vs大魔王サマ！！
フィルフィーとペリメール様の『ラブラブ茶番劇』なんかには付き合っていられません！
こちとら『勇者対大魔王の闘い』を目前にしてピリピリしてるんだからねっ！
「ルルコはポンコツになってしもうたし、フェイリアにはフラれるしで散々じゃわい。
あー、では。さっさと勇者をブチ殺して、次の魔王を探すとするかのう」
大魔王サマが、ずずいっ！ と一歩を踏み出すと、なんとっ！
ぎゅぬぬぬぬんっ！ てカンジで邪悪なオーラが倍増ですようおおー！
黒いローブが、ぶわささっ！ と広がって、でっかいコウモリみたいに見えますようおおー！
ぬおお、こえーですよ、さすが真のラスボス！ ってカンジですよー！
でも、ビビってなんかいられないっ！
勝手にルルコちゃんを魔王にして闘いの渦に巻き込んでおきながら、動けなくなった途端にポンコツ呼ばわりっ！
しかもっ！
無防備な女の子をっ！
愛しいラーフィアちゃんを、突風で吹っ飛ばすなんて許せないっ！
怒れる妄想勇者、コウダヒカリ覚醒！ ってカンジです！
ホントに覚醒してるかどうか、それはまあ、置いといてっ。
「大丈夫っ？ ラーフィアちゃんっ！ ケガは無いっ？」
「私は大丈夫だよっ！ だから頑張って、ヒカリちゃんっ！ 大魔王様を止めてっ！」
「ここが男の娘の見せドコロだぞ、ヒカちくりんっ！」
「応援してますよう、ヒカリ様ぁ♡ 闘いが終わったらぁ、いっぱいしましょうねえ♡」
カシマシ三人女神達が応援してくれてますよ、嬉しいですよー！
でも、あのですね、フェイリアちゃんっ。
終わったらいっぱいしましょうって、ナニをいっぱい『する』んですかねっ？
マッサージと言う名の、尻尾鞭でのツンツンプレイとかなんデスカネっ？
めっちゃ気になりますよー！ ニャハー！
「ヒカリ様っ！ ヒミコ様っ！ 頑張れー！ ですわあっ！」
「ルルコのコトは、まあ任せとけっ。いっちょブチかましてみせろや、勇者どもっ！」
イチャコラ茶番劇を繰り広げてたフィルフィーとペリメール様もエールを贈ってくれてますよ、もう頑張る以外の選択肢なんてナイっ！
「待っててね、ルルコちゃんっ！ お兄ちゃん頑張るからねっっ！」
「拙者も全身全霊を注ぎ、全力全開で挑むでござるよっ！ ニンッ！」
カッコいいですよ、ムラサメさんっ！
ここは俺もビシッと決めたいっ！
キッ！ とキメ顔で大魔王サマと向き合う俺ですよ！
「よーくお聞き下さいまし、大魔王サマっ！
ルルコちゃんの為にも、ボクはっっ！
ゼッタイに負けましぇんっ！」
あっ。
かっ、噛んじゃったっっ。
恥ずっ！ 恥っずっっ！ なんでこう、大事なトコロで噛んじゃうかな、もうっ！
「相変わらずのカミカミっぷりじゃのう、ヒカリちゃんよ。お別れの挨拶は済んだみたいじゃな」
ぐぬぬ、相変わらずのカミカミって、俺のナニを知ってるんじゃいっ。
お別れの挨拶なんて言っちゃってくれてるけど、みんなとお別れする気なんてさらさらナイんだからねっ！
「では、まず小手調べといこうかのー。あー、ほいっ」
大魔王サマの腕のひと振りで、びゅわあっ！ と、またもや突風がっ！
その技はもう二回見てるから、俺には効きませんよっ！
「白月！ 黒月っ！！」
ぎゅわわあっ！
ばひゅひゅんっ！
唸りをあげてプロペラ回転する魔法刀が突風を打ち消したっ！
おおっ！ やるじゃないの、俺っ！
て言うか、魔法刀サマサマですよっ！
「ほほう。魔法の刀でワシの攻撃を防ぐとは、なかなかやるのう。つい最近までザコレベルのポンコツじゃったのにのう」
褒められてるのか貶されてるのか、わかんないけど、とりあえず大魔王サマの小手調べ攻撃の防御に成功です！
もうザコレベルなんて言わせねーですよー！
「では、これはどうかなっ？」
大魔王サマが節くれだった指を前に出し、パチン！ と、指を鳴らすと、なんとっ！
「あ……っ！？ きゃああっでござるううっ！」
「えっ！？ どうしたのムラサメさんっ！？ 大丈夫っ！？」
いきなり悲鳴をあげちゃうムラサメさんですよ！
パッと見ではわからないけど、ダメージを受けたっぽい！？
胸を押さえてうずくまっちゃったっ！
しかも、お顔が真っ赤っかですよっ！
大魔王サマは指を鳴らしただけで、どんな攻撃をしたのか見えなかった！
まさか精神攻撃なのかっ！？
だとしたらどうやって防いでイイのかワカリマセンっ！
もしかしてYABEEEE状況なのかっ！？
「しっかりして、ムラサメさんっ！ どこか痛むのっ！？」
「ぶっ、ブラジャーのホックを外されたでござるっっ！」
「……えっっ！？」
「拙者のブラジャーのホックを外されちゃったのでござるようっ！」
イヤ、あの、聞こえなかったワケじゃないから二回言わなくてもいいんですけどっ！
「どうじゃ、くのいち勇者ちゃんよ。そのままじゃと、おっぱいがぷらぷらするし、先っちょは擦れるし、恥ずかしくて闘えんじゃろ。ほっほっほっ」
なっっ！
ナニをしてくれちゃってるんですかね、大魔王サマっ！
とんでもないエロジジイですよっっ！
俺の経験上、先っちょが擦れちゃうのはよろしくナイ！
ノーブラで激しい運動なんてしようものなら、痛いし起っちゃうし、気になって気になって闘いに集中できなくなってしまうっ！
ブラのホック外されるなんて、オトメにとっては一大事っ！
なんて恐ろしい攻撃なんだっっ！
「このスキル、ヒカリちゃんも欲しいじゃろ」
「えっ」
指を鳴らすだけでブラジャーのホック外せるスキルなんて、欲しいような気がしないでもないけどもっ！
なんかしょーもないスキルだし、そんなコトしてたら女の子から嫌われちゃうんじゃないのかなっ！？
「そんな卑猥で卑劣なスキルなんて、ボクは要らないですっ！」
ビシッと言っちゃう俺ですよ！
いつか自分の手で女の子のブラホックを外すのが男の夢ってヤツなのですよー！
今は男の娘だけど！
「あ、そう。それじゃあ、ヒカリちゃんのブラジャーのホックも外しちゃうぞいっ。あー、ほいっ」
なぬっ！
なんで俺がブラジャー着けてるの知ってるんですかね、大魔王サマっ！
これはヤバいっ！ 防ぎようがナイっ！
なんせ先っちょが擦れると、痛いし起っちゃうし！
スポブラにしとけば良かったなー、なんて思ってる場合じゃナイですよー！
大魔王サマが、さっきと同じように手を前に出し、パチン！ と指を鳴らすと、なんとっ！
「「「きゃあああっ！？」」」
突然、カシマシ三人女神から悲鳴がっ！
ん？
あれっ？
俺のブラホックは外れてないぞっ？
って、これはっっ！
俺に向けて発動したスキルが弾かれて、カシマシ三人女神達のブラホックが外されたっぽいっ！？
ラーフィアちゃん達ったら、とばっちり！
三人ともカワイイお顔が真っ赤っかですよー！
「ひっ、ヒドイですよ、大魔王様っ！」
「セクハラです！ これはセクハラで訴えてもいい案件ですっっ！」
根が真面目なラーフィアちゃんとレイルさんは、めっちゃご立腹っ！
「ブラジャー無いと垂れちゃうぅ♡ ……あっ、ごめんなさい、ラーフィア様ぁ」
「なんっで謝るのよ、フェイリアっっ」
「えー？ だってぇ、ラーフィア様って、おっぱい垂れる心配無いじゃないですかぁ♡」
「失礼ねっ。まだまだ成長中なのよっっ！」
きゃいきゃいと騒いでますよ、思いもよらずにブラのホックを外されて大騒ぎですよー！
愛しいラーフィアちゃんのブラホックを外すのは、俺の夢のひとつだったのにっ！
ぐぬぬ、やってくれるじゃないですかエロ大魔王サマっ。
ここは、ビシッと言っちゃう俺ですよっ！
「魔王側は女神に手を出しちゃダメじゃないんですかっ！？」
「んー？ ワシ、ただ指を鳴らしただけなんじゃが？ そしたら、なんか知らんけどラーフィア達が騒ぎ始めたんじゃが？ ワシ、別になーんもしとらんのじゃが？」
またですよ、じゃがじゃがとヘリクツぶっこいてますよ、大魔王サマっ！
中立の女神には手を出さないって不文律があるハズなのに、そういうのはアリなのかっ！？
「うむ、なるほどなるほど。このスキルは男の娘には効かんみたいじゃな。
見た目が超絶美少女じゃから忘れとったが、ヒカリちゃんは男の娘じゃったのう」
「なんでい、ブラのホック外れたくらいでピーピー騒ぐなよなー」
「なんでフィルフィーとお姉ちゃんはダイジョブなのっ？」
「女神レベルが違うんだよっ。レベチってヤツだなっ。どうだっ！ まいったかっ！」
フィルフィーとペリメール様にも効かなかったみたいですよ。
二人とも巨乳だから、ブラジャーのホック外されたら、ぷらぷらしちゃってタイヘンなコトになっちゃってたハズ！
まあ、それはそれで、見たかったような気がしないでもないですがっ！
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