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祓魔師一家  作者: れもん
1章.これが正解なんだ
9/11

青龍、何かを想う。

 御前試合。

 組織の頭領の前でする武術の試合のこと。


 重々しい扉を開けて入ると、まず煙草の独特な匂いが鼻にかすめた。

 全体的に薄暗い開けた殺風景で、どこか和風な雰囲気を思わせる部屋。

 床はコンクリート。灰色のコンクリートと和風な行灯が妙にあっていて、何となく見覚えがある気がした。

 一番奥には人一人ほど隠れる大きな障子。そこには3人分の正座をしている人影が黒く浮かび上がっていた。

 右に座っているのはガタイのいい多分男。

 左に座っているのはサイドポニーテールで大きなリボンまでも影でわかる多分女。

 そして真ん中に座っているのが華奢で男か女か見分けがつかない人。

 一番特徴がない、真ん中のヤツ。雰囲気でわかる。

 この3人の中で一番強い。そう私に確信させる()()がある。

 それは横にいるヤタや朱雀、玄武、白虎も同じだったらしく、白虎は少しだけ口角をあげた。

 白虎は自分より強い相手、かつそれが敵側だった場合に、いつもの可愛らしさはどこかへ飛んでいって

 好戦的になる。それは白虎の良いところでもあり、悪いところでもあるんだけどね。

 スタッフさんに16人で円になるように言われ、そして突然始まるじゃんけん大会。

 じゃんけんで勝った人から対戦したい相手を選んで戦うらしい。

 逆に言うと、じゃんけんで勝たなければ選択権は無い、ということだ。

 …何かかっこいいこといってる感あるけど、所詮じゃんけんの話なのが惜しいところね…。

 頭の中で一人漫才をしながら、じゃんけんが始まった。

 あいこが何回か続き、まさかの玄武一人負け。

 私たちは表情を崩さないようにしたが、心のなかで言っていたことは同じだったと思う。

「「「「(こっんのスカポンタァァン!!)」」」」

「(待って待って、玄武?!ここは勝たなきゃ駄目だよね?!)」

 と白虎。

「(あんっの馬鹿!運が最悪なのは前から知ってたけど…まあ私たちが勝てば問題ないか…?)」

 と朱雀。

「(玄武ぅぅ?!それでいいのか?!それでいいのか?!)」

 と私。

 そしてじゃんけんは玄武を除いた15人で再開され、勝ち続けた朱雀から選ぶことになった。

「じゃあ私は、そこの金髪の男の子とでいいですかぁ?」

 朱雀が指名したのは金髪碧眼の顔が整っている男の子。

 金髪は染残しがかすかに見て取れるけれど、碧眼は生まれつきのものだろう。

 カラーコンタクト独特のズレが確認できない。

 金髪碧眼の男の子は真顔で朱雀を通り越してスタスタと歩いていった。

 朱雀は可愛らしく私たちにニコッと笑うと男の子にその大きなツインテールを揺らしながら付いていった。

 朱雀がなんだかんだ言ってこのツインテールのヒロイン系ぶりっ子っていうキャラを楽しんでいるし使いこなしている気がする…!

 まあそれは皆んな一緒なのかもしれないけどね。

 普段演じない自分を任務といえど楽しんでみるのもありかもしれないという、まだまだ失われていない子供心がそうさせているのだと思う。

 そして二番目に勝った、黒髪で前髪が長い男の子に玄武が指名され、白虎はその黒髪で前髪が長い子のおそらく双子である、容姿が似ている男の子に指名され、私は目つきが鋭い銀髪の女の子を指名した。

 ここに集められたときからずっと不機嫌な顔をしている女の子。

 ていうか、今気がついたけど私たち全員勝っちゃったら、私たちで戦わなくちゃいけなくなるじゃない!

 これを声に出して白虎に言ったら多分こういうだろう。

「全員勝てると思ってる青龍の頭が羨ましいよ」と。ついでに呆れた顔をしながら。

 こんな小言でも数日間話していない間に少し恋しく思ってしまう。

 ちらりと向こうにいる白虎の方を見る。

 儚い美少女の姿の白虎は私に向かってふわりと微笑んだ。

 私よりも女らしい白虎はそれはもう美しく微笑んだが、どこか悲しい目をしていた。

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