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Blood Spare of Secret : The story of Creeds  作者: 千導翼
第四章 バルジェリア皇国編

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守護の斬撃、破壊の太陽

 ティルジェイと清雅、花仙の戦いは、戦闘を経て成長していく花仙と清雅とまだまだ本気ではないティルジェイの攻防は時を経るごとに激化していく。ティルジェイの槍に花仙と清雅は対応し、攻撃を受け流してカウンターをする余裕ができてきている。


 「くっ...!」


 「すぅっ...!!」


 しかし、清雅と花仙にはもう限界が来ていた。その証拠として、2人は能力を使わずにティルジェイと戦っている。


 「そんなんじゃ、俺は倒せねえぞ!!」


 ティルジェイの煽りに乗ることなく冷静に花仙と清雅は対処するが、体力の限界も近づいてきていた。


 「クソッ!」


 「くぅ...!!」


 花仙と清雅はついに膝をついて、しゃがみこんでしまう。それを見たティルジェイは槍を戻す。


 「勝負ありだな。」


 この言葉を聞いた花仙が何とか立ち上がって、スレイバーをティルジェイに向ける。


 「まだ戦うのか?」


 「(清雅は同じ異能力者スペアネルのNo.2でも...病気に伏していた...光琳はモンスターとの戦闘経験はあるが、対人戦闘経験は少なかった。薫は元々は普通の女子高生だった。あたしは...何度も婆さんと修行を積み...実戦もして対人戦闘経験を積み重ねてきた。あたしが...! 頼りになるべき存在なんだ!!)」


 花仙は覚悟を決めた顔でティルジェイを見ると、髪と目が黄色に変色する。


 「...。」


 ティルジェイは槍を構える。それを見た花仙は雄叫びをあげる。


 「元ティルジェイ傭兵団団長。現聖転騎士団第1団長。ティルジェイ・ヴァラン。」


 「陽葉山花仙...!!」


 花仙はティルジェイに向かって行く。スレイバーと槍が激しくぶつかり合う。しかし、やはり実力は離れているからか、槍が花仙の肩に刺さる。


 「くっ...!! ぐおおおっ!!!」


 だが、それをものともせず花仙はティルジェイに攻撃を続ける。体力は限界を超え、能力も無駄には使えない状況で、技術も何もないスレイバーの攻撃が、どんどん洗練された動きへと戻っていく。


 「!?」


 限界を迎えているはずの花仙の動きが洗練されたものに戻っていく様を見て、流石にティルジェイも驚愕する。しかし、すぐ後にニヤリと楽しそうに笑う。


 「うああああああ!!!」


 「いいねえ!! 楽しいぞ! 陽葉山花仙! お前との戦いはぁ!!!」


 両者はそう叫び、スレイバーと槍をぶつけ合いながら、的確に互いに攻撃を当てていく。花仙は距離を取って、叫びながらスレイバーの技でティルジェイに襲い掛かるが、簡単に弾かれ距離を詰めれらて行く。


 「くっそぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 花仙は悔しそうにそう叫びながら、スレイバーに炎を纏わせて放つ。


 「!」


 それをティルジェイは槍で防ぐ。


 「ぐぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」


 しかし、花仙のスレイバーに纏う炎の熱が上がっていき、白い炎へと変色していく。


 「白幻ノ火花...!!!!」


 絶叫しながら花仙は能力を全て放って、ティルジェイの鎧を溶かし切り、連鎖爆発させる。


 「倒れろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」


 そうして周りの建物が吹き飛ぶほどの爆風とそれによる土煙の中でティルジェイは立っていた。


 「ふぅぅぅ...。結構効いたぜ。」


 「なっ...!」


 「敬意を表そう。」


 ティルジェイは高く跳びあがって、空中で投げ槍の体勢を取る。


 「......。」


 能力を出し切った花仙はその場から動けず、ただ見る事しかできない。


 「隼槍ランザ・ファルコニス。」


 ティルジェイの投擲した槍は花仙の腹部に直撃し、貫通して穴を開ける。


 「ぐぽぁ...!!!」


 花仙は穴の開いた腹を押さえて倒れこむ。激痛に悶絶しながらなんとか立ち上がろうとする。


 「お前の負けだ。」


 ティルジェイは地面に突き刺さった花仙の血に塗れた槍を引き抜いた。


 ティルジェイ・ヴァラン vs 陽葉山花仙


 勝者:ティルジェイ・ヴァラン


 ティルジェイはその場から立ち去ろうとすると、


 「待てっ!!!」


 富士浪清雅が刀を握りしめて花仙の傷口を凍らせて防ぐ。


 「時間稼ぎに命懸けてんのか?」


 ティルジェイが呆れたように言うと


 「富士浪誠二の2番弟子兼娘!! 富士浪清雅!!」


 「富士浪...誠二...。そうか...あの男のねぇ...。」


 清雅は自分を鼓舞するように頬を叩いて、刀を持ってティルジェイに向かって行く。


 「おっと。」


 ティルジェイはそれをあっさりと防ぎ、カウンターで清雅を突くが、すぐに氷の鎧で防ぐ。


 「おぉ~面白い使い方できんじゃん。でも...長続きしねえだろ? それ。」


 そう言っていると、清雅は刀でしっかりと攻撃を防ぎながらも氷の鎧の防御を使わされ、能力を使う事になる。


 「くっ...。」


 清雅はそれでも、ティルジェイと戦い続け、限界間近でも立ち上がって刀を振るう。


 「富士浪誠二の弟子にしては...お粗末な剣術だな。」


 ティルジェイはそう煽りながら、清雅を蹴り飛ばす。


 「ぐっ...。」


 しかし、すぐに受け身を取って清雅は向かってくる。


 「?」


 しばらくそれを繰り返していたら、ティルジェイは自分の状態に違和感を持ち始める。


 「やっとね...。」


 清雅がそう言うと、ティルジェイの体が白くなっていく。


 「...。なるほどな。俺と戦いだしたあの時から...雪の結晶を俺の体内に埋め込み続けたわけだ。しかし...中々動きが鈍らないからいつの間にかピンチになり...今ようやく実を結んだわけだな。」


 「その通りよ。」


 どんどん冷気によって動きが鈍くなっていくが、未だに動けるティルジェイは近づきながら言う。


 「だが...完全に倒せるほどお前に能力を使う体力が残っているのか?」


 「...。」


 「勝負をつけるのが早いに越したことはないが...。お前には俺を倒せるほどの切り札はない...。違うか?」


 痛いところを突かれて何も言い返せない清雅に槍を向ける。


 「俺の実力を見越して罠を仕掛けたのは見事だったが.....勝てなきゃ意味がない。お前を倒せば...これ以上俺の体が凍っていくこともない...。陽葉山花仙。富士浪清雅。入町光琳。橘薫。お前らには...まだこのステージは早すぎたな。」


 ティルジェイが容赦なく止めを刺そうとした次の瞬間...


 「!!」


 ティルジェイの槍を持っていた手が電光の刃に貫かれる。


 「!?」


 その衝撃で槍を落として手を押さえるティルジェイは後ろを見る。そこには屋上からレーザーナイフを飛ばしていた。


 「やるねぇ。」


 ティルジェイが槍を取った瞬間に光琳が槍で攻撃してくる。


 「槍使いに槍で攻撃してくるとは...しかも...お前ら力を使えないようだが?」


 ティルジェイの言葉に光琳はニヤリと笑いながら


 「力だけで戦えても...それは頼ってるだけで...使えていない...!!」


 その言葉にティルジェイはニヤリと笑い返して、屋上から降りてきてナイフを構える薫と光琳、冷気を放ち続ける清雅を一瞥して槍を構え直す。


 「聖転騎士団第1団長...ティルジェイ・ヴァラン...。お前たちを...正式に敵とみなしてやる。」


 薫、光琳は武器を力強く構え、清雅は冷気を放ち続ける。ティルジェイの体は白くなっていく。


 「さぁ来い!!」


 薫と光琳が攻撃を仕掛ける。力を使うほどの体力が残っていない2人だが、それでも体が微々たるものだが凍って鈍っているティルジェイに何とかついていけている。


 「はぁっ!!」


 「へあっ!!」


 攻撃をしながら自分を鼓舞するように声を上げて武器を振るう。何度も戦っていた事で、光琳は刃こぼれした長刀、切っ先の欠けた槍で戦い、予備の弾丸のほとんどない拳銃、あと一回しか使えないレーザーナイフを温存して、バタフライナイフで攻撃しながら、溜めておいたワスプナイフを刺しに行く。


 「おらぁっ!! どしたぁ!! 俺が名乗るほどの者だと見なしたのは...間違いだったかぁ!!」


 ティルジェイの煽りに薫と光琳は攻撃を続け、確実に自分たちにそれぞれ得意な戦法を見出し、それに体が動くようになっていく。


 「はぁっ!」


 薫はより身軽に、敵の攻撃を防がず避けることに専念し、確実に攻撃を当てる戦法になる。


 「でやぁ!!」


 光琳は激しく動かず、確実に敵の攻撃を防ぎ、受け流すことに特化させ、重い一撃を確実に当てられるタイミングを探りながら、時には隙を見せて相手の攻撃を誘い、カウンターを決める戦法になる。


 「....。」


 その光景を見て、清雅も対抗心を燃やして冷気の放出量を更に上げる。


 「...!?」


 その影響で更に速度を上げて凍っていく自身の体を見たティルジェイは驚きながらも楽しそうに笑いながら戦闘を続行する。


 「いいぞいいぞ!! 自分より実力が上の相手なら...そうやって罠を仕掛けて、勝ちをもぎ取りに行け!! 実力が上の相手に個人ができることなんてたかが知れてるんだ!! せっかく仲間がいるんなら思う存分迷惑かけて頼ってけ!!」


 ティルジェイはなぜか薫と光琳を鼓舞しながら凍っていき鈍くなっているはずなのに、更に動きを速めて戦う。


 「くっ...! ぐぉおお!!」


 「うっ...! だあああ!!」


 怯んでもすぐさま立て直して向かってくる2人にティルジェイは心底楽しそうに笑いながら戦う。だが、体の凍結が徐々に体を蝕んでいき、動きを更に鈍くしていく。そこを突くように薫と光琳は自分たちの連携攻撃で追い詰める。薫がバタフライナイフで連撃を叩きこみながら、ティルジェイを翻弄するように身軽且つ変則的に動き、光琳は槍で攻撃を捌きながら、ティルジェイに確実に攻撃を当てる。


 「ぐっ...!!」


 ティルジェイの体が更に白くなり、体の凍結が目に見えて現れる。ティルジェイの体が凍っていき、身動きが取れなくなっていく。


 「まだまだぁ!!!」


 それでも強引に動こうとするティルジェイに清雅が刀を向ける。


 「止めはお前か?」


 ティルジェイがそう言うと、清雅は刀に冷気を纏わせて大気ごと凍らせながら振り下ろす。


 「白天流第三秘剣・冰流...。」


 そう言った瞬間に振り下ろされた氷の斬撃はティルジェイの全身を抉り落とし、そのまま凍らせた。


 「「...。」」


 「...!?」


 その光景を見つめていた3人の期待を裏切る様にティルジェイは氷を壊して出てきた。


 「なっ...!」


 「そ、そんな...。」


 「もう能力は...。」


 言い終わる前に清雅は意識を失い、薫と光琳も続くように倒れこむ。その光景を見て、ティルジェイはゆっくりと体を再生させながらその場に槍を刺して座り込む。


 「な...何を...!?」


 「お前らの勝ちだ。おめっとさん。」


 「え?」


 「紋様も使ってないし、罠で動きが鈍っていたとはいえ...一瞬でも戦闘を続行不能にされたんだ。充分負けだろ。」


 ティルジェイはそう言って、清雅と花仙を近くに寝かせて、薫と光琳も近くに寝かせる。


 「意識あんなら見届けようぜ。この戦いの結末をさぁ。」


 ティルジェイはそう言って、寝転がる。その瞬間に、大気が震え轟音が国中に鳴り響き、空が割れ、国が壊れ始める。

 

 「な...なに...!?」


 「何って? 異能力者スペアネル血鎖狩人ブラッティソル...化け物同士の本気の戦いだよ。」


 「え!?」


 薫と光琳の驚愕した反応に慣れた様子でティルジェイは両者の戦いの見物を始める。


 ティルジェイ vs 橘薫、入町光琳、富士浪清雅


 戦闘放棄によりティルジェイの敗北


 その頃、クリードは王子と共にレグスで国に到着したが、その状況はかなりひどいものだった。


 「これは...。」


 お互いを傷つけ合い、倒れた奴隷達と騎士達。その中で、意識のある比較的大柄な男が王子を呼んだ。


 「王子殿下...。」


 「あなたは...。」


 「知り合いですか?」


 クリードが訊くと、王子は深く頷いて。


 「この方は僕がよくナイトメアを連れて、市街を歩いていた時にお世話になった。菓子屋の店主です。無事...ではありませんが...生きていたんですね。」


 「あ~はい...。よくぞ生きて戻られましたな...!」


 大柄の男は嬉しそうに王子に微笑みかけた後、王子の袖を掴んで頼む。


 「もう一度...。もう一度! この国を騎士の国にしてください....!! ソフィア第二団長を...ロンバート第四団長を...ナイトメア総団長を...苦痛から解放してやってください....!!」


 「...あなたは...騎士団の方たちを...恨んでいないのですか...?」


 王子が驚きながら訊くと。大柄な男は深く頷いて話す。


 「もちろんですとも...! 騎士団の人たちは四方匡の人間達が眠った後...奴隷になった私達に、食料を与え...傷を治してくれました....。それが...他の奴隷達にとってどう受け取ったかは知りませんが...私は感謝しています...!!」


 「...。」


 「だから王子殿下...!! この国を...お願いします....!!!!」


 大柄な男はそのまま気絶してしまう。


 「クリードさん...。」


 「はい。」


 「ここに戻ってくるときに...事情をいろいろ話してくれましたね。」


 「そうですね。騎士団側の事情、奴隷側の思い...。ナイトメア・クラインの選択と姉であるネヴィア王女殿下の思い...知りうる限り、集めた限りの情報を話しました。」


 クリードの返答を聞いて、王子は向き直り真っ直ぐクリードの目を見る。


 「あなたとしては...僕はどういう決断をすべきだと考えますか?」


 「私個人として...ならば。ソフィア・ローアとロンバート・サニーズは懲役刑で済ませても...ナイトメア・クラインは...極刑を下すべきだと考える。」


 「...やはりそうですか...。」


 「しかし...。」


 言葉を続けようとするクリードに喉唾をゴクリと飲み込んで見つめる。


 「これから騎士の国を取り戻し、四方匡と戦うためには...ここに倒れている騎士も奴隷になった民の力は必要になります。でもそれ以上にナイトメア・クライン、ソフィア・ローア。そして...ロンバート・サニーズもとい...ネヴィア・フェシス・バルジェリアの力は必要不可欠だとも考えます。」


 「...。」


 「...まぁ結局...。この国の正統王位継承者である。あなたが決めなければならないことです。俺の言葉を鵜吞みにして全て従うのは...危ない。」


 クリードの言葉を聞いて、深く頷いて王子は国の惨状をもう一度目に焼き付ける。本来は守られるべきはずだった奴隷にされた民たちと本来守るべき立場の騎士が民を傷つけていた。その状況を見る事こそなかったものの、その地獄絵図が自身がここに戻ってくるまで行われていたという現実に目を背けたくなりつつも、しっかりと見て、クリードに向き直る。


 「行きましょう。」


 そうしてしばらく歩いていると、立ったまま気を失っているギアバシルとその奥で力尽きているバンバが見えてきた。


 「あ...あいつは...!」


 「バンバ!!」


 クリードはすぐにバンバの元に走っていく。その声に意識を取り戻したのか、ギアバシルとバンバが目を覚まし、立ち上がる。


 「...お前は...この国の...王子か...。俺たち元傭兵団の役目は終わりか...。」


 ギアバシルがそう言うと、王子は訊く。


 「なぜ...?」


 「ナイトメアと同じ聖転騎士団になったからというだけだ。だから戦った。それだけだ。」


 「本当にそれだけですか...!」


 「それだけだ。積もる話をしたいやつは俺じゃないだろう? さぁ行け。時間を無駄にするな。」


 ギアバシルはそう言ってその場を立ち去る。その後ろ姿を見ていたバンバは王子に向けて言う。


 「行きましょう。この先に...あなたの姉がいるはずだ。」


 「姉さん...。」


 少し考えてから王子は去り行くギアバシルの背中を一瞥して先に向かう。その後をクリードとバンバが追う。その間にバンバが名乗り終わると、視界に倒れた2人の影が見えてきた。


 「あれは...姉さん!!」


 姉だと分かった瞬間に王子は真っ直ぐ走って姉に駆け寄る。クリードとバンバは青葉に駆け寄って揺り起こす。


 「姉さん!!」


 「ん...んん...。....!」


 目覚めたロンバートはすぐさま王子を抱きしめる。


 「姉さん...。」


 「...ごめんね...。本当にごめん...!! どっちつかずな私を...許さないで...!!」


 ロンバートの謝罪の言葉に戸惑う王子にクリードが肩を叩いて


 「聞いてあげてください。」


 というと、戸惑いながらも深く頷いてロンバートの目を見る。その目には涙こそなかったが、助けに行かなかったことへの後悔と怒り、弟に再会した喜びと気まずさ。様々な感情が入り混じっている。


 「本当は...もっと早く助けに行けたの...! でも...その後にナイトメアがどうなるかを考えたら...私は助けに行くことができなかった...!!! 私は...自分の弟と尊敬する人間を...天秤にかけてどちらも選べなかった臆病者よ!! 私に...罰を与えて...!! 私を許さないで...!!! 私をもう姉と呼ばないで...!!!」


 弟にそう吐露したロンバートは俯いて何も言えないでいる。そんな姉を王子は優しく抱きしめて言う。


 「生きててくれてよかった...! やっぱり...知ってる人に会えると嬉しいね!!」


 王子が満面の笑みを向けるとロンバートは笑顔を見れて少し嬉しそうでもあり、痩せ細った姿を見て少し悲しそうでもあり、自分に怒りを向けているようでもあり、後のことを考えて不安そうでもある。しかし、立ち上がって王子の手を取る。


 「行こう。私が...〝ナイトメア〟の元に連れて行く。」


 その言葉に王子は深く頷いて、ロンバートと共にその場から立ち去ると、青葉も無言で起き上がってその姿を見る。


 「どうした?」


 「いや? 姉弟....か。」


 クリードの言葉に何でもないとしながらも、どこか懐かしい目でロンバートと王子の後姿を見ている。


 「追いかけるぞ。」


 バンバがそう言うと、クリードと青葉は頷いて2人の後を追う。そうしてしばらく歩いていると、氷像が目の前に現れた。


 「氷の像?」


 クリードがそう言うと氷の像はひび割れ、中から弓を持った女が出てくる。


 「くっ...!」


 苦しそうにその場に倒れると、王子とロンバートが駆け寄る。


 「...王子...!?」


 驚愕した顔で王子を見ると、踏ん張って起き上がり、片膝をついて、頭を下げる。


 「王子...! 無事に...ご帰還なされたのですね...。私...ソフィア・ローア...どのような処遇を受けることも覚悟の上です...!」


 「ソフィ...。」


 王子がその言葉に戸惑っていると、ロンバートがソフィアを支えて


 「今はそれより、あの戦いを止めなきゃならんだろ? もう一回一回の音がただの爆破音だ。」


 そう言って王子を見ると、王子も深く頷く。それを見て、ソフィアは何とか立ち上がり、戦っている場所を特定する。


 「この先です。ティルジェイは...もう戦いを止めているようです。」


 「ティルジェイ...。そう...。じゃあナイトメアのところに行こう。姉さん。ソフィ。」


 王子はティルジェイの名に一瞬だけ戸惑うが、すぐに切り替えてソフィアとロンバートに声をかけて、特定した場所に向かう。ソフィアも向かおうとしたがその直前にクリードたちに言う。


 「あなた方のお仲間はティルジェイと共にいます。彼はもう戦う気はないようですので大丈夫だと思います。」


 「俺から1つ訊いても?」


 青葉がそう言うと、ソフィアは振り返る。


 「何で丁寧にクリードとバンバの仲間の居場所を教えるんだ?」


 「王子を助けてもらった恩と、我々の敗北を認めたというだけです。」


 そう言って去ろうとするソフィアにクリードも訊く。


 「俺からも1つ。」


 「?」


 「あんたを倒したのは誰だ?」


 「...ブリザ・アンヴィルヘムと言っていましたよ。」


 「...アンヴィルヘムだと?」


 「では...。」


 ソフィアは歩いていく王子とロンバートを追いかけた。意外な氷の男の姓に驚きながらも、クリード達は王子たちと別れてティルジェイの元に行った。そうしてしばらく歩くと、楽に寝転がる男と完全に気を失っている花仙、力尽きている清雅、満身創痍な光琳と倒れこんでいる薫がいた。


 「光琳ちゃん! 薫ちゃん!」


 青葉が2人に駆け寄ると、ティルジェイが起き上がり、青葉、バンバ、クリードの順で見ると...


 「あんたらの誰かが俺の相手だったら楽しかっただろうなぁ...。」


 と言って、再び寝転ぶ。


 「何してる?」


 「何って...観てんのよ戦いを。いよいよ空を飛び始めたぜあいつら...。」


 クリードの問いにそう答えると、クリード達がいることに気付いた薫が必死に起き上がろうとする。


 「大丈夫だ。もうすぐ戦いが終わる。寝てて大丈夫だ。」


 「...はい...。クリードさん...王子さまは...。」


 「助け出した。ついでに護衛が2人もついた。もうすぐ戦いも終わるだろう。」


 薫の問いにクリードがフレアとナイトメアの戦いを見ながら答える。その様子に気が付いたのか、光琳はバンバの元に行って寄りかかる。青葉はすぐに清雅と花仙を近くに寝かせて応急処置をする。


 「いいや。終わらねえよ。」


 「え?」


 「終わる時は派手な見せものがあるはずさ。」


 ティルジェイは困惑する薫を見て、ニヤリと笑って仰向けにまた寝転がる。


 その頃、両者の戦いは、激突するごとに周りの被害がより甚大なものになっていく。


 「...!!」


 白い炎の拳がその熱波で周りの物質を溶かしていき、


 「...!!!」


 白銀の剣が振るう余波で物質が切り刻まれる。


 「白隕拳ワイス・ルーチェ・メテオライト。」


 「銀彗斬ジーヴァ・エステラ・エスパーダ。」

 

 振り下ろされる真っ白な炎の拳と斬り上げられる白銀の斬撃がぶつかり合い、その衝撃で両者とも吹っ飛ぶが、すぐに体勢を立て直して戦いを続ける。


 「...!!」


 フレアの背後に回り剣を振り下ろすが、それを避けてナイトメアの頬に蹴りを入れる。それで怯んだところに


 「業火白蓮アルバス・インフェルナス。」


 燃え盛る白い炎を纏った拳でナイトメアを連続で殴打する。


 「ぐぉっ...!!」


 そのダメージで吐血しているところに両手の平で掌底を打つ。すると、ナイトメアの背中から蓮の花の様に白い炎が突き抜ける。その衝撃にナイトメアはフラフラになりながら後ずさり、倒れそうになるが踏ん張って剣を構える。


 「マジか...(手応えあったが...こりゃまだ動けるなこいつ。)」


 「...!!」


 フレアがそう言っていると、ナイトメアが一気に間合いを詰めて、剣を振り下ろす。それを受け止めながら、拳から炎を噴射して殴りかかるが、剣の柄で受け止められ蹴り飛ばされる。炎を噴射して一気に間合いを詰めて蹴るが、低姿勢になって避けられる。


 「ぐっ...!」


 フレアはすぐに炎を噴射して体勢を変えて剣を受け止めようとしたが、そこでフェイントをかけられ無防備な背中を晒す。


 「しまっ...!!」


 「銀狼破斬セクティオ・ルーパスティアート。」


 狼の牙のように変化したギザギザの刃でフレアの背中を抉り切り刻む。


 「ぐはぁっ...!!」


 その攻撃に怯んだところに止めというように、交差するように斬る。そのまま吹っ飛ばされたフレアは背中から大量の血を流しながら倒れそうになるが、すぐに体勢を立て直して、ナイトメアに向き直る。


 「はぁ...はぁ...はぁ...。」


 「ぜぇ...ぜぇ...ぜぇ...。」


 両者ともずっと戦い続けていたからか流石に限界がきて息を切らしているが、戦いは終わらない。


 「煌々《フラム・》と輝くアルバス・陽炎シンティランズ。」


 「美麗ルプトゥナ・なるバーディクトきの・ラミナ。」


 白く煌めく炎を体中に纏わせ突撃し、10の斬撃を放つ。激突した瞬間に大きな爆発音とともに空間が割れるが、すぐに修復される。そんなものお構いなしに2人はぶつかり合い、お互いの最後だというかのように雄叫びを上げて向かって行く。


 「はぁぁぁぁぁぁ!!!! 天地裂ディヴァイン・神剣ノア!!!」


 「うぉぉぉぉぉぉ!!!! 業火炎焼撃イグニス・ヴァルカニクス!!!」


 その瞬間、剣の金属音と炎の爆発音が混ざり合い、割れた空間は更に割れ、地面に亀裂が入り、時間が歪む。そんなことお構いなしに互いの攻撃で吹っ飛んで血だらけになった2人は空に飛び立ち、空中で戦いを続けている。互いの攻撃が当たる度に爆発音のような轟音が響き渡り、両者は自身の体を再生させる暇もない。


 「「!!」」


 お互いが更に力を込めて同じ技を放とうとすると、その直前で叫び声が響き渡る。


 「止めてください!!!!!」


 聞き覚えのある声に即座にナイトメアは振り向く。


 「殿下...。」


 ナイトメアは片膝をついて頭を下げる。


 「殿下...。この首を差し出す準備はできています。」


 「...!?」


 驚く王子を横目にナイトメアは続ける。


 「万が一にも王子が私を許そうとも...奴隷としての地獄を味わった国民たちは絶対に許してはくれません。騎士の国と呼ばれたこの国を地獄に変えたのは紛れもない私自身なのです。だから...この首を差し出す覚悟も準備もできています。何も躊躇うことはありません。この私を.....処刑してください。」


 「ナイトメア...。」


 「何なら自害を命じてくれても構いません。この場でこの剣を私の胸に刺し貫くことは可能です。」


 畳み掛けるようなナイトメアの言葉に戸惑う王子を見て、ロンバートが前に出る。


 「まずあたしの弟の言葉を聞けっつうの。」


 ロンバートはそう言って、王子の方を見ると、王子は深く頷いて喋り始める。


 「今この場で僕がナイトメアを処刑の決断を決めることは...はっきり言ってできない。」


 「ですが...。」


 「だって...僕はまだわからないことだらけだから...。帝王学を学び始めた時にこの国が負けて...あの日が訪れた。...今でもナイトメアが父や母を殺した瞬間は目に焼き付いてる。」


 「ならば...!」


 「でも...それでナイトメアの処刑を決断するのも...何か違うと思うんだ。それは...僕の親を殺された復讐の側面が強くなっていると思うから...。もちろん、処刑を執行すると言えば...賛成する国民たちは...かなり多いと思う。でも...この国がもう一度騎士の国に返り咲くには...君の存在は必要不可欠だとも思うんだ。...だから...すぐには決められない。」


 王子の言葉を聞いたナイトメアは静かに頭を上げて王子の顔を見る。その顔を見て、王子が自分を何とか生かそうとしていると思ったナイトメアは立ち上がって少し語気を強めて言う。


 「甘い。」


 「え?」


 「甘すぎますよ殿下。私は...あなたの父母の覚悟と決断を無駄にした挙句、国民たちを奴隷にし...敵国に魂を売った反逆者ですよ!? そんな私が騎士の国に必要ですか!? いいえ! いらない!! いていいわけがない!! 今のこの国には十分に強い騎士たちがいます!! 志高く! 何とかあなたを助けに行こうとした優秀で勇気のある騎士が! それに! 私はソフィアとロンバートを脅して無理やり部下にし、国が負ける原因の一つであるティルジェイ傭兵団を仲間に引き入れたのですよ!? 私にはもう...この国の為に命を懸ける剣はありません!!!!」


 その言葉を聞いたロンバートとソフィアが何か言おうとする前に王子が口を開く。


 「その言葉には嘘がありますね?」


 「!」


 「ソフィアと姉さんを脅した? ナイトメアの脅しに屈する2人ですか? 僕を助けに行こうとしてくれた志の高い騎士をスカウトして育て上げたのは誰ですか? そして...敵国に魂を売ったのなら...何で僕に敬語を使ってくれるんですか?」


 「...。」


 「ナイトメア...。やっぱり父さんの言っていた通り...嘘が下手な人ですね。」


 「...しかし...私にはこの国の為に命を懸ける剣がないのは紛れもない事実です! 実際! この国をここまでめちゃくちゃに破壊したのは紛れもない私自身です!!」


 何としてでも処刑をされないと気が済まなそうなナイトメアを見て、フレアは体からも燃え盛る白い炎を噴射する。


 「なっ!?」


 それに驚く王子の前に守るようにして立ち、剣をフレアに向ける。


 「...。」


 瞬時にそう行動したナイトメアを見て、フレアは鼻で笑って天高く飛び立つ。


 「何を...!?」


 驚愕する王子を他所にナイトメアは近くにいるソフィアとロンバートに指示を出す。


 「ソフィア! ロンバート! 王子を頼む! 必ず守り切れ!!!」


 「「了解!!」」


 指示を聞きいれた2人を見てナイトメアはフレアの飛び立ったところを追うように跳びあがり、空を蹴って上に行く。その瞬間、空が黄色くなり燃え上がるような熱気に包まれる。


 「!?」


 「煌火炎こうかえん。」


 それを見たナイトメアは豆粒のようにしか見えないほど遠くを飛んでいるフレアに近づいていきながら剣を構える。


 その頃、フレアとナイトメアの戦いを見ていた人間は空の変容にティルジェイはニヤリと笑い、バンバは諦めたような表情をして、青葉は冷や汗をかきながら乾いたように笑い、クリードは無表情で立ち尽くしている。、薫と光琳は何が起こっているのかわからないのか、4人の様子に首を傾げていると、起き上がった清雅と花仙が驚愕している。


 「おい...おいおいおいおい! 何がどうなってんだよ!? フレアの奴...この星を...ぶっ壊す気じゃ...。」


 花仙がそう言ってもよくわからない薫は遠くの方の空まで見渡すが、全て黄色く光っていて、異様な光景が広がっていることに気付いた。


 「これは...。」


 「端的に言えば...そのフレアって火男が太陽より数千倍巨大な太陽を作って、この地球に落とそうとしてるってことだ。」


 それを聞いた薫は驚愕した後に、一気に力が抜けたのか崩れ落ちる。それを見た光琳は薫を支えて空を見る。


 「くっそ...! 止めねえと!!」


 花仙が何とか立ち上がろうとすると、ティルジェイが制止させてから言う。


 「お前じゃだめだ。」


 「はぁ!?」


 「お前が止めても...意味はねえ...。この国の騎士様が止めてくんねえと...意味がねえよ。」


 ティルジェイがそう言うと、空を見続けていた清雅が花仙に近づいて指差す。


 「あれ...。」


 その瞬間、花仙の目にナイトメアがフレアの作り出した巨大な太陽に向かって行く姿が入った。もちろん、気を失っていた国民たちの目にもその光景が映る。


 今にも全てを破壊しようとする巨大な太陽とそれに立ち向かっていく一本の剣を携えた男がバルジェリアの全ての人間の目に映る。そして、その光景に誰しもが声を上げ、息をのみ、祈るように目をつむる。


 「はぁぁぁぁ...!!」


 騎士達が叫ぶ。


 「団長!!!」


 「団長...!!」


 奴隷達は動揺しながらも祈るように声を上げる。


 「俺たちを...救ってくれるのか...!?」


 「俺たちを...見捨てた騎士団長が...なぜ...?」


 「そりゃあ...あの人の剣は...本来...俺たちを守る剣だからさ...。それは...心を鬼にして自分を捨てたはずの今でも...変わってなかったのさ...!!」


 王子は息を飲んで彼がナイトメアが巨大な太陽に向かって行く姿を見つめる。


 それらをずっと見ていたフレアがナイトメアに向かって言う。


 「好き勝手やらかした割には...まだまだお前に生きてほしい奴がいてくれるじゃねえか!」


 「生きてほしいから生きるのではない...!! もう生きることは許されないから最期に守るのだ!!」


 フレアの言葉に反論するナイトメアに目を細めて巨大な太陽を完成させたフレアは確認するように言う。


 「さぁ!! これが最後の攻撃だ! お前の奥義と俺の奥義で決着がつく...。さぁ!! 守って見せろ!!! ナイトメア・クライン!!!」


 「守って見せるさ!! 俺が愛していた国なんだからな!! フレア・アステラ!!!」


 その瞬間、フレアの髪色が青白くなり、ナイトメアの剣の刃が黒色に変色する。


 「煌火炎こうかえん爆陽ばくよう!!!」


 「斬剣ヴェイグラン赫滅刃レットエスパーダ!!!」


 2人がそう叫んだ瞬間、巨大な太陽の中で共に落ちるフレアと刃を黒色に変化させて紋様がより濃く浮かび上がらせたナイトメアが激突する。そして、一瞬の静寂の後に強烈且つ体が震えるほどの爆発音と轟音が鳴り響き、国に衝撃波が飛んでくる。その瞬間


 「!!!!!」


 国全体が精巧にできた氷の壁に覆われて衝撃波から守られる。氷の壁に気付くこともなく2人は互いの技を打ち破るために雄たけびを上げている。


 「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」」


 ナイトメアの鎧は砕け散り...フレアの首輪や足枷、手錠が溶け落ちる。


 「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」


 互いの力を出し切った瞬間、フレアの巨大な太陽は見事切り裂かれ消滅したが...ナイトメアは全身に大火傷を負って気を失う。その瞬間に氷の壁はなくなりナイトメアはそのまま国に落下するが、フレアは踏ん張ってナイトメアを王子の元に運ぶ。それに警戒するように王子の前にソフィアとロンバートが立つがそれを無視するようにナイトメアを地面に寝かせて言う。


 「こんなに命懸けで守る気概を持って、実際に国の滅亡を救った男を処刑するには...惜しくないか?」


 そうして、そのまま大の字に寝転がって気絶する。それを見た王子は気絶したフレアと、ボロボロのナイトメアを見る。そうして、ナイトメアにそっと駆け寄り、傷だらけの彼を見ていると、ギアバシルとティルジェイが歩いて近づいてくる。


 「ナイトメアが死ねば...俺たちとの契約はほとんど終わったも同然だ。騎士団から抜けさせてもらう。」


 「決断するのはあんただぜ? 王子様...いや...国王陛下か?」


 ギアバシルとティルジェイがそう言うと、王子は静かにしっかりとした声音で言う。


 「王子としても...僕としても...ナイトメアに生きていてほしい。打算とかこれからのこととか度外視にして...。」


 ギアバシル、ティルジェイ、ソフィア、ロンバートの4人は静かに話を聞いている。


 「確かに...許されないことをしたよ。彼は...でも...この国をたった今守ってくれた。それだけで...生かすチャンスがあってもいいと思う。国民たちからの反発は少なくないと思う。...それでも...! 僕はナイトメアを...ナイトメア・クライン団長を...生かす選択肢を取る。もちろん...姉さんにもソフィアも...生かす。その代わりの罰は考えておく。」


 「わかったよ。ヴィクタ。」


 「わかりました...殿下...。」


 「じゃあ契約は継続ということで...。行くぞギア。」


 「ああ。」


 王子の言葉にギアバシルとティルジェイはその場から立ち去る。それを見届けると王子がロンバートに訊く。


 「そういえば...代わりにこの国の統治を任されてた人ってどうなったの?」


 「え? そういえば...。」


 その頃、ソフィアとの戦いから一早く目覚めて立ち去っていたブリザ・アンヴィルヘムは逃げていた腰抜けの王を見つける。


 「誰だお前は!?」


 「少なくともあなたの味方ではありません。」


 「誰か! 誰かぁ!!!」


 助けを呼ぶ声は空しく誰も彼を助けには来ない。そんな彼にゆっくりと近づいていく。


 「やめろ!! やめてくれ!! 私を殺せば...四方匡に...!!」


 無視して近づいていく。


 「来るな! 来るなぁ!!」


 彼の首を掴んで持ち上げる。


 「別に国に恨まれても構いませんよ。だって僕はもうすぐ...。」


 そうして答えを言う前にブリザは彼を氷にして砕き殺した。


 「......。」


 その光景をブリザは見つめた後、小さく呟く。


 「もう...味方でいるのは終わりだ...。僕はあくまで中立...敵になることだって...ある。」


 そうして、薫と光琳の写真をじっと見た。


 ナイトメア・クライン vs フレア・アステラ


 勝者:フレア・アステラ

次話「流れる水と冷え切った氷」

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