020話 【実績解除】死亡50回:灰色の世界の終わり
▽【前回の山田】
気力を失いつつも保留していたミッション報酬で圧力耐性をLv3に。山田の秘策とは?
俺はゆっくりと窓を開け、ベランダに歩をすすめる。
左右と上を確認。ゾンビの奇襲は無い。
おもむろにベランダの壁に足をかけ――飛ぶ。
<スキル:飛行石発動⇒落下速度が10%軽減します>
俺は普段よりややゆっくりと近づく地面を無感情で見つめた。
周囲にもゾンビの影はない。
ドン!
両足で着地しきれず、体勢を崩し、尻餅をつく。
<スキル:圧力耐性Lv3発動⇒圧力系ダメージを50%軽減する>
かなり痛い。全身打撲だ。だが。
「動けないほどじゃ、ない」
ゆっくりと立ち上がり、お尻の土埃を両手で払う。
「検証結果・・・・・・スキルのシナジーで、ベランダ脱出、成功」
誰にいうでもなく、呟く。
ふふ。あんなに何度も死んだ、ベランダからの脱出。
いつもならテンションマックスなはずなのに。
「ガス欠、だな」
天を仰ぐ。
太陽を黒い点が走る。
「おー。あれが何度も世話になったミサイル野郎か」
黒点はあっという間に大きくなり、そして光った。
無数の銀の塊が火花を散らして迫り来る。
ゴオオォォォォ!!
着弾・・・・・・熱風!衝撃!
<死因:焼死>
気がつくと、いつものベッドだった。
不思議と、なんの感情も湧かない。
あれ、世界ってこんな色だったか?
全てが灰色にみえる。
のろのろと起き上がり。シャワーを浴びて。
冷凍のままピザをかじる。冷たい。
ベランダからダイブ。
町を彷徨う。
あれ、俺何してんだっけ。
何でも良い、何かを見つけなければ。
あ・・・・・・
<死因:ゾンビに噛まれ失血死>
なにか、なにかないか。
<死因:失血死>
ここは、どこだ。
<死因:失血死>
<死因:失血死>
ん?あそこ、何か違和感がある。
<死因:失血死>
<死因:失血死>
<死因:餓死>
・・・・・・あれ?俺、いま死んだのか?
<死因:餓死>
<死因:餓死>
<実績解除:50回死亡>
なにか、なにか。
だれか。
「・・・・・・きもプレイヤーも人間だった、ということね」
う?
「調子、狂うじゃない。さっさと元気、出しなさい」
◇今回の成果◇
・死亡回数:50
・獲得スキル:なし
・メモ:町並みに違和感がある
※
アストレア「あなたのブクマで山田の精神耐性が上がるかもしれないわね。」




