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桜吹雪  作者: 亜梨朱
8/32

Ⅷ.休んだ理由

はっはっはー

今回は早めに更新できました(-_☆)

結果、内容がぐちゃぐちゃに……


「海月ー」

「あ、晋一?何?」


昼休みになって、海月に声をかける。


一時間目から寝ていた俺が起きたのは、何故か三時間目の終わった頃。

つまり、昼食の前。


陸に起こされたときはビックリした。

俺としては、一時間目が終わった頃だと思っていたが、陸に言われたのと、黒板に書いてあった数式を見て三時間目まで寝ていたことを知った。


だから、海月には一時間目の放課に聞こうと思ってたのに、弁当を食べ終わってから昼休みに話を聞くことになってしまった。


「朝、先生と話してただろ?何の話だったんだ?」

「…何で?気になる?」

「お前、話し終わって教室入ったら、暗い雰囲気だったぞ?」

「えー…マジっすかぁ…」


海月は片手を額に当てて、大きなため息をつく。

ブツブツ言いながら、どうしようと迷っているらしい。


何か、面倒くさそうだな…。

聞くんじゃなかった…。


と心の奥底で後悔した。


「誰にも言わない?」

「言わねーよ」

「本当に?絶対?言ったら本気で針飲ますからね?」


海月の目は本気だった。

一瞬、身の危険を察知したのか、背中がゾクッとした。


「どうすんの?」

「本当に絶対言いません」

「…ならいいよ。教えたるわ」


海月は俺の制服の端を引っ張っていき、教室の端っこに移動する。


カーテンで身を隠して、小さな声で海月は言った。


「実はさ…、柚兎左のことなんだけどさ…。あの子、本当は風邪じゃないんだって」

「はぁ?じゃあ何なんだ?」

「分かんないけどさ、何か柚兎左のお母さんが休むって連絡入れたとき、変なこと言ってたんだって」


俺が「何を?」と聞こうとすると海月が先に口を開く。


「柚兎左ってどうしたの?風邪ってことでいいわよね?はぁ?インフルエンザ?面倒くさいわね。じゃあ学校にはそう言っとくわ

…だって。」

「つまり、柚兎左は元気ってことか」

「そういうこと。でもこれは家庭の事情みたいだから、先生も困ったらしいんだって。ズル休みは良くないってことで、仲のいい私が連絡してみろって言われたんですよー」

「ふぅーん」


一通り分かった。

でも、それと海月が暗いオーラを出していたのとは、あまり関係がない気がする。


「パケット代も考慮してほしいよねー…。あの先生見てると、正直ストレス溜まるし」

「まさか、暗いオーラ出してたのって…」

「出してたかは知らないけど、あの時は先生の加齢臭がずっと臭ってたから。

もう最悪なんですけど…」


海月はキョトンとしてから、苦笑いしながら言った。

確かに、担任は中年で少し臭うが…


そんなことを気にする海月がくだらない……


「今、くだらないって思ったよね…。思いっきり顔に出てんだけど」

「あ、悪ィ」

「否定しないんだ。話すんじゃなかった」

「いや、思ってねぇよ」

「別にいいよ、晋一なら。陸とかならめっちゃムカつくけど」


そう言って、拳を握りしめる。

気のせいだか、血管が浮いているような気がした。


よかった…、俺が俺で。


って意味わかんねーけど。


「とにかく、誰にも言わないでね!別に信用してない訳じゃないんだけどさ」

「分かってるよ。誰にも言わねー。でも何でそこまで秘…」

「ありがとさん!あ、そうだ…綾香ぁ――っ!」


まるで、わざとのように海月は俺の言葉を遮った。


じゃあねと言って、友達のところに走っていく。


そんな様子を見て、俺は不思議に思った。


恐らく、海月は何かを隠している。


直感的にそう思った。





昼休みも終わるし、席に着こうとしたら、教室の後ろの方で海月の叫び声が響いた。


「ぎゃぁ――!陸、さっきの話聞いてたの?超意味分かんないんですけど!」

「ま、いいじゃねぇか!俺と海月の仲だろ?」

「どーいう仲だよ!ざけんな!」


どうやらさっきの話を、陸は聞いていたらしい。ってか盗み聞きか…?


陸は、海月に顔を思い切り蹴られ、さらにアッパーカットを食らう。


「ちょっ!海月さん!?」

「黙れ!人の話を聞くとかマジあり得ないんですけど!どういう神経してんの!」

「情報を進んで知りたいというか、人間の本能…」

「アホぉ―――――!!」


そして、陸はボコボコにされ、力尽きた。


最後に、親指をグッと立て、白い歯を見せた笑顔で言った。


「黒と白の水玉模様…」

「ぎゃぁぁぁぁぁ――――――――!!」




陸は本当に力尽きた。

白眼になり、字幕で「ただの屍のようだ」と出そうな痛々しい姿になった。


「勝者、桜井海月ィ――!」

『きゃああ―!!』


一人の男子が言うと、一部の人に歓声が巻き起こる。


陸は、保険委員により保健室へ連行された。


誰一人、陸の心配をせずに、海月をおだて上げ、騒いでいた。


盛り上がっているのは、一部の人だけで、他の人たちは全く気にせず話していた。

そいつらでさえ、陸の心配をする者はいなかった。




授業を始めようと、担任が教室に入ると、一瞬目を丸くしてから額に手を当てため息とともに呟いた。


「何やっとんだ…おまえ等は……」



今日だけは先生の意見に賛成です。


本当に、B組って何がしたいんでしょうか……。


ちなみに、登場人物の名前ふりがな


高橋晋一(たかはししんいち)

江川柚兎左(えがわゆうさ)

赤松陸(あかまつりく)

桜井海月(さくらいみつき)

天城直紀(あまぎなおき)

山本和宏(やまもとかずひろ)

小野真広(おのまひろ)

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