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第十一話 ドキドキ

それから何日か経った後、俺は再びりゅうびの天幕に呼ばれた

二度あることは三度ある

これ以上りゅうびに弱みを握られても癪なので、しっかりと声をかけて中に入った

流石に小学生体系のロリっ娘の着替えに興味はない

もうちょっとりゅうびが育っていたら危なかったかもしれない


「む、ちゃんと声をかけるようになったな、成長したなこーめー」


「軍師は二度同じミスをしないもんだ」


「なんだ、この間まで俺が軍師で良いのかとオロオロしていた人間とは思えないな」


「ふん、良いんだよ、現に俺はちゃんと活躍してるだろ」


「まぁそうだな」


っ、またこれだ

ときどきりゅうびの目力が凄い

吸い込まれそうになる

いつもは減らず口ばかりなのに、たまにこうやってドキドキさせられる

これがりゅうびの仁徳なのだろうか


俺はなるべく顔に動揺が出ないように取り繕い、呼ばれた理由を聞く


「明日、どうも大きな会議があるんだが、お前も参加して欲しい。近々大きな戦があるらしい」


「なんだ俺らも会議に出れるのか、言い方は悪いが、うちは弱小だからてっきりこの間みたいに命令だけされるんだと思っていたんだが」


「あたしも、そう思ってたんだがな、手土産とこの間の制圧戦が効いたみたいだ」


「監視部隊の制圧はわかるが、あの肉団子ってそんな重要なやつだったのか」


 ただの偉そうな小心者だと思ってたのに


「ああ、今回の戦いもあいつの情報が元になってるらしい」


「なるほどな、了解した、他に誰か連れて行くのか?」


「いや、あたしとこーめーで十分だろ。まぁ、近くまではかんう達にも護衛としてきてもらうがな」


「っと、そういえばちょうひさんはどこいったんだ?」


 時間も時間だし、りゅうびと一緒にいると思ったら、いない

 あえて、ちょうひさんに聞かせたくないようでも話すかと思えば、今の話の内容を聞く限りそういうわけでもなさそうだ


「なんだ、こーめー、おまえちょうひが気になるのか? あいつはなかなか、気がきくし、強いからな。しかし、ちょいひはそういうことに疎いからな、振り向かせるのは難しいぞ」


 と、りゅうびがニヤニヤ言ってくる


「そういうんじゃねぇって、ただ、ここにいないのが気になっただけだ。いくらちょうひさんが強いとは言え、女の人が一人で外に出歩くのは遅すぎるだろ」


「まぁ、そういうことにしておいてやろう。だがこーめー、いつちょうひが一人でいるなんて言った。あいつは今かんうと修行に行ってる」


「こんなに夜遅くにか? 」


 現代の日本と違い、明かりがどこにでもあるわけではない

 ここの陣地の保守のためにかがり火はあるが、それでもちょっと先が見通すのがやっとだ

 そんな中で修行とは常軌を逸してる


「まぁ、夜にしかできない訓練もあるんだろうさ」


「そんなこと言ったてなぁ、こんな暗い中で怪我でもしたら……


「あら、こーめーくんわたしの心配してくれてたの」


 突然後ろから声がかけられた

 そこには、少しだけ汗ばんだちょうひさんがいた


 天幕全体に僅かに汗の香りと、甘い女性の香りが広がる


 ランプで照らされたちょうひさんは艶があって、いつもよりも色っぽく見えて、俺はドキっとした


「こーめー、何ちょうひに見とれてるんだ」


「見とれてるってなぁ、何言ってだよりゅーび」


「では何を見ていたのだ」


「俺は、ちょうひさんが怪我とかしてないかって心配で見てただけだよ」


 俺はドキドキを隠すために必死に取り繕う

今日は取り繕ってばかりだな


「大丈夫ですよ、こーめーくん、わたしには筋肉がありますから」


 えへん、とちょうひさんがどんと胸を叩き言う


「そうですか、それでも、汗をかいた服でいるのはよくないですよ。じゃあ俺は、りゅうびと話し終わったんで帰ります」


「なんだこーめー、つまらんな。ん、じゃあ、明日頼んだぞ」


「こーめーくん、おやすみー」


 俺は二人に手だけ上げて応え、そのまま天幕を後にした

 あのまま、あの姿のちょうひさんを見ていたら、やばかった

 女の人は格好や光加減が変わるだけで、あんなにも変わるもんなんだな


 自分の天幕に戻ると、かんうさんも戻ってきていて、既にりゅうびの抱き枕(自作)をかかえて眠っていた

 そのそばで寝ないといけないのかと思うと、すごい嫌だったが、やっときた眠気に負け、そのまま吸い込まれるように自分布団に引き込まれ、眠ってしまった


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