015話 勃発!デュフフ合戦!零れ落ちるヤマダのナミダ
▽【前回の山田】
イリスたんの策略でバールを失いつつもついにミッション4クリア。
NPCとの遭遇──そして俺のコミュ障が火を吹いた。
◆イケメン、日本語で殴りかかってくる
イケメンはにっこり微笑むと、すぅっと息を吸い込んだ。
嫌な予感しかしない。
うわ、ぜってー英語が飛んでくる!
やめろ、その攻撃は俺に効く!!
身構えた耳に飛び込んできたのは──
「もう、マジなんなんですか。意味がワカリマセーン。オタク、何か知ってはりマス?
ウチらずっとゾンビに怯えて引きこもり状態でしたわー」
…………は?
いやいやいやいや待て。
なんでエセ大阪弁ペラペラなんだよ。
英語じゃないの?そこ混乱ポイントじゃないの?
しかし日本語が通じるなら一安心──と思うじゃん?
俺は違う。
そう、俺はリアルコミュニケーション能力が ゼロ なのである。
特にイケメンと美女には 致命的に弱い。
「あ、ソですね……デュフフ」
はい出た。
完全にキモオタテンプレが口から生まれた。
死に戻りよりもよっぽど回避不能のバッドエンド。
あぁ……まただ。
萎縮、緊張、キモ笑い。
この“ドン引き三点セット”で俺の人生は幾度となく終わってきた。
劣等感だけが順調に成長していく人生……。
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◆しかしイケメンは“心までイケメン”だった
「ヤマダさん、キモオタの鑑ネ!本物ハジメテ見たよ!
デュフフ……どデスかー?合ってマスかー?」
イケメンは完璧な舌足らず発音でデュフった。
お前……天使か?
そんな言い方したら俺の心がアクシズ落ちするんだが。
「ワタシタチ、日本のキモオタ文化に憧れてマシタ。
いつか日本に行きたいネ、と話してて。
だからワタシ、日本語勉強したヨ。
彼女が特にキモオタ大好きデスネ」
すると、美女がイケメンの背後からそっと顔を出した。
「あ、ソですねー。デュフフフ」
天国かここは。
俺とイケメン美女の三人、玄関でずっと
「デュフフフ」
「デュフフフフ」
と鳴き合っていた。
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◆久々に“人と心を交わす時間”
安心しきった俺は、そのまま二人の愛の巣に上がらせてもらった。
イケメンはジョン、美女はカレンと名乗り、二人は夫婦だった。
気づけば俺、めちゃくちゃ普通に会話していた。
何年ぶりだ?
高校、大学、就職……
ずっと相手の目を見れず、足元ばかり見てきた。
なのに今、この二人は
俺の話に頷き、笑ってくれる。
テーブルの上にはフルーツ、飲み物、そして
こぼれ落ちる俺の涙。
……こんな幸福、あっていいのか?
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◆◆ 気がつくと、俺はソファで寝ていた
張りつめていた気持ちがふわっと解けて、
人生で一番良い目覚めだった。
寝室からイケメン美女はまだ出てこない。
「よーし……今のうちに、ミッション4の報酬確認するか」
<ミッション4達成:報酬を選んでください>
<新スキル獲得
または
獲得済みスキルのレベルアップ>
おお……二択だ……!
これは悩む……!
◇今回の成果◇
・死亡回数:39
・獲得スキル:なし
・メモ:NPCはまるで本物の人間のようだ・・・・・・本物過ぎる気もする。




