013話 【バグ修正】女神の煽りでイリス怒りの光速アプデ
▽【前回の山田】
小さなメダル無限増殖、それは禁断のバグプレイ、ヌルゲー化の予感にワクが胸胸!
俺は、延々と、
淡々と、
黙々と、
喜々としてメダル増殖(ついでにバール増殖)を繰り返していた。
10階、バール、メダル、キャッチしてわざと落とし、ゾンビ、目覚め、また10階。
単純作業に検証を追加、死亡コンボ数を増やしてみたり、ゾンビの増援を防げないか試行錯誤。
気づくと──
<実績解除:ミッション達成数 10 到達>
「おっ、なんか来た!」
視界が真っ白に染まり、例の“雲の上空間”に飛ばされた。
いつもの神々しい光。
そして、その中心に──
「ひ、ひさしぶり……?」
女神アストレアが立っていた。
ただ、様子がおかしい。
なんか震えてる。
ん、笑ってる?
「あなた……よくやったわ……っふ……ふふ……!」
「どうした女神、なんか変なモノでも喰ったか?」
女神は肩を震わせながら言う。
「イリスよ!!アイツ、偉そうに実績担当してるくせに、あなたみたいなきもいプレイヤーは想定してなかったのよ!」
きもいプレイヤー・・・はスルーだ
「前に実績担当のセンス良いとか言って笑っていた、ような?」
「そうよ。でも名前を見たら、クソイリスだったから、自分を恥じたわ。あいつの仕事を1ミリでも褒めた自分を殺したい。はあ」
アストレア・・・・・・よっぽど嫌いなんだな、イリスのこと。
「ま、まあ誰でも間違いはあるさ。大事なのはどう挽回するか、だろ?」
「そうね。きもいくせに、ちょっとは良いこと言うわね。」
きもいは余計だ。
「くくく。そうよね。“ミッション達成数10”の実績、5つしかミッションがない1stステージで取れるなんて!アッハハ!イリスざまあぁぁぁ」
「そうだそうだ。ざまあイリスだ、その意気だ!」
「ふふ……バグ報告しに行ってくる」
「え・・・・・・?
や、やめろォォォ!!」
俺の叫び虚しく、女神──アストレアは風のように消えた。
雲の世界には俺一人。
「……取り残されたんだが?」
視界にスキル獲得通知が出た。
<体力自然回復Lv.1:時間経過で体力が回復>
「これは……良スキルの匂い!!!」
純粋に便利!
死に戻りゲーなのに自然回復が役立つのかは知らないが、テンションは上がる。
________________________________________
■ 光の速さで10階へ
目覚めるやいなや、俺は全力ダッシュで10階へ向かった。
もう身体が“バール増殖ルート”を覚えている。
だが──10階に着いた瞬間、違和感。
「あれ……?」
あるはずの場所に、バールがない。
「バール……ない……?あれ?俺のバール無限増殖、どこ行った?」
UI右上がピコピコ点滅している。
開くと──
<アプデ情報:
・アイテム残留バグを修正しました
・重要アイテムの複製を禁止しました
・その他軽微な不具合を修正しました>
「あのクソ女神~~~~!!!!!」
両手を空に向けて叫ぶ。
「イリスたんを煽りに行ったせいで!!
アプデ来ちゃったじゃねえか!!
しかも光速より速い!!神様の仕事早すぎ!!」
だが、画面の下に小さい文字があった。
※ゲーム内に既に配置済みのアイテムは、残念ながら、影響しません。
「…………ん?」
俺はゆっくりと廊下に這いつくばる。
そこには──
地面に散らばる、金色の粒。
9枚の小さなメダル。
「……残ってるじゃねえかァァァァァ!!」
俺は震える手で、それらを全部アイテム欄に吸い込ませた。
「よしッ……!!
バールは失ったが(失ってない)……
メダルは守り切った……!」
俺は拳を握った。
「ここから始まるのは……小さなメダル大量保有編だ……!」
小さなメダル、もし取り損ねても9個までなら許されるってことだ。
テンションが上がりすぎて笑いが漏れる。
◇今回の成果◇
・死亡回数:39
・死亡コンボ数8新記録!
・獲得スキル:体力自然回復Lv.1:時間経過で体力が自然回復する。
・獲得アイテム:【バールのようなもの】×9、【小さなメダル】攻撃力+0、耐久力--/--、リーチなし、特殊なし
・メモ:まだ見ぬイリスたんに敬礼!神ゲー制作陣には基本、尊敬の念を送る!
※
アストレア「あなた、ブクマされてないじゃない。キモ」
山田「今すぐ!ブクマで俺の尊厳を救ってくれ!」




