表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

第11話 初陣2

 俺はリロが更衣室に向かったのを見送ると奴らが攻めてきた街の外に向かうため駆けだした。 もちろんリロを置いて。 途中、 リロの声が何回かしたが気のせいだと思うことにした。 今度クロネに相談しないとな。 俺は心の中で呟いた。


 俺はリロを置いて墓場まで走った。 途中、 街の住人が応援したりしてくれたので否が応でも闘争心は高まった。 常人を超えるスピードでも汗一つかかない。

 墓場の柵を飛び越え、 中央付近にある広場にたどり着くと奴らが待ち受けていた。


「来たか……ヤード。 来ないかと思ったぜ。 遅かったな」


 どうやら俺の名前は連中の間で有名らしい。 すっかり名を知られてしまった。

 今回は新顔がいた。 今まで相手した奴も新顔の陰に隠れるように立っていた。


「準備に時間がかかってな。 普段だったらもっと早く着いたんだが」


 一体、 リロはどこ行ったんだろうか? 途中まで声が聞こえたんだが……。 別にリロを待つ必要もないのでさっさと始めることにした。


「驚くだろうな。 まさかこれを使う日が来るとはな……」


 そういうと杖を掲げた。 それは普段奴らが持っている杖と少し違う気がした。

 よく見ると杖に缶のようなものが取り付けられていた。 一体あれはなんだろうか?


「これを使わせてもらうのにどれだけ大変だったか……今日こそは死んでもらいます」


 普段何度相手したネクロマンサーが言った。 何度負けても諦めるという気はないようだ。 何度も会っているのに名前さえしらない。 別に聞く気もないのでさっさと始めることにした。


「魔闘」


 俺は小声で呟いた。 別に言わなくてもいいのだが、 いうと体中に力が湧いてくる気がする。


 俺が剣を構え、 斬りかかろうとしたときリロがやってきた。


「お待たせ。 途中民家に突っ込んじゃって大変だったよ。 ヤード急ぎすぎ。 つーかなんであんなに早いのにぶつかったりしないの?」


「まだ、 力の制御ができていないのかもな。 まあ、 慣れているというのもあるけど」


 リロは相変わらず戦闘に向いていない派手な服を着ていた。 場違いにも程がある。


「あ、 あれ? 一人増えている。 話と違いませんか?」


 顔なじみのネクロマンサーが聞いてきた。 答えなくても良かったが一応答えることにした。


「知らないのか? 二人いるんだよ。 力に目覚めた奴は」


「女の人に聞きますけど。 荷物運びとかじゃないですよね?」


「はぁ!? なんでわたしがヤードのお手伝いさんなの? わたしにどれだけ力があるか試してみる」


 まるでリロがいるとは想定してなかったようで急に慌てた様子を見せた。 

 そんなに驚く事だろうか?


「慌てるな。 これがあるのを忘れたか? これがあれば二人いようがいまいが関係ない」


 新顔のネクロマンサーは自信あるようだが、 顔見知りのネクロマンサーは自信を失ったようだ。 新顔のネクロマンサーの陰隠れがちだったのに今では完全に隠れている。


「行くぞ! ファイアー!」


 新顔のネクロマンサーが叫ぶと杖から炎が放たれた。 反射的にその場から離れる。 するとさっきまでいた場所が黒焦げになっていた。 


「すごい! 魔法じゃない。 初めて見た」


 リロが感嘆した。 リロも危険を感じたようで元居た場所から離れていた。


 俺は少し驚いたが、 ゾンビや動く骸骨といったものを見てきた自分としては魔法はあまり衝撃を受けなかった。


「そうか。 次はどうかな? ファイアー」


 新顔のネクロマンサーはまた叫ぶと杖から炎を放った。 俺は再度回避した。 炎は俺から少し離れた壁に命中した。


「ちょこざいな! ファイアー」


 すぐさま回避。 だんだんと俺もこの問題がわかってきた。 

 理由は簡単だ。 下手なんだ。 当てるのが。


「うっわあ。ものすごい下手。 変わってもたったほうがいいんじゃない?


 リロが素なのかそれとも煽りなのかわからない。 どっちだろうが相手を怒らせたようだ。


「女! お前も食らえ」


 黙っていればいいのにリロにも矛先が向いてしまった。 しかし、 リロは危なげなく回避した。


「本当に下手ね……」


 やっぱりリロも同じ感想らしい。 要は当たらなければいいんだ。 実に簡単だ。

 俺は炎が放たれるたびに回避した。 どれくらい炎が放たれたのか知らないが、 既に墓場には黒焦げの場所が点在するようになってしまった。


 そこで俺は意味ないからやめろと叫んだ。 だが、 返事はなかった。


「なめているのかこの俺を! 貴様のような下賤な輩が生意気だ!」


 返事の代わりに帰ってきたのは炎だった。 それも今度は複数発の炎だった。 今度は避けなかった。

 やはり炎は逸れていった。 だめだ。 道具に頼っているだけだ。 こんなの相手にならない。


「リロ! 決めるぞ」


「わかった! 女は任せて!」


 俺はさっさと決めることにした。 危機を察したのかさらに炎が放たれる。

 だが、 急に攻撃が止まった。 


「しまった。 魔素が切れた!」


 どうやらトラブルらしい。 俺は距離を詰めると剣で斬りかかろうとした。 しかし、 寸前で斬りかかるのを止めた。 代わりに打撃を加えることにした。

 すると相手は吹っ飛んでいった。 それだけでは終わらずに転がっていった。

 それから動かなくなったのでリロの方を見るとリロも終わったようだ。


 リロはというと関節技のようなものを仕掛けてそれで相手が降参したようだった。


「これで終わりか……大したことなかったな」


「結局、 魔法を見せびらかしたかったのかな」


「これで済むと思うなよ」


 ネクロマンサー達は捨て台詞を吐くと去っていった。 もうこれで来るなよと思ったがその願いは叶うこと無さそうだった。


 戦闘が終わったので損傷個所などを調べていると急にリロが声を上げた。


「なんか踏んだか? 大丈夫か?」


「これあいつらのだよね。 落ちてたんだけど」


 リロは杖を持ってきた。 どこかであいつらが使っていた杖を拾ったらしい。

 他にも缶みたいなものも拾ったようだ。


「これわたしのだよね? 最初にみつけたから」


 リロは嬉しそうだった。 なので俺は名乗り上げないことにした。


「クロネに鑑定してもらうか。 値打ちの物かもしれないぞ」


「やっぱり? なんか得した気分」


 俺たちは修繕個所などをまとめた後帰路に就いた。

気に入りましたらポイントブクマお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ