ⅩⅩⅢ.離れていく彼女
お待たせしてすみません<(_ _)>
どんなに遅れても、このお話を途中で終わらせることはありませんが、もう少し早く作成できるように努力はしたいです。
それから、柚兎左は戻ってこなかった。
先公は、二時間後くらいに戻ってきた。
そりゃあ、自分の担当教科をやらないわけには行かないと思ったんだろう。
ひどく苛立った雰囲気を醸しだし、一人が「柚兎左は?」と聞くと、「あんなやつ知らん!!授業を始める」と怒鳴りに近い声を上げた。
それにビビってか、誰もその話題に触れずに通常通りに授業が行われた。
『ありがとうございました!』
「ありがとうございました」
授業が終わり、すぐに陸と真広が俺の方に早足で来た。
何故来たかなんて、考えなくても分かる。
「職員室にでも行くか?」
「でも、先生ちょーご立腹だったよなぁ」
「てか、帰ったかもな」
「購買行くついでに職員室の前通るとか!?」
「アホか。んなルート通ったら先公に怒られんだろーが」
「副担任にでも聞くか?」
「晋一聞けよ」
「面倒くせーよ。頼んだ陸」
「俺ぇぇえ!?」
絶叫する陸に向かって、静かに二人で頷く。
てかイヤなら、真広やれよとか言えばいいものを、陸は「ええぇぇ!?」と言い続けるだけだった。
「うるせえ」
真広の一言で、ビデオが一時停止したかのように止まった。
やっぱり、朝の決闘のせいか、真広に対して大人しい。
というか、大げさに言えば忠実だ。
「まあ陸、頼んだぜ」
「げぇぇぇ……!」
「じゃ、行ってこい」
「命令すんじゃねえよ!」
「おまえがモタクサしてっからだ!」
「ふんっ!真田せんせー!」
陸は副担の元へ行って、残りは俺と真広だけになる。
こっから陸たちの声は聞こえないから、とりあえず見るだけにする。
陸が話し終えると、副担は顔をひきつらせて腕を組む。
そして、耳打ちをして気まずそうに話してる様子がうかがえた。
少しの時間が経つと、二人の表情は同じような感じになる。
真広と目を合わせて首を傾げる。
まるで鏡のように同じポーズをされて、分からないのだと分かる。
もう一度、視線を戻しガン見する。
口が「あー……」と、具合が悪いように苦い顔をして、俺たちの方を見て頷く。
そんな頷かれたって、意味が分からない。
その後も二人して……、いや四人で苦い顔をしながら、先公と陸の会話は続いた。
「りくー。購買買ってきたぜー。クリームパンと焼きそばパンでいいよな?」
「おうっ!さんきゅーな!」
「飲み物はコーヒーな」
「……冷たいやつかよ。温かいやつがよかったなーなんて」
「売り切れてた。まあ、それも最後の一個で真広の眼力で手に入れたやつだしな」
「そうかー。さんきゅーなっ!」
パンを渡して、それぞれ席に着く。
予め、ちょっとした協力で軽く席替えをして、前には陸で、隣は真広になった。
自分のために購入した焼きそばパンを、破裂させて開ける。
この破裂音は癖になるな……。
そう考えていると、真広はこちら側に体を寄せて、静かな声で言った。
「で?柚兎左はどうしたって?」
「あー……あれぇ…」
苦い顔をして、キョロキョロしてからこいつも静かに話し始める。
「何かふっつーに先公は説教して聞かせたんだけどな。それにもっともな事を言われて、説教できんくなったらしい……」
「もっともな事?」
「まあ、何故そんなことをした?と言ったら『分からないから一番手っ取り早い方法』とかダメだよ?とか言ったら『私は口で言ってもダメだったからしたまでです。ちゃんと許可はとりました』とか」
「あれって許可って言うのかぁ?」
「ま、そういうことにしとこう」
「んで、先生がもう知らんとか何とか言っちゃって〜……。あの先生によると、校長室行ったとか…」
話を聞いて、俺も真広も苦笑い。
さすがにそこまでとは予想もしてなかった。
「たぶん、帰ったんじゃね?」
「かもな……」
「てか、校長室まで行くとかなぁ。俺でも相談室に全職員だぜ?」
「いや、そっちの方がヤバいと思う」
さり気なくツッコんで、パンを食べる。
さっきまでソースが利いてて美味いと思ったのに、何だか苦い味がした。
校長室まで行くなんて、どこまであいつは変わってしまうのだろう。
確かめていないので、誤字脱字や文法の使い方の誤りなどあるかもしれません。
もし合ったら、すみません。