第十七話 肉ダンジョン
豚獣人のみんなが来てから一週間後
ブーはいつもより少し早く起きて
クイーンキラービーの「ビー」に会いに来ていた
「ごめんね!最近来れなくて」
フルフル、首を横に振るがやはり久しぶりで嬉しいのかなかなか離れようとしないビー
「フフフくすぐったいよ!」
しばし戯れあった後
いつも通り皆んなで踊った♫
「フフフ楽しかったね♫」
フルフルと首をフリ満足そうなビー
だけどそろそろ花が少なくなってきた
これじゃあ大切なハチミツが取れない
それではブーは発狂してしまう
そして考えた結果!!!
「ジャーン!」ポケットからデカい赤い魔石をだすブー
実は花が少なくなった事をイガーに話したら
エンペラーの時の赤い魔石があるから
コレを使えば花が咲くのでは?と言われたから
暖かければ花は咲く
とてもシンプルな彼らしい考えだ
「フフフ、じゃあやってみるねー」
赤い魔石を養蜂場の真ん中で発動
そして自分のスキルで色々な花の種を生成
花なら何でも良いのかよく分からなかったので
元の北海道を思い出して
@ラベンダー
@そば
@りんごの苗
を植えてみた!
成長促進に1000倍くらいに薄めたポーションの水を撒いて終了ー
ミツバチさん皆んなとビーが手伝ってくれたからすぐ終わった
念のため養蜂箱を3色に色分けした
赤、青、黄色
そしてビーとミツバチさんに
「違う花の蜜を混ぜないでね」と言ってみた
まあ、混ざっても美味しいからいんだけどね
あ、そうだ
「ねえねえ!小ちゃくなれないの?」
抱きついてくるビーに言うと考えている
「こう、、ね、、ミツバチさんくらいに」
両手でギューっと小ちゃくなるイメージを伝える
というか僕がビーを召喚してるから僕がやるのかな?
「ちょっとやってみるね」
フルフルと震えるビー
「えいっ」
ギューっと、、、ギューっと、、ギューっと
両手に魔力を込めてギューっとやると
何と言う事でしょう!!!ヒュンヒュンヒュンッと小ちゃくなってしまったではありませんか
「わおっ」これには流石にビックリしたブー
ミツバチさんみたいなサイズのビー
「フフフこれならいつも一緒にいれるね!」
フルフルと震えるビー
「あっ!でもここに居なくても大丈夫?ミツバチさん達はハチミツ採取してくれる?」
フルフルと震えるビー
どうやら大丈夫みたいだ
「ちょっと心配かな、、えいっ」
両手に魔力を込める、、すると1メートルくらいの蜂が生まれる
「フフフ!キングキラービーさんこんにちは」
フルフルと震えるキングキラービー
キングキラービーはBランクである!
クイーンキラービーみたいに子供「ミツバチ」を産めないので
もっぱらクイーンキラービーに獲物を届ける働き蜂である
いや、ミツバチさんが働き蜂ならキングキラービーは「師団長クラス」かな
こらならビーが離れても大丈夫だね!
「何かあったら教えてね」
フルフルと震えるキングキラービー
「じゃあ村へ戻ろうか?ダンジョンの詮索に行ったミツバチからの報告だとかなり楽しいダンジョンみたいだしね!」
フルフル
「さあ、好きな所に乗って?ビー」
最初は肩に留まったビーだったがブーの胸ポケットにすっぽりハマった
「そこでいいの?」
フルフル
いいらしい
「さあ、じゃあビーと僕が一緒の時しか出来ないアレやるよ」
フルフル
「ケモフィ村のミツバチさんとこへ、、移動」
シュンッといなくなるブーとビー
すると、、、ケモフィ村の自宅のミツバチさんの所へ瞬間移動
「フフフ、、久しぶりにやったね!これならすぐ移動出来るから楽だ!ありがとうビー」
胸ポケットのビーの頭をスリスリと撫でるとフルフルと喜ぶビー
「さあ朝食の準備とダンジョンの報告しないとね」
朝食はデカい鍋に切った野菜、残ってるお肉、穀物を色々入れて煮たお味噌汁にした
所謂豚汁、けんちん汁みたいな具沢山のやつ
みんな残さず食べ終わり、、
というか残ってると豚獣人の皆んなが残したら失礼だと言いながら全部食べてくれる
その後村長からダンジョンの話をしてもらった
「えーみんな聞いてほしい!
秋に収穫した野菜、貯蔵してたお肉が少なくなってきたので
畑に魔石を置き、今年2度目の栽培をやってみる
それについては農家の元へイガーとブーがこの後行くのでやり方を聞いてほしい
さらに!!!建築や新たな村の開拓もあるが
ダンジョンも気になるでな
先発メンバーを発表するので
呼ばれた方はイガーとブーと一緒にダンジョンを探索して来てほしい
犬獣人よりギン、ヤマト
豚獣人よりトンゴ、トンガ
以上6名でダンジョン探索を頼む!
階層がどの位あるのか
敵はどんな敵か
ドロップ、宝箱などなど!よろしく頼む
もちろん安全第一である
残りのものは今まで通り働いてほしい
以上、解散」
早速イガーとブーの元へ4人が集まる
「あ、ちょっと農家さん達と話があるから
ノム爺の所へ行ってもらっていーい?すぐ行くから」
「「「「わかりました」」」」
「すいません農家さん達お待たせしました」
「「「「はーい」」」
犬獣人達の洞窟でやったように
土の魔石で地面を柔らかくし、赤い魔石を畑の真ん中に置く
さらにブーのスキルで生成した色んな種を農家さんに渡す
そしてウルトラポーションを渡し
約1000倍に水で薄めて、種を植えた所にかけてほしいと伝えた
「それだけでいんですか?」
「ハイ、、芽が出たら後は今まで通り育ててください!よろしくお願いします」
「分かりました。ありがとうございます
ブーさんとイガーさんにはいつもお世話になりっばなしです」
「いえ、助け合いですよ!ヒトは独りでは何も、、、できません、、」
「ウフフ、そうね」
農家さん達と話が終わったら急いでノム爺の元へ
「ブーさん、、見てください!ありがとうございます」
ノム爺の所で新たな装備を手にして喜ぶ4人
ギンにはミスリルの小刀とミスリルの胴当て
ヤマトには同じくミスリルのクナイ20本と胴当て
トンガにはミスリルの斧とミスリルシールドとミスリルの鎧
トンゴにはミスリルハンマーとミスリルの鎧
犬獣人には武器と急所を守る胴当て
豚獣人は力があるのでフルアーマーと武器
斧は片手で扱う時もあるので盾もある
「いいえ、ノム爺に聞いたら素材が有るというので
村の戦力増強は必須ですからね」
「イガーやお主にもあるでな、、ホレ」
イガーには自前の爪があるのでミスリルの胴当てだ
「ヤッホー!かっこいいぜコレ」
「ああ、持ち前のスピードが遅くならないよう必要な場所しか守ってないからな!その分気をつけるのじゃぞ」
「ブーにはミスリルの腹巻きじゃな!」
「、、、ありがとう」
本当に着けるの?それ?って顔で皆んなにじーっと見られるブー
とりあえず着けて邪魔なら外せばいいや、と思うブーであった
「「「「ノム爺さんありがとうございます」」」」
「フフフ!ダンジョン頑張ろうね!
さあ皆んな、行くよ」
スッと片手を前に出すブー
その意図を察しブーの手に各々手を重ねる
その上からもう片方の手を乗せて挟むブー
「「「「オー」」」」「移動」シュンッ
掛け声の後一瞬で景色が変わる!!!
「「「「オー、、ho?ん?えっ?」」」」
「さあ皆んな行くよーオー」
「えっ、、ちょっと待ったブー、ナニコレ?」
「えっ?我らは村に居たはずでは?ブーさん!」
「え???」「ん?」「どこ?ここ?」
「フフフ、ダンジョンだよ」
「「「「はー?」」」」
その後しばらく皆んなは驚いて動けなかったが
少し先から敵が来ると臨戦態勢を取らざるを得なかった
「来たよ!みんな!戦闘準備」
「ハイ」「分かりました」「イッシッシッシ楽しみだな」「我が先にいきます」「お任せください」
そう言って前に出る豚獣人のトンゴとトンガ
防具で守備力アップしたからタンクを任せろと名乗りを上げた
「ギンとヤマトは2列目!イガーは遊撃隊!イケそうな時やっちゃって」
「「「「ハイ」」」」
ダンジョンの奥から出てきたのは!!!
「クレイジーカウ」
クレイジーカウという牛の魔物だった
ランクはDランク!頭の角が刺さると死ぬ事もある魔物だ
だがあの角ではミスリルアーマーに傷を付けられない
トンガ「クレイジーカウなら大丈夫だ、我らで蹴散らすぞ」
トンゴ「おおよ。兄者」
一気に突っ込んでくるクレイジーカウ
そのツッコミをトンガがシールドで受け止める
ガンッ
そして横からトンゴがハンマーで頭を潰す
ゴシュッ!!
パァン!
絶命させたと同時にクレイジーカウが光に包まれて消えた!
「おお!やった」喜ぶ他の面々
すると、、ドサッと音がしたと思ったら
葉っぱに包まれたデカい物が落ちている
サイズで言うと、、、みかん箱2つ分くらいある
「ブーさん!コレは」
「それはドロップだよ!ダンジョンだと倒した敵から素材や肉、さらには宝石や鉱石など色々なドロップがあるんだ、、そしてそれは多分」
「肉だ!!!」葉っぱの中を観て叫ぶトンガ
「肉は我らには宝ですな」
「フフフ、コレはいっぱい狩りまくって
村の備蓄にしようか!
うちは今大所帯だからね!
この塊が、、、1日15セット!、、冬が4ヶ月として、、2000セット必要だね!あー大変だ」
「「「「「2000?!」」」」」
僕がそう言うと流石にビックリする4人
「フッフッフ、、それだけでいんですかい?ブーの旦那」
トンガがその位は余裕だと言う
「もっと狩れば!毎日肉三昧ですか?ブー様」トンゴもやる気だ
ええええ、、肉だからやる気出ちゃったの?豚獣人さんてば!
やる気に満ち満ちてる、、、
「フフフ、ギンとヤマトとイガーは?」
「最初は凄い量だと思いましたが!先程のように移動時間がないのならむしろコレは運がいいですね!
何しろ我らには肉が必要ですから」
ギンはやはり生真面目だ!
「是非たくさん持ち帰り、皆んなの役に立ちたいです」
ヤマトも熱くなる
「ああ、そうだな!村のみんなにうめえモン食わせてえ」
イガーも燃えてきた
「ヨシっじゃあとりあえず今日は7時間潜るよ!移動はいつでも出来るからね」
「「「「「ハイ」」」」」
「あ、あと僕らは仲間だ!互いの命がかかってる
みんな敬語はやめよう!
いざと言う時に伝えるのが間に合わなくなる
仲間を守る為なら僕に「どけー」って言ってもいいからね」
「そうだな」イガーは最初からタメ口でしょって眼をしたらあっかんべーってやってきた
「ブー様にタメ口とは、、いえ、分かりました、、、わかった」トンゴも真面目だねー
「そうですな!命がかかってる、、あい、わかった」さすがトンガ!リーダーだけある
「ブー様を、、恐れ多い、、どうする?ヤマト」
「どうするたって、、ブー様がそう仰るなら我らも」
うん、この2人はだいぶかかりそうだね
「まあ、その辺りもゆっくりやろう!
何はともあれ安全第一でね!
危険だと思ったら僕が出るからみんな安心して進んでいいから」
「「「「ありがとうございます」」」」
「言ってるそばから敬語だよソレ」
「「「「うっ!つい」」」」
「イッシッシッシ、みんな堅いな!ホラっ来たぜ」
奥からまたもやクレイジーカウが、今度は3匹来た
「トンゴ、ギン、ヤマト!1人1匹ずつだぞ」
「「「おう」」」
トンガは盾で受け止めてから斧で
トンゴはハンマーを置いて両手で受け止める
ソレを横からヤマトがミスリルクナイで仕留める
ギンはサッと横に避けて小刀で首を刎ねる
「「「ブモモー」」」ポフンッと消えた後にやはり葉っぱに包まれたお肉が3つ
これで計四つゲットである
ソレをイガーが収納に入れてく
「イガーさん、随分レアなスキルを持ってますね」
「ソレがあればたくさん持ち帰れますな」
トンガとトンゴが褒めてくれる
もう既に知ってるギンとヤマトはウンウンと頷いてる
「ああ、この収納があれば2000セットだって持ち帰れるさ!みんな頑張ろうぜ」
現在一階層目