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勇者事務所にて


 やって来ました勇者事務所!


 そう!勇者事務所です!

 勇者事務所で登録手続きですよ。

 ポンコツザコレベルな俺でも勇者登録出来ちゃうのです!特別クエストで少しはランクアップしたハズだから、もうザコレベルじゃ無いかも?


 いよいよ!

 いよいよですよ!

 男ののこの俺がいよいよ勇者にっ!


 ムフー!ドキドキですよ!


 ワクワクしながらドアを開け中に入ると!


『いらっしゃいませ。整理券をお取りになってしばらくお待ち下さい』


 なんか銀行みたいだな。

 どんな仕組みなのかわかんないけど、使い古された四角い木箱からペッと出て来た整理番号は『1』!

 幸先イイようなカンジじゃないですか!

 ムハー!


 にしても。


 事務所の中は静かなものですよ。

 勇者事務所ってこんなもんなのかな?事務所の職員以外には俺しかいないんですけど。

 めっちゃヒマそうですよ。


「整理番号1番の方、どうぞー」


 おっと!呼ばれた!呼ばれちゃいましたよ男の!いよいよ勇者への道がっ!

 ココから始まる!ってなもんですよー!


「まず、こちらの書類に必要事項を記入して頂けますか?」


 ゆるふわパーマのお姉さんから手渡された書類には、現住所とか名前とか簡単な項目しかない。

 勇者登録って、こんなんでいいのかっ?


 必要事項をサラサラと記入中、職員のお姉さんがじーっと俺の顔を見てますよ。

 なんで?俺の美少女っぷりに見とれてるのかなっ?

 ぐるぐるメガネかけててもわかるヒトにはわかるのかなっ?

 ちょっと自意識過剰かなっ?


「失礼ですけどー。キミ、ホントに勇者になりたいの?」


 おおう、当然の質問ですよ!


「あの……どうしてそう思ったんですか?」


「いやー、キミ、ちっこくて可愛いからさー。ホラ、ヒトには向き不向きってあるじゃない?キミみたいなコは事務向きかなーって」


 職員のお姉さん、なんかいきなり砕けた話し方に変わりましたよ?

 よし、ココはひとつ!カッコいい言葉をぶっこんでみようじゃないですか!


「ヒトを外見で判断してはいけないんですよ、お姉さん!」


「あ。私、男だから」


 なぬっ!?そうなのっ!?

 全然そうは見えないんですけどっ!


「ウソだけど」


 ウソかいっ!初対面の男のにいきなり何をぶっこんでくるんじゃいっ!

 一瞬信じちゃったでしょっ!


 記入した申請書を手渡すと、性別欄の『男』にマルをつけたのを見たお姉さんはちょっと驚いた顔をしてますよ。


「へーえ。キミ、男なんだー。あ、男のか。男のの勇者って初めてかも♪」


 まあそうでしょうねー。

 俺みたいなちっこいの自体珍しいんじゃないですかねっ?


「最近さー、ラーフィア=リンデルってコが魔王になったでしょ?したら、勇者登録するヒトがめちゃめちゃ減っちゃったのよねー。特に男!だらしないわよねえ」


 そりゃあね!小指サイズ化されたくないですからね!

 ラーフィアちゃんは快進撃しちゃってますからね!


「魔王ラーフィアと戦うなんてなかなか根性あるじゃん男の!もしキミが魔王倒したらデートしようよ!キミ、カワイイしさ♡」


 なんか馴れ馴れしいですよお姉さん!でもキライじゃないですよ!


「まあ無理だろうけどねー!あははー!」


 おいっお姉さんっ!勇者事務所の職員がそんなコト言っちゃダメでしょっ!

 

「じゃあ、コレ読み取りするねー♪ 書類審査も兼ねてて、ここで通らない場合もあるからその時は出直してくーださいっ♪」


 俺がおとなしいのをイイ事になんか軽いよ、お姉さんっ。

 手渡した書類をお姉さんが木製の四角い箱に入れると、なんとっ!

 書類をむしゃむしゃと食べ出したっ!

 なんだか面白いアイテムですよ!


「このコなんでも食べるから気をつけてねー」


 へー。生きてるのかコレ。


「この前、書類と一緒に指先かじられちゃってさー」


 なぬっ!人喰い木箱的なアレなのかっ?

 それってモンスターじゃないんですかねっ?


「ウソだけど」


 ウソかいっ!さっきもそうだったけど初対面の男のにいきなり何をぶっこんでくるんじゃいっ。

 ちょっと信じちゃったでしょっ!

 て言うか、こういう場所の職員さんがウソついちゃダメだろっ!


 木箱が書類を食べてから1分ほど経過して。

 

 モグモグ、ぺっ。


 と、木箱から吐き出されたのは!

 おおっ!勇者登録カード!書類審査は無事通過ってコトですよ!

 なんかぬるっとした粘液がついてるけど、まあ、いーです!前世では原付免許も取れなかったから人生初の登録証!

 なんかウレシイ!テンション上がりますよー!


 勇者♪ 勇者だ♪ 勇者ですっ♪

 この瞬間から!俺の武勇伝が始まるかもしれなかったりしなかったり!

 ニャハハー!


「あ、コレ、仮カードだから」


 仮カードかいっ!

 俺の上がったテンション、ダダスベりっ!

 なんかこっぱずかしいですよー!


「仮登録はこれで終わりだけど、これから勇者活動するんだから名刺も作らないとね。自分のアピールポイントをね、一言だけでいいから添えるといいよ。肩書きみたいなものよ」


「肩書き、ですか?」


「いろいろあるでしょ?なんとかの勇者って肩書き。アレだよ♪」


 なんとかの勇者かー。なるほど、確かに色々あるからね。

 灼眼しゃくがんの勇者とか、隻眼せきがんの勇者とか、竜眼りゅうがんの勇者とか!

 例えが眼ばっかりなのは俺のボキャブラリーが低いからですよ!


「これからの時代、勇者だって自分を売り込まないと生き残っていけないからねー。自分のアピールポイントを持つのは大事だよー?名刺はマストアイテムの一つだし」


 何て言うか、なんですかね、この就職活動感はっ。

 勇者ってもっとこう、輝いてて『みんなの憧れ』的なカンジじゃないんですかねっ。

 


「キミのデータを入力すると最適な肩書きを出してくれるのよ。スゴいでしょー。はい、これに記入してね♪」


 手渡された書類には『好きなもの』『嫌いなもの』『良く見る夢』『好きな異性のタイプ』『相手に求める年収』『理想の家族構成』などなど。


 なんじゃいコレ。

 結婚相談所みたいな質問項目ですよっ。わかんないけどっ。

 まあ書きますがねっ。


 サラサラと必要事項を記入してお姉さんに手渡すと、ペチペチと木製のキーボードで俺のデータを入力するお姉さん。

 さすが職員さん、入力速度はめっちゃ速いですよ!

 あっという間に入力完了です。


「ハイ完了♪ っと。さっきの仮カード渡してくーださいっ♪」


 うーん、軽いよお姉さん。マイペースなヒトだなー。こういうヒトを彼女とか奥さんにすると振り回されて大変なのでは?とか思っちゃいますよっ。

 仮カードを手渡し、さっきの木箱に食べさせて待つ事1分。


 モグモグ、ぺっ。

 

 にゅるっと出ました!俺の勇者としての肩書きはっ!どどん!


『妄想勇者』


 なんじゃいコレ。

 カッコわる!妄想って!なんかヘンタイっぽくないかっ?


◇ 面白かったよ!

◇ 続きが気になるよ!


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