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祓魔師一家  作者: れもん
1章.始まり
8/11

朱雀、不穏な空気を感じる。

 私の名前は朱雀。

 物心付く前に肉親が事故でなくなり、親戚にたらい回しにされていたところを今の里親であるマスターに見つけてもらって、今は姉の青龍に兄の玄武、そして弟の白虎とマスターと暮らしている。

 私は青龍が大好きだ。

 いや、もちろん家族全員好きだが、青龍への好きはまた格別に違う。

 私の親友であり、最愛の姉。

 青龍は私のことをいつも見ていてくれたし、何よりも私を肯定してくれた。

 親戚にたらい回しにされていた理由は、この赤髪にあった。

 私の赤髪は地毛。鮮やかな赤ではなく、黒ずんだどす黒い血の色。

 私がこんな姿で生まれたから、こんな存在だから両親は死んでしまったのだと、親戚が言っているのを聞いた。

 私は、自分自身と自分の髪を憎むことしかできなかった。

 けれど、マスターに拾われて初めて親からの温かい愛を知って、兄弟からの不器用な愛も知って、

 青龍(あね)からの愛をもらった。

 私はその時初めてほんとうの意味で自分自身を知ることができたのだと思う。

 青龍は、私のこの赤髪を、綺麗だと、それが朱雀なのだから、と言ってくれた。

 私は嬉しかった。

 何よりも憎んでいたこの髪を、大嫌いだったこの髪を、綺麗だとアイデンティティだと言ってくれる人が現れるなんて思ってもいなかったから。

 そして、その時に誓ったのだ。

 私が生涯通じて殺し屋を続ける理由。

 青龍を守り、青龍に幸せになってもらうため。

 青龍は現在、殺し屋界で一番強い。それが、きっと青龍のプレッシャーになっているし、

 青龍も気がついていないかもしれないけれど、無意識のうちに自分を犠牲にしようとするところがある。

 そんな青龍を私は、力では守れないかもしれない。

 だけど、心の拠り所になれるくらいにはなってみせる。

 青龍が本当に心の底から愛してるといえる人ができた時に一緒に喜んであげられる存在にもなってあげたい。

 大切な人のためなら、努力だって苦じゃないから。

 マスターからもらった朱雀という名や青龍に綺麗と言われたこの赤髪に恥じないように。


 今、私の宿敵であるヤタさんと私たちで敵組織に潜入している。

 任務は良い方向に行っている。

 予想外のことは何も起こっていない。

 きっと、大丈夫。

 でも、どこか不安要素が取り除けないのだ。嫌な胸騒ぎがする。

 なにかが起こる確信や証拠はまだないが、この空気感やこの重圧がそう言っている。

 きっと白虎も玄武もヤタさんも、青龍だってこれに気がついていない。

 だって皆んな学生時代から脳筋でテストだって赤点ばっかりだったし。

 ほらもう青龍なんて真顔だけどちょっと楽しそうな空気を醸し出しているし!

 殺し屋の勘は高確率で当たる。命のやり取りを今まで何万回としてきたし、見てきたから。

 この嫌な胸騒ぎはきっと何かを引き起こすのだろう。

 少しだけ頭に留めながら、私は御前試合対ブロック戦の会場に足を踏み入れた。

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