大魔王!
俺はオトコだと知った上で、でも、見た目は超絶美少女だからオッケー。
なんていうラーフィアちゃんのちょっと、イヤかなりズレた思考は置いといて!
とりあえずっ!
吹きっさらしのコヒカリ君と股間の双子を何とかしなければっ!
さっきからずっとスースーするからねっ。
風邪ひいちゃいますよタマタマがっ。
両手は封じられてるから遠隔操作出来るスキルでもあれば!
んっ……?
遠隔操作っ?
はっ!俺!そのスキル持ってるっ!
その名も!
魔法剣術師!
ポンコツな俺が唯一誇れるカッコいいスキル!
手を使わずに刀剣を操れちゃうスーパースキル!
あんまり使ったコト無いし、自前の武器も持ってないけど!
だがしかし!
ラーフィアちゃんの左右の肩にふわふわプカプカ浮いてるアレを!
あの浮遊刀を奪っちゃったり出来ちゃったりすればっ!
まだ助かる見込みはあるかもしれない!
やったことないから出来るかわかんないけどやってみるですよ!
三人はまだワイワイきゃいきゃいとカシマシトークの真っ最中!
油断大敵ですよラーフィアちゃん!
集中っ!集中ですよー!
すうっと息を吸い込んでっ。
「来いっ!白月!黒月!」
「え!?まさかっヒカリちゃんっ!?浮遊刀を略奪出来るのっ!?」
「なっ!?ちんちくりんのクセにっ!」
虚を衝かれて驚愕のラーフィアちゃんとレイルさん!
ええそうでしょう、そうでしょうともっ!
動けないからと侮るなかれですよお二方っ!
レイルさんの『ちんちくりん』は余計だと思いますけどねっ!
なぜかフェイリアちゃんだけは『んー?』ってな反応ですがっ。
さあ来るのだ白月と黒月よっ!
今こそ魔法剣術師の恐ろしさを見せつける時ですよー!
だがしかし!
しーん。
白月さんと黒月さんは、ラーフィアちゃんの左右の肩にふわふわ浮いたままピクリともしませんよっ!
くあっ!ダメかっ!
「今のは何ですかぁヒカリさまぁ?ウケちゃいますよぉ?クスクスぅ♡」
ぬおお、俺の作戦ダダすべりっ!
フェイリアちゃんが尻尾をにょろにょろ振って喜んじゃってますよっ。
「なかなか驚かせてくれるな、ちんちくりんっ。ちょっとだけ驚いたぞ。ちょっとだけだからなっ」
「浮遊刀は鞘ごと主の元にいないと扱えないんだよ、ヒカリちゃん。でも私もびっくりしちゃったよー」
「ヒカリさまはホントにカワイイですねぇ♡パクッと食べちゃいたいですよぉ♪」
フェイリアちゃんたら、なんだかえっちな手付きですよ!
一体ナニをパクッと食べる気デスカネっ?
「ウフフぅ♡ヒカリさまってオチャメさんなんですねぇ♪」
尻尾鞭のハート型の先っちょで俺の胸をツンツンするフェイリアちゃんっ!
的確にチクビを突っついちゃってマスヨっ!
「ちょっ!あっ!先っちょにゃっ!」
「フェイリアっ!私のヒカリちゃんで遊ばないでよっ!」
「ラーフィア様もつっついてみますぅ?ピクピクしちゃってカワイイですよぉ♪」
「え、そうなの?じゃあ、わたしもー♪
じゃないわよフェイリアっ!私のヒカリちゃんで遊ぶなっつってるでしょーがっ!」
またしても華麗なノリツッコミをみせるラーフィアちゃん!
ぶら下げられたままの俺は、モジモジくねくねしながら耐えるしかないですよー!
と!その時ですよ!
ぷしゅううっ!
何の前触れも無く、突然いきなり唐突に!ぶわわああっ!と黒い煙のエフェクト!
全然ケムたくないから、噎せることも無い環境に優しいスモークエフェクトが!
でも当然、視界はゼロですよ!
「え!?なにっ?なんなのっ?」
「ラーフィア様っ!こちらに退避をっ!」
ラーフィアちゃん達も驚いてます!
あっ!モクモク煙の中に人影がっ!?
女子三人がカシマシトーク中の魔王の大広間に何者かがやって来た!
「こらオマエ達」
ごすっ!
「あいたっ!」
ごすっ!
「いたいっ」
ごちっ!
「あふぅんっ♡」
煙が晴れた広間に現れたのは、全身黒ずくめのおじいちゃん!
三人とも突然現れた謎の黒いおじいちゃんにグーで脳天殴られた!
ラーフィアちゃんとレイルさんはフツーに痛がる声だけど、フェイリアちゃんだけなんだかオカシナ声ですよ!
「だっ!だっ!大魔王様っ!?ナゼここにっ!?」
なぬっ!
なななななんとっ!
大魔王っ!?
魔王の更なる上位の存在!
えー!?なんでこんなトコに現れたんだっ!?
ラーフィアちゃんを上回る真のラスボス登場ですよー!
ゲームで言うトコロの裏ボス的なアレですよ!
ラスボス倒したと思いきや、ホントはもっと強いのが後ろにいるってアレですよー!
俺の場合、まだボスも倒してないんですけどねっ。
でも、なーんかどっかで見たことあるような顔立ちのおじいちゃんだなー……って!
あ!
神様っ!
神様店長にソックリ!神様店長は白髪に白ひげだけど、大魔王サマは黒髪に黒ひげ!
白を黒にしただけで神様店長が大魔王サマに早変わり!
そのせいもあってか『ラスボス感』が薄いですよっ!
「まったく、お前達は三人集まるとワイワイ女子会おっ始めるからイカンわい」
おっしゃる通りですよ、大魔王サマっ。
俺なんて下半身丸出しで放置ですからねっ。
カシマシ三人娘をちょっと懲らしめてやってクダサイよっ。
「そこにぶら下げられとるカワイコちゃんは……勇者かな?」
「えっ?はっ!初めましてっ!新人勇者のコウダヒカリと申しマスっ」
ゴスロリメイド服なのに何で勇者ってバレたんだっ?
でもまあ、とりあえず挨拶はしとかないとね!動けないけどっ。
妄想勇者なんて言いたくないから言いませんよっ。
「妄想勇者のヒカリちゃんじゃないかい?ほうほう。実物はやっぱりカワイイのう」
なぬっ!
妄想勇者ってなんで知ってるんですか大魔王サマっ。
勇者側の情報って魔王側に伝わってるってコトですかっ。
「一人で魔王に挑むとは、なかなか大したタマじゃのう。でも、ホントのタマタマは大したコト無いみたいじゃがのう。ほっほっほっ」
こらっ!セクハラ大魔王っ!
初対面でいきなりナニをぶっこんでくるんじゃいっ!
女子三人の前で大したコト無いとか言わないで頂けマスカネっ!
「ヒカリちゃんのコトは神のヤツから聞いて知っておったんじゃよ」
「えっ!?神、って?」
「神のヤツとは双子なんじゃよ、ワシ。あやつ、今はファミレスの店長やっとるじゃろ?ヒカリちゃんはそこでバイトしとるよね」
双子!?なんと神様店長と大魔王がご兄弟っ!
どーなってるんですかね、この世界の神と大魔王はっ!
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