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よく晴れて、心地のいい日差しが降り注いでいる。
やっぱり、晴れの日はいい日だ。雨の日なんて濡れたら寒いし、風邪を引いたら最悪。
なんて、事を考えながら草原を歩いていた。
「しかし、魔王やめたはいいけどまずどうすればいいかなー。」
そう、その辺は無計画できてしまった。
行く時に、ゾンビが何か言っていた気がしたが、聞かずにきてしまった。
「さて、どうしたものか「ギチギチギチギチ」ん?何の音だ?」
あ、終わった。
後ろを振り返ると目の前には、巨大な芋虫みたいな虫が口を開けていた。
「クワレル。」
「キュワラアキャアーー」
「虫はやめてくれええええええええええええ!」
やばいすごく怖い。
ってか、すごい声だな。
芋虫ってそんな声なの?
発音すごい難しそうじゃない?
ってか速いすごく速い!
「誰かたすけてえええええええええええええ!」
走ってるうちに足がもつれて転んでしまった。
あ、本当に終わった。
巨大な芋虫みたいな虫はだんだん近づいてきて、涎を垂らしながら大きく口を開けている。
やばい!喰われる喰われる!怖い怖い怖い怖い!
「く、来るなぁぁぁ!」
ああ、短い人生だった……いや、魔王だから違うか?
まぁ、いいか。せっかく魔王やめれたのに。虫に喰われて死ぬって……はぁ、もうちょっとましな死に方はなっかたのかなぁ。
次生まれ変わるんだったら、ちょっとでいいから裕福な家に生まれたいなぁ。あと、可愛い幼馴染か欲しいなぁ。
「はぁ……」
あまり痛く有りませんように。と、思いながら目をつぶって数秒来るはずの痛みが来ない「あのー、魔王様。」ん?何処かで聞いたような声だな誰だ?
「ギャァァァー!」
そこには、ゾンビが居た。
虫の次はアンデットかよ!
「……あの、私です。」
「あ、ゾンビか。」
ややこしいなぁ。
「いやぁー助かったよ。」
「まったく、話しも聞かずに飛び出してしょうがない魔王様ですね。」
「でも本当に助かったよ。ありがとうゾンビ。」
「主を守るのは、側近のつとめですから。」
ゾンビの癖にカッコイイな。
「でも、あんなの倒すなんてゾンビすごいね。」
「いえ、魔王様でも倒す事できますよ。」
「えっそうなの?」
「はいステータス的には余裕ですよ。」
「へぇー。でも自分のステータス知らないしなぁ。」
「それなら、ステータスと唱えてください。」
「ステータス」
赤月魔尾
年齢16歳男性 種族魔族
ステータス
レベル1
体力 1200/1200
魔力 1200/1200
攻撃 800
防御 500
スキル
言語理解 火属性魔法 氷属性魔法 闇属性魔法
ユニークスキル
黒の魔眼 眷属召喚 操り人形
称号
魔王 魔王をやめし者
おおーなんかゲームみたい。
「ちなみに、普通の人のレベル1の数値は高くて100ぐらいですよ。」
え!
「それ僕大分インフレされてない?」
「はい、大分高いですね。ですから、鑑定などで見られると面倒なので隠蔽スキルを渡しときますね。」
「うん、お願い……ん?渡す?」
「あと、あったら便利な鑑定と念話と空間魔法も渡しときますね。」
「ちょっと、スキルって渡す事できるの?」
「いえ、普通は渡せませんよ。私のユニークスキルに自分の持ってるスキルを複製して渡せるスキルがあるんです。今私は魔王様なので自分のスキルを教えてますけど、手の内んばらす事になるので信用できる人以外に教えてはダメですよ。」
「…うん、わかった。ねぇゾンビ。」
「はい、なんでしょう魔王様。」
「もしかして、ゾンビって大分強い?」
「そうですね。レベル差もありますけど、ステータスも魔王様の100倍とは言いませんが、50倍以上は確実にありますね。あと、魔法も全属性使えますよ。他にも相手をある程度無力化できるスキルもありますよ。」
「ちょっ、バキバキのチートじゃないか!?魔王僕じゃなくてゾンビがやればよかったじゃないか!」
「そうですね。私も魔王様と一緒で特に世界征服とか考えてないのでいいです。でも、余りにもイラついたら敵は殺すかもしれませんね。」
「!!……そっか。」
「あっそれと、魔族が人間のとこに居たら不自然ですので、魔王様の種族を人族に書き換えさせてもらいますね。」
「何かゾンビができない事はない気がしてきたな。」
「何言ってるんですか、私にもできないことの一つや二つありますよ……たぶん。」
「自信なさげだね。」
「それより「まだ何かあるの。」はい。念話を渡してるので困ったら私に聞いてくださいね、この世界で知らない事は私は基本的にはないので。」
ゾンビに突っ込んでたらキリがない事がわかった。
それと同時に、こいつだけは敵にまわしてはいけないと悟った。