プロローグ
閲覧して下さった方、ありがとうございます。
題名がしっくりと来ていないので変わるかもしれません。申し訳ありません。
気付けば見たこともない部屋で寝ていた。なんて怖い経験をした人はほとんどいないだろう。いや飲み過ぎて実は友達の部屋だったという経験者はいるかもしれない。だがそれはそれである意味特殊だ。
「ここは…?」
不知火蒼嗣はそれよりも珍しい経験をしていた。だが慌てるという事もなかった。なぜならここを歩いている記憶も持ち合わせていたからである。
そのためか街中を歩いていた彼はふと我に返ったような気持ちでいた。視線を右往左往させる。
「リヴァ様。如何なさいました?」
話しかけてきたのは老執事ジェイムス。不知火蒼嗣ことリヴァがやっていた『FRONTIER THE ORIGIN』と呼ばれるMMORPGで作成したNPCだ。ゲーム内ではプレイヤーが作成したNPCは一定の反応を示す。簡単な反応ではあるが。
それでも始まりの街にいる一定の言葉しか話さない者や武器屋等にいるNPCとは違い、当然ある程度のAIは積んでいるのだろう。だが、
「敵ですかな?リヴァ様を倒そう等とは愚かな。しかしこの距離で私が察知できないとなると…」
と内容は物騒ではあるが流暢に話しているではないか。『もう大丈夫だ』と、どうにか主人らしく返せば、老執事は『了解しました』と申し訳なさそうにする。パソコンから見ていた時では簡単な返事はしても、このような表情や反応を見せるキャラはいなかったはず。リヴァは疑問を浮かべつつも、どうしてこのような事態になっているのかと記憶を呼び戻そうと努力をしてみる。
昨今では体感型と呼ばれるDMMORPGが出るのではないかと話題になっている。未だに発売等の情報は出ていないが。
MMORPGはその煽りを受けるのではないかと騒がれたが人気の衰えを見せるどころかDMMORPGに慣れるためだと言わんばかりにユーザーが増加した。『そのせいで発明を遅らせているのでは?』、との見方を示した学者がいるほどである。
ソウジがやっている『FRONTIER THE ORIGIN』はMMORPGの中でも人気を博している一つだ。
何故『FRONTIER THE ORIGIN』が人気なのかはそれまでになかった要素があるからに他ならない。歴史が古いという安定さもユーザーが増加した理由の一つだろう。
なれる人種は当然複数あり、極一部の特殊な人種を除けば途中で変更ができる。
その上、職種も数が多い。条件を満たさなければならない上級職や特殊職もあるが、人気ゲームなため調べれば成り方もある程度わかる。
人種・職業ともに個々には最大レベルという上限レベルが存在しておらず、人種100、職業100という限界レベルを目指すためにレベリングする。人種・職種ともに1レベルでも変更は可能。つまり人間種100、戦士100とすることができるのだ。
だが皆はいくつかの人種や職業を経てそれぞれ100レベルにまで育てている。簡単に言えば人間種50、ドーワーフ(亜人種)50として、戦士50、鍛冶師50のようにそれぞれを50レベルずつだと言えばいいだろうか。
当然だろう。いくつかの職業を担えば選択肢は増える。例えば回復を担う僧侶になったとする。それが戦闘も可能な戦士や拳法家になれば低めの物理防御力をカバーでき、モンスターやプレイヤーの奇襲で攻められても耐える事ができる。また薬師になれば集めた素材から回復に必要なアイテムを作成することも可能だ。一人で複数の役を担う事ができればその方がいいに決まっている。
さらに言えばエルフのような魔法が得意な人種になればMPも多い。回復役にはもってこいだ。戦士や拳法家はHPや何かの耐性が成長する反面、MPの成長率が悪いため組み合わせる人は少ないかもしれないが、このような組み合わせによる強さが出るという事により皆が熱中する要因となった。
アイテムも当然ながら多くあり、プレイヤー同士でパーティーを組み、モンスターやプレイヤーと争う。時にはギルドと呼ばれる大所帯同士の争いもあった。つまり面白さは様々なところにあったのだ。
序盤にいるゴブリンでさえ、何かを作るのに必要な素材を持っていたりする。初心者でもやれることは多い。武器や防具、回復アイテム等作れる物も多いのだ。
剣、スタッフやワンド等と呼ばれる杖、弓や銃の類でも様々なものが武器にはある。
ただもしかすると目玉はなんといっても自分で作成したNPCと旅をすることができることかもしれないが。
二つ目の作品となっております。
更新はもう一つと同間隔でやるつもりです。
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