それ、今言うの!?
「なんだアレ。おもしれえな、アイツ」
黒竜王登場の一部始終を控え室のモニターで見てたフィルフィーがポツリと呟いた。
特設ステージはボクシングとかプロレスに使うようなリングをでっかくしたヤツです。
ライトアップとかレーザーとか使われててめっちゃきらびやかですよ!
なんかBGMまで流れてるし。
けっこうお金かかってるっぽい?
そのステージにド派手にカッコいい演出で登場したかと思いきや!
ド派手にカッコ悪くえづいちゃったよ黒竜王!
いまだに『ぐぇっほっヴえほっ!』ってむせこんじゃってますよー!
ダイジョブかな?演出用スモークってそんなにむせるモンなの?
控え室にはフィルフィーと俺の他に、ラーフィアちゃんとペリメール様。
ラーフィアちゃんは俺の激励を兼ねて浮遊刀を貸しに来てくれてるのですよ!
そうです!
浮遊刀借りなきゃね!勝てっこ無いですからねっ!
フィルフィーとペリメール様はこの後、俺のセコンドにつく予定ですよ!
「黒竜王ってもっとジジイなのかと思ってたけど、けっこうなイケメンじゃん?」
「へーえ?ふーん?フィルフィーってあんなのがイイんだー?じゃあ、付き合っちゃえば?おっぱい丸出しで」
オパイ丸出しっ!?
ナゼにフィルフィーには挑発的な態度なんですかねラーフィアちゃんっ?
まあ、わからなくもナイですがっ。
「ナニ言ってやがんでいっ!あたしのココロとカラダは幼稚園の時にホレた銀髪君のもんだからなっ!あんなのガンチューないっつーの!」
「ここここここココロとっ!?かかかかかかカラダをっ!?」
だから動揺しすぎですよペリメール様っ!
「あん?なんでペリ子がワタワタしてんだ?」
と、フィルフィーはすっとぼけですよ。でも、ホントにわかってナイんだろうなー。
天然だし。
フィルフィーのココロの中の王子様『銀髪君』はペリメール様ですよー!
俺とラーフィアちゃんは思わず顔を見合わせちゃいましたよっ。
「面白いから黙っておこうね、ヒカリちゃんっ」
「それもそうだねっ」
俺もそれには激しく同意ですよラーフィアちゃん!
今後、二人の女神がどうなっちゃうのか楽しみです!
「ヒカっヒカリ様っ。黒竜王との戦いには、この衣装をお召し上がり下さいませっ、ですわんっ」
と、ペリメール様がパチン!と指先を鳴らして、何も無い空間からフワッと衣装を出現させた!
やってるコトはスゴいけど、動揺を隠しきれてませんよペリメール様。
わん、って言っちゃいましたよ?
あと、お召し上がりの使い方が違いやしませんかね?
「じゃじゃん!ですわっ!私、ペリメール=アコルディオーネのっ。渾身の手作り衣装なのですわっ」
おおっ!手作りっ!
ペリメール様が俺に手渡してくれた衣装、それはっ!
ゴスロリメイド服!
またしてもゴスロリメイド服っ!フィルフィーが最初に俺に着せたのと似てるけどビミョーに違う!
フリフリひらひらのアイドル衣装っぽいですよ!これから戦うのに、こんなんでダイジョブなのっ!?
せっかくペリメール様が作ってくださったからにはね!着ますけれどもね!
「ヒカリ様っ、お手伝いいたしますわっ、ですわっ」
「ヒカっ、ヒカリちゃんのナマ着替えっ!私も手伝いたいっ!」
「だっ!ダイジョブだからっ!一人で着替えますからっ!」
ペリメール様とラーフィアちゃんのお手伝い申請は丁重にお断りですよ!
さすがに恥ずかしいからね!
あと、ラーフィアちゃんのはフツーに身のキケンを感じますよ!
で、しばしのお着替えタイムです。
男の娘のこの俺がっ!女の子の衣装にお着替え中……なんかね、もうね、こ慣れたモノですよ!
しょうがないなあ、もう。
なんて思いつつ。
お?首のフリルリボンがカワイイなー。
おおっ!オパイのサイズにぴったりのトップス!
フレアタイプのスカートだけど、思ったより動きやすい!
おパンツはガーターベルトを着けてから穿きますよ、と。
白のニーハイと黒のローファーはテッパンですよね!ハイヒールじゃ無いのがイイ感じです!
はっ!
べっ!別にゴスロリメイド服に着替えるのが楽しいなんて思ってナイんだからねっ!
ややもして着替えが終わり。
みんなの前でお披露目ですよ、この世界で2着目のゴスロリメイド服!
ぐるぐるメガネは外しませんよ!俺の必須アイテムですからね!
「おーお、似合うじゃん、ヒカリぃ。いい感じのちっぱいでウエスト細いのがポイント高いっ!
あと、見えそうで見えないパンツ!ガーターベルトとフレアスカートの相性もバッチリだな!絶対領域がそそられるぜっ!やるじゃん、ペリ子っ」
「とっ、当然ですわっ!フィルフィーさんのライバルとして恥ずかしく無い衣装をお作りになってきたのですわっ」
ペリメール様はフィルフィーに褒められてめちゃめちゃ嬉しそうですが!
アイドル衣装みたいなゴスロリメイド服を着てる俺としてはめちゃめちゃ恥ずかしいですよ!?
あと、『お作りになってきた』って使い方は間違ってたりしませんかねっ?
「ヒカリちゃんっ!カワイイっ!カワイイよヒカリちゃん!さすがはお姉ちゃん!美少女センスに磨きがかかってる!美少女の美少女による美少女のための美少女にっ!」
美少女の、ってそのセリフ、確かペリメール様も言ってましたよラーフィアちゃん。
従姉妹だからですかね?ペリメール様とラーフィアちゃんの趣味は合うみたいですよ。
「ラフィーさんにそう言っていただけるとうれしいですわっ。うふふっ」
「お姉ちゃんの作る衣装に間違いナシだよっ!ヒカリちゃんのイメージにぴったり!」
ラーフィアちゃんもニコニコです。
銀髪美女と銀髪美少女の微笑みっ!
これから戦いに出るハズなんだけど、なんかアイドルのライブ前の楽屋的な雰囲気ですよー!
でもね!
いざ戦!ってカンジよりこっちの方がリラックス出来ますよ、俺的に!
「ありがとうございますっ!ペリメール様っ!この衣装とってもステキです!ボクっ、なんだか勇気が湧いてきましたっ!」
ゴスロリメイド服ver.2は、手直ししなくてイイくらいに身体にフィットしてて動きやすい!
コレならラーフィアちゃんの浮遊刀のジャマにもならなさそうですよ!
「なんだよヒカリぃ?ビビってるのかと思ってたのに、意外と背筋伸びてるなー?ビビりのチキりのヒカリのクセに♪」
ビビりのチキりのヒカリ、だとっ!?
なかなかウマいコト言うな。
イヤ違うっ!
相変わらずの無礼者ですよヤンキー女神!
でも今日の俺は一味違うのですよ!
「ふっふっふう。実はっ!ラーフィアちゃんにスゴい刀を借りるコトになったんだよっ!それがあれば!戦えなくもないような気がしないでも無いのです!ムフー!」
「ややこしい言い方だな、オイ」
と、鼻息荒い俺に珍しくフィルフィーがツッコミです。
「スゴい刀ってどんなんだよ?ヒカリが扱えるような刀なんてあるのか?イヤ、無いだろー!無いよなー!」
こらっ!ヤンキー女神っ!
バカにするのもそこまでなんだからねっ!
「私のヒカリちゃんをバカにしないでフィルフィーっ!ヒカリちゃんは、私の『白月』と『黒月』をカンタンに操っちゃったんだからっ!」
「白と黒?ああ、あの刀か」
あれっ?知ってる?あの浮遊刀のコト知ってるの?
まあヤンキーとは言え女神だし。そのくらいのコトは知ってて当然なのかもしれないなっ。
「ヒカリは魔法剣術士って言うスキル持ってるからな」
……え!?
魔法剣術士!?
ナニそれ初耳なんですけどっ!?
「あの程度の浮遊刀ならひょいひょいっと操れて当然じゃねーかなぁ?」
なぬっ!
あの程度っ!?
ひょいひょいっと、だと!?
確かに!
初めてとは思えないくらいにひょいひょいっと操れたけど!
ラーフィアちゃんもビックリしてたけど!
当の俺だってビックリしたけど!
「なっ!なんで今言うのっ!?なんでっ!?もっと早く知りたかったよ!?そんな超絶スキル持ってるなんて初耳だよ!?言われなきゃわかんなかったよっ!?」
「そりゃそうだ。今言ったんだから。だって、言うとチョーシこくだろ?」
まあ、ね!チョーシこいちゃうかもね!
魔法剣術士なんてめちゃめちゃカッコいいし!男の娘ってのがちょっとアレなような気がしないでもないですが!
「そんなスゲースキル持ってたトコロで、クロジョの生徒でいる限りカンケー無いからな。カタナ手に入れなきゃ意味ナイんだし。だろ?だから言わなかったんだよ。危ないし」
だからって言わずにいる!?それってどうなのさ!?
そういえばいつだったか『女神はウソをつけない』って言ってたようなっ。
俺には他にもまだ何か隠れた才能があるのかもっ!?
「じゃあっ、他にはっ?ボクが元々持ってるスキルってないのっ?女神はウソついちゃダメなんだよねっ?」
「あん?もうねーよ。あたしが付与してやった『お着替えガチャ』と『黒光』だけだな」
マジですかそーですか。
俺は3つもスキル持ってるってコトですか。
何が出るかわからない『お着替えガチャ』と意味不明の『黒光』に比べれば!
魔法剣術士スキルの方がよっぽど戦えるってモンですよ!
刀を貸してくれるラーフィアちゃんに感謝です!
「あとはお前がランクアップして強くなってけば、もっとスキルも増やせるぞ?」
スキルを増やせるのか!今はザコレベルの男の娘でも!強くなれるのか!
イヤちょっと待てっ!
俺はっ!この世界で男の娘として生きたいワケでは無いっ!
たとえ超絶カッコいいスキル持ってたとしても!
フィルフィーを昇格させて俺のこの姿をリセットして!
イケメン勇者でウハウハハーレム!
これが目標なんだからねっ!
◇ 面白かったよ!
◇ 続きが気になるよ!
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