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第4回GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞!!

【漫才】アニメの世界

作者: 佐藤そら

二人「はい、どうもー○○○○です」


ボケ「俺、三次元に飽きたから、そろそろ二次元の世界に行きたいと思ってるんだよね」


ツッコミ「うーん、それは、三次元で生まれた以上、絶対無理だと思うよ」


ボケ「アニメキャラになることにしたわ」


ツッコミ「ん? 話聞いてた? アニメキャラになるって、どうやって?」


ボケ「プレスして、ペラペラになって二次元になる」


ツッコミ「あれ、別にそうやって二次元になってるわけじゃないから!」


ボケ「でね、ペラペラになる前に、気になってる事があるからさ。ちょっと、それ解決してから二次元になりたいんだわ」


ツッコミ「ん?」


ボケ「俺さ、アニメ見てて、長年めちゃくちゃ気になってることがあるんだよね」


ツッコミ「何?」


ボケ「アイツら、いつ服洗ってるの?」


ツッコミ「はい!?」


ボケ「主人公と、その他諸々のキャラクター、だいたいのアニメ、いつも同じ服着てんのよ」


ツッコミ「え? ん?」


ボケ「お前、まさかこの恐ろしい事実に気づいてないわけないよな? 見過ごしてるのか?」


ツッコミ「いや、そういうことではないんだけど……」


ボケ「お前、ドラマでも、もうちょっと場面ごとに服装変えてんぞ?」


ツッコミ「アニメには、洗濯とか、そういう概念はないんだよ!」


ボケ「人生の選択は多いくせに?」


ツッコミ「そ、そうかもしれないけど!」


ボケ「アイツら、いつ見ても同じ服着てて、しかも汚れたとしても、次の瞬間、いつクリーニング出したのか疑うレベルで汚れが落ちてんだよ!」


ツッコミ「まぁ、アニメだからね?」


ボケ「そして、びしょびしょに濡れても一瞬で乾く!」


ツッコミ「まぁ、アニメだからね?」


ボケ「それともあれか? 俺が知らないだけで、アイツら何着も同じ服持ってんのか?」


ツッコミ「いや、そういうことではないと思うけど?」


ボケ「なら、描かれてないシーンで、コインランドリーに行きまくり? クリーニング出しまくり?」


ツッコミ「いや、そもそもアニメの世界では、そんなことはどうでもいいんだよ!」


ボケ「なんでだよ! 服洗わなくていい世界がどこにあるんだよ!」


ツッコミ「アニメの世界だよ!」


ボケ「そんな、バカな!」


ツッコミ「いいか? アニメは、そのキャラクターだってことがしっかり分かれば、服装は同じでもいいんだよ。誰もそんなこと気にしてないし、むしろ、その服装が目印っていうか、衣装みたいなもんだよ!」


ボケ「衣装だったら、余計にクリーニング必要だろ! シミ抜き必須だろ!」


ツッコミ「誰がアニメの世界でシミ抜きなんかするんだよ! アニメはシミなんてできないんだよ!」


ボケ「シミができない!? おい、どこにそんな服売ってんだよ! ブランドは?」


ツッコミ「知らないよ!」


ボケ「勇者になれば、シミができない特別素材が提供されるのか? 俺はシミ抜きを気にしてる時点で、もう勇者になれないのか?」


ツッコミ「そもそも、アニメキャラになれねーよ!」


ボケ「てか、年中同じ服っておかしくない? 衣替えは? 季節いつよ?」


ツッコミ「そんなの、アニメの世界は、気温の概念がないんだよ!」


ボケ「そんなわけないだろ!? まさか、あれは、どの温度にも適応する素材なのか? なぁ、そんな服どこに売ってんだよ!」


ツッコミ「そんなもん、作者のオーダーメイドだよ!」


ボケ「オーダーメイド!? めちゃめちゃ高そうじゃねーか! 通りで普段見かけないわけだ」


ツッコミ「どこに納得してんだよ」


ボケ「待て、なら、そんなオーダーメイドの服、買うお金どこにあるんだよ! なんなら働いてないキャラクターとかかなりいるぞ?」


ツッコミ「そんなもん、アレだよ。そう、無料配布だよ!」


ボケ「服が無料配布!? 配給制!?」


ツッコミ「そうだよ! アニメの世界は、作者に与えられたオーダーメイドの服を、ずっと着てるんだよ!」


ボケ「(動揺して)マ、マジか。アイツら、文句ひとつ言わずに、作者に与えられた服を笑顔で着続けているのか……」


ツッコミ「まぁ、アニメの世界だからね」


ボケ「ってことは、アイツら、仮に自分が着たくないデザインの服を渡されても、作者が望む限り、それを永遠に着続けているのか……?」


ツッコミ「まぁ、そうなるのかな?」


ボケ「勇者って、そういう意味だったのか……」


ツッコミ「たぶん違うよ」


ボケ「(少し悩み)なぁ、俺、ちょっと自分プレスして二次元行きたくないわ」


ツッコミ「うん、そもそも行けないんだよ」


ボケ「(カッコつけ、キメた感じで)俺、もう少しだけ、この三次元で頑張ってみることにしたよ。お前と漫才をな」


ツッコミ「それは良かったです」


二人「どうも、ありがとうございました」

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― 新着の感想 ―
[一言] ∀・)なろう民にっていうかヲタクに刺さる漫才です。尚且つ面白い。かなりの良作じゃないでしょうか。
[良い点] 面白かったです(*´艸`*) 思っていたことを面白おかしく言っていただきありがとうございます(^o^) >勇者ってそういう意味だったのか それは思ってなかったΣ(゜Д゜)
[良い点] プレスでペラペラ! トムジェリみたい。 面白かったです。 ( *´艸`)
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