表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜吹雪  作者: 亜梨朱
32/32

ⅩⅩⅩⅡ.久しぶりの笑顔

今年になって初めての投稿だべ(`・ω・´)


こんな駄文を読んで下さっている皆様!

本当にありがとうございますm(_ _)m


今年もよろしくお願いします(*´∀`*)

海月が登校してきて、五日が経った今日。

B組では、早速劇の練習が始まっていた。

劇の内容はB組オリジナル。ベースとなった物語は、彼の有名な『白雪姫』。


ヒロインはある国の女王の娘……三姉妹の次女。

長女の娘よりも、母に愛されていた次女のルーチェは、亡くなった女王の遺言で女王になる。

しかし、納得のいかない長女と三女。

長女は傲慢な性格で長女の自分でなく、次女が王位を継承するのが気に入らない。

三女は常識的な性格で曲がったところが嫌いだから、贔屓で次女に継承するのが気に入らない。

ルーチェは二人から嫌がらせを受け、行方をくらませ、隣の国に身を潜める。

まあ、お約束通り王子に会って恋をして結婚するが、姉妹の策略で階段から落ちて生死の境をさまよい、王子のキスで目を覚まして幸せに……という物語。

誰が作った話かは知らんが、在り来たりというか……夢見すぎだろと思った。

が、本人曰くキスは本当にさせるとのこと。

それが目当ての脚本だとみんな分かって、ノリノリのようだった。


さて、そんな物語の王子とヒロインの役を任されたのは……。


「ま、まあ……!な、何て凛々しいお方なのかしら〜……」

「ルーチェ様。この方こそ、この国の王子……ロデリック様よ」

「お……お初にお目にかかる。王女ルーチェ……。何と……う、ううう…美しいの、だ、ろう…………やってらんねーよっ!!!!」

「カァーット!!ダメよ真広くん!海月も!!ぎこちなさすぎるわっ!」

「だ、だって……うちこんな役やったことないし……恥ずいっ……」

「んなこっぱずかしい台詞言えるかっつーの!!」


そう、あみだくじの結果……というかクラスの陰謀により、王女ルーチェ役は海月。王子ロデリック役は真広となった。

あの二人ならいい感じに“ラブラブっぷり”は演じれる。誰もが思ったことだ。

しかし、台本読んだ途端、誰もが無理だろ……と思った。

ルーチェは素晴らしいお嬢様口調。

一人称は“わたくし”だし、語尾は“ですわ”だし、基本敬語。

一人称が“うち”で、基本女王様口調の奴が自分が遜るような言い方。

無理だろ。

そして、ロデリックは紳士口調。

一人称は“僕”か“私”で、素直で笑顔が爽やかなさっぱりとした青年。無論、こちらも基本敬語。

ほとんどが黒い奴で、人を見下してて、ケンカが強いぶっちゃけ不良、仲間は大切にするが暴言が著しい、俺様タイプ。

両者ともに正反対の性格の人物を演じる。

海月は、顔立ちも良いし、第一印象は清楚系だと感じる人が多いから、お嬢様口調も似合うだろう。

しかし、真広は同じくかっこいいとは思うが、爽やかさなど欠片も持ち合わせていない。

美しいなんて言う真広なんて、真広じゃねぇ。

てか、はっきり言ってロマンなんかなく、無茶苦茶笑える。


「おいっ!何だこの台詞は!?」

「んー?プロポーズの言葉よー!『ルーチェ……。僕は君が楽しそうに笑っている姿を見ているだけで幸せだ。君の笑顔は世界一美しい。それに……君に涙は似合わない。だから泣くのはお止め……。君の姉妹達がどんなに君に意地悪をしようと、僕が君を必ず守ってみせる。……愛している。僕と結婚してくれないか……?』もうサイコーよっ!きゃー!!」

「長ぇよ!しかも何だよ気色悪ぃ!俺はホストじゃねんだよ!一億歩譲っても最後の二つしかいらねぇだろっ!」


真っ赤な顔で抗議する真広。

監督兼原作者が読み上げた台詞により、茹で蛸の如く顔を真っ赤にし、硬直した海月。

あんな台詞を言う真広を想像しただけで笑いが止まらない俺。

あと陸も、向こうの方で爆笑している。


「えぇー。これでも結構短くしたのよー?」

「絶対言わねえ!もしくは、ロデリックの性格を丸々変えろ!!」

「う、うちも!ルーチェの台詞、もう少し変えて欲しいんだけど……」

「海月まで言うのぉ?まあ確かにぃ……真広くんが君には笑顔が似合うとかキモいからなぁ……」

「キモいとは何だ。俺が言われてるみたいでムカつくんだけど」

「性格は変えてあげるわ!二人の性格に合わせて!でも口調変えていいから、あの台詞は言いなさいよー?」

「はぁ!?冗談じゃ……」

「分かった。ありがとー監督〜」

「あ、その響きいいかも……」

「俺を無視すんじゃねぇ!」

「別にいんじゃない?あのくらいの台詞なら」

「いや、あのくらいじゃねぇから!結構巨大だからな?第一、約二名爆笑してんじゃねぇか!」

「まぁまぁ……ぶっ!」

「おいコラ」

「そんな堅いこと言うなってぇー。ロデリック王子♪」

「るせぇな!後で覚えとけよ!?」

「あっはっは!やっぱ面白いねぇ!」


俺、陸、海月で爆笑しあう。

何か久し振りだな……こんなに笑ったのは。

みんなが涙をためるほど笑うのは本当に懐かしく感じる。

最近は柚兎左関連でいろいろあったしな……。

そう言えば、あいついねぇな。

俺も柚兎左も衣装係だから、デザインとか決めねぇといけねぇのに。

……こう考えてはいるが、実はまだ笑ってたりする。


「晋一くん、購買でメジャー買ってきてくれる?」

「あ、ああ……了、解っ……。腹痛ぇー……!」


文具購買は一階だっけ?

何気に久しぶりに行くな。

文具購買は、一旦外に出て通路を通って行かなきゃならないから、あまり人がいない。

そのため、絶好のさぼり場だった。

時々先輩がサボっていたのを思い出す。

静かな廊下を歩くだけでも、結構しんどい。

さっきのを思い出し笑いしそうで、堪えるのに精一杯だ。

一年は静かなんだな。

三階から聞こえる笑い声。

俺も、あの笑いの中に戻りたいため早足で歩く。

開いた扉の隙間を通り、外に出ると、若干風がありとても気持ちよかった。


「っ……っ……」


そして、外に出たとき、静かな風とともにすすり泣く声がした。

足音をたてずに、そのすすり泣く声が聞こえる方へそっと近づく。


この声……女か?後輩とかだったら、先公に知らせるべきか?


そして、曲がり角から顔を覗かせて見えた人影は紛れもなく……。


「――……柚兎左……?」


倉庫と壁の間に座って伏せている柚兎左だった。


10話らへんを読み直してみた。


……直紀と和宏って誰だよ…(`▽´;)


今更ですけど ぶっちゃけ


○高橋晋一

○江川柚兎左

○赤松陸

○桜井海月

○小野真広


の5人を覚えていただければ スルッと読めます。


いろんなキャラ登場させてますけど 本当チョイ役なので…

この5人以外は覚えなくていいです(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ