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026話 【悲報】最終ミッション、開始前から詰んでいた件

▽【前回の山田】

カレンの励ましによって心を取り戻した山田は、

最強の作戦(脳筋)を思いついた。

________________________________________

■ またしても悪知恵を思いつく

よし。

最終ミッションを開始しよう。

……いや、まてよ。

またしても、思いついてしまった。

気になったら試さずにはいられない男。

それがこの俺、山田だ。

「カレン、俺についてこい。離れるなよ」

「ヤマダ……なんかカッコイイね。OK」

カレンが距離を詰めてくる。

はぅ。

や、柔らかい。

しかも、なんか良い匂い。

「いや違う違う! 物の例えだ!

そんなにくっつかれたら動けねぇ!」

「ンもう、ヤマダのイケず!」

意味、わかって言ってるのか?

気を取り直して、廊下に出る。

……ゾンビはいない。

チャンスだ。

俺はUIを開く。

……よし。

最終ミッションは、まだ開始されていない。

なら話は早い。

このまま一階まで、降りてやる。

俺とカレンは、

あるときは忍びのように、

あるときは忍者のように、

影を踏まず、音を殺し、

ゾンビを躱して進んだ。

________________________________________

■ 運命の6階に到達

そして──

やはりな。

俺の睨んだ通りだ。

6階に、ゾンビの群れは存在しなかった。

あれは、

最終ミッションを開始した瞬間に出現する“イベント敵”だ。

つまり。

フラグを立てなければ、

イベントは発生しない。

こんなもん、初歩中の初歩。

「ヒャッハー。

運営ちゃん、フラグ管理が甘々だなぁ」

俺はUIのミッション画面を見つめ、

鬱憤を込めてニヤついた。

最終ミッションのタグが、

顔を真っ赤にして点滅している。

……だが、できることはそれだけだった。

カレンは、

よくわからないという顔で、

俺のニヤけ面を眺めていた。

________________________________________

■ 念願の1階へ

ついに、辿り着いた。

二人で降り立つ地上は、

いつもより少し、空気が軽い。

マンションの玄関は、

突っ込んできた車で破壊されていた。

瓦礫を避け、

物陰のゾンビをやり過ごし、

ガソリンスタンドで燃料を確保。

手慣れたものだ。

大きなトラブルはない。

ジープに乗り込み、

車内を確認。

……よし。

エンジン始動。

駆動音が、

久しぶりに“文明の匂い”を運んできた。

「ヤマダ、すごいネ。

予知能力者ナノ?」

「俺に任せりゃ、こんなもんだ」

ハンドルを握る。

「しっかり捕まってな」

これでいい。

ここで最終ミッションを開始すれば、

クリアは余裕だ。

ジョン、

カレンは、

今度こそ俺が守る。

久しぶりにUIを開いた。

……ん?

ミッションタグが、

異様に膨れ上がっている。

真っ赤な風船のようだ。

少し触れただけで、

破裂しそうなほど張りつめている。

指先で、そっと押した。

パン!

破裂音。

風船が一枚、割れた。

……下に、また風船。

パン。

パン。

「……なんだこれ」

いくら押しても、

ミッション開始ボタンが反応しない。

「ヤマダ……!?」

くそ。

こうなったら、

根比べだ。

「オラオラ!

高橋名人世代を舐めんなよ!」

十六連打。

パンパンパンパパンパパパパン!

<実績解除:十六連打!>

「シャア!

まだだ! まだ押せる!」

「ヤマダ! 見て!!」

「ん? どうし──」

言葉が止まった。

俺たちのジープを目がけて、

大量のゾンビが押し寄せていた。

街は、

いつの間にかゾンビで埋め尽くされている。

地響き。

腐臭。

風船を一枚割るたび、

その音に合わせてゾンビが“生成”されていた。

「ちょ、待て……!」

もう少し。

もう少しで──

<最終ミッションを開始します>

無機質なシステムメッセージ。

逃走ルートは、

完全に断たれていた。


◇今回の成果◇

・死亡回数:60

・獲得スキル:なし

・メモ:「運営煽りは金輪際禁止」



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