第二話
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「昨日リヴァ様が頼んだ件だけど、この街は初めてきたとこだったよ。新しい発見とか、機構にも参加可能な依頼があるかもしれないって伝えておこうと思って」
「如何致しますか?」
先ほどまで冷静にエフィルをあしらっていたジェイムスはさすが執事と言わんばかりに背筋正しく座り、こちらの指示を待っている。ミュシャも同様に待っている。執事は立っているべきなのかもしれないがこの際その事はいいだろう。
この街に来たことが無いというのはリヴァもわかっていた。しなければならない事もあるだろうが、現状は情報が足りなさすぎる。
「ジェイムスとエフィルは依頼を受けなくてもいいから機構に向かってくれ。通貨やモンスターの状況、それとこの街の情勢、治めている国があればその情報を集めてきてくれ」
「了解しました」
「りょうかーい」
それぞれが返事をする。リヴァがこの世界に来た以上、とりあえずは把握しなければならない。一応は自身が犯罪者でもないようだから慌てる事もないが、他のプレイヤーがいないとも限らない。急に戦闘になるのは避けたいが把握するのはこの世界を知った後でもいい。
「ミュシャは残って俺について来い」
「わかりました」
気付けばそれぞれが朝食を食べ終わっている。各々が動き始める。がその前にリヴァは聞いておかねばならない。
「三人は俺を裏切る事はあるか?」
「ありえません!」
と即座に、ほぼ同時に三人が反応した。
「いや、少し気になっただけだ。他意は無い」
「冗談でもやめてよねリヴァ様。裏切るとか怖すぎ」
「そ、そうか。今一度確認したかっただけだ。さぁ皆動いてくれ」
ジェイムスとエフィルは部屋に準備をしに、ミュシャは既に準備できているので残ったままだ。
「着替えたいんだが」
「見ても大丈夫でしょう?」
と苦笑しながらも出て行った。
昨日確認した事だが、アイテム等を取り出すには顔の前で左手の人差し指と中指の二本を右から左に水平に動かす事で、メニュー画面が出るのだ。
昨夜遅くにアイテムを確認しようとしたところで、ゲームとは違う事を思い出した。
メニューが出るようなのに相当する言葉を言ってみたり、右手を動かしたりと様々やってみたが一向にわからなかった。ようやく記憶に頼ったところでわかるという、小一時間ほど恥ずかしい思いをしたのは忘れ去りたい思い出だ。
リヴァの着替えは設定するため一瞬で済む。そこはゲーム時代と変わらない。操作方法は既に確認している。メニュー画面から服装を選択し、着ているTシャツから黒い色合いのライダースジャケットのようなものへと着がえる。下はそれよりも黒いズボンだ。フィンガーレスグローブを付ける。そして右太もも辺りには銃が備え付けられるようにレッグホルスターのようなものがある。リヴァの武器は自動拳銃のようにも見えるが、杖と同じで魔法媒体であるため、銃弾を装填する必要もないため滑らかな造りだ。全身が黒いにも関わらず、武器だけは薄水色。それを手にする。改めてここが日本でゲームをしていたのと違い、実際に『FRONTIER THE ORIGIN』の世界にいるのだと実感する。
パソコンから見ている時は良かれと思っていた服装だが実際に着てみると、近接戦闘者にしか見えない。
蒼嗣にとっての気分とリヴァにとっての気分、両方を味わっている。昨日よりもリヴァよりの気分のよっているような、なんとなくそう感じる。
ノックがあり、返事をするとミュシャが入ってきた。
こちらを見てゆっくりとした所作でイスに座る。
「それで頼みとは何かしら?」
「気付いているんだろう?どこかおかしい事に」
リヴァは賭けにでた。