俺、再び高校生!?
天界立『鐵』魔王女子高等学校勇者育成コース?
天界立なのに『魔王』高校なの!?
魔王の高校なのに『勇者』育成するの!?
鐵ってちょっとカッコいいけど、男子校のイメージない!?
どうなってんのこの世界の学校!
「ヒカリはポックリ逝ってしもうたから、青春時代を謳歌出来んかったじゃろ?
いかにパープー高校とは言え、女の子と手を繋いでデートとかしたかったじゃろ?ゆくゆくはイチャイチャちゅっちゅもしたかったじゃろ?」
神様、イチャイチャちゅっちゅって。
そりゃまあ、したかったですけども。
「あの、神様。パープーって地味に傷つきますから別の呼び方でお願い出来ませんか……?」
「別の呼び方……『ド底辺』でかまわんかの?」
「パープーでいいです」
俺は白目むきましたよ一瞬ね!
まさかフィルフィー意外に『ド底辺』て言われるなんてね!
しかも神様にね!
男の娘が女子高に。って展開はアニメとかマンガとかラノベとかweb小説とかソシャゲとかパソゲーとかで見たような気がしますけれども!
女子高って響きはね、なんかこうゾクゾクしますけれども!
ある意味ハーレム展開ではありますけれども!
「なんだよヒカリぃ。チューしたコトねーのかぁ?だっせーなあ」
むっ!ダサくなんてないっ!俺だってきっとその内!って、その内って言ったらダメなんだった。
「じゃあじゃあ!フィルフィーはチューしたコトあるんですかっ?」
「当然!幼稚園の時に経験済みだぜ!」
幼稚園て。それもチューにカウントするんですかね?
「……幼稚園?」
と、ペリメール様が顎に手を当てて何かを思い出すように呟いた。
何か心当たりがあるのかな?
「なんっだよ聞きたいか?聞きたいのか?あたしの初チュー話をさあ!しゃあねえなあ!聞かせてやるよ!」
イヤ別にヤンキー女神の初キス話なんてキョーミ無いんですけど……
「タンポポ組のすらっと背の高い銀髪イケメン君でよー!お遊戯会の練習中になっ。アゴをクイって上に向けられてチュッてな!王子様かよ!ってなー!」
ん?フィルフィーの話を聞いてたペリメール様のお顔がみるみる内に赤くなっていきますよ?
銀髪?すらっと?
そして、真っ赤になってるペリメール様。
それ、誰が見てもそうですよね?
ペリメール様の態度を見れば誰だってわかりますよ?
一目瞭然って、このコトです。
「それって、ペリ……」
メールさまのコトですよね、と言おうとした瞬間。イヤ刹那ですよ!
「危ないですわヒカリ様ぁっ!!」
ばちーん!
「ぷあっ!?」
ペリメール様の平手打ちでの口封じが俺に炸裂ですよ!!
めちゃめちゃ痛いんですけどっ!!
一瞬、目の前真っ暗になりましたよっ!?
首もげそうでしたよっ!?
「フィフィフィフィっ!フィルフィーさんっ!女神が軽々しく初キッスの体験談を口にしてはなりませぬですわっ!」
「あ!?なんだよ、おもらしペリ子がよー?ペリ子はチューしたコトあんのかよー?」
「えっ!?あのっ、そのっ、ですわっ」
その『おもらしペリ子』がおそらく、いや、確実にファーストキスの相手ですよ、ヤンキー女神。
ホントに気付いてないみたいだな。
「あの銀髪くんになら、あたしの『初めての朝』をくれてやっても構わないぜっ!」
「にゃにゃにゃっ!にゃにを言ってるんですかフィルフィーしゃあああん!ダメに決まってますですわあっ!」
狼狽えすぎですよペリメール様。
耳まで真っ赤になってます。
「こら、お前達」
ごす!
「あだっ!」
フィルフィーには脳天にゲンコツ。
いいね!もっと懲らしめてやって下さいよ!
ぺち!
「あいたっですわっ!」
ペリメール様には平手でおでこ叩き。
ちょっと気の毒です。明らかにフィルフィーのせいでとばっちりですからね!
また怒られちゃいましたよ、二人して。
「ワイワイ騒ぐのは後回しじゃ。サクっといかんかサクっとな。お話が進まんじゃろ」
お話ってなんですかね?
ちょいちょい気になるコト言いますよこの神様。
俺はと言えば、ペリメール様の平手打ちでの口封じで口の周りがヒリヒリしてます。
あと、とりあえずおパンツ穿きたいんですけど……
ただでさえ穿き慣れないスカートなのに、ノーパンなんて風通し良すぎです。スースーしますよ、俺の股間の双子が!
フィルフィーに引きちぎられたおパンツがぼろ切れと化して見るも無惨。
ズタボロの女の子のおパンツなんて初めて見たよ。
おパンツに合掌。
「お前達には、三人揃って高校に編入してもらう。手続きはワシがしておいたからの」
三人!?女神が二人とも高校生になるの!?見た目はキレイなお姉さんなんだから、高校生ってムリがあるんじゃないですかっ!?
なんかエッチなお店のお姉さんぽくならないですかね!?
「さすが神様ですわっ。お手際がよろしゅうございますですわっ!ヒカリ様との学校生活が楽しみですわっ!」
俺の危惧も何処吹く風ってカンジで、ペリメール様は両手を胸の前で組んで素直に喜んでるみたいだった。
なんかちょっとウレシイです。
でもフィルフィーは。
「は!?なんであたしまで女子校行かなきゃいけねーんスか!?」
露骨に反抗してますよ。流石ですよヤンキー女神。とりあえず反抗しとけ。みたいなね!
「フィルフィーはパープーじゃからのう。フツーに勉強してきんさい」
「なんスか、パープーって!いくらジ……神様でも言っていいコトと悪いコトがあるッスよ!」
今、ジジイって言おうとしたよね、ヤンキー女神。
「神様に楯突くとはなんたる不届きなっ。ではフィルフィーさん。私があなたのパープー度合いをテストしてさしあげますですわっ。答えられますかしら?」
「やってやろうじゃねえか!おととい来やがれってんだチキショーめっ!」
おととい来やがれは会話としてオカシイですよヤンキー女神。
勢いだけで押し切ろうとしてますよ。
とにかく反抗したいだけのフィルフィーにペリメール様が出した問題は、簡単な掛け算だった。
「まずは算数ですわ。3×3=《さざんが》?」
「あ!?」
「4×7=《ししち》?」
「ああ!?」
「8×9=《はっく》」
「ああん!?」
フィルフィー……もしかしてめっちゃアホなのでは?
なんで女神になれたのさ?
「ワケわかんねーコト言ってねえでさっさと問題出しやがれべらぼーめっ」
問題出されたコトすらわかってませんよ江戸っ子女神。
「では次。歴史問題ですわ。ヒカリ様が学んでいらした世界の内容ですが、答えられて当然!○○○の部分をお答えなさいですわ」
「おう!ドンとこいや!」
「鳴くよウグイス○○○?」
「ピーチクパー!」
「とある戦国武将の名言ですわ。鳴かぬなら、鳴かせてみせよう○○○○○?」
「ピーチクパー!」
「……では化学の元素記号の暗記問題です。すい、へ、り、べ、○○○○○?」
「ピーチクパー!!」
「パーはあなたですフィルフィーさん。全くどれだけお勉強が苦手なんですかですわっ!同じ女神として恥ずかしいですわっ!」
「あ!?女神に頭の良し悪しは関係ねえだろうがよ!?」
ナニ言ってるんですかパープー女神。
ほんと、よく女神に認定されたもんだよ。女神事務所って検査ゆるゆるなのかな?
「今のでおわかり頂けたかと思いますが、フィルフィーさんはヒカリ様と同じようにパープーなのです」
おいっペリメール様っ!?
同じようにって!?さっき出された問題くらいはわかりますよ!?
そりゃ俺もパープーですけども!
神様ならまだしも、ペリメール様に言われると傷付いちゃいますよ!?
泣いちゃいますよ!?
ここはっ!俺の名誉の為に立ち上がるべき時!
「ペリメール様っ!今の問題なら、ボク、全部答えられますっ!フィルフィーよりパープーじゃ無いです!」
「ああ!?上等だヒカリっ!答えてみろやっ」
俺はスラスラと答えてやったともさ!パープーでも高校受験はしたんだからねっ!
「9、28、72、平安京、ホトトギス、ぼくのふねななまがりしっぷすくらーくか、です!」
もちろん全問正解です!
「まあ!スバらしいですわヒカリ様っ!」
胸の前で手を組んで、オパイをぷるるんと揺らしながら大袈裟に驚いてくれるペリメール様。
一旦こき下ろしておきながら、次には誉めて持ち上げてくれる。
なんかね、もうね。好きになっちゃいそうですよ。ステキなお姉さんですよ。
フィルフィーは俺に向かってあからさまな仏頂面でめっちゃメンチ切ってきます。
「ヒ~カ~リぃ~……あたしにハジかかせるたあ、い~い度胸だなあ?」
俺は素早く定位置であるペリメール様の背中に移動です!ささっとね!
「およしなさいなフィルフィーさん!ヒカリ様はパープーでは無いと証明してみせたではないですかっ!悔しかったらフィルフィーさんもお勉強しなさいなですわっ」
「チッ……今にみてろ!仏恥義ってやるからなっ!」
何をぶっちぎる気なのさフィルフィーは。
女神なのにドコに向かってるんだ?
「こら、お前達。茶番劇はその辺にしておきんさい」
神様が俺達を嗜め、さっきの話を進め始めた。
女子高……未知の領域ですよ!
次話『いざ地上世界へ!レッツダイブ!!』
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