【漫才】アニメの世界
二人「はい、どうもー○○○○です」
ボケ「俺、三次元に飽きたから、そろそろ二次元の世界に行きたいと思ってるんだよね」
ツッコミ「うーん、それは、三次元で生まれた以上、絶対無理だと思うよ」
ボケ「アニメキャラになることにしたわ」
ツッコミ「ん? 話聞いてた? アニメキャラになるって、どうやって?」
ボケ「プレスして、ペラペラになって二次元になる」
ツッコミ「あれ、別にそうやって二次元になってるわけじゃないから!」
ボケ「でね、ペラペラになる前に、気になってる事があるからさ。ちょっと、それ解決してから二次元になりたいんだわ」
ツッコミ「ん?」
ボケ「俺さ、アニメ見てて、長年めちゃくちゃ気になってることがあるんだよね」
ツッコミ「何?」
ボケ「アイツら、いつ服洗ってるの?」
ツッコミ「はい!?」
ボケ「主人公と、その他諸々のキャラクター、だいたいのアニメ、いつも同じ服着てんのよ」
ツッコミ「え? ん?」
ボケ「お前、まさかこの恐ろしい事実に気づいてないわけないよな? 見過ごしてるのか?」
ツッコミ「いや、そういうことではないんだけど……」
ボケ「お前、ドラマでも、もうちょっと場面ごとに服装変えてんぞ?」
ツッコミ「アニメには、洗濯とか、そういう概念はないんだよ!」
ボケ「人生の選択は多いくせに?」
ツッコミ「そ、そうかもしれないけど!」
ボケ「アイツら、いつ見ても同じ服着てて、しかも汚れたとしても、次の瞬間、いつクリーニング出したのか疑うレベルで汚れが落ちてんだよ!」
ツッコミ「まぁ、アニメだからね?」
ボケ「そして、びしょびしょに濡れても一瞬で乾く!」
ツッコミ「まぁ、アニメだからね?」
ボケ「それともあれか? 俺が知らないだけで、アイツら何着も同じ服持ってんのか?」
ツッコミ「いや、そういうことではないと思うけど?」
ボケ「なら、描かれてないシーンで、コインランドリーに行きまくり? クリーニング出しまくり?」
ツッコミ「いや、そもそもアニメの世界では、そんなことはどうでもいいんだよ!」
ボケ「なんでだよ! 服洗わなくていい世界がどこにあるんだよ!」
ツッコミ「アニメの世界だよ!」
ボケ「そんな、バカな!」
ツッコミ「いいか? アニメは、そのキャラクターだってことがしっかり分かれば、服装は同じでもいいんだよ。誰もそんなこと気にしてないし、むしろ、その服装が目印っていうか、衣装みたいなもんだよ!」
ボケ「衣装だったら、余計にクリーニング必要だろ! シミ抜き必須だろ!」
ツッコミ「誰がアニメの世界でシミ抜きなんかするんだよ! アニメはシミなんてできないんだよ!」
ボケ「シミができない!? おい、どこにそんな服売ってんだよ! ブランドは?」
ツッコミ「知らないよ!」
ボケ「勇者になれば、シミができない特別素材が提供されるのか? 俺はシミ抜きを気にしてる時点で、もう勇者になれないのか?」
ツッコミ「そもそも、アニメキャラになれねーよ!」
ボケ「てか、年中同じ服っておかしくない? 衣替えは? 季節いつよ?」
ツッコミ「そんなの、アニメの世界は、気温の概念がないんだよ!」
ボケ「そんなわけないだろ!? まさか、あれは、どの温度にも適応する素材なのか? なぁ、そんな服どこに売ってんだよ!」
ツッコミ「そんなもん、作者のオーダーメイドだよ!」
ボケ「オーダーメイド!? めちゃめちゃ高そうじゃねーか! 通りで普段見かけないわけだ」
ツッコミ「どこに納得してんだよ」
ボケ「待て、なら、そんなオーダーメイドの服、買うお金どこにあるんだよ! なんなら働いてないキャラクターとかかなりいるぞ?」
ツッコミ「そんなもん、アレだよ。そう、無料配布だよ!」
ボケ「服が無料配布!? 配給制!?」
ツッコミ「そうだよ! アニメの世界は、作者に与えられたオーダーメイドの服を、ずっと着てるんだよ!」
ボケ「(動揺して)マ、マジか。アイツら、文句ひとつ言わずに、作者に与えられた服を笑顔で着続けているのか……」
ツッコミ「まぁ、アニメの世界だからね」
ボケ「ってことは、アイツら、仮に自分が着たくないデザインの服を渡されても、作者が望む限り、それを永遠に着続けているのか……?」
ツッコミ「まぁ、そうなるのかな?」
ボケ「勇者って、そういう意味だったのか……」
ツッコミ「たぶん違うよ」
ボケ「(少し悩み)なぁ、俺、ちょっと自分プレスして二次元行きたくないわ」
ツッコミ「うん、そもそも行けないんだよ」
ボケ「(カッコつけ、キメた感じで)俺、もう少しだけ、この三次元で頑張ってみることにしたよ。お前と漫才をな」
ツッコミ「それは良かったです」
二人「どうも、ありがとうございました」