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桜吹雪  作者: 亜梨朱
30/32

ⅩⅩⅩ.不思議

遅くなって、本当にすみませんでした!

にしても何なんだ?この問題は……。

図形が無茶苦茶入り組んでて面積なんて求めらんねーよ。

角度って分度器じゃダメなのか?

てか、この方程式面倒なんですけど……。

所謂、全てがハイレベルだ。図形についてもっと理解していれば簡単に解けるんだろうけど、生憎俺にはそんな博士並の知識は備わっていない。


さてと……解くかな。去年習ったことの応用がほとんどだし。地道にこつこつ考えればいんじゃね?


って昨日の夜に考えていた。徹夜で頑張ってやっと全部解けた。合ってるかは分からねーが、空白が埋まってれば大丈夫だろう。


本日の数学は四時間目。


その前にあった音楽で答えを見せ合ってた奴もいた。たぶん真面目にやったのは、クラスの一割もいないだろう。

俺……頑張ったなぁ。


「なあ晋一、数学やったか?」

「やったぜ。陸は?」

「へへっ。もちろん!!……やってねぇよ」

「だろうな」


陸はテンションアゲアゲだったが、やってないと言った瞬間、周りの空気が黒くなった。

何だ?こいつ……大丈夫か?


「てかよー……こんな難しいヤツなんかやってられねぇよ……。何だよコレ、俺を殺す気か?脳が死ぬっつーの」

「一応やったんだな」

「ああ。全く分かんねー……」

「俺もわかんねー」

「いや、お前解けてんじゃんかよ。俺なんて式もまともに書けてねぇぜ?分かったのは角度の問題くらいだぜ……方程式も一応できたけどな。何だよ……こんな複雑な微妙なところの面積とか分かんねえよ!!」

「……同感」


……柚兎左あいつはやってきてんのか?

覚醒してから、完璧女になったけど……結構な奴らが頭を悩ませたこの問題を解くことできたのか?


そう思ったとき、数学教師が扉を開けた。


「き、起立っ!!」

「おっ、威勢がいいなぁ」


わざとらしく言いやがって……。

何かすげえムカつくな。


『お願いしまーす』

「おう、お願いします」


あー…面倒くせぇ。


「じゃあ、昨日の宿題の答え合わせをする。今から配るから赤ペン用意!筆箱はしまえよー」


回答が回ってきて、貰った瞬間に自分のプリントとのにらめっこが始まった。

いつも騒がしいクラスのくせに、今は地味に静かだ。

俺もみんなと同じようににらめっこを始める。

正直、答えが分数だからかかなり面倒くせぇ……。

はぁ……これがあと五十分続くのか。


数学教師が教卓で何やらごちゃごちゃやってるのを確認して、俺は柚兎左の方を見る。

あいつは、退屈そうに頬杖をついて、次々にペンで円を書いているようだった。

つまり…正解しまくっているということか?


「今回は本当に難しい問題だと思う。万が一、一問も合ってなかったとしても、これから挽回していけばいい。まだ習ってないような公式もあるからな」


と、先公は笑顔で言う。

第三者から見れば、とてもいい教師だと思うだろう。

しかし、当事者からすればムカつく以外の何物でもない。

あー…もう疲れた。


一度、思考を数学から離して別のことを考えるようにした。

まぁ、真っ先に思い浮かべられたのは柚兎左あいつのことで……。

ああなる前のアイツを思い出していると、なんだか悲しくなってくるものだ。

前は暴力的でも、明るくていい奴だったのにな……。

あの時にカラオケなんて行かなきゃ、こんな風にはならなかったのか?

……チクショウ……。考えれば考えるだけ、マイナスなことばかり出てきやがる。


にしても……本当にアイツはアイツなのか?

さっき見たときとか、円しか書いてなかったし。

いくらなんでも、頭よくなりすぎだろ。


一体、何があったんだよ……柚兎左。


その日の数学では、柚兎左が全問正解したことで、先公の頭は一杯だったという。

そろそろ展開させていこうと思います。

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