ⅩⅡ.一つの後悔
回想みたいな…思い出って言うのかな?
んー…まあ、読んでみれば分かるっしょw
てか晋一(主人公)が出てないな〜… あはっ☆
―――あなたの夢を見た
あなたと私が笑いあってる
幸せな夢
所詮夢だから
儚く消えた
この後悔は
いつになったら消える?
あなたには
もう会えないの?―――
小学校二年生。
それが私が初めてあなたに出会ったとき。
正直言うと、顔がよかった。
ただそれだけの理由であなたに惚れた。
つまり一目惚れ。
それなりに仲が良くなった。
友達としてだけど。
話し相手としてだけど、それでもあなたと関わりがもてて嬉しかった。
三年生も四年生も同じクラスで嬉しくて神様に土下座してお礼を言った。
四年生では同じ班になれて、給食中ずっとおしゃべりしてた。
四年生のある日のこと。
あなたと仲のいい安田くんが、あなたが私のことを好きって言ってきた。
驚いたし、嬉しかった。
でも、嘘かなって思って、気持ちとは裏腹に意地張って「そう」とあしらった。
今思えば、安田くんに「私も好きなんだ」って素直に言っていたら…、あなたに告白していたら、あなたと恋人関係になれたのかな?
生まれて初めて作ったバレンタインチョコ。
受け取ってくれただけで嬉しかったのに、お返しに飴までくれた。
勿体なくて食べられなかったよ。
六年生。
五年生で一緒のクラスになれなかったから、六年生でなれるなんて夢にも思ってなかった。
一年のブランクで若干想いが薄れてたから他の人を好きになってみた。
でも無理だった。
頭にはあなたしかなかったから。
最後の席替え。
一生懸命祈った。
あなたの隣の席になりたい。
結果、隣にはなれなかったけれど、あなは私の前の席だった。
嬉しすぎて涙がでた。
席替えのお陰で、かなり距離が縮まったような気がした。
家庭科の調理実習の時間が給食前で、おなかがいっぱいだからという理由で、あなたの残りを頂いた。
私も同じ物を食べたのに、こんなにも味が違って美味しかった。
私の隣の人はあなたと仲のいい奴で、そいつが一日だけ前の方の席に行って後ろは私だけになった。
私は一番後ろの一番廊下側だったから話し相手はあなたと、あなたの隣の席のあまり話さない女子。
ちなみにその女子の名前は雅。
雅は私の方を向いて話しかけてくれるって確信してたけど、あなたも私に話しかけてくれた。
雅よりもたくさん。
嬉しくてたまらなかった。
バレンタインチョコ。
去年は渡せなかったから、今年は気合いを入れてトリュフというものを作ってみた。
バレンタインの次の日に、チョコについて話しているとあなたと仲のいい友達パート二が「俺にもちょうだい」と言った。
あなたは、私を指さして「こいつのチョコむっちゃうめーよ!」と言ってくれた。
この瞬間が今までで一番嬉しかった。
ホワイトデーのお返しは、また飴。
今年は結構高そうだった。
みんな同じ物を貰ってたから、私はもう一つ。
世界に一つだけしかない物をあなたから貰った。
教室に飾ってあった絵。
正直上手ではないけれど、可愛くて気に入った。
だから、勇気を振り絞ってその絵が欲しいとおねだりをした。
私にできないことはないから、その絵はきちんともらい受けた。
マンガを貸してあげたり、一緒に遊んだり、お話したり……
恋ってこんなに楽しいんだ。
そう思ったけれど、卒業式というイベントが近づくにつれ、寂しさがこみ上げた。
あなたは公立。
私は国立の中学へ進学する。
つまりは会える確率がかなり低くなるということ。
卒業式当日。
告白しようかなって思ったけれど、できなかった。
チャンスはいくらでもあった。
卒業式の後に謝恩会というものをやったから、そのときにでもやればよかった。
たった一言…。
「好き」の一言がいえなかった。
理由は単純。
勇気がでなかった。
そのままあなたと会うことはなかった。
中一になってから、激しく後悔が押し寄せた。
絵を見ては涙を流し、アルバムであなたの顔を見れば、小学校生活が走馬灯のように蘇った。
告白すれば、こんな後悔はしなかった。
吹っ切れることもできずに、あなたは私のことどう思っていたのかな?って未練ダラダラ。
四年生の言葉は本当だったのかな?
心の奥底では私を嫌ってて、仕方なく友達を演じてたのかな?
それもこれも、一言いえば分かったことなのに。
死にたくなった。
弱虫すぎる自分を呪った。
自己嫌悪になった。
恋というものが分からなくなった。
涙を流す日が増えた。
後悔がこんなにも辛いと、時間を巻き戻せないかと何度も思った。
初恋は叶わない。
そんなの分かってる。
でも、彼は初恋じゃない。
中学三年になった今でも、あなたを未練がましく想っている。
私に好意を寄せてくれる、物好きな人は何人もいた。
でも、どうやってもその人たちを好きになることはできなかった。
どんなにかっこよくても、どんなに優しくても、どんなにお金持ちでも、どんなに私を好きになってもらっても、私の頭にはあなたしかいないし、好きという感情はあなたにしか向かない。
溢れる涙は、いつになったら止まるのだろう。
この後悔は、いつになったら消えるのだろう。
あなたにはいつ出会えるのだろう。
今なら何度でも言えるよ。
勇気も出せるよ。
あの時は苗字で呼んでたけど、あえて名前で呼ぶよ。
真っ黒な黒一面に、銀色の宝石が飛び散ったような星空。
月までも白く輝いていた。
私はそんな夜空に向かって、あなたに会えたら言う言葉を呟いた。
「好きだよ……功太」
涙と一緒に後悔がまた押し寄せた。
明日は学校か……
一週間ぶりなのだ☆
次回は明日かな…
どうでもいいって?
まあ、そう言わずに…