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桜吹雪  作者: 亜梨朱
14/32

ⅩⅣ.過去と理由

今回は○○○の過去を○○が話す感じです( ´∀`)


何かノリで書いたら長くなった(^-^)

久しぶりに主人公登場!

「そこの男子!美桜を呼びなさい」

「はぁ?川崎?」

「呼べっつってんの!早く」

「へいっ!川崎!桜井が呼んどる」


D組にて。

教室に着いたら、付近で戯れていた男子に命令して、川崎美桜(かわさきみお)というやつを呼ばせた。


真広に対して怒っているのか、口調は女王様な命令口調。

それに加え、鋭く冷ややかな目で言うから、海月に逆らえる奴はいないだろう。


いたら、勇者として讃えてやろう。



奥から出てきた、髪がボワッという感じに癖のついた、全体的にほっそりとした女子がこちらの方に来た。


「海月ー!どうしたの?てか、その三人は……?」

「友達」

「それは見て分かるから!」


川崎がすかさずツッコんだ。


ここは名前でも言っとけばいいのか?


「高橋晋一」

「赤松陸っ!」

「…小野真広」


とりあえず名前を言うと、続いて陸と真広も自分の名前を述べた。


「真広は私の僕」

「海月…柚兎左みたいなこと言うね」

「海月、こいつぁ誰だ?」

「真広って口悪いよな…」

「川崎美桜。柚兎左と同じ小学校出身で私の友達」

「ちわーっす!川崎でーす」


ハイテンションだな…こいつが第一印象のソプラノ声の女子。


何となく海月がD組に来た理由が分かったような気がした。


「早速なんだけどさ、柚兎左が変なんだって……」

「あの子は元々変でしょ」

「美桜の方が変だって…。じゃなくて、本当おかしいんだって!」

「どんな風に?」

「何かいきなり休んじゃうしさ…………」


と一週間前のことから丁寧に川崎に説明すること三分。


聞くのも面倒くさいんで、三人で世間話をしていた。


「ってわけよー!おかしくない?」

「男子をねぇー…。恋愛的なもんじゃないの?好きな人以外は苗字ーとかさ」


一々振り付けまでして話す川崎。

確かにこいつは変人だなと思う。


陸は目で「柚兎左の好きな人って誰だ?」と言っていた。

「さあな」と目線で返す。

正直むちゃくちゃ気になる。

なぜかは分からないが。


真広も目で「B組じゃねーことは確かだな」と言った。

全員苗字呼びだからかと自分で理解する。

…何となく悲しい気分になったのは何故だ?


「柚兎左は好きな人いないってー!」

「確信あんのか?」


陸が問うと、海月は真顔で


「だって好きな人いるもん」


と言った。


「矛盾してるぞ」


俺がツッコむと、海月は頭を掻きながら考えているような素振りを見せた。


「うーとね…。今までもずっと好きな人いたけど、普通に名前呼びだったってこと」

「あれ!知ってるの?」

「名前は知らないけど、小学校の頃から好きだって」

「あっ、名前は知らないんだ」

「美桜は知ってるの?」

「知ってるけど…話していいのかな?」

「秘密にするから!ねっ!晋一、陸、真広!」

『ああ』


声を揃えて言う。

ていうか、海月の目は秘密にしろと脅しているようだった。


もうガールズトークみたいになっているから、会話に割り込む気にもなれない俺たちは静かに美桜の話を聞くことにした。



「二年生だっけなー…。そのときに一目惚れってやつをして、四年生で本格的に好きになったみたい。私が転入する前だからよくは分かんないけどさ」

「名前!」

「…柏木功太。野球とサッカーと陸上を掛け持ちしてた運動バカなんだよねー」


掛け持ちといえば、カラオケの時に俺が話したことだ。


その柏木功太とかいうやつと同じような感じだったから、あの時雰囲気が変わったのか?


「四年生の時、好きってあいつの友達から言われたけど冗談だと思って軽く流したわけよ。まあ、そのことに関してはあまり関係ないんだけどね。六年で同じクラスになれてかなり仲良くなったわけよ。誰がどっから見ても柚兎左は柏木が好きって分かるほどさ」

「ふーん…告白したわけ?」

「しなかったって。フられるのが怖くてできなかったって。そっから後悔しまくってさ……。何で告白しなかったとかで泣くし。柏木と会える確率がある年に四回のお祭りは、二回は野外学習と重なって二年連続行けなかったらしいし、残り二回は柏木が行かなかったらしい」

「会いたくても会えず、告りたくても告れず。未練ダラダラってわけか…。最悪じゃん」

「吹っ切れることもできずにさ…あいつに貰った絵を待ち受けにして眺めては悲しそうな顔する訳よ…。だからあんまり触れなかったんだけど」


この場に俺たちはいていいのだろうか…


正直、重すぎるこの空気から逃げ出したい。


逃げようとすれば海月が睨むし、口を挟める瞬間はないしで、最悪だ。


「この中に野球部かサッカー部のやついる?」


いきなり振ってきたことにまずは肩+心臓が飛び跳ねた。


さっきまでの若干低い声も元に戻ってるし…。


とりあえず、誰も答えようとしないから俺が答えよう。


「俺たち三人ともサッカー部だ」

「どぅわー…マジっすか」


もしかしたら、泣いていた理由も川崎に聞けば分かるのか?


「美桜も見たでしょ?試合」

「あ、そういえば晋一君と陸君がいたね!柚兎左が見てなくて良かったよー!あの時とそっくりだから」

「あの時っていつだ?」

「小六の春に学校でやった試合。点数も同じで私たちの学校が負けてたときに点を入れたのが柏木だったんだよ」

「フラッシュバックでもしたのか?」

「何が?」

「試合のときに、柚兎左は泣きながら試合を観てた」

「あちゃー…思い出したんだねー」


俺と柏木とかいう奴を重ねていたのか?


どういう奴だったのだろう。


「私よりも沙由李の方が詳しいし、聞いとくよ」

「お願い」

「いや、いいだろ。それだけ分かりゃ」

「………分かった。ありがとね。美桜」


そう言って、海月は微笑む。


川崎も微笑むと、絶対秘密にしてと手を合わせてお願いしてきた。

もちろん、秘密にすると約束した。


知った後で遅いが、軽くプライバシーの侵害してないか?と思ったが、海月が友達だから支障はないと流した。


時計を見ると二十分くらい経っていて、休み時間も終わりを告げようとしていた。

…のは三分前のことで、授業に遅刻した俺たちであった。


明日合唱祭だぁぁぁ!

嫌じゃー…


ストックが切れたので、明日は更新できるか五分五分……

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