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漢(くに)へ還る(3) 天竺での格闘大会出場

登場人物紹介

黄忠漢升(こうちゅうかんしょう) 十八歳(西暦165年時点)十二月十九日生まれ 射手座 血液型AB型

好きな食べ物 羊を使った料理全般、波斯豆(ピスタチオ)

好きな泳法 『海神泳法(ポセイドンスイミング)』(凄いスピードの立ち泳ぎ)

必殺技 『双安息射法ダブルパルティアンショット』 『海神特攻(ポセイドンチャージ)

現在は漢への帰国の途に着く

若くして『弓神』と称される弓の名手にして闘技場(コロッセオ)チャンピオン

女顔のせいで、よく女神に間違われる

装備

E 『象鼻刀(ぞうびとう)』(隕鉄製)

E 『火浣布被藤甲鎧かかんぷコーティングとうこうがい

E 『阿爾特弥斯女神弓(アルテミスのゆみ)』(兀突骨の乗っていた象の部位で製作)

E 『イージスの楯』(表が白金(プラチナ)製、裏は木製)

E 『アテナの兜』(隕鉄製)

E 『最胡の骨』

持ち物

プトレマイオス著『地理学』

スニオン岬沖の海中神殿で見つけた『ポセイドンの鉾』

ニーズヘッグの牙を加工して造った『ニーズヘッグの(まさかり)

ブリタニアの石に刺さっていた聖剣『エクスカリバー』(鞘付き)

世界樹を二度伐り倒したとされる『ユリウスの大斧』

兀突骨から貰った本『食卓の賢人たち』←NEW

貴霜(クシャーナ)で紆余曲折を経て入手した『迦膩色迦(カニシカ)舎利弗(しゃりほつ)』←NEW

フラーテス二世がデメトリウス二世、二カトルに贈った『黄金の一対の賽子(サイコロ)』←NEW

波斯絨毯(ペルシャじゅうたん)

波斯陶磁器(ペルシャとうじき)

波斯豆(ピスタチオ) 百斤(22.6㎏)』


愛馬『火浣布被保法能かかんぷカタフラクトほほうのう(牝馬の二歳馬)』

マルクス帝とルキウス帝から貰った馬で、旧人類の共通言語「ホモフォーノイ」を話す神馬(しんめ)

一日に三千百十里(約720㎞)を疲れ知らずに走る駿馬でもあり

全人類の言葉を訳せることから黄忠一行の旅の通訳にして相談役でもある


黄承彦(こうしょうげん) 二十四歳(西暦165年時点)五月三十日生まれ 双子座 血液型O型

好きな食べ物 天竺(インド)で食べたカレー

貴霜(クシャーナ)で食べたナンカレーも秘かに気に入っている

利き手 左利き

現在は黄忠達と共に漢への帰国の途に着く

自他共に認める『工神』にして黄忠の叔父(黄忠の父の弟)鍛冶、兵器、建築の

知識の吸収の為なら手段を選ばないマッドサイエンティスト

後の世の黄月英の父であり、鍛冶師蒲元(ほげん)の師匠となる

装備

E 『ヘパイストスの鎚』


華陀(旉)元化 四十六歳(西暦165年時点)二月三日生まれ 水瓶座 血液型B型

言わずと知れた後の医聖。現在は黄忠達と共に漢への帰国の途に着く

外科手術と(はり)治療の名人


張機 仲景 十六歳(西暦165年時点)十月一日生まれ 天秤座 血液型B型

華陀と同じく後に医聖と称される若き医者、華陀と一緒に漢への帰国の途に着く

血液型を発見して、それによる輸血を実現した

他にも各種の漢方薬や香辛料の調合の達人でもある

持ち物

貴霜(クシャーナ)の三智人、チャラカから貰った書きかけの医学書『チャラカ・サンヒター』←NEW

時に漢の延熹(えんき)八年(西暦165年)十月


貴霜(クシャーナ)を後にした黄忠率いる『漢、ローマ交流旅団』一行(総勢十四人)は


天竺(南インド)の王朝サータヴァーハナ朝の首都プラティシュターナ(パイタン)


に到着した。


黄承彦「うん!やっぱこの天竺の、米と合わせて食べる黄利(カリー)美味(うめ)えな!」


張仲景「この天竺では首都のプラティシュターナに到着するまでに様々な香辛料の農園や漢方に使える薬草の群青地を見てきました。ずーっと天竺(ここ)で漢方と香辛料の調合に没頭したいな~。」


華陀「ここの王は『ヴァーシティープトラ・シュリー・シャータカルニ』と言って、過去に西クシャトラパ王『ルドラダーマン』と姻戚関係を結んでいたが対立が生じ、西クシャトラパと戦って敗北したが、この時に縁戚関係から完全にサータヴァーハナ王朝を滅ぼす事はしなかったといわれる。それ以降は戦も無く静かに国を運営してると聞くが。」


黄忠「ふ~ん、俺はこの芭蕉(ばしょう)(バナナ)ってヤツが甘くて美味しくて好きだな。」


そんな他愛も無い話に黄忠一行が興じていると


向こうから雑技団らしき一団がやってきて、こう囃した。


雑技団「さあさあ、皆さんご拝聴♫いよいよ明日に迫ったシャータカルニ王主催の格闘大会が開催されるよー!出場者は格闘場の受付に回ってくんな!期限は今日の日暮れまでだ~♫優勝賞品はかの『ガネーシャの(ふんどし)』と『賢者の石』だ~♫さあさあ、誰が勝つか?格闘大会の賭博もやってるよ~!今の本命は遥か『プ・ルオ・チュン』(マレーシア)から来た戦士『バダン』が最有力だよ~♫掛札も買った買った~♫」


保法能(ほほうのう)「と言っています。」


黄忠「ここの言葉ってサンスクリット語でもなくて言葉が通じないから、お前の通訳が本当に役に立つよ保法能(ほほうのう)


黄承彦「格闘大会か~。婆羅洲(プ・ルオ・チュン)から来た『バダン』ってのは阿忠よりも強いのかな?お前も出てみるか阿忠?」


黄忠「そうだな、面白そうだから出てみるよ。バダン…どんな奴だ!?」


黄承彦「それに優勝賞品の『賢者の石』って、確か不老や錬金にも使えると聞いた事がある。何とか研究してみたいもんだな。」


黄忠は格闘場の受付に行き『徒手格闘』の登録を済ませ出場権を得た。


黄忠一行が宿への記帳を済ませて各々(おのおの)が自由時間を過ごしていた時


黄忠は華陀を相手に、とある角觝(かくてい)(すもう)の必殺技を練習していた。


黄忠「よーし!これなら格闘大会でも優勝間違いなしだ!待ってろよ、バダンとやら!」


そして次の日、シャータカルニ王が主催する格闘大会が開かれた。


観客にはインド人だけでなくローマ人、ギリシャ人、果てはどこの国の者かも


判らない人種の人々も駆けつけていた。


黄忠は徒手格闘で順調に勝利を重ね、遂に決勝まで駒を進めた。


そして噂のバダンは身長が八尺七寸(約2m)に及ぶ巨漢で


その怪力は大岩を軽々と持ち上げる程で、徒手格闘戦の前に行われた


岩投げ大会でもブッチギリで優勝する程であった。


黄忠「あんな強い巨漢が相手ならアレを使わざるをえないな。」


そして徒手格闘決勝、黄忠VSバダンの対決となった。


バダン「必ず勝って故郷に錦を飾るんだ!」


黄忠「ん?漢語?少しは喋れるようだな。」


バダン「(おとこ)なら言葉は要らねえ!拳で語ろう!」


黄忠「そうだな!行くぜー!!」


ジャーン♫


試合開始の銅鑼が鳴らされると黄忠とバダンは一気に間合いを詰め


角觝(かくてい)の体勢となった。


早速、黄忠はバダンの腰に左手を回して上手(うわて)で相手のバランスを


崩そうとした、それをバダンが踏ん張り右足に力を入れる


そのタイミングで黄忠が右手を返してバダンの巨体を転がした。


黄忠「これぞ我が格闘戦の新必殺技『仏壇返し❗❗❗』」


ジャン♫ジャン♫ジャン♫ジャン♫


判定の銅鑼が鳴る。


審判「勝者アチュー!」


場内に歓声が沸き起こる。


そして、すぐに控え席から飛び出した黄承彦が黄忠に尋ねた。


黄承彦「お前あんな技、いつ編み出したんだ?」


黄忠「カニシカの所に居た時に、そこにあった仏壇が気に入らないんでブン投げて壊した時の構えから、この技の手掛かりを得たんだよ(笑)」


そこに詰め寄るバダン。


バダン「お前、強いな。俺を転がした相手はお前が初めてだ。お前こそ真の勇者だ!」


黄忠「そういうお前も今までの相手の中ではゴットコー(兀突骨)に匹敵する程の(おとこ)だったぜ、勇者バダン!」


二人は熱い碰拳(ぽんけん)(フィスト・バンプ)を酌み交わした。


更に歓声が沸き起こる場内に主催者のシャータカルニ王が現れた。


シャータカルニ王「勇者アチュー、見事なり!お主には賞品として『ガネーシャの(ふんどし)』と『賢者の石』と象牙・犀角・タイマイ(海亀の甲羅)を贈ろうぞ!他にも望みは無いか?」


黄忠「はっ!ではこのバダンという者を我が部下に加えたいと思います。どうかご認可を」


シャータカルニ王「元々、バダンは我が配下ではないが、バダンはそれで宜しいなら、ここにサータヴァーハナ王『ヴァーシティープトラ・シュリー・シャータカルニ』の名の下にバダンはアチューの麾下に入った事をここに宣言するぞ、いいか?バダン?」


バダン「はい、俺は構いません」


シャータカルニ王「ではここにサータヴァーハナ王ヴァーシティープトラ・シュリー・シャータカルニが勇者バダンが勇者アチューの麾下に入った事を宣言する!民衆よ、この二人を称えよ!!」


ドッ!と場内に歓声が沸き起こり観衆は二人の偉大な勇者を称えた。


バダン「俺を配下に加えてくれたのは嬉しいよ、アンタとの勝負で俺もまだまだ未熟だと判ったからな。」


黄忠「俺はお前がすっかり気に入ったよ!どうか俺の副将となって旅に同行してくれ。そうだ!どうせ俺の副将になったなら漢名を付けよう!えーと、お前の好きな食べ物は?」


バダン「芭蕉(ばしょう)(バナナ)が好きだが………」


黄忠「おお!天竺(ここ)でも売ってた芭蕉(ばしょう)か!よし決めた!今日からお前の漢名は芭壇(バダン)だ!」


黄承彦「芭蕉(ばしょう)が好きで、負かした決まり手が『仏"壇"返し』だからか?お前も酷な名前を付けるな~、阿忠………」


芭壇「はは、いい名だ。俺も気に入ったよ、これからよろしく頼むぜアチュー大将殿!」


黄承彦「それにしても、この『賢者の石』って俺を含めた誰が持っても何も反応せんな?まがい物でも掴まされたか……?」


黄忠「『最胡の骨』と同じく何かしらの"念"が無いと力を発動しないんじゃないかな?根拠は無いけど、なんかそんな感じがする………」


黄承彦「不老と錬金に関係がある石と()われているから、若作りや物欲、金銭欲が強い人間じゃないと感応しないのかもな。ま、その内この石の秘密も判るだろ………」


時に漢の延熹(えんき)八年(西暦165年)十一月


黄忠漢升 十八歳の天竺での友情劇であった


黄忠「さあ、次はいよいよ故郷だ!何進も何思も劉表も安先生も元気かな?」


(くに)(かえ)る(3) 天竺での格闘大会出場・完】

今回の獲得アイテム

『ガネーシャの(ふんどし)

『賢者の石』

『象牙』 二十五斤(約5.6㎏)

『犀角』 十五斤(約3.4㎏)

『タイマイ』 二十斤(約4.5㎏)

習得必殺技

角觝(かくてい)奥義『仏壇返し』(呼び戻し)

インスタグラムで『三国志美術館』を催しているので良ければ御覧下さい

https://www.instagram.com/kohata_toshihide/

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