はきだめ
物書きになろうと思った。文学はいい、愚痴にすれば嫌がられるが芸術にしてしまえば美しい。
物書きになろうと思った。調べるに、賞をとるのが手っ取り早い。ありきたりな話じゃないのがいいらしい。今の時代、いいのもを書ける人間などどこにでもいる、珍しいのがいいらしい。
物書きはやめようと思った。その程度の気持だったといわれればそこまでだが売れるための話など書く気はなかった。やりたかったのはコンサルではなく芸術だった。そんなわがままを言ってたんじゃ物書きにはなれないのだろう。
元来書くのはうまくなかった。ただ、頭の中はいつも思考の嵐だった。こんなにも考えているのに書いてしまえばくだらない言葉が3行並ぶにすぎない。所詮凡人の戯言だ。ああくだらないこんなんだからもとから物書きなど目指すものじゃないんだと、裏紙につぶやいて屑籠に投げてははずした。