1/1
プロローグ、あるいはエピローグ
長い、夢を見ていた
同時に、現実にも確かに存在していた
肉体の年齢からすると何倍もの時間の夢だった
僕が蝶の夢を見ているのか、蝶が僕の夢を見ているのか
この手記が未来にどんな影響を与えるのか、過去の解釈にどんな変化をもたらすのか
あの時からすれば、今出来る想像は、陳腐で根拠のない夢物語だろう
でも僕は確かに「アレ」を見て、感じた
夢と現実で出会った彼らと、共に
半人半霊の彼らは、確かに僕の現実だった
大人になるにつれて薄れる記憶と反比例して、あの体験は僕の芯に残っているのだから