ⅩⅩⅩⅠ. 一大イベント
頭痛い……
年賀状書かなきゃ……
みなさま メリークリスマスイブです(*´∀`*)
衣替えの時期になり、夏休みが迫る頃。
この学園の一大イベントが近づいてきた。
それは、中等部だけでなく高等部も合同で行う。
高等部は隣の敷地にあるため、普段は決して使用されることはない渡り廊下が使われる。
あの渡り廊下を渡ったときの感動は、まだ鮮明に覚えていた……らいいのだが、俺は全く覚えてない。
いや、景色がきれいだなと思ったのは覚えているが、別に感動はしなかった。
女子はキャーキャー騒いでたが。
まあ、その女子にとっての念願の渡り廊下を渡れる行事というのは……。
「では、今から三年B組の“学園祭”の出し物を決めまーす!!」
そう、学園祭だ。
どんだけ力を入れれば気が済むんだというほど力を入れた、学園祭。
去年は二日間行い、クラスの出し物を午前と午後に行った。
二日目は、その後に日が沈み始めたらミスコンとマラソン大会。
そして夜になったら、後夜祭。
高等部の方の校庭で、キャンプファイヤーとフォークダンスを行った。
感想?そりゃあ、素晴らしいくらいに楽しかった。
流石というところだ。
「んで、俺ら三年だろ?A、B、C、Dの四クラスでじゃんけんしたんだ。そしたらな、我々B組は体育館を陣取ることに成功した!」
『おぉーっ!!』
「まあ、B組だけでなく演劇部とかバンドとかが発表で使うが、優先的に使わせて貰えるってことだ!んで、クラスの出し物で体育館使うとなると……劇とか漫才とかダンス発表とかどうだ?」
『あたし劇がいいーっ!!』
『劇も良いけどダンスとかよくない!?』
『いやいや、ここは漫才だろ!どのクラスとも絶対被んねぇぜ』
『滑ったらイヤじゃーん。ハズいにも程があるっしょ』
女子を中心にフリートークが始まる。
フリートークだと意見が出やすいからと、話し合いの時はほとんどこんな感じになる。
うるさい方が緊張感なしに、思ったことをすぐに話せるのは分かる。
でも……うるさすぎじゃね?
「はーい、一旦黙れー。では、今フリーに出た意見をまとめる。書記かもーんっ!」
「はいはい」
「まず出た意見は、劇、ダンス、漫才、バンドだ。で、劇は好評だったな。劇の他にダンスもというなら、劇の中にダンスを取り入れるのもありだと俺は思う。みんなはどう思う?」
『さっすがー』
『そういう手があったか』
『それでいいと思います』
満場一致で賛成が出るとは、すごいな。
話し合いは進められていくが、ぶっちゃけ眠いので頬杖をついて寝ることにしよう。
目を閉じたって、話し合いの内容をきちんと聞いときゃ問題ねぇだろ。
次に目を開くのは多数決の時だな。
「漫才は滑るという意見がある他、全員参加はできないという意見、そんないくつもネタを思いつけないという意見がある」
確かに滑ったらハズいもんな。俺もパスだ。
「まあ、他に意見がある奴ーいるかー?」
『はーい』
「ほい、どうぞ」
…………。
「んじゃー、多数決とるぞ!やりたい出し物一つに手を挙げろ。決まったら伏せろよー」
……多数決?
いつの間にか真面目に寝てたのか、俺。
出し物……正直、何でもいいな。お笑い以外。
……今顔上げたら、寝てたのバレるよな。
んー……一番最初のに挙げれば、変なの選ぶこともないし、挙げ損ねることもないだろう……。
変なのでありませんように。
……眠ぃ……。
「んじゃあ劇」
自分以外の衣服が擦れる音がした。
結構な奴が挙げてるんだろうな。
ということは、劇で決定か?
それとも、俺の周りだけ劇で、後ろの方の奴らは別のなのだろうか。
「はい、下ろせー。次は漫才」
これも、そこそこ挙げてそうだな。
「はい。んじゃ、次はバンド」
…………。
「はい。最後はお化け屋敷」
お化け屋敷!?
何じゃそれ……。
つか、できるのか?
まあ、いいか。
「顔を上げてくれ。多数決の結果、俺たち3Bの出し物は……」
「劇だ」
『うっしゃー!』
『漫才じゃねぇのかぁ……まあいいけど!』
『何やるのかなぁ……主役とかやってみたいかも』
だよなぁ。
ま、楽しみだな。
「詳細はまた今度決める。劇で何やるかとか……。それが決まったら役割分担もしなきゃいけない。何やりたいかは考えといてくれ。あと、先生が言っていたのだが、海月が来週から学校に来るらしい。海月も混ぜて話し合いたいが、時間がないから、明後日の学活で話し合いを行うってことで!きりーつ!」
海月、来るのか。
学校で会うのは久しぶりだな。
海月は、理由は知らないが、あの日から入院生活を送っていた。
俺たちは、たまにお見舞いに行き、楽しく雑談をした。
学校に来るってことは、もう退院するのか……。
おめでたいことだが、どうなるんだろうな……。
柚兎左と海月……。
何もないことを願おう。
なるべく早く更新するよう精進します!