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プロローグ

プロローグ

 羽津市から西羽津市へと向かうプラットホームに俺は立っている。

「……はぁ」

「これからよろしくね、お兄ちゃん」

「最悪だぁ……本当、最悪だぁ」

 にこにこと笑う金髪碧眼の少女の隣で俺はため息をついていた。

 世の中には吸血鬼という存在がいる。というか、隣にいる少女がそうだ。

 ちなみに俺は人間である。皆さんがご存じのただの人間である。種別的には珍しくもないだろう。

 隣の少女は日本吸血鬼協会、通称NKKの研究部門に所属している吸血鬼だ。

 羽津市の学園で色々とやらかした俺はその被害者である人物を助けるため、NKKの人質みたいなものになったのだ。

 そして、これからNKKの対外特別派遣員として人以外の存在を確認するため調査対象となった学園へと向かうのだ。

「何だか元気ないね?」

「わかるか?」

「うん、馬鹿っぽい顔してる」

「……はぁ」

 本当はスタイルのよくて、隣のちんちくりんとは性格もまだましな吸血鬼が一緒に来る予定だったのだ。

 しかし、別の用件で外国に飛んでしまい、残ったその相棒が俺と一緒に来る事になったのだ。

 幸先いいとは言えない。一カ月程度、この娘さんと生活してきたがもう、最悪。朝は起きない、みそ汁は赤じゃないと嫌とぶちまけ、癇癪を回す。

 おやつが気に入らない、血がまずい、イライラすると言う理由だけで暴れるのだ。俺がため息つくのも頷けるかと思う。

「はぁ……」

「おや? 君は夢川冬治君じゃないか?」

「あれ? 黒葛原のおじさん?」

 プラットホームで声をかけられる。スーツの上にコートを羽織っている。すこし、着膨れしているような感じがするのはおじさんが寒がりだからだろうか?

「これからデートかい?」

 隣にいる吸血鬼少女を一瞥し、柔和そうな笑みを浮かべた。

 すぐさま親戚ですと言おうとしたけど、黒葛原のおじさん自体が俺の親戚だ。いないことなんてすぐにばれるだろう。そもそも、金髪だしな。

「あ、あはは……まぁ、そんなところです」

 ぼそっと呟く。隣の吸血鬼は俺の足を蹴った。

「おじさんは何しているんですか?」

「これから出張でね。少し寒いところに……」

 そこで、また一人プラットホームへ人が現れた。

 金髪の女性で、ぼんきゅぼんだった。すぐにこちらへやってきて刃物をとりだした。

「Please separate your wife!」

「え、お兄ちゃんあの人なんていったの?」

「早口でわからなかった……英語ぐらい頑張れよっ」

 お前さんは金髪碧眼じゃないかっ。

そこで電車がやってきた。

 おじさんは俺達に電車に乗るよう告げた。

「行きなさい。この子は過激だ。君たちにも害を成すかもしれない」

「え、おじさんどういう事?」

「Which do you like to ride, trains or HEARSE?」

 これまたボインな姉ちゃんが何かを言っているが早口な為わからなかった。

「行こう、お兄ちゃん」

「でもっ」

 電車に乗り込むが、黒葛原の伯父さんは乗って来ない。金髪のねえちゃんと相対するだけだ。

「アリスたちにはアリスたちのやる事があるのっ」

「あ、ああ、そうだな。おじさん、お元気で!」

「ああ、君たちもな」

 そして、電車が動き出した。

「あれは一体何だったんだろう」

「さぁ?」

 俺は吸血鬼少女と一緒に首をかしげるのであった。


初めましての人は初めまして、また会いましたねの人はもう会わなくていいよと思っているかもしれません。作者の雨月です。この小説を読んでくださってありがとうございます。まだプロローグですがね。NKKってなんだよと言う方、そのうち説明します。私が以前書いた気になるあの子と吸血鬼、気になるあの子と透明人間を読めばわかるかもしれませんが読まなくても大丈夫です。この小説は不定期更新です。毎朝七時に定期的に更新されるなんて思っちゃあ、いけませんよ旦那。まぁ、時間があれば投稿します。どっちだよと突っ込ませれば私の勝ちですね。あんまり長くあとがきかくと怒られますので残りは私の活動報告のほうに乗せておきますので読みたい方はそちらへどうぞ。書いていて楽しい小説を目指して、がんばります。よければ感想や評価をお願い致します。

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