白熱バトル！ 妄想勇者ヒカリvs魔王シフォン！
レミィの新技『ちちビンタ』で魔王シフォンに強烈なダメージを与える事に成功！
だがしかしっ。
俺のオパイが、まだジンジンしちゃってます！
この痛みがこれはこれでアリなような気がするのは、俺がドM気質だからなのかしらっ？
「これでよくわかったでしょ、ぐるぐるクソメガネっ！ あなたは私に勝てないのよっ！
さっさと降参して私とアイドルユニットを組みなさいっ！」
えっ。
俺のちちビンタでボロ雑巾みたいに転がってったのに、めっちゃ強がってますよ魔王シフォン。
カワイイほっぺたが赤くなっちゃって、ヒラヒラ衣装はボロボロですよ。
またアイドルユニットなんて言ってるし、なんでそこまでアイドルにこだわってるんですかねっ。
「ボクは、アイドルにはなりませんっ！
闘いはまだまだこれからですよ、魔王シフォンっ！」
今までの悪行三昧を悔いるがイイですよっ！
決める！決めれば、決める時！
レミィの必殺技のひとつをぶっこみます！
惑星をもブチ壊す超絶パンチ、その名も！
『惑星破壊パンチ』！
なーんのひねりもへったくれも無いネーミングだけど、シンプルイズベストなのですよー！
「エナジーをチャージで充填！ はあっ！」
きゅわわああっ！
と何かが高まる回転音が俺の中から鳴り響く！
チャージで充填って、意味がダダ被ってるのは気にしませんよ！
何が回転してるのかはナゾだけど、何かが高まってってるなー、っていう、まあ、そんなカンジです！
きゅんきゅんきゅわわっ！
鳴り響くよ回転音！
キュイイイーーンッ！
さらに増します回転速度！
きたきたキタキタっ！きましたよー！
何かがMAXで最高潮ですよー！
いけそうな気がするのは、気のせいなんかじゃナイですよっ！
「行きますよ魔王シフォンっ！ お覚悟をっっ！」
「かかってきなさい！ぐるぐるクソメガネっ！」
だから、レミィはメガネかけてませんってば。
まあいーです！
極限まで高まった俺のエナジーを食らうがいいですよ！
「『惑星破壊パーンチ』！
うにゃああああああっっ！！」
「はあーん？ そんなもの、片手で受け止めてあげるわよっ！」
ぎゅわああっ！と唸りを上げて突撃！
白金色のオーラっぽいのを放ちつつ、惑星をも砕く流星の如し的なパンチをぶっこみます！
ゴオオオオオッ！
ズドォオオオンッッ！！
「くううあああっっ！？」
「うにゃあっっっ！？」
なななんとっ！
ホントに片手で受け止めたっ！？
ぶわわあっと舞い上がる土ケムリで、なーんも見えなくなっちゃいましたがっ！
地面に大穴が開くほどの超絶パンチに声をあげてびっくりしてますよ、魔王シフォン！
ていうか、俺もなんですけど！
イヤまさか、こんなに威力があるとは自分でもビックリですよー！
「こっ、こんなのは朝メシ代わりですっ！
どーですか魔王シフォンっ！
降参してゴメンナサイしてくれちゃってもいいんですよっ！」
破壊力が強すぎて、ぶっぱなした本人までびっくりしちゃう超絶パンチのお味やいかに！
『朝メシ前』って言いたかったんだけど『アイサツ代わり』とごっちゃになっちゃったのは、俺だけの秘密ですよ！
土ケムリがふわあっと晴れて、そこに現れた魔王シフォンの姿はっ！
「くっっ！
なかなかやるじゃないの、ぐるぐるクソメガネっ！」
なななんとっ！ 耐えちゃったっ！
ノーダメージですよ魔王シフォン！
さすが、ラーフィアちゃんを上回る強さの持ち主！ 防御力もハンパないっ！
ちちビンタの方がよっぽど効いてたかもっ。
「私の相方になるならこのくらいは当然よっ！
これならアイドルのステージでも強烈なインパクトを見せつけられるわっ！」
ナニ言ってるんじゃいっ。
アイドルのステージでこんなのぶっ放せるワケないでしょーがっ。
観に来てくれたお客様全員ふっとんじゃいますよっ！
て言うか、いつから相方になったんだっ。
「次は私の番よ！ぐるぐるクソメガネっ！」
ばささあっ！と現れたのは漆黒の翼っ！
そこから無数の羽根が飛んできたっ！
これはっ！
スズキさんも使ってた『黒羽根爆弾』ってヤツですよ！
翼が多い分だけ、量も多い！
視界いっぱいに拡がる羽根爆弾の雨あられ！！
咄嗟に両腕をクロスさせて防御ですよっ！
さらにっ！
ルレ美のスキル『吸収合体』で黒羽根を吸収っ！
意味がダダ被ってるのは気にしませんよー！
ズドドドドドドドドドォンっ！
「うにゃにゃあああっ！？」
凄まじい衝撃と爆音、だがしかしっ。
耐えたっ！耐えましたよ、俺っ！
なかなかやるじゃないの、俺っ！
それと同じくして、吸収した黒い羽根がファーみたいになって現れちゃって、首回りがもっさもさ！
めっちゃうっとおしいっ！
こんなものいらねーですよー！
ぺぺぺっと、はたき落としてやるですよっ。
あー。びっくりした。
ラミィとルレ美の防御力が無かったらヤバかったかもっ。
「レミィの防御力はボクの妄想力が生み出したモノ、つまり！
限界知らずの防御を実現出来ちゃうってコトなのですよ、魔王シフォン！」
どうですかっ！ 降参してくれちゃってもイイんですよっ！
「ふん！やるわね、ぐるぐるクソメガネっ！
コミカル勇者なら、このくらいは耐えて当たり前よっ！」
誰がコミカル勇者じゃいっ。
確かに少しはそういう自覚はあるけどもっ。
「これ以上うだうだやってられないわっ！
私はダンスレッスンに行かなきゃいけないんだからねっ！」
なぬっ！
「ダンスレッスンっ？」
「一度レッスンを休むと、それを取り返すのに三日かかるのよっ！
先生がそう言うんだから間違いないハズよっ！
次のレッスン料も三倍になっちゃうから、休むワケにはいかないのよっ！」
レッスン料も三倍って、なんかそれ騙されてませんかねっ？
いいようにぼったくられちゃってますよ！
アイドルになりたいっていう夢を食い物にされてるのに、気付いて無いみたいですよっ！
「私の取っておきの技で、あの世に送ってあげるわよおっ！
さっさとダンスレッスンに行きたいのよ、私はっ！」
なんとっ！
あの世なんてまだ行きたくねーですよっ！
俺との闘いの途中なのにココロここに在らずとは、油断しすぎですよ、魔王シフォン！
そんなワガママ魔王には、正義の鉄槌をお見舞いしちゃりますですよー！
殺られる前にヤっちゃいます！
宇宙規模の超絶で激烈な必殺技をお見舞いするですよ！
妄想勇者の妄想が生み出した超絶な必殺技、その名もっ！
『宇宙破壊アタック』！
アタックってのは名前だけで、実際はただのパンチですがっ。
宇宙をもぶっ壊しちゃうような、とにかくめっちゃめちゃ強いパンチなのですよー！
妄想力に限界なんて無いのです！
ノーリミットで無限界！
それが『妄想勇者』の強みなのですよ！
意味がダダ被ってるのは気にしません！
「これで決める！ 決めれば、決める時！
行きますよ魔王シフォンっ！
お覚悟をっっ！」
びし！っと指差す俺ですよ！
ツインテールが風になびいて、イイカンジにかっこ良きです！
「やれるもんならやってみなさいよっ！
このぐるぐるクソメガネがっ！
このっ、ぐるぐるクソメガネがっっ！」
なんで同じ言葉を二回言うのかなっ？
レミィはメガネかけてませんってば、もう。
「私はダンスレッスンに行くんだからねっ！
これで終わりにするわよおっ！
『闇の深淵より沸き出ずる魔の力よ！
我、魔王シフォンとの盟の元に集束せよ！』」
おおっ！
いきなり呪文っぽいのを唱え出したっ！
なんかカッコいいんですけど！
「『暗き昏睡、暁の惰眠、窓際のうたた寝！
永久の眠りよ、今ここに現れよ！』」
ビミョーにカッコいいのかどうかわかんない文句が入ってるけど、魔王シフォンの周りにギュンギュンギュルギュルと黒いモヤが渦巻き始めたっ！
なんかめっちゃ魔王っぽい攻撃魔法ですよ！
いつもの俺ならタマタマが『キュ！』ってなっちゃってるトコロですがっ！
怯んでなんていられません！
俺の中の熱いナニかをぶつけます！
フィルフィー！ ペリメール様っ！
ラーフィアちゃんっ！レイルさん！フェイリアちゃん！
ポプラールさん！ あと、みなさん！
みんなの想いを乗せてっっ！
俺の中で、キュンキュンきゅわわと高まるナニかが、ぎゅわぎゅわキュキュキュ！と高回転していきます！
キタキタきたきた！来ましたよー！
「エナジーフルチャージ！いきますよおおおっ！」
「いくわよっ、ぐるぐるクソメガネっ！」
バチバチにぶつかり合う二人の視線が弾けてスパーク！みたいな、まあそんなカンジです！
もう止められないし、止まりませんよっっ！
「『宇宙破壊アターック！！』ううにゃあああああああああっ！」
「『真！永劫爆睡！』はあああああああああああっっ！」
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