Ⅴ.試合当日(2)
やっとできた( ´∀`)
晋一目線に戻ります(^-^)
あと一点…。
俺たちの学園と相手の学校の差は、一点しかなかった。もちろん、俺たちが負けている形だ。
野次馬が集まってきゃーきゃー言っているせいか、緊張感がさらに高まる。
観戦してくれるのは嬉しいが、流石に五月蝿すぎる。もう少しボリュームを下げてほしいものだ。
それに、いくら練習試合とはいえ、絶対勝たなければならない。
昨日まではたかが練習試合、真剣に取り組めばいいだろうと思っていたが、今日顧問の北島大先生が
「勝てば今日は宴会だ。負ければ……ただじゃすまねぇからな?」
と脅されたため、何があっても勝たなければならない。
今はボールの奪い合いで、相手との差は一点に抑えているが、やはり厳しいようだ。両者共に息が上がり始めていた。
ふと気付いたが、柚兎左の姿が見あたらなかった。海月は来ているし、今までの試合もほとんど顔を出していたのだが、今日はいなかった。
あのカラオケの日から、妙に俺を避けている気がした。
俺には関係ないと思っていたが、流石に避けられては気になるものだ。
今までにそういう暗い雰囲気を出していたことはなかった。…とは言えないが。
とりあえず、俺に対してはなかった。ここはどうするべきかと迷う。
聞くにもタイミングが掴めないし、その前に授業以外で会話をしていない為、無理だった。
「晋一!パスっ」
ボールが俺の方に回ってきたため今は試合に集中するとしよう。
目の前はほぼ無人。思いっきりドリブルして蹴れば行ける。
外野の女子たちのきゃーきゃー声がさらに大きくなる。妙に緊張したが、試作「THE・ミラクルスタースーパーシュート」でボールは一直線にゴールに入る。
「よっしゃー!」
『きゃー』
『部長ぉー!』
これで同点。あとは再びゴールに入れることができれば勝機は我が手に。
「あと一点で勝てるじゃねぇか!いやー、俺はやると思っていたよ。さすが我が奴隷……ゴホンッ、…さすが我がチームだ!」
「今奴隷って言おうとしたよな?」
「敬語を使え、高橋」
北島先生にとてつもない表情で睨まれた。
背筋がゾクッとして危険を察知したため改めて敬語で話す。
「奴隷と仰ろうとしましたよね?北島先生」
「北島“先生”?」
「き…北島大先生」
やっぱ勝たなければ殺される…。
「お前の耳は飾り物か?俺はチームと言ったぞ?生徒を奴隷なんて当たり前……ん゛ん゛!…そんな、可愛い生徒を奴隷なんて言うわけ無いじゃないか」
「先程から咳払いが多くありませんか?その前に恐ろしい言葉が聞こえるのですが…」
「空耳だろ。最近痰が詰まっていてな。風邪かな?」
「絶対違うと思います」
今日はやけに怖い言葉が聞こえるものだ。
北島大先生に視線殺しされたくないから、そこまで深くは突っ込まないが。
他の部員なんて、震えて下を向いてるやつもいれば、
「部長、よく命懸けな事ができますね」
という視線を向けてくるやつもいた。
我ながらそう思う。
「んじゃ、さっさといけ!奴隷ども!」
『やっぱ怖いこと言ってるよ!生徒奴隷扱いしてるよ!』
見事にメンバー全員でツッコミを入れ、試合に戻った。
俺たちが再びプレイし始めると、北島大先生は俺たちに聞こえないような声で小さく呟いた。
「緊張もほぐれたな。頑張れよ…奴隷ども…」
ペースが崩れてる…
文章も若干変わっていってる気がする…(悪い方に)
(-_-;)