02 エロ本は金にもなる
「おおー、道だー」
川に沿ってしばらく歩いたサクは、整備された道に出た。アスファルトではないものの、石畳の道で、所々の石が新しいものへと張り替えられているところから定期的に人の手入れが入っているのが見て取れた。
周囲も森ではなく、平原が広がっている。爽やかな風が吹き、照り付ける太陽も先ほどよりも苦にならない感じがした。難所を一つ越えたような感覚になったサクがその場で背伸びをすると、頭の上のハクも真似をして背伸びをしていた。
ほぼ同時に深く吸い込んだ息を吐き出したサクとハクの耳に、ここまでの道中では聞こえなかった人工的な音が入り込んできた。その音が発せられている右手方向を見ると、車列が列をなしてこちらへと向かってきているのが見えた。
それなりの勢いで走るそれはもうすぐこちらへとたどり着きそうだった。進む車列が舞い上げた塵で霞んで見えたが、その後方に街のような場所がぼんやりと見える。新たな目的地を確認したサクは、道のすぐ外を歩きつつ街の方へ向けて歩き始めた。
とりあえずは布切れでもなんでもいいから手に入れて上半身を隠したいと先を急ぐサク。鍛えていないがゆえに平凡の極みといった体は他人に見せられるほど立派なものではないからだ。
やがて到達した車列が土埃を上げて横を通り過ぎていく。想像よりも大きかった車両が舞い上げる塵は視界を遮り、呼吸もしずらくなるほどだった。
(サク、砂が目に入っちゃった)
(マジか。俺もヤバそうだから少し離れるか)
まだ続きそうな車両の通行。これ以上近くにいては埃まみれになってしまうし、何かしらの悪影響が出かねない。自らとハクの身を案じ、サクはさらに道から離れたところを進むことにした。
視界が良好になる程度に離れたところで、サクは改めて通り過ぎていく車両に目をやった。ファンタジー要素は皆無な近代的なそれらには、紋章のようなものが描かれていた。それがどこかの国の紋章なのか、はたまた会社のものなのかはさっぱり分からない。
迷惑極まりない通行に思えたが、これだけのものが走っているということは近代的な発展が進んでいるという証拠。街にもそれに準ずる設備等が配備されているに違いない。快適な時間を過ごせる希望を得たことはありがたかった。
某夢の国のパレード以上に長い車列は、ようやく中盤に差し掛かる。「はよ通り過ぎて道を譲ってくれ」と心の中で独り言ちると、頭の上のハクは同意するように頷いていた。
「――!」
「……えっ、何?」
それは突然のことだった。スピーカー的なもので男性の声が響き渡った直後、長い車列が一斉に止まったのだ。
「――。――、――?」
「え? 何? 俺もしかして何かやらかしたか?」
ひと際目立つ車両から、褐色でスキンヘッドの大男がこちらに向かってやってきた。街で出会ったら間違いなく近づきたくないような見た目だ。
こちらに対して何かしゃべりかけているが、もちろん何を言っているかわからない。しかし、その表情は怒りではなく心配しているような感じだった。
(ハク、このおっさんが何言ってるかわかる?)
(えっと、大丈夫か? 追剥にでもあったのか? とか聞いてるよ)
(ちなみに俺の代わりにハクがしゃべれたりしない?)
(無理だよ。ごめんね、力になれなくて)
(謝んなくてもokだ。となると、どうしたもんか……)
声をかけ続ける大男に話すことができない、言葉が分からないとぎこちない下手くそなジェスチャーで伝えようとするサク。その様子を不思議そうに見つめる大男の視線が痛い。
羞恥心に耐えながらもサクがそれを続けると、大男の手がこちらへと伸びてきた。驚くサクだったが、先に反応したのはハクだった。
近づいてきた大男の手にハクが噛みつく。牙も生え揃っていないその口で必死にサクのことを守ろうとしていた。勇ましい頭の上の小竜に勇気づけられると同時に、何もできない自分が申し訳なく感じてしまう。
警戒を解かないハクをなだめるように大男は何かしゃべりかけた後、自らの首を指さしながらこちらに向けて話しかけてくる。
(”げんごとーせーまほう”があるか首を見せてくれって言ってる。サク、嫌ならやらなくてもいいよ。私が守るから)
(いや、ここは素直に従おう。もしかしたら力になってくれるかもしれん)
頭の上にいたハクが落ちないように両手で抱きかかえ、サクは顎を上げて男性に首を見せた。少し離れたところで首を確認した大男は、車の方へと叫ぶ。それに応えるように眼鏡をかけた褐色の青年がいそいそと車から出てきた。
サクたちのところへたどり着いた青年は、大男から指示を受けるとサクに近づいてくる。手の中で全力で警戒するハクが間違えても噛みつかないように、サクは必死になだめていた。
首元に手を近づけ、青年は何やら怪しい呪文か何かを唱え始める。すると青年の手から小さな光が漏れ出し、サクの首へと浸透していく。出緊張しながらも、特に嫌な感じはしなかったのでサクはそのまま待つことにした。
やがて光は消えた。これといってサク自身は変化が感じられていない。一体何をしたのかと疑問に思っていると、少し離れた青年が軽く咳ばらいしてしゃべりはじめた。
「俺の言ってること、わかる? 旅人さん」
「おお! わかる! 言ってることがわかる!」
「ならよかった。今時『言語統制魔法』をかけてないなんて、君は一体どこのド田舎から来たんだい?」
「えーっと、何て言えばいいのか……。イゴース・ド・イカーナから来たといえばいいのか、なんというか」
「いごーす? んー、とにかく俺たちが行ったことのない場所だっていうのはよくわかったよ」
分かるはずのない某姫の伝説のネタ。それを本気にした青年は首をかしげながらもこの地の住人ではないことを大体は察してくれたようだった。
ありがたいことに言葉がしゃべれるし、理解することもできるようになった。さすがファンタジー。便利な物があるものだと感心するサク。ハクもその様子を見て大男と青年への警戒をようやく解き、腕をつたって再び頭の上へと乗ると、平常心といった感じの顔を眼前の男たちへと向けた。
青年の横にいた大男が笑顔で右手を差し出してきた。悪意が微塵にも感じられないさっぱりとした風格だ。差し出してきた手を無下にすることなく、サクは大きなその手を握り返し、熱い握手を交わした。
「話せるようになって良かったなあんちゃん。俺は『ブレーム商会』を取り仕切ってる『ブレーム・ロドリゲス』だ。こっちの魔法使いは『ガルム・ビアンコ』。よろしく頼むぜ」
「俺は實本 冴久。サクって呼んでくれ。本当に助かったよ、ここに来てから言葉がわからなかったから冷や冷やしてたんだ」
「なるほどな。それにしても上半身に何も着ずにいるなんて、追剥にでもあったのか? かなり暗い顔してるから、心配で降りてきちまったよ」
「あ、すまん。この顔は小さい頃からなんだ。それに、追剥にもあってないから安心してほしい」
素直に礼を言いつつも対等な立ち位置でしゃべる。本来ではこんなことをしないサクだったが、夢であり、主人公的な位置なのであれば舐められてはいけないと考えたからだ。自分が主人公なのかはわからないが。
それに、商会ということであればもしかしたら何か売ってくれるかもしれないし、買ってくれるかもしれない。このファンタジーな場所での通貨は恐らく円ではないはず。一文無しのサクにはまたとないチャンスだった。
強気に出るサクが気に入ったのか、握手を終えたブレームは嬉しそうに話しかけてくる。
「いいねその根性。俺とは初対面なのにその態度を見せる男は久しぶりだぞ」
「そりゃどーも。こうした態度の方が俺も気楽だし、ブレームも楽だろ?」
「違いない。久々に面白い人間に会ったきがするわ。ところでサクはこれからどこに行こうってんだ?」
「あー、特に目的地は無し。今のところはブレームが来た方向にあるであろう街に行こうと思ってる」
「『ロメル』か。だとしたらその格好じゃまずいし、その可愛い竜ちゃんもやばいかもしれないな。サク、金は持ってるのか?」
「いや、一文無し。あるとすればこれだな。もしかして買い取ってくれたりする?」
そういってサクは半透明のビニール袋を差し出した。『月刊巨乳エクスタシー』と約800円分の夜食が入っている。
中身を確認したブレームが硬直した。それを不思議に思ったガルムも横からのぞき込むと、同様に硬直する。驚愕の表情で中身を見つめるその様子が面白くてサクは少し吹き出してしまった。
恐る恐るその中にあった禁断の書物に手をかける。そして開いた書物には見たこともない官能的な世界が広がっている。大の大人2人が血眼になってエロ本読み進めるその光景は異様だった。
半分くらいまで読んだところで手を止め、閉じる。その後思慮を巡らせた後、すさまじく真面目な表情で2人はサクを見据えた。
「サク、これは一体何なんだ」
「俺の故郷で販売されてる本だ。門外不出の物だから、絶対に手に入らないと思うぞ」
「……もし売ってくれと言ったら、いくらでいい?」
食いついた。やはりエロ本は素晴らしい。ファンタジーの男ですら虜にしてしまうとは。
頭の上ではハクが震えながら目をつぶり、小さな手で顔を覆っている。まだあれが呪いの本だと信じているようだ。可愛い。
税込みで800円だったから、少しぼったくることになるが1000円分くらいで売ろう。ずる賢い決断をしたサクはにやにや笑いながら、ブレームに対して両手の指を全て立てて売価を表現してみた。
「これぐらいでどう? 良い値段だと思うけど」
その要求額に、ブレームはうなりながら悩んだ。真面目なその顔からは鼻血が垂れている。
というか実際にエロ本で鼻血だす人をサクは初めて見た。笑いたいがそれを必死にこらえる。しばらくして、悩み続けるブレームにガルムも鼻血を垂らしながらも真剣な表情で助言をした。
「……社長。これは間違いなく今後の商売の1つとして活用できるはずです。手に入れておいて損はないかと」
「そうだな。秘蔵のお宝……ではなく、商売として絶対に使えるからな。仕方があるまい」
「結論が出た感じかな?」
「ああ。ちょっと待っててくれ」
するとガルムがサクの手の甲にお札のような物をかぶせた。呪文を唱えると、札が消滅して手の甲には白い魔法陣が浮かび上がる。
綺麗なそれに目を奪われていると、ブレームがどこからともなく大きなケース取り出した。そしてサクの目の前にそれを置き、開く。
その中にはびっしりと札束が入っていた。偽物とか判別はできないが、恐らくは本物。通貨価値が分からなくても相当の額があると思えたサクは、ゆっくりとぎこちない動きで首を動かし、ブレームを見た。
「要求通りの10万ゴルドだ。その手に作った収納方陣に収めてくれ。収納したいと念じれば入るはずだ」
「お、おう」
言われた通りにすると魔法陣が光り、札束は一瞬にして消えた。どうやらこの魔法陣の中にある空間に保存されたようだ。
もしかしなくても本当にとんでもない額を手に入れてしまったのではないか。サクは内心で申し訳ないと思いつつも、喜びを隠せずにいた。
たった一冊のエロ本のおかげで活路が開いた。エロ本様様だ。毎月欠かさず買っておいて良かったと自らを褒めた。
「それと、これでも着ときな。最近は暖かいとはいえ、そんな姿じゃ風邪ひいちまうよ」
「マジか、ありがとうなブレーム。代金の方は……」
「そんな服一つぐらい、ただでやるよ。あと、このリュックも持っていきな」
お言葉に甘えつつ、サクを一旦下して手渡された衣服に袖を通した。同様にもらったリュックのサイズもぴったりで、RPGに出てくる旅人のような自分の姿にサクはテンションを上げた。
冴えない顔であることには変わりはないが、少しでもファンタジーっぽい見た目になってきた。半開きの目をキラキラと輝かせるサクの様子にブレームとガルムは満足そうに笑っていた。
その後、派手な車両の窓を開けて男がこちらに向けて叫んだ。
「社長ー! そろそろ行かないとヤバいっすよー!」
「おう! わかった! じゃあな、サク。久しぶりに楽しかったぜ。健闘を祈る」
「ああ。何から何まで本当にありがとうな」
そうしてブレームは夜食の入ったビニール袋を返し、ガルムと一緒に車の方へと戻っていく。サクとハクはその後ろ姿と車列を手を振って見送った。
土煙を上げて、長い車列はサクの目的地の反対方向へと走り去っていく。その全てが過ぎ去るまでの間、心からの感謝と旅の安全を願いサクは手を振り続けけた。
やがて車列は終わり、舞い上がった土煙や塵も風に流されていった。静かで良好な状態になった道へとサクは戻り、『ロメル』という街の方角を向く。結構歩きそうな気がするが、装備を整えた今の自分のテンションがあれば難なくたどり着けそうな気がした。それに、可愛い話し相手もいる。
(どうする? また頭の上に乗るか?)
(サクの服の中がいい!)
(お前さんも物好きだね。よいしょっと)
抱き上げたハクを上半身の服の中へ入れた。器用に手足で襟を掴みつつ、長い首を外に出して満足そうに進行方向を見据える。
表皮のざらざらもすでに気にならなくなっていた。それどころか服の中にいるハクの体温を感じて、安心している自分がいることに、サクは気づいた。
まだまだわからないだらけの現状だが、ハクと一緒であれば乗り切っていけそうな気がする。そう考えながら、サクは街へと向けて歩き出した。
少しずつ、その足は街へと距離を詰めていく。その真反対の方向。車列中盤、社長用車両の中では満足そうな笑みを浮かべたブレームがいた。
お宝を手に入れたこと。とは別に、それ以上の収穫を得た確信がブレームを高揚させていた。あまり見ない社長のその姿に対し、ガルムは笑いかける。
「嬉しそうですね、社長」
「おうとも。あったりまえだろう。とんでもなく大きい”繋がり”が出来たんだからな」
「ですね。彼との繋がりは、回りまわって俺たちの利益になるでしょう」
「さあ、こうしちゃいられねえ。販路拡大をいそがなくちゃな。これから忙しくなるぞ」
「はい。お任せください」
活気あるブレームにガルムは笑顔で応える。ブレーム商会のさらなる発展への未来を掴んだ気前のいい大男は、次の目的地に到着するまでの間ひたすら笑みを浮かべ続けていた。
「期待してるぜサク。新たな『守護騎士』さんよ……!」
◆
「――! ――少佐! 起きてください少佐! 『お嬢様』!」
「……んぅ?」
少佐と呼ばれていた少女が目を覚ました。目の前には口元に綺麗に整った白いひげを持つ老人。皺の多い渋い顔は心配そうに少女を見つめていた。
まだ覚醒しきっていない頭を回転させようと、少女は上半身を起こした。老人が慌てて手に持っていた毛布をその体にかける。
「半日ほど時間があるとはいえ、汗を流すといって1時間経っても帰らないので心配しましたよ。それもこんなところでお昼寝、しかも見たこともない衣服をかけて寝ているとは」
「見たこともない……?」
少女が視線を落とした先にあったのは、見たこともない衣服。少なくとも『騎士団』ではこんなものは支給されていない。何故こんなものがあるのかと思ったが、脳裏によぎった光景で眠気が吹き飛んだ。
可愛い白銀の小竜。全裸の冴えない顔の男。そしてあられもない姿の女性が描かれていた本。その全てを鮮明に思い出した。顔を真っ赤にしながら立ち上がり、全裸の少女はその場で叫ぶ。
「あぁんの変態!! どこに行ったのよ!!」
「ど、どうなされたのですか」
「周りに誰かいなかったの!?」
「おじょ、いえ、少佐以外には見当たりませんでした。変わった点と言えば、この衣服とこれまた不思議な文字が使われた包みが1つあったことぐらいです」
「逃げたのね……! 絶対、絶対追いつめてやるんだから……!」
「おお……。なんと恐ろしい剣幕。それほどのことをされたのですね」
「そうよ! あいつは……、あの変態はぁ……!!」
鬼の形相の少女の表情はさらに赤いものへと変貌していく。あの男を思い出すと同時にそんなことやあんなことが描かれた本の内容も蘇ってしまうからだ。
怒りと恥ずかしさが頂点に達し、上手く回らなくなってしまった口を少女はぱくぱくと動かす。久しぶりに見たそんな様子を不安そうに見守る老人だが、その注意はとある別のものへと向いていた。
老人が少佐とは別に注視していたもの。それは、サクが残したオレンジ味のグミ一袋だった。呪術や悪質な罠が張られていないことを確認した老人は、少佐に気を配りつつもゆっくりとそれを開けてみた。
「ほお、これは……」
「ちょっと、『ゲイリー』!? あの変態が残したの、開けちゃったの!? 早く捨てなさいよそんなも――」
「落ち着いてください少佐。どうやらこれ、甘味の類のようです」
「はあ? 甘味?」
「ええ。色も鮮やかです。では毒見に一口」
そういって老人は袋の中から一つをつまんで口の中へ。広がるのは素朴な柑橘系の甘味。たまに食べたくなるような癖のある食感。悪くはない出来具合に老人は笑みを浮かべていた。
「んむ。それほど小味ではないですが、十分ですな。持ち運びできる食料としても、手軽でよいかもしれません。毒も無問題のようですね」
「何を細かく分析してんのよ」
「ああ、すみません少佐。ご機嫌斜めというもは私でも分かります。しかしながら、よく考えてください。この食料を少佐に危害を加えた存在が残した意味を」
「……せめてもの償いだってこと?」
「そうだと思えます。それにその衣服も、恐らく少佐を気遣ってのもの。本心から危害を加える気はなかったのでしょうな」
「……――」
状況からの推測を述べる老人の言葉を聞き、赤くなっていた少女の顔は少しずつ沈静し始める。その脳内で先刻のことを思い返し、何か問題がなかったかをすぐに整理し始めた。
滝からの落下。上がった河原に白銀の竜。迫ってきた全裸の男。全裸の男。そう、全裸の男。何故裸だったのかと思ったが、記憶の片隅に答えはあった。
男が現れた岩陰の近くの岩に、衣服が干してあった。聞き慣れぬ言語を口にしていたが、その言葉と足は震えていたように感じられる。何故衣服に手をつけないほど急いでいたのか。それは恐らく、自分が竜を連れて行ってしまうと勘違いしたからか。
繋がってきた記憶。出来上がり始める推測。数秒も経たない短い時間でそこに行きついた少女は、非が自分にもあったことを認めていた。
しかし、認めたくない1つの結論も出てしまった。白銀の竜が全裸の男に向けていた視線がその答えだ。高い確率で合っていると思われる推測に、少女は思わず声を漏らす。
「――いや」
「少佐?」
「いや、いやいやいや。そうであっても、それはないでしょう! よりにもよって!!」
「ど、どうされたのですか。もしや、別に何かを――」
再び取り乱し始めた少女に、老人は問いかける。それをかき消すほどの複雑な思いが込められた叫びを、少女は快晴の空に向けて轟かせた。
「何であんな変態が『守護騎士』なのよぉ!!!!」