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「暮らし」など

焚べる

作者: 維酉

あの夕間暮れが赤いのは

きょうを炎に焚べてゐるから

墓に雀をうめたみたいに

悠然なきょうを弔ってゐる


焚べれば炎は赤になる

石を叩けば墓になる

万物は流転し

生命は奔流のさなか

破壊はわたしを繰り返すし

きょうはまたきょうに生まれ変わる

すがたかたちを奇妙にし

ねじまがつたからだが

醜いといはれる


呼吸を浅く

なんどもむせ返るやうに

呼吸を浅く――

醜さを包み隠すやうに

呼吸を浅く

すべてに咽び泣くやうに

呼吸を浅く

だれにも見られないやうに

呼吸を浅く


焚べるのを

わたしにして

ぜんぶ燃えたせゐにするの

単身 炎へ身を投げて

わたしは種々に流転する

そしていつか

限りなくきよらかなすがたで

綺麗に なりたい


あの夕間暮れが赤いのは

きょうを炎に焚べてゐるから

わたしを炎に焚べてゐるから

叫びを炎に焚べてゐるから

夕間暮れを炎に焚べてゐるから

赤く絶え間なきものに

わたしは焦がれ続けてをり

泣き出しさうな顔して

きょうを弔ってゐる

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