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第6話 お見舞い3

 あの日、 まだ夏の暑さが残っていて朝から暑い日だった。 俺とリロは朝からの仕事が終わったの昼飯を食いに行くこととにした。

 俺たちが勤務している墓は街の外にあるのでこういう時はわざわざ街に戻る必要があった。

 街に入るのには住人なので特に手続きなど不必要だが、 俺はこういう所に不便さを感じていた。 しかし、 その日はそれどころじゃなくて俺は街に入るときに緊張感を感じていた。

 あの一件以来、 街はあ余り居心地の場所ではなくなってしまった。

 なので、 個人的には墓のほうが居心地が良かった。

 別に絡まれたりするわけじゃないので、 さほど問題が無かったが時に視線を感じる時があり、 そういう時には若干の不快感を感じた。

 俺はいつもいっている定食屋にたどり着いた。 そこでいつも頼んでいる定食を頼むと一息ついた。

 休息の時二人してはなしたがやはりリロも居心地が悪いようだ。 店内は若干ざわざわしていたが俺たち二人のこと話しているのはないかと冷や冷やした。

 しかし、 聞き耳立てて全神経を耳に集中させてみるとどうやら誰もヤードたちの事は話していないようだった。

 少ししてから、 頼んでいた定食が届き食べ始めたがその時、 視線を感じてその方向をみた。

 するとそこには仕事を中断して食事に来たと思われる数人の職人がこちらをみていた。

 俺は嫌な予感がしたが、 無視して食事に集中することにした。 単純に俺の食べている定食が美味しく感じたのかもしれない。

 ほら、 やっぱり店員さんを呼んでいる。 きっと、 俺の食べている定職を頼んだに違いない。

しばらくして、 二人とも食べ終えると会計を済ませ店から出た。

 仕事に戻ろうと来た道を戻っていると、 後ろから声をかけられた。


「おい! お前たち墓守だろ。 話がある」


 無視しても良かったが、 それだとまるで悪事に加担したみたいなので立ち止まった。


「なんですか? 俺確かに墓守だけどみんな言ってるようなことしてませんけど」


 俺はきっぱりといった。 だが興奮しているのか聞いてはもらえなかった。


「そうか? みんな言っているぞ。 市長と談合しているって。 街に墓作るのもお前たちの意見聞いたからだろ。 くそ! なんてことだ。 こんな奴と市長が仲がいいなんて世の中間違っている」


「待ってくださいよ。 仲が良かったのは子供のころの話で最近はあったりしてなくてですね……」


「うう……俺たちが働いている間市長とあんなことやそんなこと…うう……うらやましい」


「ちょっと待って! ヤードにはまだ早いです! 幼馴染みのわたしが言うんですから間違ったことはしていません。 絶対です」


 先ほどまで俺の陰でかくれていたリロがおかしなことを言い出した。


「うう……幼馴染みとか創作物でしか知らないよ。 市長に長馴染みとか両手に花かよ」


「そうだぞ! 見せびらかしやがって! さっさと墓場に帰れ!」


「いわれなくても帰りますよ。 仕事がありますし。 それじゃ……」


 俺とリロは妙な気分になりながら帰路に就いた。

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 あの一件とはつまり街に墓をつくるのは、 俺とリロのためであるというでまかせだ。 仲のいい俺たちに便宜を図っているというのが彼らの主張だ。

 実際はそんなことは無く。 今日会うまでは遠目に見るくらいで直に会ったことはなかった。 どんなことから火が付いたのか見当がつかないというのが俺の主張だ。

 これは市長が人気すぎるからだと俺は思っている。 若いうえに聡明それに若い男を魅了する美貌も備えている。

 はっきりいって墓守の俺とは釣り合いが取れない気がする。 単純にその手の話が出たのは、 俺が幼馴染みだからという点しかない。

 俺が邪推するに単純に嫉妬のなのではないかと俺は思う。 実際、 市長はこの件については勘違いとしか言ってない。 

俺は嘆息した。 彼らはまるで市長の良さを分かっていないと思う。 俺が思うに市長の良さは胆力だと思っている。 市長があの日演説で言ったことを俺は忘れんはしない。 市長が行ったことそれは「死ぬことを禁止ます」だ! こんなことを言える奴を尊敬しない訳ない。 子供のころから市長はエキセントリックだった。 俺自身、 その話を聞いた時に驚いたが市長ならいいそうだなと思ったのを覚えている。 


「ヤードさん考え事ですか? 言ってないこと何かありましたっけ?」


 長い間考え事をしていたみたいで、 心配そうに市長が訊ねてきた。 


「いや、 大したことじゃないよ。 あの一件のことを思い出してさ」


「あの一件ですか。 最近じゃ言う人も減ってきましたね。 もともと取るに足らないデマでしかありませんけどちょっとだけ嬉しかったような……」


「市長なんか言った?」

 

 市長が何か言ったらしいが俺には後半の部分が聞き取れなかった。

 

「バッシングを物ともしなかった市長もかっこよかったよ。 流石にネクロマンサーはだめだったみたいだけど」

 

 市長が急に震えだした。 どうやらネクロマンサーとういう単語に反応したらしい。

 どうやらさすがの市長もネクロマンサーはだめだったらしい。 市長が倒れそうになり慌てて支える。 


「ヤード。 ありがとうございます」


 気丈にしているが内心は相当悪いみたいだ。 俺は支えないと駄目な気がした。


「市長。 かならず俺はこの街を守ります。 絶対に」


 俺は決意を固めた。 市長は俺を潤んだ瞳で見つめると少し顔を赤くした。

 顔色がもとに戻ってきたかっもしれない。 俺は少し安心した。 そのおかげで俺は事務所に報告しなければならないことを思い出した俺は名残惜しいがそろそろ帰らなければならないことを伝えた。 市長はひどく残念がったが見送りまでしてくれた。

 

 その際、 秘書さんに噂って本当だったんですか? あれわたし言っちゃあいけないこと言ってます? と、 言われたが俺とリロは無視して屋敷から出た

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