大百足
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観察していたら後ろの方で木が折れるような音がした。俺はすぐにそっちを向く。そこには見上げるぐらいの大きな百足が俺を無機質なで覗目いていた
なんだありゃあ…?でかすぎやしねえか?
俺が馬鹿でかい百足を見ていたら囲んでいたナニカの靄が取れて黒光りした甲殻が露わになった。
ここを囲んでいたのはあの百足の胴体だったわけだ。それよりもあの靄が無くなったせいか百足の迫力が確実に増した
今まで感じたことのない圧力が俺を押し潰そうとしている。あの靄がこいつの気配を消していやがったのか、それなら俺が気づけなかったのも頷ける。だが不思議なのはあいつがこっちを見ながら何もしてこないという事だ。いや殺しにかかってくるよりは良いんだが何も無いってのも一周回って不気味だ
大百足が動いた、こちらに向けていた頭を胴体の向こう側に向けて見えなくなった。しかしその頭も直ぐに戻ってきた、大百足よりは短いが太い緑色の芋虫を銜えて。芋虫は頭から紫色の体液を流していてぐったりしている、もう死んでるんだろうな
大百足はその芋虫を空き地に置き、その鋭い牙で芋虫を食いちぎって咀嚼していた
やっぱり百足は肉食だよな、葉っぱ食ってるイメージが浮かばねえ。ってあの芋虫旨そうだな
そんな風に芋虫を食べている大百足を見ていたら無性に腹が減ってきた。俺は卵の陰に隠れながら芋虫に近寄る。見つかったら死ぬかもしれねえがやるしかねえ
俺は卵の陰から出るとそこには芋虫を咀嚼している大百足の顔が視界いっぱいにあった。
あ、俺死んだわ
咀嚼している大百足の顔がだんだん近づいてくる。俺は何も動けずに静止したままだった。
俺はあの口で芋虫か俺かわかんなくぐらいになるまで潰されて食われるんだろうな
大百足の頭がだんだん近づいて俺をその牙で挟んだ。俺はその様子を見たくないと目をつぶろうするが百足に瞼は無い。諦めて百足の口を覗いていると大百足が俺を芋虫の上置いた
何故俺を芋虫の上に置いたんだ?大百足は俺が何かするのを待つようにこちらを見ている。俺は何故芋虫の家に置かれたのか理解した。
俺は下の芋虫にかじりついた、そして咀嚼し一気に飲み込む。緊張のし過ぎで味なんてわからなかった。大百足は俺が飲み込んだのを確認したらまた食事を再開した
この大百足は俺の親か。不意に俺の頭にそんなことが浮かび上がった。身体で俺らを囲むのは守るため芋虫を持ってきたのも食わせるため。一つずつ考えると大百足が親だというのが確固たるものに変わっていく
そんなことを考えていたら卵から孵った百足が芋虫によって来るのが目に入った。子供が最初にするのは食事か、俺は他の百足を後回しにして芋虫にかじりついた
改めて食べてみると芋虫は肉厚でクリーミーな味だった、虫を食うのも悪くない
大百足の頭はナウ〇カに出てくるトンボみたいな百足みたいなものを思い浮かべください