028話 ビール瓶最強、木材万能説立証
▽【前回の山田】
ガソリンスタンドは全てを吹き飛ばした。脱出経路もね。
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■ 空耳hour!
ゾンビ三体でも、今の俺には十分な脅威だが。
物陰にも隠れている気配を感じる。
「カレン、気をつけろ」
「ヤマダ、下からも来てるネ」
幸い、三体のゾンビはまだ臨戦態勢には入っていない。
どうする!どこが脱出経路だ!?
アレは、カレンたちの部屋。アレは、ただの部屋。
アレは、崩落した階段・・・・・・
崩落した階段だと?
この運営は同じゴミの山で道を封鎖するコピペ野郎だ。
わざわざ階段を崩落させる手間をかけるなんて・・・・・・
絶対に意味あるだろ!
うわー、俺のバカバカ!
突然頭をかきむしりだした俺を見て、カレンが笑う。
「ヤマダ?」
カレンの背後にゾンビが迫った!
「あぶねえ!!」
咄嗟にカレンを引っ張り寄せる!
Miss!
ゾンビの爪が空を切った。
俺は素早くUIから木材を取り出し、カレンに渡した。
「カレン!わかった。脱出経路はあそこの階段だ。あそこで木材を使って上に向かうルートを作ってくれ。その間、俺がゾンビを引きつける!」
「Oh ! What ! 日本語ムズカシイ!」
いかん、早口だった。
だが、時は一刻を争うのだ。
「カレン!Go ! Run ! Now ! side!」
これでどうだ?
「ゴランナサイ?御覧なさい?何を?」
「右手をご覧ください。あちらがガソリンスタンド爆発事故の中心地です。
って、ちがう!」
バカなことをやっている間に、ゾンビ三体が眼前に迫っていた。
くそう!
「カレン!Come on!」
「OK!」
俺は手元の木材で、通せんぼするゾンビの頭を殴り飛ばした。
<打撃:10%のダメージ>
怯むゾンビを押しのけて、そのまま脇を走り抜ける。
カレンも、迫りくるゾンビに回し蹴りを放ってから、俺に続く。
急げ!走れ!GoGoGo!
気分だけはアクション映画の主人公だ。
少し先のドアがガタガタ揺れている。アレは、来る!
予想通り、ドアが勢いよく開き、ゾンビが飛び出してくる!
カレンがハンドガンで、ゾンビの頭上の蛍光灯を打ち抜いた!
バンバン!ガッシャ~~ン!
<クリティカルヒット!:0.5秒のスタン発生!>
俺はそのままドアを押し込む!ゾンビさんにはお帰り頂いた。
廊下の奥からさらにもう一体のゾンビが迫る。
ドアの足元のビールケースからビール瓶を数本取り出し、次々に転がす!
コロコロ!カランコロン!コロコロ!
もうアラームなんか無視だ。さっきの銃声で手遅れだからな。
廊下の前後に瓶を転がす。
大量のゾンビたちは足元のビール瓶を無視できない!オブジェクト判定最強!
転倒!転倒!転倒からの転倒!
<実績解除:ゾンビを連続で25回転倒させた>
<実績解除:ゾンビを連続で50回転倒させた>
<実績解除:ゾンビを転倒ダメージだけで倒した>
システムログは転倒で埋め尽くされた。
一瞬、何かの実績解除が見えたが、もはやログの海に飲み込まれてわからない。
「よし、カレン、このままいくぞ!」
「OK!」
俺たちがビール瓶で転倒するわけにはいかない。
ダンスゲーやリズムゲーは専門ではないが、そんなことは言ってられない。
火事場のゲーマー力で、俺たちは最短ステップで躱す!
そのまま階段に到着!カレンのほうが先にゴールしていた。余裕だな。
カレンが、俺から持ち去った木材を階段に使用した!
NPCでもアイテム使えるんだな。今気づいたが。
崩落していた階段に、木材の足場が掛かった。
後ろを振り返る余裕は無い。
このまま二人で階段を駆け上った!!
世界がいつの間にか、暗闇に包まれた。
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■ 天空エスカレーター
マンションの階段を上っていたはずなのに、いつの間にかマンションが見えない。
手すりも何もない階段だけ。足元が透けて見える。
空の上だ。
たっか!こわ!
俺、高所恐怖症なんだよ。東京タワーの足元がガラスのやつとか、マジ無理。
足が震える。ダメだ、登れない!
身体がグラグラ揺れてる気がする。落ちる!
その場にうずくまった。
……あれ?なんか景色動いてね?
俺が立ち止まったからか、階段がエスカレーターのように勝手に動き出した。
神様はせっかちかよ。
そっと目を進行方向に向けると、階段は真っ白い巨大な雲の中に向かっていた。
ふわ!
そのまま雲の中に突っ込んだが、大した衝撃も感じなかった。
◇今回の成果◇
・死亡回数:60
・獲得スキル:なし
・メモ:雲の上に行くなら、あいつが待ってるのか?




