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凸異世界ケモ獣ライフ凹  作者: バリタチ
15/59

第十五話 新たな仲間


「1.2.3.4,....5.6.7.8.」パンパンパンパン


「はいもう一度1.2.3.4.,,,5.6.7.8.」パンパンパンパン


鳴り響く声と手拍子


「ハイ休憩にします」



一夜明けて広場に集まるイガーとブー

さらにはシュッとした獣人達


何をやってるのかといえば


新たな村で1日3回ショーをやるとな!!!


もう衣装用として生地屋さんに発注もしたから後には引けない


ここに集まった猫獣人、黒ヒョウ獣人、白鳥獣人に猛特訓してる所だ



さらにゾウ獣人のメリンダには歌も教えてる


一応皆んなに「ララララララー」「ララララララー」「ララララララー」と発声練習みたいな事をやってもらった


そしたらメリンダが1番良かった気がした


なのでメリンダとなった


この世界に歌はまだないのでもはややりたい放題である


昔の記憶から引っ張り出してメロディを口だけで伝える


そこにノム爺も居てもらい

何とか楽器で演奏も出来る様になってきた


この楽器には男の子達が我も我もと参加してくれた


特に太鼓はじゃんけんで決めなくてはいけないほど大人気


それなら太鼓をもっと増やして

大太鼓を作って法被も作れば立派な太鼓集団が出来るかな、、と

どんどん増えていくのでひとまずは


ショー優先にしよう、とゴチるブーであった




最初はぎこちない


だが100回もやる頃には少しずつ形になってきた


あとは反復練習あるのみ


ダンスはやはり猫科の獣人がいいかと、声をかけた


白鳥獣人は見た目が華やかだから参加してもらった


そして、、何故かイガーもノリノリである


元々飛び跳ねるの好きだからね




ちなみに歌は僕も歌うのである!


カラオケ大好きだったからね


フフフ!学生時代の文化祭みたいだ



「ブー先生、ここの場所はもっとこう大きくやった方がいいかなー?」


「先生、音程が分からない所が」


「ブーよ、他に楽器はないかのう」


「なあなあ、もっと長く飛び跳ねたいぜ」



ちょっとみんな熱い!!!物凄い熱量だ


ホントにエンタメがなかったから、、、


ちょっと休みたいくらい!!!


仕方ない頑張ろう!言い出しっぺだからね



振り付けはさらに増やした


アルファベットを模したポーズを増やしたり

獣人らしく身体のしなやかさをアピールしたポージングを黒ヒョウさんにしてもらったり

白鳥さんの羽を拡げたり


縦に並んで手を広げたり


猫獣人とイガーのぴょんぴょん飛び跳ねるシーンも


それに合わせてリズミカルな音楽


アップテンポにして、皆んなで手拍子にすれば


観客も巻き込める



さらに歌もヒートアップさせたくて


声量を上げる魔導器具という、電気の代わりに魔石を組み込んだ機械をノム爺に頼んだ!


なんでもドワーフ王国で昔消えた文明らしい


栄えてた頃はロボットみたいな機械にドワーフが乗って移動してたってゆーから驚いた


まるで地球じゃん!と


異世界も何らかの争いとかで文明が途絶えたのかな、、、


何にせよ拡声器はほしい


僕個人的にも!イガーがたまに無視するから怒ったら「聞こえなかった」と、、


そうなのおー?


ちょっとしょんぼりした、、、




何はともあれ少しずつ形になってきてるが

いかんせん人手が足りない


早急に探さなくては





「なあ、本当にこの先に獣人がいるのか?」


「ミツバチさんが見つけたから間違いないよ」


ショーの練習をやりながらミツバチさん達に

「森全域をくまなく探して獣人を見つけて」とお願いしてたのである


すると村から走って30分位の所に集落があるみたいなのでイガーと2人で向かってる最中だ




「いた!」

「崖の下、、、犬獣人かな?」

「ホントだ!、、犬って初めて見たぜ」

「洞穴だから正確な人数が分からないね」

「ああ、、、」


「ミツバチさーん!もう少し近付いて」


集落の近くの木に飛んで行き枝に留まるミツバチさん


これなら中が見えるかな!


どれ、、ミツバチアイ発動!!!



「うーん、、やっぱり中に入らないと正確な人数は分からないや」


「仕方ない、行ってみるか?」


「うん」




「「こんにちは」」

近づいて門番?穴番?の2人に話しかけてみたイガーとブー


「誰だ?」

「えっと近くの村の者です」

「え、、近く?虎と熊が?」

「そうです、ここから30分くらいの」

「え、30分くらいじゃ村なんてないはず」


あ、そうか僕達の速さで30分だからか


「えーと2時間くらいかな?」


「、、、」

途中で変えたからか怪しまれる2人


「まあいい、同じ獣人だからな!来い!村長に会わせる」


「はい、ありがとうございます」



洞窟の中を案内してもらって驚いた


部屋がたくさんある


それに洞窟の中をくり抜いて螺旋状にして


犬獣人がいっぱいいるのだ!!


部屋の中にもいるならざっと100匹はいるんじゃなかろうか、、、



「村長ー!お客さんです」


「うむ!わしがこの村の村長ですじゃ」


「こちらが村長のジョン!こちらイガーさんとブーさんです」


「うむ!このような場所へどうされました?」


「えーと実は、、、」


獣王国ライザーの獣王より村を拡大して

新たな村を作る事、ヒト種族と貿易をして外貨を稼ぐ事を素直に話した


「なるほど獣王様より獣人への指令でしたか

それは教えてくださりありがとうございます

参加しなかったら我が犬獣人の恥になる所でございました」


「いえ、、」

あっ、こう言えば獣人従っちゃう感じなのね、、獣王すげーな!


「フフフ」


「さすれば我が村より精鋭50名、獣王様へ献上致します」


「あ、いや、志願制にしてもらっても良いですよ、、アハハ」


「何を仰います、獣王様の役に立てるなら

我々獣人は皆名乗りをあげましょうぞ!

ワシもあと20年若ければ参加したかった、、」


クゥーと本気で悔しがる村長


やっぱり獣王すげー!!!


「今呼びますじゃ、しばしこちらで待っていて下さい」


奥の部屋を案内され、お茶を貰うイガーとブー

「あっ、美味しいね」「香ばしいお茶だな」

昔飲んだほうじ茶みたいだな、美味しいと唸るブー




「皆を呼べ」「はっ」




「イガーさん、ブーさん、大変お待たせしましたじゃ

この者らが獣王様の役に立ちたいと志願した者達じゃ

此奴らの命、獣王様に預けます」



「我ら犬獣人50名、獣王様に命を捧げます」


ビシィーっと敬礼して並ぶ総勢50名の若者達


「村長、ありがとうございます!こちらは獣王様より贈り物です」


獣王様の立髪と獣王国のコイン、それと証書


「貴殿が獣王国への働き

誠見事である

今後も獣王国への献身に期待する」獣王



「オオッ!コレは、、、ワシはなブーさん、

幼い頃に獣王様を見たのじゃ

我が犬獣人は昔迫害を受けててな

その、、余り他の獣人達と比べると強くない


それで肩の狭い想いをしてたのじゃ


所がある日獣王様が来てくれてな


我ら獣人、同じ仲間に何をする

そんなに腕を奮いたければ王都で騎士団に来い

出なければ同胞への反逆とみなし切るぞ!


と、言ってくれたのじゃ!


それから全てが良くなった


あの日見たあの光景は今も瞼の奥に焼き付いておる


勇ましく、雄々しく、優しい声をしておった


神様がいるならこのお方こそ神様じゃ、と


幼心に崇拝した。


いつかこのお方の役に立ちたいと


その想いはワシは叶えられなかった


だが今この子らをもって恩返しが出来る!


何よりの贈り物ですじゃ


ありがとうございます」




「村長!この子達は戦地に行くわけではありません

無論この先絶対無いとは言えません、、

ですが今は新たな村の建築中です

そのお手伝いにお借りします。」


「お前達ぃ!必ずやブーさんとイガーさんのお役に立て

出なければこの村には一生帰って来れないと思え」


「「「「「ハッ」」」」」


ダメだこりゃ、村長の中で獣王やべーな


フフフ、、あー大変だ


「こちらがリーダーのギンですじゃ

福リーダーのヤマト

その他は適当に呼んでくだされ」


「我ら犬獣人、只今をもってブー様とイガー様に忠誠を捧げます」


「「「「捧げます」」」」


ちょっと!どこの軍隊よ


わおっかっこいいぜ!騎士団みてえだな


「ちょっと、、堅い、、いえ、、ありがとうございます」


「よろしくお願いしますじゃ」


「あっ!忘れる所だった

それだけではお土産が少ないので」


「少なくありませんぞ!!!」クワッと目を見開いて怒る村長


もーちょっと怖いから!獣王への崇拝がー


苦笑いしながら入り口の先に置いてきたハイオーク3頭を運んできたブーとイガー


ここへ来るときにすれ違い様に仕留めて持ってきたのだ


イガーの両爪で2頭


ブーの片手で一頭


村長の50名の前に重ねるとオオッと喜ばれた


「コレは、、我らが困ってたハイオークでは、のうギンよ」


「はっ!恐らくそうかと」


「ハーハッハッハ!さすが獣王様の使いですな!!


お前達必ずやこの方達の強さを見て成長せよ!」


「「「ハッ」」」


「すいません、先に申しておきます

ここにいる50名でもこのハイオーク3匹は無理ですじゃ」


「いえ、あの、、、村のお手伝いなので、、」


「必ずや強くなりますので、お願いします」


「アハハ、、、」


ちょっと熱すぎる!もはや怖い


犬獣人熱すぎて怖いよー


苦笑いしか出来なかったイガーとブーであった




結局ハイオークの解体も難しそうと言われたので

イガーと2人でパパっと解体したらちょうどお腹も減ったので一緒に作ってしまった


こんな事になるかなーと

外のミツバチさんにテリヤキソースを持ってきてもらった



ハイオークのロースてりやきソース



「みんないっぱい食べてね」


「ホラっ次から次へ出来るからどんどん食ってくれ」


洞窟の中は一気に宴会になってしまった


犬獣人の小さい男なんかウレションしてた



「美味しすぎる」「人生で1番だ」「コレでもっと強くなれるかな」「うまうま」「ワオーン」


「「「「ワオーン」」」」


洞窟で遠吠え止めてくれー!!!耳が痛い


「フフフ」


イガーは耳を押さえていた。



結局みんなでハイオーク1匹を食べてしまった


凄い食欲だね


「いや、こんなに美味しい食事は初めてじゃ

ハイオークも勿論美味しいのじゃが

このタレが素晴らしい」


「フフフ、、あと少し余ったので村長使ってくださいね!

村まで来てくれればいつでもお渡しできます

もしくは帰省する犬獣人にお土産として渡しますので」


「何とも、、ありがとうございます、、ウゥッ」


もう泣き出しちゃった村長


それに釣られて犬獣人みんな泣き出したのでイガーとブーは困った


洞窟暮らしだから森に狩りに行くしかなく

100人程を食べさせるのは本当に大変で

冬は亡くなる子もいるとか


畑がないとキツいね、それに貯蔵室に貯めて置かないと

あとは暖房かな!


「ね、イガー」


「ああ」


イガーはちょっと独りで外に出ると収納から魔石を幾つか出した

それをブーに渡し「狩りに行ってくる」と出て行った



ブーはその間魔石を村長に渡し使い方を説明した


「赤い魔石は洞窟の真ん中で発動して下さい

洞窟全体が暖かくなります


さらに入り口に毛皮などで蓋をすればもっと良いですね


あとは、、、あそこの部屋を借りていいですか?」


「ハイ、、ハイ、、どうぞ」


魔石の使い方を真剣に聞く村長、、あと部屋を借りると言うので好きなだけ使ってと言う



洞窟の部屋に入って土色の魔石を発動すると


部屋の中の地面が柔らかくなる


そこにブーの持ってた野菜の種をばら撒く


それを3部屋


50人が残るからこの位かな、と


「後はこの種を渡しておきます、今蒔いたのが収穫できたらこの種を蒔いて下さい!」


「オオッ!畑ですな」


種もミツバチさんに頼んで持ってきてもらった


植えたのは大根、キャベツ、にんじん、じゃがいも


畑にも一つずつ赤い魔石を発動させておいた


「あとは魔石が切れたら新しいのに交換して下さい

先ほど渡した魔石が無くなる前に改めて届けますので


空色の魔石は水が出ます

青いのは氷なので貯蔵室用に、、、」


「ハイ、、ハイ、、ありがとうございます!」


「只今ー」


畑の事を教えているとイガーが戻ってきた


火鶏を10匹

オークを5匹捕まえてきたようだ


「ウリャ、、」ドサっと置くイガー


「あとはこうして首を切って逆さにするんだ

血抜きって奴だな

あとは青い魔石を発動させた貯蔵室に置いとけば1ヶ月は保つ

さらに解体して塩漬けにすれば半年は保つ

冬になる前にもう少しやっとけば安心だな」


残る50人は女性やお年寄り、さらに子供が多いので

コレで足りそうかなーとは思うが

遠慮して栄養失調になられても困る



「村長、冬に俺がもう一回必ず狩りで持ってくるから

遠慮なく食べてくれ!

こんなにたくさん仲間を貸してくれる御礼だ」


「オオッありがとうございますじゃ、、、!!!アナタは、、まさか、、いや、種族か少し違うか、?、」


「???」



「イガー殿、ブー殿なんと御礼をすれば良いか

こんなにたくさんして頂けて、、こちらの方が申し訳ない思いですじよ!」


「ブー様、イガー様、我が村を助けて下さり誠にありがとうございます」


「「「「「ありがとうございます」」」」」



もうなんかみんなしゃがんで再敬礼しちゃってるよ


「やめてくれよ!俺達は仲間だろ!」


バチンとウインクするイガー


「オオッ!あのお方もそう言っておられた」


ウウウウッと泣く村長



今日何回目の感動か分からずイガーとブーは苦笑いだ




「それでは村長、このミツバチさんを置いてくので

何か困った事があれば遠慮なく言って下さいね!」


そう言ってミツバチさんを100匹ほど預けるブー


ちっちゃいけど弱い魔物なら倒してくれるし


物も運べるからいなくなった犬獣人の代わりに働いてくれる


「何とも、、神様みたいなお2人ですな!

貴方達がいれば獣王国は永遠に安泰です」そう言いながらアーハッハッハと笑い出す村長




「フフフ、神様だって」


「照れちまうな」


「それではみなさん、また」


「おっちゃん、元気でいてくれよ!みんなばいばーい」



イガーとブーが別れの挨拶をすると手を振り見送ってくれた


「さて、、行こうか」


「ああ、どうする?みんなに合わせると時間かかるぜ?」


「フフフ、時間短縮しちゃおっか」


「、、おい、、、まさか、、、」


頭の上からブブブブッと羽音が聞こえたと思ったら身体を持ち上げられた


後ろの犬獣人50名はパニックだ


「みんなー大丈夫だからじっとしてろー」


「はっ」「わかりました」「仰せのままに」


ブブブブッと上空に飛ぶとまた落とされた


そして木々が拾ってくれて


そのままポヨンポヨンと飛ばされてくみんな



まるでピンボールみたいに、、ポヨンポヨン、、ポヨンポヨンッと



「もー何でもアリだなこのスキル」


「フフフ!面白いねー」




「あのお二人は神の使いか?ヤマト」


「分からない!だけど異次元過ぎる!こんなスキルは見た事も聞いた事もない」


「ああ、俺たちはツイてるな」


「ああ、あの村にいたら一生強くなれなかったかもしれない」


「頑張ろうな」


「ああ、ギン!お前を追い抜いて俺がリーダーになってやる」


「ふっ」





犬獣人はみな歳の頃20代


この後新たな村の発展に大いに役立つメンバーであった


そしてギンとヤマトはメキメキと実力をあげるのである




だがそれはもう少し先の話






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