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威風堂々と名乗る人物

威風堂々と名乗る人物。


「俺様は斉天大聖孫悟空だ!」


静かな時間が過ぎました。


「え?

あ、はい、孫悟空さんね…」


桃太郎は呆気にとられながら答えます。

ケンは少し何か考えるような素振りを見せましたが諦めたようで「ウゥ~」と歯を剥き出しながら威嚇します。


「おいおい、ちょっと待て」


孫悟空と名乗った人物は鉄の棒を一瞬で消した後、両手を開いて前に出しました。


「俺の名前知らない?」


「えっと、山育ちな者で…」


桃太郎は横のケンを見ました。


「さぁ、神の中にはそんな猿いませんね」


「はぁ?

猿だぁ~?

ま、それは置いといて…

か!

こんな辺境の田舎島国じゃ、俺様の名声は届いてないのか」


「は?

田舎島国?

たかが猿の分際で」


「ああ!?

なんだこの犬」


「ウゥ~!」


「い、いや、なんかやめろって」


にらみ合う2匹をどうしようかと迷う桃太郎。


「は!

ま、いいや、こっちはこの数日むしゃくしゃしてるんだ。

それに、その元凶に似た力を持つヤツが目の前にいる。

なら、憂さ晴らしさせてもらうぞ!」


孫悟空はどこからともなく鉄の棒をまた取り出して構えました。


「やはり、それは見たことがあると思いましたが、東海竜王の持つ天河鎮底神珍鉄ですね」


「へぇ、俺様の名前を知らないのに、この如意棒の事は知ってるのに合点がいかないが…

そうだよ、俺様の愛用品だ」


「桃殿、あれは伸縮自在の鉄の棒。

十分にお気をつけください」


ケンは孫悟空から目を離さず、桃太郎に言いました。

それに頷く桃太郎。


「それじゃ、いくぞ!」


孫悟空は勢いよく前に出る。

そして振りかぶる如意棒。

桃太郎からは1歩間合いの外ではあるが、ケンが言っていた事を思い出し、振り下ろされる如意棒を桃太郎は避けた。


スドン!


凄まじい音と共に如意棒は桃太郎のすぐ横の地面を抉る。

桃太郎はすぐさま孫悟空との間合いを詰めて逆左袈裟斬りを放った。


「おっと」


それを孫悟空はいつの間にか戻した如意棒で防いだ。

しかし、桃太郎は攻撃を止めず連続攻撃。

だが、孫悟空はその攻撃を意図も容易く如意棒で防ぐ。


「なかなかやるな。

だけど、型に入りすぎだ!」


桃太郎の隙をついて、孫悟空は蹴りを放つ。

まともに受けた桃太郎は後ろによろけた。

そこにすかさず孫悟空の如意棒が桃太郎の横から一撃を与えた。

吹き飛ぶ桃太郎。


「ワォーー!!」


ケンが遠吠えを孫悟空に放つ。

孫悟空は如意棒を目の前で回した。

遠吠えは拡散され、孫悟空は平然な顔をしている。


「遠吠えは犬神専用の技じゃないんだぜ。

ウキャーー!」


孫悟空は如意棒を脇に抱えてケンに向かって吠えた。

ケンは孫悟空の遠吠えを受け、その場で動きが麻痺する。


「やぁ!」


その瞬間、桃太郎は孫悟空の頭を狙って刀を振り下ろした。


「竹取流 幹竹割り!!」


ガ!


孫悟空はその一撃を如意棒で受ける。


「へぇ、さっきの一撃。

その体に覆った力で防いだのか」


孫悟空は桃太郎の体を覆う神気を見ながら言った。


「よっと」


孫悟空は如意棒を使い、桃太郎を後ろに下がらす。


「なら、これはどうだ?」


孫悟空は槍を構えるように如意棒を腰の位置で構える。


「如意百烈弾」


凄まじい突きが桃太郎へと放たれる。

突きだす時に如意棒が伸び、引く時に縮む。

まさに無数の弾丸が桃太郎へと浴びせられるようだった。


「!」


桃太郎は刀で防ぎながら、防げない攻撃は神気で受け止める。

しかし、その手数の多さに桃太郎はとうとう片膝を地面についてしまった。


「もらった!」


孫悟空は如意棒を振り上げる。

その一撃を受ければ桃太郎は一溜りもない。

そして、無慈悲にその一撃を振り下ろした…

その瞬間。


ドガ!


「な、なんだ!」


孫悟空の横から大きな何かがぶつかり、孫悟空を吹き飛ばした。


「桃殿、大丈夫ですか?」


大きなそれは、ケンが神の姿に変わった姿。

ケンは桃太郎を守るように前に立ち、孫悟空を睨んだ。


「は、それが犬の本当の姿か。

ふぅ、やめた」


孫悟空は如意棒を小さくして、耳の中にしまいました。


「なに?」


ケンは睨みながら孫悟空に言います。


「ま、あんた達が俺が探してるヤツじゃないのは分かったし、暴れて少しスッキリしたしな」


「な!

自分勝手な!」


「ケン」


怒るケンの足を優しく撫でる桃太郎。

ケンは納得いかないようでしたが、その姿を先程の大きさえと縮めました。


「話を聞かせてくれないかな」


桃太郎は刀をしまいながら孫悟空に言いました。

確かに凄まじい攻撃ではありましたが、桃太郎には孫悟空が本気でこちらに攻撃してきたようには思いませんでした。


「そうだな。

じゃ、俺がここにいる理由ってやつを教えてやるよ」


桃太郎達は近くの石に座ります。


「事の発端は、俺様がある理由から暇になって空を飛んでいた時に起こった事だ」


「空を飛ぶ?」


「ああ、筋斗雲という術で雲に乗って飛ぶんだよ」


孫悟空は桃太郎の疑問に答えます。


「ある理由ってなんだ?」


「な、なんだっていいだろ、それは」


ケンに言われてなぜか焦りながら答える孫悟空。


(お師匠様に破門にされたなんて言えるかよ)


「話を戻すぞ。

それで、この島国に差し掛かった時に、いきなり背後からその雲を潰したヤツがいたんだよ」


「雲を潰す?」


「ああ、なんか鳥みたいなやつだったな。

それで、俺はそのまま地面に落ちちまった」


「何かその鳥は言ってなかった?」


「ん~」


桃太郎に言われて孫悟空が記憶を探ります。


「そういえば、猿神がどうとか言ってたな。

それで、なんで普通の猿が空を飛ぶんだとか何とか」


「なるほど、それは鳥鬼ですね」


「陰陽師の仲間?」


「はい、この猿を猿神と間違えたのでしょう。

猿神は桃殿と出会う数日前に封じられています」


「は、神違いでやられたって訳か」


「ま、おまえは神ではないがな」


「うるさい犬」


「なんだとこの猿が」


「だから、喧嘩するなって」


にらみ合う2人を桃太郎は抑えます。


「それじゃ、孫悟空はケンの力に何かを感じたって事かな?」


「ああ、その鳥によく似た力だったからな」


「確かに式神は封じたわたし達の力を使いますからね」


「それではじめはアイツらの仲間かと思っていたけど、戦うにつれてあんたの心意気を感じてな」


孫悟空は桃太郎を見ました。


「剣筋に誰かを思う気持ちが込められていた。

そんなヤツが俺の雲を壊すヤツの仲間とは思えなくてな」


「だったらもっと早く武器を納めろ」


「ま、そこはなかなか骨のあるやつと戦ったら、なかなか手が止められなくてな」


「戦闘狂か」


「まぁな」


ケンの言葉に胸をはる孫悟空。


「ま、疑いが晴れてよかったよ。

それで孫悟空はこれからどうするんだ」


「ん~

あてがあるわけでもないしな。

あんたらはなんで旅してる」


「実は…」


孫悟空に聞かれて桃太郎は、かぐやの事、十二支神の事を話しました。


「なるほどな。

分かった、俺もそれに着いていくよ」


「な!」


孫悟空の言葉に驚くケン。


「俺の目的のヤツも、あんたら一緒に行けば会えそうだしな。

それにおまえの動きが気になる」


孫悟空は桃太郎を見ました。


「動き?」


「ああ、確かに刀はかなりの腕前だが、相手も刀を持って向かってくる訳じゃない。

臨機応変に攻撃出来るようになっておくと、もっと上手く立ち回れる」


「なるほど…」


「なんで、その動きを道中、この孫悟空様が教えてやるよ」


「な、桃殿は今、神気の使い方を…」


「なら、そっちはついででいいだろ」


「な、そっちこそついでだ」


「なんだこの犬」


「やるのかこの猿」


「だから、2人とも、いや、2匹とも?」


2匹の喧嘩に桃太郎は少し呆れながら仲裁しました。

2匹は犬猿の仲のようです。


「ま、何にせよ。

これからよろしく」


桃太郎は孫悟空に向かって手を出しました。


「ああ、よろしくな」


孫悟空もその手をとろうとしました。

その時。


ぐぅ~~~


孫悟空のお腹の音がなりました。


「お腹減ってる?」


「ま、まぁ、ここに落ちてから、何も食ってない。

このなりだろ?

村で食い物も調達できなくてな」


「なら、これを」


桃太郎は腰の袋からきび団子を1つ取り出して、孫悟空に差し出しました。


「お、ありがたい。

1つでお腹が膨れるかどうか知らないが、ないよりましだ」


孫悟空は早速、団子を食べました。


「な!

なんだこれ!」


孫悟空はきび団子を食べて驚きます。

みるみる力が沸いてきて、すっからかんのお腹が腹八分にまで膨らみました。

そして、何よりめちゃくちゃ美味しい。


「こ、これって肉とか入ってるのか?」


「多分、入ってないと思うけど」


「まじかぁ、お師匠様にも食べさせてやりたい」


「え?」


「い、いや、こっちの話」


桃太郎は孫悟空のぼそっと言った言葉に反応しましたが、孫悟空ははぐらかしました。


「ま、こんな上手い団子ももらったし、これは一緒に旅するしかないな」 


改めて桃太郎と握手する孫悟空。

桃太郎は団子の凄さを改めて痛感し、心の中で母親にお礼を言いました。


「あ、それと俺を呼ぶ時は孫でいいよ。

知り合いから孫行者って呼ばれてたからな。

そっちは桃でいいか?」


「分かった。

それでいいよ。

これからもよろしく、孫」


「おう」


こうして、桃太郎は新たに猿?を仲間にしました。



それから一行は亥神がいる森へと向かいました。


「ここに亥神が?」


「はい、この森の奥です」


ケンは先頭を歩いて桃太郎達を案内しました。

森の奥の道は木や草に隠されているようでしたが、確かにありました。


「なんか辺鄙なところだな」


「神の鍛冶屋だからな、そうそう人がこられても困るんだよ」


孫の言葉にケンは不機嫌そうに答えました。


「桃殿、そろそろ見えてきますよ」


ケンの言葉通り少し行った先で、視界が広がりました。

開けた場所の奥に小さな小屋が見えます。


「あそこが亥神の家です」


桃太郎達はその小屋へと向かいました。


トントン


「は~い」


扉を叩くと、家の中から返事が聞こえました。

ゆっくりと開く扉。

そして、中から上半身裸の体格のいい男性が顔を出しました。


「あ、こんにちは、初めまして。

私は桃太郎といいます。

あなたが亥神様ですか?」


桃太郎の言葉に男は不思議そうな顔をしました。

そして。


「いえ、違いますけど」


と答えました。

時間があいてすいません。

5話となります。

桃太郎の2匹目のお供の猿が登場です。

鬼にも勝てる猿はやっぱり強かった?

まさかの斉天大聖だったとは?

孫悟空は破門になり一時期、三蔵法師達と離れた時期がありました。

その時にもしかしたら出会ってたのかも?

というお話です。


では、また次回をお楽しみに

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