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凸異世界ケモ獣ライフ凹  作者: バリタチ
13/59

第十三話 またね


「ヒャッホー」


「わーい」


ただ今上空400メートル


イガーとブーは見送りも兼ねて空を飛びながら

バイバーイ、と手を振る


それを馬車から顔を出して

白い虎獣人の女性と女の子がバイバーイと同じく手を振る


え?このまま王都まで付いてくの?とイガーは一瞬思ったが


「そろそろいっか」とブーが言うので安心した


最後は大きな声で


「またねー」と叫びつつ盛大に手を振るイガー


「まったねー」女の子が精一杯叫んで手を振っていた


「フフフ可愛いねー。」ブーは満足そうだ





、、、4時間前、、、


皆んなでオークジェネラルの牛丼と豚汁を食べていた


「ナニコレうまっ」

「ちょーやばい」

「今までで一番好きかも」

「両方おかわり」

「豚汁ってやつもめっちゃ美味い」

「お土産にちょっとほしい」

「ヌオオオオッー、もうワシは王都に帰らんよー」

「死ぬーーー」

「玉ねぎがこんなに美味しく感じるなんて!」

「白い米ってやつも甘くて美味いな!」

「ああ、もちもちして食感もいい」

「死ぬー」パタン



うん。そろそろ慣れてきたよね!


美味しい、美味しいと絶賛され

皆んな朝からニ杯、三杯とおかわりするので


初めて炊いたお米は無くなってしまった


110人分のご飯


もちろんノム爺に釜を作って貰ったのだ


四升炊きの釜を10個


一気に炊く様は圧巻だった


王都から一緒に来ていた胸毛ボーボーのドワーフのサムさんは感激の余り「帰ったら絶対に加工屋に頼む」と鼻息を荒くしてた



牛丼の具の方はイガーとブーが一緒に朝から頑張って作ってたが

途中から村人みんなで作った



牛丼も豚汁もめっちゃデカい鉄鍋にどんどん切った具材を投げ入れて煮てくのは面白かった




「はあー食った、、ゲフッ」

「アナタ、お下品よ」

「パパゲップ汚い」

「そうか、すまん、、ガーハッハッハッ」



「オマエあたしの紅生姜ってやつ盗ったな

最後にアレでさっぱり絞めようと思ったのに、殺す」


「ふんっ!貴様こそワシのバターを盗んだろが、豚汁に後で入れようと思ったのに」


「コラっお前たちやめないか」


またまた猫獣人の冒険者♀とドワーフのサム♂が喧嘩していたので狼獣人のアレフが止めに入る



猫獣人のメリアなんてサムの胸毛をムンズと掴みちぎってた


何でこの2人はこんなに喧嘩をするのか、、


狼獣人のアレフはゴチる




ところが、、イガーは見逃さなかった


猫獣人のメリアがちぎった胸毛の一部をポケットに仕舞ってたのだ


嫌いな人の毛をポケットにしまう事はない


ははーん、、!




「さて、諸君あともう少しでこの村を出る

大変お世話になった村へ、お返しがあるのではないか?」


「ありますぜー旦那」


胸毛を抜かれ「イテテテ」と涙目になっていたサムが

馬車を手招きすると


門番のロームが馬車に乗ってきた


「村長、村のみなさん!ぜひもらってください」


馬車の荷台を村人に見えるよう位置を調整すると


見えてきたのは、、、



「オォー!」


「やった」


「欲しかった奴だ」


村人が叫ぶ


それもそのはず!夏頃村長に必要な物はないか、と聞かれた村人達がアレもコレもと頼んでいた

農具や家畜の世話に必要な物資


さらには家を建てる時の木や

畑に植える種

生活に必要な井戸の予備パーツ


そしてブーが頼んだ物も入っていた


「サトウキビ、ブドウ、デーツ、楓の苗」だ




コレで黒糖が作れる


精製した白い砂糖ではないが


黒糖があればデザートが作れる


甘味はハチミツ以外ではこの世界初だ!!



王都にいる頃に自分が植えてたが

すっかり忘れてたのだ


久しぶりに思い出して連絡したら

変な硬い木がたくさん生えてると、

ソレを等間隔に残して、残り全部持ってきてー


と頼んでいたのだ


さらに、ブドウからはワイン


デーツという実からはとんかつソース


楓の木からはメープルシロップだ!



ここには米もさつまいももあるから

やろうと思えば日本酒、焼酎も作れる


さらにはサトウキビからラム酒も!



ちょっとやり過ぎたかな、と独りゴチる熊獣人のブーだったが

まあいいやと開き直っていた



みなそれぞれ自分が頼んだ物を貰えてホクホク顔である


一度貰った物を家に持ち帰ろうという事になり

その場を離れる




「えっと、、イガーくん、、君にもプレゼントがあるのだ」


「俺に?もうふんどしって奴をもらったぜ?」


ニヤっと笑うイガー


「まあ、それもそうなんだがな、それだけだと物足りないだろ


指輪だ!


王都の加工屋に頼んで作ってもらったんだ!


獣王神ライガー様のデザインだ!


本来なら王都の騎士団しか貰えない物なんだけどね


この村を支えてる君ならと王様に許可を貰ったのさ


コレさえあれば君も獣王国の騎士団の一員だ!」


「ええー!そんなの俺なんかが貰っちゃっていいのか?」


「ああ、Aランクをソロ討伐してる!君は国の宝だ」


「ヒャッホー!」


盛大に飛び跳ねるイガー


10メートル位飛んだんじゃなかろうか

 

「ガーハッハッハッ!どれ、ワシも」


ビシュンッとイガーの遥か上まで飛ぶ獅子獣人


「なっ!」


「ガーハッハッハッ、、まだまだだなイガーくん」


「何を!次は本気でやってやる」


グググッ、、ドンッ


あーやっぱり届かないか、、


クソっ!このおっちゃんすげ〜な


「私に勝てないと騎士団長には絶対敵わないぞ」


「なにっ!」


得意のジャンプで負けた上に、さらにもっと強いのがいると聞いてイガーは驚いた!


そして笑った


「イッシッシッシ!それじゃあ、みんな追い抜いてやるぜ」


「ああ、その意気だ!あっ!ちなみにその指輪には

付加効果があってな、、素早さup小かな?!まあ

効果は自分で体感してくれ」


「わかった!それっ」


イキナリ外に走って行くイガー


「フッ、まだまだ子供だな、、」


それを優しく見守る獅子獣人


「アナタ!アレはまさか、、」


「ああ、コレでいいんだ」


「そうね」そう言いながらうるうるする獅子獣人の奥様だった




空になった荷台にはこの村の特産品


とうもろこしや小麦、米にミルク


あとメインのデカい魚を20匹!勿論青い魔石と一緒に


さらにブーが隠し持ってた醤油、味噌


あと獅子獣人にはこっそりハチミツ「ウルトラポーション」を何本か渡していた



「コレで万が一の時は命拾い出来そうだ!」


「必要ならいつでも言ってください。」


「ああ、だが余り使うと話が拡がるからな!」


「ええ、ソコは気をつけてください」


「うむ!色々とありがとうな、、村長も!


あの子を頼む」


「はっ!必ずや立派な跡継ぎに育てます」


「、、うむ」


「それと村の更なる開拓もな」


「ハイ」


「それでは村人のみなさん、身体に気をつけて

今後ともよろしくお願いします」


「「「「「「ハイっ」」」」」



「あっ!万が一があると困るのでミツバチを1人1人に付けておきますね」


「ああ、この子がいればお前がすぐ来れるもんな」


「ええ」


ブブブブプーんと皆んなの肩に乗るミツバチ


「やだ、可愛い」


「ヌオオオオッーワシは虫は苦手じゃ」


「うるっせーな弱虫!ホラオマエには既に虫がついてんだろ」


「なんじゃと!ワシは虫ではないわ」


「ホントに困ったら、、助けてやるからよ」


「ほえっ?」




もー何なのこの2人


イキナリツンデレとかやめてほしい。


何となくわかってきたブーは独りゴチる




「では、達者でな」




馬車が走っていくのを皆んなで眺めていると


その後に猛ダッシュで帰ってきたイガー


「ブー、俺見送り忘れてた、どうしようもう行っちゃった?」


「フフフ、、じゃあ追いかける?」


「ああ」




「何だよコレ!浮いてんじゃん!すげーミツバチ」


「フフフ、ミツバチさんはねー!力持ちだからね」



1匹1匹は掌サイズだが


それが何匹も集まると物凄い力となる


ブーを持ち上げてるのはミツバチから垂れた紐


その紐を両手で持つ


紐の先には数100匹はいるのではないかと思うほどの大群


そしてイガーの上には60匹位



「ブーって重いんだな、、」


「は?ぶっとばすよ」


「イッシッシッシ」


「フフフ」




そして冒頭のシーンに戻るのである



「またねー」


「まったねー」



「行っちゃったね」


「ああ、、それでコレはどうやって降りるんだ?」


「フフフ、そんなの簡単だよ!ミツバチさーん

手を離していいよー」


「えっ?うわわわあああー」



一気に落っこちる2人


ヒュウううう!!


ドシーンって地面に落ちるのかと思いきや


木々が網のように枝と葉を張り巡らせ


ポフンッと柔らかく着地した




「フフフ」


「なんだ!コレ!」


ブーは笑ってるが

驚くイガー


それもそのはずイガーはブーの森之王というスキルを知らない


「あー楽しかったね」


「えっ!」


そのままゆっくり地面に届けてくれる木々


「なんじゃこりゃ」


「フフフ」


「えっ!今の説明なし?」


「うん、、フフフ」


「マジかよ!」


やっぱりコイツは相当やばい奴だとイガーは改めて思った!


一緒にいると俺まで変な奴になりそう、、


だけど楽しいのも事実


「まいったな」


「フフフ、、あ、そうだイガー、、帰ったらデザート作ろうか?」


「なに?デジャート?何だそれは、また美味いもんか」


「さあーね、、、先帰っちゃお」


「待てー」




あーあ、ゆっくり2人で帰ればいいのに


イガーもだけど、ブーも奥手だよね


こんなんじゃいつまで経っても仲良くなれないよ







現、獣王からの贈り物


獣王、もしくは後継者のみ装備出来る「獣王の指輪」


効果、素早さ10%UP


獣化中、攻撃力が2倍!!!!獣王神からの贈り物


一度だけHP1で生き残る!!!!白の一族からの贈り物




レア度星⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎7







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