Ⅶ.早朝
更新遅れてますねっ
(°∇°;)
本当にごめんなさいm(_ _)m
翌日。
俺は柚兎左に昨日の理由を聞くために早めに学校に来た。
いつも賑やかなB組はしんと静まりかえっている。
こう見ると、五月蠅い教室が恋しく思える。
しかも、春なのにまだ朝は冷えるらしい。
この気温と静けさは、何とも寂しく思える。
鞄を机に置き、イスに座るとひんやりしていた。
「冷てぇ…」
俺の呟きは、虚しく消えた。
ため息をこぼし、教科書を机に入れて内緒で持ってきた携帯を開く。
こう寂しいと、何故か受信メールを読み返してしまう、俺の癖。
女子ならともかく、男子だと少々キモイと自分でも思う。
陸とか女々しいやつめとか言っていた。自覚していてもそれを人に言われると何となくムカつくため、即ボコった。
受信メールのほとんどが陸からで、内容は至ってくだらない。
『時間割教えろ』とか『サッカーの試合見た?』とか『雑談しよーぜー』などなど。
あとは、真広から部活について、直紀から遊びのお誘い、和宏から情報交換など。
そして、少し前に来た柚兎左からのメールもあった。
内容は陸と同じような文。
『時間割教えて(^-^;』や『今度の日曜日空いてる?』など。
「はぁー…」
昨日の柚兎左の泣き顔が目に焼き付いていた。
本当に、何故あいつは泣いていたのだろうか。
珍しすぎて、その事しか頭になかった。
昨日ずっと考えても、分からなかった。
それを確かめるために早く来たわけだが、柚兎左どころか誰も来ない。
まさかの今日は学校休みか?
でも一年も二年も来てたし、三年の数人も駅のコンコースで騒いでたし、それはないか…。
携帯を閉じて、席を立つ。
机に置いてある荷物を片手で持ち、教室を出て目の前にあるロッカーに向けて鞄を投げる。
金属が当たる音が廊下で反響する。
鍵を開けて、無理やり鞄を押し込み、鍵をかける。
足音から、ロッカーで作業する音まで全ての音が廊下に響く。
「……」
本当に誰もいない。
何だよ、この虚しさは。
「なーに、湿気た面してんだよ」
振り向くと、陸が通学用鞄とでっかい部活用鞄と共に現れた。
「遅ェよ!」
「お前が早いんだよ!まだ七時半じゃねぇか!登校時間は七時半からだっつーの!」
「あ…マジでか?だから誰もいねーのかよ!」
「当たり前だって…。てか普段遅く来るお前が早いって珍しいじゃねぇか」
「まーな」
会話をしながら、教室に入る。
さっき俺が入ったときより明るい雰囲気だ。
一人でいるより誰かといる方が楽しいんだなと、改めて思った。
結局、朝早く来たというのに柚兎左は学校に来なかった。
担任は風邪と言っていたが、妙に嘘臭かった。
まあ、いいや。
「桜井!ちょっといいか?」
「あ、はい…」
海月と担任は、廊下に出て行って、教室は騒がしくなった。席を立って雑談をしに行く者もいれば、授業の準備をする者もいた。
前者に該当する数人の女子たちが、俺と陸の方に寄ってきた。
「晋一、陸!昨日はお疲れ様!」
「本当スゴかったよ!めっちゃ白熱してたじゃん!」
「二人ともゴールに入れたよね!流石だね〜」
「いやー、それほどでもーあるよ」
「何それぇー」
「超ウケるんですけどぉ」
楽しくねぇ…。
陸はノリのいい奴だから、誰とでも楽しく話せる。
俺は結構好き嫌いが激しいから、嫌いな奴とは喋らない。
こいつらはそれ以下。ってか誰だ?
陸は普通に仲良く喋っているが、友達なのか?
陸とは三年間一緒のクラスだったから、陸も知らないはず。
…もしかして、俺の記憶が老化しているのか!?
そう考えていると、いきなり女子が話を振ってきた。
「晋一もそう思わない?」
「ああ」
聞いてなかったし、面倒なので、適当に相槌を打つ。
少ししらけてから、一人の女子が苦笑しながら言う。
「やっぱ柚兎左がいないと盛り上がらないねー」
「うんうん。五月蠅いけど、いないと何か寂しいわー」
「だよなー。てか先生と海月は何話してんだ?」
『さあ…』
最後の言葉は見事に全員がハモった。
しばらくして、海月と先生が戻ってきて授業を開始する。
海月は戻ってきたとき、少し暗い顔をしていたので、後で何を話していたのか聞くことにしよう。
今日は早く起きたため、すごく眠い。
道徳とかサボっても大して支障はないだろう。
俺は頬杖をつき、目を閉じた。
いつの間にか眠っていた。
じ、次回こそは早めに更新を…!