続・行き場のない感情
女癖の悪さだけだったら、こんなに悩まなかったのかもしれない…。
…ねえ?
如何して、あのコが他の男と仲良くしてると、怒った顔をするの?
私が他の男と接してる時は、あんな怒りをむき出しにした姿、見せた事がないのに…っ。
「はあぁ…」
苦しいよ…。
私の時にも、そーゆう嫉妬してる姿、見せろよっ!馬鹿ァっ!!!
「……如何したら、“苦しい”が消えるのかな…?」
彼と離れれば、苦しくなくなるのかな??
「でも、別れたくないよ…っ」
別れたら、其処で終わり。
彼は、こんな面倒くさい女と別れて、最初は急なお別れに落ち込むだろうが、直ぐに可愛い彼女が出来て、新しい恋に喜ぶだろう。…でも、自分から振った私は……ずっと、“苦しい”を抱え込む気がする。
「っ……そんなの、やだ…」
如何して私だけが、あんな男の為に、苦しまなきゃいけないのだろう?
苦しむなら、女癖の悪い彼の方なのではないか?
「別れるのは、復讐してからでもイイよね?」
自分以外誰も居ないのに、つい声に出して尋ねて、苦笑する。
久々に、ほんの少しだけど、自分の笑い声を聴いた気がした。
「……楽しみだなぁ…復讐」
物騒な事で喜んでる自分は異常だって解ってる。でも--久々に溜息を吐かない日が訪れる予感があって、鼻息荒く、やる気に満ちてる自分が姿を現したのだ。
普段暗い私を演じさせる元凶の彼への復讐方法を考えて喜ぶ姿は、あってもイイのではないか、と思う。ってか、あって然るべきだ!
「……ふふっ…♡楽しみだなぁ」
ねぇ?私、貴方から早く気持ちを離したいの。貴方の事を考える時間を徐々に減らして、最終的には別の事で頭をいっぱいにしたいの。
だからさ……貴方の事を忘れる為に、今迄散々振り回された分の仕返しをさせてね?
了