てつべん)


程普徳謀(ていふ・とくぼう) 二十歳(西暦167年時点)二月二日生まれ 水瓶座 血液型O型

身長八尺弱(183㎝)

必殺技(但し、黄蓋と韓当との共同技)『江南激流衝撃波こうなんジェットストリームウェーブ

(黄忠直伝)『海神特攻(ポセイドンチャージ)

後に孫家三代に仕える宿将の一人、現在は仕える主君を探して黄蓋、韓当の悪友たちとつるんでいるが武者修業の為に黄忠一行に加わった

装備

E『鉄脊蛇矛(てっせきじゃぼう)』(←海神鉾(ポセイドンのほこ)を黄承彦から改鋳して貰った)


韓当義公(かんとう・ぎこう) 十九歳(西暦167年時点)二月三日生まれ 水瓶座 血液型A型

身長七尺九寸(182㎝)

必殺技(但し、黄蓋と程普との共同技)『江南激流衝撃波こうなんジェットストリームウェーブ

(黄忠直伝)『海神特攻(ポセイドンチャージ)

後に孫家三代に仕える宿将の一人、現在は仕える主君を探して黄蓋、程普の悪友たちとつるんでいるが武者修業の為に黄忠一行に加わった

装備

E『魏武王常所用挌虎大刀ぎぶおうじょうしょようかくこだいとう』(←後に曹操愛用の刀となる)


曹操孟徳(そうそう・もうとく) 十三歳(西暦167年時点)十二月二十七日生まれ 山羊座 血液型A型

幼名 阿瞞(あまん)

身長六尺五寸(150cm)

かなり生意気なガキだが、その聡明さと知力と武力は本物、後学の為に黄忠一行に加わる

E『魏武王常所用挌虎短矛ぎぶおうじょうしょようかくこたんぽう


劉表景升りゅうひょう・けいしょう二十五歳(西暦166年時点)九月二十九日生まれ 天秤座 血液型O型

身長八尺強(185㎝)

優柔不断なくせに腹黒い儒者、党錮の禁で暇になり盧植と共に黄忠一行に加わる


(よね) 十四歳(西暦167年時点)十二月二日生まれ 射手座 血液型O型

身長六尺五寸強(151㎝) 股下三尺二寸強(75㎝)

倭国の女志能備(しのび)、若くしてありとあらゆる志能備の術をマスターしている

同性愛の気はないが女子をも(たぶら)かせる房中術も極めている

後に黄忠の伴侶となり黄叙(こうじょ)を産み、何思の政争の裏で暗躍する


須佐之男(すさのお) 年齢不詳

身長九尺(208㎝)

自らを天照大御神(あまてらすおおみかみ)の弟と自称する大男、八俟遠呂智(やまたのおろち)という八人の豪傑を率いて倭国を荒らし回っている

時に漢の延熹(えんき)十年(西暦167年)一月末


黄忠一行を乗せた『波塞冬号(ポセイドンごう)』は楽浪(がくろう)帯方(たいほう)郡を後にし


そのまま朝鮮半島を渡り


日本海に出て遂に倭国へと到達した。


しかし、博多湾に着港しようとしたその時点で現地人の船と思われる


八隻の走舸(そうか)が一斉に波塞冬号(ポセイドンごう)に迫って来た。


そして、その現地の倭人(わじん)らしき男がこう叫んだ。


倭人の男「我らこそ『八俟遠呂智(やまたのおろち)』なり!我が祖国の地は誰にも踏ません、早々に立ち去れ!!」


そう言うと八隻の走舸は凄い速さで近づき


波塞冬号(ポセイドンごう)の連弩砲が届かない程の


近い間合いに接近して瞬く間に波塞冬号(ポセイドンごう)の甲板上に八尺(184㎝)辺りの


大男達が登ってきた。


そして黄忠、芭壇、盧植、黄蓋、程普、韓当、曹操と大立ち回りを演じた。


勝敗は黄忠一行に軍配が上がり、大男たちは早々に波塞冬号(ポセイドンごう)を降り


それぞれの走舸に戻っていった。


黄忠「阿瞞(あまん)!お前、小さいのにあんな大男たちを相手に良く互角以上に戦えたな!立派だよ!!」


曹操「俺はこう見えても、この短矛(たんぽう)で虎だって討ち取った事があるんだぜ!チビだからってナメんなよ!!黄忠だっていつか俺の将として使いこなしてやるからな!」


そこに(つや)やかな長い脚を伸ばした女が波塞冬号(ポセイドンごう)


波塞冬(ポセイドン)のレリーフ彫刻の上に乗っていた。


(よね)「あの『八俟遠呂智(やまたのおろち)』を撃退するなんて、やっぱ強いんだね大陸の"(おとこ)"って❤あたいは"よね"って、ケチな端女(はしため)で、『八俟遠呂智(やまたのおろち)』の一員の志能備(しのび)だよ。黄忠さんと言ったねぇ?アンタちょ~っと強いからって、次はこんなもんじゃないと思いな!ホホホホホホ!!」


そう高笑いすると(よね)と名乗る志能備(しのび)波塞冬(ポセイドン)の彫刻を


降りて自分の走舸に戻ると、他の『八俟遠呂智(やまたのおろち)』たちと合流しようとした。


しかし、そこに波塞冬号(ポセイドンごう)から降りて海上を『海神泳法(ポセイドンスイミング)』で


ズンズンと(よね)の走舸に迫る黄忠が近づいて来て、(よね)の走舸に飛び乗った。


(よね)「キャー!何こいつ!?キモ~い!!」


黄忠「大人しくしてな、この女狐(めぎつね)め!」


そして(よね)を両肩に抱き(かか)えると、そのまま『海神泳法(ポセイドンスイミング)』で


波塞冬号(ポセイドンごう)まで持ち運んだ。


早速、女好きの曹操が(よね)にちょっかいを出す。


曹操「この女、よくも俺達を(たぶら)かしたな。へへっ、それにしても良い体してるチャンネー(姉ちゃん)だな、可愛がってやるぜえ」


黄忠「待て阿瞞(あまん)!この女は俺が捕まえたから俺の女だ!他の奴らにも言っておくが、この(よね)は今から俺の女になった!故に手出しは許さん!!」


(よね)「アンタ、あたいを(かば)ってこんな事を?(←小声)」


黄忠「ま、そういう事にしておけ。(←目配せしながら小声で)」


黄承彦「阿忠、お前とうとう色気づきやがったなあ。今夜は寝かせてくれないかもな(よね)とか言う小娘(笑)」


黄忠「うるせえ!この女をどうしようが俺の勝手だ!口出しすんな!」


波塞冬号(ポセイドンごう)の甲板からニヤニヤが止まらない


(たま)らず自分の船室に行き、寝台に(よね)を座らせる黄忠。


(よね)「………好きにして」


黄忠「俺は嫌がる女を犯す趣味は無いよ。どうも君の顔を見るとかなり疲れている感じがしてな、ここの(おとこ)たちは思春期の阿瞞(あまん)以外は皆、祖国を憂う国士の集まりだから安心していいぞ。んじゃ!そこで(しばら)く休んでな、」


そして船室を出る黄忠。


(よね)「やだ…惚れちゃいそう……志能備(しのび)にガチの恋は御法度(ごはっと)なのに………」


そして波塞冬号(ポセイドンごう)は無事に博多湾に辿(たど)り着いた。


すると現地の倭人たちが喜び勇んで黄忠一行を歓待してくれた。


一番格上の盧植が、さっき襲ってきた『八俟遠呂智(やまたのおろち)』なる集団は


何者なのか?と尋ねた。


現地倭人「あれは我が国の神話に出てくる須佐之男(すさのお)という神を自称している男が率いる荒くれ者の連中で、うちの国でも手を(こまね)いている悪党共ですよ。いつも(かん)から来る客船を襲撃しては宝物を奪っていくんです。でも、さっきの戦いでは貴方等(あなたら)の強さにビビって、そそくさと本拠まで逃げ出したみたいですね。ざまあねえや(笑)」


盧植「次にその『八俟遠呂智(やまたのおろち)』たちが復讐に来るのはいつかな?」


現地倭人「あいつらは単細胞のくせに執念深いから今夜にでも須佐之男(すさのお)自身が引き連れて来るんじゃないですかね?」


曹操「そうか、ならば一計を案じよう。」


黄忠「何か思いついたのか?阿瞞(あまん)。」


曹操「ああ、まずは現地(ここ)の美酒を八献(はっこん)ほど用意して、そして現地(ここ)綺麗(きれい)どころの女を八人用意してくれ。それらを奴らの本拠の近くに隠すんだ。それで我が策は成る。」


曹操の策を察した盧植がほくそ笑む。


盧植「ふむっ!良い策じゃな!今宵が楽しみだのう!」


そして、その(よい)須佐之男(すさのお)率いる『八俟遠呂智(やまたのおろち)』が


博多の集落に姿を現した。


須佐之男(すさのお)「おーい!漢人(かんじん)共!!うちの子分を可愛がってくれたようだな、しかも、お(よね)がそっちに人質として居るって?お(よね)と一緒にタップリ返礼を貰わねえとな!」


黄忠「(よね)はそっちに戻る気は無いってよ!俺達と一緒にお前たちと戦うってさ!」


(よね)「もう、お前たちの(なぐさ)み者になるのは嫌だ!」


須佐之男「お(よね)、俺達がお前に志能備(しのび)の術を仕込んでやった恩を忘れたか?」


(よね)「結局、志能備術(しのびじゅつ)はお前たちの悪行の加担と破廉恥(ハレンチ)な欲望を満たす為にしか使われなかった!だからあたいはこの黄忠様と共にいくって誓ったんだ!」


須佐之男「この(あま)~……よーし『八俟遠呂智(やまたのおろち)』たちよ、(よね)と共にこの漢人野郎共を皆殺しにしろ!!」


(よね)が一人抜けて須佐之男(すさのお)が入った『八俟遠呂智(やまたのおろち)』達は一斉に構えた。


対するは黄忠、芭壇、盧植、黄蓋、程普、韓当、曹操、(よね)の八人だった。


両者十六人が同時に戦端を開いた。


まずは芭壇が『八俟遠呂智(やまたのおろち)』の一人を角觝(かくてい)奥義


鯖折(さばお)り』で締め上げてK.O(再起不能)


次に盧植が敵の得物を『ニーズヘッグの(まさかり)』で跳ね上げ


(まさかり)の裏の石突(いしづき)で急所を突きK.O(再起不能)


その次は黄蓋、程普、韓当の三人が必殺戦法『江南激流衝撃波こうなんげきりゅうしょうげきは』で


敵三人をあっさりK.O(再起不能)


曹操は怒涛の短矛(たんぽう)百裂突(ひゃくれつづき)で敵一人をK.O(再起不能)


(よね)は敵の動きを見切っており、まずは足元に手裏剣を放ち


敵を(ひざまず)かせ、そして敵の後頭部に、その長い脚が弧を描きながら放つ


『延髄斬り』でK.O(再起不能)


残った須佐之男(すさのお)は黄忠の『阿爾特弥斯女神弓(アルテミスのゆみ)』の


『立ち十連箭(じゅうれんせん)』をまともに体の各部位に喰らいK.O(再起不能)


十六人の勝負は一瞬で決まった。


(よね)「黄忠様、凄い!あの須佐之男(すさのお)を子供扱いなんて!!」


黄忠「君のその、しなやかな脚から放つ『延髄斬り』も見事だった。まるで芸術的とも言える動きだったよ」


(よね)「黄忠様……嬉しい……❤」


曹操「お~い、イチャついてねえで逃げた敵を追うぞ!俺の策はここからが本番だ!」


その様子は倭国人達も見ていた。


そして、ある者がこう叫んだ。


倭国人A「太陽の化身である須佐之男(すさのお)を弓で追い払った!この御方は紛れもなく月弓尊(ツクヨミノミコト)だ!」


倭国人B「そうだ月弓尊(ツクヨミノミコト)だ!月弓尊(ツクヨミノミコト)、万歳!!」


黄忠「………なあ(よね)、その月弓尊(ツクヨミノミコト)ってのは男神(おとこがみ)かい?」


(よね)「ん~?性別は無いようだけど、描かれる肖像画には男として描かれてるかな?それがどうかした?」


黄忠「いや、それなら良いんだ。(やっと女神から解放されたぜ!よっしゃー!!)」


(よね)「???」


這々(ほうほう)の体で本拠まで逃げた須佐之男(すさのお)含めた『八俟遠呂智(やまたのおろち)』たちは


これまでの襲撃で捕まえた女囚人たちに自分達の傷の手当をさせて


その後に酒を用意させた。


須佐之男(すさのお)「おら!早く酒持って来い!!」


実はこの女囚人達は曹操が仕込んだ綺麗どころとすり替えていた事は


敗戦でボロボロになった須佐之男(すさのお)たちには判別不能だった。


そして用意させた酒も華陀が調合した睡眠薬入りの酒である事も


彼らに判断する理性は既に無く、その酒をガブ飲みした。


そして二刻(約30分)が経過した。


すっかり寝入ってしまった須佐之男(すさのお)含めた『八俟遠呂智(やまたのおろち)』たちは


全員お縄に着いた。


曹操「よーし!俺の策は完璧だったな!!」


黄忠「流石は『阿瞞(あまん)』の幼名を名乗るだけはあるな!将来は中華一の軍師様になれるだろうよ、阿瞞(あまん)、いや曹孟徳!!!」


そして須佐之男(すさのお)は華陀と張仲景から入念な手当を受け、傷は全快した。


そして船島(ふなじま)という後の世に巌流島(がんりゅうじま)と呼ばれる


小島で黄忠と決闘するという運びとなった。


黄忠に勝ったら須佐之男(すさのお)は自由の身になれるが


逆に負ければ倭国の現地人たちの好きにされるという条件であった。


須佐之男(すさのお)「この野郎!散々、俺をコケにしやがって!!だがお前の弓は見切った!二度と食らうものか!」


須佐之男(すさのお)が宝剣『草薙剣(くさなぎのけん)』を持つ。


黄忠「そうかい!」


そう言うと黄忠は芭壇に『阿爾特弥斯女神弓(アルテミスのゆみ)』を預け


(よね)から『象鼻刀(ぞうびとう)』を受け取った。


須佐之男(すさのお)「そんなヘンテコな見掛け倒しの大刀で俺の『草薙剣(くさなぎのけん)』に(かな)うと思ったか?」


黄忠「"おとこ"同士の勝負に言葉は無用!かかってこい!!」


少しずつ間合いを詰める二人、そして須佐之男(すさのお)


草薙剣(くさなぎのけん)』を振り下ろした瞬間!


間合いを退()き、その斬撃を()けた黄忠は


胸に深手の傷を負ったが、そのまま構わずに新たな必殺技を一閃させた。


黄忠「必殺❗『象鼻暴鞭刎(ぞうびぼうべんふん)』❗❗❗❗❗」


須佐之男(すさのお)の首が宙に飛んだ。


こうして太陽の神を名乗り『八俟遠呂智(やまたのおろち)』を率いた自称須佐之男(すさのお)


倭国の民衆から月弓尊(ツクヨミノミコト)と讃えられる黄忠により討ち取られ


倭国の民衆は邪悪な権力者から解放されて自由を手に入れた。


草薙剣(くさなぎのけん)』も黄忠一行の手に渡った。


しかし、倭国にはまだ漢帝国のような巨大な統治力を持つ国が


存在しなかったので、時間が立てばまた国が乱れるのは必定であった。


そこに曹操がまた一計を案じた。


曹操「黄忠と(よね)がイチャつくばっかりで一向に"アレ"をしないから、俺が新たな倭国の救世主を仕込んでやったぜ!」


劉表「え、それってつまり………!?」


一方、首を()ねられた須佐之男(すさのお)の遺体に合掌する黄忠と(よね)


黄忠の胸に(えぐ)られた傷はまだ(うず)いていた。


黄忠「前の主が殺されたのは悲しいか…(よね)?」


(よね)「ええ、でも悪行を重ねた者は裁かれねばなりません。ありがとう…黄忠様……」


黄忠「よし!今日から君は俺と共に来い!中華圏では黄米(こうまい)と名乗りなさい!」


黄米(こうまい)「はい!こうちゅ…漢升様……」


時に漢の延熹(えんき)十年(西暦167年)二月末


黄忠漢升 二十歳での悲劇の末の後の伴侶の獲得であった。


黄忠「(よね)を何思に見せたら、何思はどんな反応をするだろう?百合の世界に引き込まれなければいいけど………」


【倭国の救世主、月弓尊・完】

今回の獲得品

草薙剣(くさなぎのけん)

今回の習得技

黄忠『立ち十連箭(じゅうれんせん)』『象鼻暴鞭刎(ぞうびぼうべんふん)

そして生涯の伴侶

黄米(こうまい)


今回も小説を読んで頂き大変ありがとうございます。

皆様の忌憚の無い、評価・いいね・ブックマーク登録・感想・イチオシレビューをお待ちしてます。

インスタグラムで『三国志美術館』を催しているので良ければ御覧下さい

https://www.instagram.com/kohata_toshihide/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ