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段々と、村が

段々と、村が見えてきました。

あの一件の後、桃太郎達は近くの村へ向かっていました。

桃太郎は村に向かう途中にケンからいろいろと聞いていました。

ケンがあの犬神神社に住む神様だという事。

最近、ケンの他にも神の何柱が何者かに封じられている事。


「桃殿、そろそろ村に着きます。

まずは宿に向かいましょう」


ケンに言われて、桃太郎は村の宿へと向かいました。

宿の主人は気さくな方で、ケンも一緒に部屋の中に入れてくれました。


「それじゃ、もう少し詳しく聞かせてくれるかな?」


部屋の中で桃太郎はケンに言いました。

ケンは頷いた後、「ワン」と軽く鳴きました。

すると桃太郎の眼前、何もない空中から丸い板が落ちてきました。

桃太郎は慌てて掴みます。


「これは?」


桃太郎は板を見ました。

丸の外周には何か文字が書かれています。


「それは十二神盤と呼ばれる板です。

外周に文字があるのが分かりますか?」


「うん、わかる」


「12分割されており、其々に子丑寅卯辰巳馬羊猿酉犬亥と書かれています」


「十二支?」


「はい、わたしはその十二支神の1人です。

そして、その文字で光が消えてる文字がいくつかあると思います」


「確かに」


ケンのいう通り、牛虎卯巳馬猿酉の文字が輝いていませんでした。


「その光が失われている文字の神が今封じられているんです。

そして、その封じた者が封じた神の力の一部を使い式神として、あの鬼を使役しているようなのです」


「そうか、だから牛や虎の化物なんだ」


桃太郎は出会った化物を思い出しました。


「わたし達を封じて何をしようとしているのかは分かりませんが、もしわたし達が全て封じられれば世界が大変な事になるでしょう」


桃太郎は少し考えました。


「要って言葉に心当たりあるかい?」


「要ですか?」


「うん、私の妹のかぐやが拐われる時に、その牛鬼がかぐやの事を要だと言ってたようなんだ」


「人が要ですか…

しかし、桃殿は神気を持っておられる。

なら、そのかぐやさんも神気を…?」


「あ、私とかぐやは血は繋がってないんだ」


「そうなのですか?」


桃太郎はケンに自分達の生まれを話しました。


「なるほど…

なら、そのかぐやさんが要と呼ばれる理由に心当たりはあります」


「本当かい?」


「はい、確証はありませんが、桃殿もかぐやさんも神に近い存在なのかもしれません」


「え?

私が神様?」


「ええ、今は人と変わりませんが、神気を持っている以上、神に関係するはずです。

それから考えて、かぐやさんも何か神に関係している可能性があります」


「それで要?」


「はい、何か重要な役割を持つのだと思います」


「かぐや…」


「ただ、要と言われているので、何かされるなら我々十二支神が封じられた後になるはずです」


「なら、それを阻止しながらかぐやが捉えられた場所を見つければ」


「はい、かぐやさんを助けられて、わたし達の仲間も解放できます。

かぐやさん救出にわたし達の仲間の解放を一緒にしてすいませんが、お願いできますでしょうか?」


「もちろん、こっちも手伝ってもらうんだ。

こちらこそお願いします」


桃太郎とケンはお互いに頭を下げます。

そして、お互いの顔を見て微笑みました。


「そうだ、ケン。

父上に言われたんだけど、私の刀では式神に通用しないんだ。

何か斬れない相手を斬れるようになる武器を知らないかな?」


「式神を斬れるようになる武器ですか…

心当たりがあるといえば、亥神です」


「亥神?」


「はい、亥神は武器作成を得意としてます。

彼なら何か分かるかもしれません。

後は、桃殿が神気を上手く使えるようになれば」


「わかった。

それじゃ、次の目的地は亥神の住む場所。

道中は神気の使い方を教えてもらっていいかな?」


「はい、もちろんです」


桃太郎達は次の目的地を決め、晩御飯を食べた後、用事を済ませて床につきました。

桃太郎は布団の中、かぐやの事を考得ます。


(きっと助けるから、無事でいてくれ)



翌朝、桃太郎達は亥神が住む場所へと向かいます。

場所はここから少し離れていますが、馬に乗るほどではありませんでした。

道中、約束通りケンは桃太郎に神気の使い方を教えました。

自分の心の奥底に眠る神気を引き出す方法です。

途中の村で宿を借りながら桃太郎は、基礎的な神気の使い方を学びました。

そして、そろそろ亥神がいる場所に着く頃、桃太郎は運命の出会いをします。


「桃殿、何やら不可思議な気配がします。

お気をつけて」


ケンは隣に歩く桃太郎に言いました。

桃太郎達はいま、何もない野原の中の街道を歩いていました。

前から来るのは全身を隠すようなマントと、フードを深く被り顔が分からない人、1人だけ。


「あの人から?」


桃太郎の言葉にケンは静かに頷きました。


「わかった」


桃太郎は静かに左手を鞘に添えました。

ゆっくりと歩く桃太郎達。

フードの相手もゆっくりと歩いてきます。

そして、桃太郎達とフードの相手はすれ違いました。

特に何もなく過ぎ去る相手。

桃太郎達は心の中でほっと一安心。

そのまま桃太郎達が進もうとした時。


「ちょっと待ちな」


背後からフードの相手が声をかけてきました。

桃太郎達はゆっくりと振り返りました。


「何かご用でしょうか?」


桃太郎はいつでも刀を抜ける体勢で聞きました。


「いや、あんたじゃない。

その横の犬だ。

おまえ、ただの犬じゃないよな?」


その相手はフードをゆっくりと脱ぎ言いました。

その顔は確かに人ではありそうです。

ただ、頭から顎にかけて毛で覆われて額には鉄のカチューシャのような物を付けていました。


「いえ、ただの犬ですよ」

「わん」


桃太郎の言葉にケンは鳴いて合わせます。


「いや、フリはしなくていい。

俺はそういうの分かるから。

それに、俺の探してるヤツもおまえに似た気配がするからな!」


ばっと布を脱ぎ捨て姿を表すその人物。

寺の小坊主が着るような衣装。

そして、どこに隠していたのか長い鉄の棒をこちらを向けています。

桃太郎もすぐに刀を抜いて構えました。

ケンも臨戦態勢。


「あんたの名前、聞いとこうか?」


「私は桃太郎だ」


桃太郎は答えます。

それを聞いてニヤリと笑う男。


「桃かぁ…

俺は桃、大好きだぜ。

名乗らしたんだ、こっちも名乗ってやるよ。

俺様は、斉天大…」

というところでお時間となりました。

この続きはまた次回。


「おい、めちゃいいところだろうが!」


はいはい、こちらには入ってこないでくださいね。


「おい、押してんじゃない!!」


はぁ~

神を翻弄する程の力を持っているだけあるなぁ。

こっちに入ってくるとは…

それでは、また次回に


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