華やかな過去、汚れた現在
場面は戻り、清雅と光琳がナイトメアの話を聞くところ。
「そもそもこの国は初代バルジェリア皇帝である。レーシェス・ロンク・バルジェリアが建国し、その当時から騎士の国として、勢力を拡大させました。」
「レーシェス・ロンク・バルジェリアは騎士よりも強い皇帝と言われた人ですね。」
「え? 騎士より強いんですか?」
「うん。レーシェス王は騎士団長と共に前線に立ち、国にあだなす敵を自身の振るう黄金の刀身を持つ剣で薙ぎ払ったとされてる。」
清雅がレーシェスという人物の凄さを光琳に話す。それを聞いた後に、ナイトメアは話を続ける。
「そうして、レーシェス王は当時バルジェリア王国という名だったこの国をバルジェリア帝国に名前を変え、豪傑な王が率いる騎士の国という認識を世界中に広めました。」
「豪傑...。」
「強くて、物怖じしないってこと。」
「その後、レーシェス王は2代目バルジェリア皇帝となる。ディールクス・ケージュ・バルジェリアに皇帝の座を継がせた。」
「そのディールクスっていう人も強かったんですか?」
ディールクスという人物も強いのかと目を輝かせる光琳にナイトメアは首を振る。
「いえ、ディールクス王は武勇には優れてはいませんでした。しかし、知略や知恵に長けた人物で、当時軍国主義だったバルジェリア帝国の体制を大きく変え、資本主義と民主主義をうまく合わせた体制に変えました。」
「そうなんですね。でも、強くなかったら騎士の人たちに何か言われたのでは?」
「その通りです。当時皇帝となったディールクス王は最初は騎士に舐められており、軍国主義を変えることは困難を要しました。しかし、戦争の際には軍師として騎士たちを指揮し、犠牲を最小限に抑えての勝利、国民と触れ合いで親しみやすい王という認識を貰う。これにより、国民と騎士から信頼を得て、体制を変えることに至りました。そうして、バルジェリア帝国はまたもや名を変え、バルジェリア皇国という今の名前になりました。」
「軍師としての才能もかなりのものだったんですね。」
本に載っている内容より濃かったからか清雅は素直に驚き、光琳は何度も頷いている。
「そして、ディールクスは一般の女性を娶り、バルジェリア3代目の王であり、私が直接仕えていた皇帝。ユーシリウス・ドラグ・バルジェリアを生ませ、皇帝を継がせました。」
「ユーシリウス・ドラグ・バルジェリア。この国の先代皇帝。」
「はい。本来であれば現皇帝であり、今でも私が仕えるはずだったお方です。」
「亡くなっちゃったんですか?」
光琳が純粋な疑問をぶつける様に訊く。すると、ナイトメアは遠い眼をして深く頷く。
「陛下はどこにも行く宛てのない私を拾って、働く事を条件にこのバルジェリア皇国に住まわせてくれました。」
「働くって具体的には何をしたんですか?」
「基本は城の清掃、メイドや執事の手伝いをしていました。そんな中、確か女傑騎士団の団長と獣剣騎士団の団長による剣の打ち稽古を見る機会がありまして、そこで剣術を習いたいと思ったのが、私が騎士になる大きな一歩でした。」
ナイトメアは清雅の質問に答えつつ遠い過去を回帰するように空を見上げ目を細める。
「そうして、私は陛下に頼み込み剣術の稽古をそれぞれの団長から直々につけてもらいました。誰もが知る西洋剣術を〝女傑騎士団〟の団長から、獣のように縦横無尽に動き回り低い位置から切り上げる事が特徴の獣人剣術を〝獣剣騎士団〟の団長から、刀のみで戦い続ける東洋剣術を〝鬼神騎士団〟の団長から、武装した馬と共に連携を取りながら状態で敵を討つ方法を〝騎馬騎士団〟の団長から、盾の守りを基準とした戦い方を〝盾衛騎士団〟の団長から、二本の剣を持ち、守りを捨て全ての攻撃を避けながら戦う双剣術を〝双剣騎士団〟の団長から、海中の中を動き回り、敵を切り裂く魚人剣術を〝深海騎士団〟の団長から、空中の敵を捉え、確実に斬る空挺剣術を〝天翔騎士団〟の団長、要人の護衛をしながら剣術を振るう方法を〝近衛騎士団〟の団長に教えられました。」
「9個も騎士団があったんですね。」
ナイトメアの話に、光琳が素直に感想を言うと、回帰していた過去から帰ってきたのかナイトメアは光琳の方を見る。
「いえ、確かに歴史上も公開されている情報にも王を守る9つの騎士団として書かれているのですが、本当はもう一つ騎士団が存在するんです。」
「もう一つ?」
「はい。陛下が直々に騎士を率いた。王宮騎士団。騎士は全て貴族王族で束ねられ、他の9つの騎士団や立ち上がった民たちと共に戦う騎士団。」
「ユーシリウス王は戦えたのですか?」
「はい。陛下は他の9つの騎士団の団長達にも引けを取らない剣の腕を持っていました。そして、私が教えてもらった剣術の集大成を見せた後に、私に言ったのです。」
―――あと5年経ったら、君には新たな騎士団の団長をやってもらいたい。その為に、今のうちから人の世話や戦術を学びなさい。
「私は言われた通り、5年ずっと子供の世話や後輩の世話、戦術などをより深く学びながら、小さな戦いに赴き、兵士たちと共に戦うことに没頭しました。」
ナイトメアはまた過去を回帰するように空を見上げる。
「その内、どの団長よりも若いのに、剣の才に溢れ、小さな戦いでも武功を挙げる私を民は天才剣士と呼びました。そうして5年経ち、当時の私は18。いよいよ新たに設立する騎士団の団長となる日でした。」
「その時に聖転...。」
「いえ。その時に、バルジェリアの周りで勢力を着々と拡大していた四方匡が我々の国に宣戦布告してきたのです。」
ナイトメアは清雅の言葉を遮り、苦い表情をする。
「任命式は中断され、四方匡との戦争が始まりました。始めの頃はバルジェリアが優位を保っていましたが、四方匡の上位戦力ととある傭兵団の参戦...そして裏切り者の存在によって、戦況は大きく変わりました。傭兵団は何とか私と今の第二団長とそれに続く兵士たちで何とか食い止めましたが、裏切り者よって、近衛騎士団、盾衛騎士団、騎馬騎士団、天翔騎士団が壊滅。そして、近衛と盾衛の団長は戦死、騎馬と天翔の団長は敵に捕まり自害。残った5つの騎士団で戦いを続けますが、そのタイミングで私達が負け、傭兵団の進軍を許しました。」
「「...。」」
「そのせいで、傭兵団に深海騎士団、双剣騎士団、鬼神騎士団が壊滅、団長は皆戦死しました。残った獣剣騎士団と女傑騎士団、そして王宮騎士団が上位戦力と戦いましたが、数の差で敗北。団長2名は陛下を守るために目の前で殺されました。それを見た陛下はこれ以上犠牲を増やさない為に、降伏しました。」
「そして...今の。」
「いえ、そんな陛下に四方匡の王は言ったのです。」
―――選べ。民を奴隷に我々に下るか、お前と妃と姫と王子の命を捨ててこの国を守るか。
「え?」
「要は、王族は皆助けてやる代わりに、民に一切手出しはしない。逆に民を奴隷として売り払えば、王族は根絶やしにする。ということです。」
「その場で選べと言ったんですか?」
「いえ、明日までにと言っていたそうです。」
ナイトメアの発言に清雅は唖然として黙り込む。
「その日、陛下との会話は昨日の事のように覚えています。」
―――やつらが盟約を素直に守るとは思えない。しかし、ここから一矢報いる算段もない。私は王族の命を捨てることを選ぶ。
―――陛下....!!
―――ナイトメア。君やその仲間だけでも生き残ってくれてよかった。私達が死んだあと、もし奴らが盟約を違えた時には民を頼む。無責任だが、この国を頼む。ナイトメア・クライン。
―――はい...。
―――貴殿を...聖転騎士団団長に任命する。最後の命だ。民を、仲間を守れ! 民が居なければ、国は成り立たない。守るべきものが居なければ、民は国に背中を預けることはできない。頼むぞ。
「...ユーシリウス王は危惧していた通り、四方匡は盟約を裏切り、民を奴隷にしたんですね。」
「......。」
清雅の言葉を聞いた後、ナイトメアはしばらく黙った後に立ち上がり、清雅と光琳の方を見る。
「話させてくれてありがとうございます。どこかすっきりしました。」
「え?」
「私のやるべきこと、後悔していること、覚悟を決めたあの日の事。全てに決着をつける必要がある。それを再確認できました。」
「そうなんですか。また次会ったら今度は楽しい話を聞かせてください。」
「...もちろん。次に会えたら、今度は...楽しい話をしましょう。」
「?」
ナイトメアの発言に疑問を持った清雅に構わずナイトメアはその場から立ち去り、その後ろ姿に光琳は無邪気に手を振った。
「ん? やっと交代の時間か。最近3日眠れてなかったからな。ゆっくり睡眠をとろう。」
ナイトメアはそう言って、交代する騎士を起こし、国の見回りに向かわせた後、地面に横たわり目を閉じる。
その頃、薫と花仙はずっとしりとりを続けていた。
「九時。」
「軸。」
「クイック。」
「苦しみ。」
「身支度。」
「苦学。」
「串。」
「何やってんだお前ら?」
お互いにク攻めをしていると、歩いてきてた。フレアに首を傾げられる。
「しりとり。」
「随分と懐かしいもんやってんなぁ。主の許可は降りた。とりあえず来いよ。」
フレアはそう言って、薫と花仙を豪華な屋敷の中へ案内する。
「広...。」
広い屋敷の中は明るく、高そうなシャンデリアやアンティークな階段が目の前にある。それにいくつも扉があり、フレアは2階の右端の部屋に案内した。するとそこにはベッドに座る黄緑色の高そうな服に身を包んだ。長い白髪青目の女性がいた。
「これが俺の主のファーラ・ルシウス。」
「どうも~ファーラちゃんだお。」
「きめえ。」
「仮にもご主人様になんて口を!」
自身の主であるファーラにもぞんざいな態度を取るフレアは軽く頭をはたかれている。そうしてしばらくした後、ベッドから立ち上がったファーラがフレアを連れて、ダイニングに向かう。それを花仙と薫が追うと、フレアとファーラが料理を振舞って2人に提供した。そうしてご馳走になった後、フレアは薫と花仙に気になっていたことを訊いた。
「お前ら何でこの国に来たんだ?」
花仙は自分自身の事情を話し、薫は自分の目的とその場所に向かう為にバルジェリアを通らなければいけない理由を話した。
「何だお前らえらく面倒なことになってんだな。」
「この国ほどじゃねえよ。」
「まぁそりゃそうだな。この国の有様見てたら9年前まで騎士の国何て言われてたとはとても思えねえもんな。」
「何でこんなことになってんだ?」
ふと花仙が訊いてみるが、フレアは首を振る。
「俺に訊くんじゃねえよ。俺はこの国出身じゃねえんだから知らねえよ。まぁ騎士の国って言われてた時代はちょっと見たことはあるが、奴隷の国になってる今の方が長い。」
「何とかしようと思わなかったのかよ?」
「...できるかよ。聖転騎士団がいるんだぞ? レイピア使いのロンバート・サニーズ、盾使いのギアバシル・レインアズ、弓使いのソフィア・ローア、槍使いのティルジェイ・ヴァラン、剣使いのナイトメア・クライン。この5人がいる状況で俺が動いたところで即制圧されるっつうの。」
一瞬だけ黙った後、フレアは答えた。
「本当にそんな強いのか? そいつら、そんなに強いんだったら何で四方匡を潰してさっさと国民を救わねんだよ?」
「だから俺に訊くんじゃねえよ。知る訳ねえんだから。騎士団には騎士団なりの考えがあるのかもしれねえし、どうしようもねえ事情があるかもしれねえ。でも、こんなのはただの考察であって正解じゃねえ。正解を知るには? 訊くしかねえ。だが答えてくれる保証はねえ。」
「奴隷の枷さ、あれ任意で爆発させて奴隷を殺せるんだろ? なのに騎士は四方匡の人間の味方をした。」
「そりゃバルジェリアは敗戦国だからな勝利国である四方匡の人間が優遇される。だから、国民が奴隷になってるんだしな。」
「納得できるのかよ!!」
「納得しようがしまいが、部外者なんだから関係ねえよ。」
少し熱くなってきている花仙にフレアは淡々と答える。
「あたしはここをこんな状態で出ていきたくねえぞ。」
「ちょっと花仙さん!」
口を挟まなかった薫が花仙の発言には流石に口を出す。
「じゃあ何だ? この国最強の騎士に喧嘩を売るのか?」
「ああ!!」
「何言ってんだ。馬鹿かよ。」
「勝ちゃいいだろ。」
「お前が勝てるわけねえだろ。」
「何でだよ。」
「だってお前、能力発現させて日が浅いだろ? しかも、実戦経験も滅茶苦茶多いわけじゃない。」
「...。」
呆れながら訊くフレアに花仙は黙り込む。
「良い機会だ。血鎖狩人と異能力者の危険性とそのNo.1って肩書の危険性を教えてやるよ。」
フレアはそう言って立ち上がり、ボードを持ってきて大きく血鎖狩人と異能力者と書き、箇条書きしながら話す。
「まずこの2つの共通点。それは、どちらも人型の化け物だっていう点だ。」
「化け物。」
「ああ。まずは並外れた身体能力。これは基本だな。でこっからだ。この2つは体の部位が欠損しようが、粉砕されようが生きる意志さえはあれば再生することができる不死みたいな再生能力。海底だろうと溶岩のなかだろうと宇宙だろうと、どんな環境でも生き行ける適正能力。そうして特筆すべきものは技の出力によっては天体系を滅ぼすことが可能な破壊力のある攻撃、これを耐えきる防御力。が、ある。」
「天体系って?」
「大規模銀河団とかか?」
フレアから出た言葉に薫は口をあんぐり開けて驚愕する。
「逆に違う点だがこれはわかりやすい血鎖狩人は武器で戦うのに対し、異能力者は能力で戦う。まぁまんまだな。じゃあそれぞれの特徴から話す。血鎖狩人の特徴は驚異的な認識能力にある。」
「認識能力?」
「そうだ。例えば、空気。目に見えるか?」
「見えない。」
「じゃあ時間、空間、心理状態とか、目に見えるか?」
「見えない。」
「これらの本来ならば見えないものを物質として認識...ってか視認だな。できる。これができたら?」
フレアが訊くと、少し考えた後に薫が答える。
「避けれない攻撃が避けれるようになる。」
「そう。絶対に避けられないとされる攻撃も避けられるし相殺できる。だから、時間を止められる前に相殺することもできるし、空間を入れ換えられてもその事象を相殺することができる。まぁ例として出したこの2つに関しちゃ一朝一夕じゃできねえがな。それと、極め続ければ武器に異能を纏わせてそんまま戦ったり、放ったりすることができる。異能っていうのは俺で言うところの炎と熱だな。」
「なんで?」
「何でかは詳しくは知らねえが、俺は実際に空間を切り裂いたり、時間を斬ったり、炎やら水やらを纏わせたりしてるのを見てる。どういう原理かは知らねえが、武器にだけ能力を行使させる力があるらしいな。だが、全部纏わせるって一動作があったから、魔法とかと違ってその武器にあった使い方しかできねえようだ。他としては、血鎖狩人の武器は何をしても壊れない。」
「何をしても?」
「例えば太陽に中心に武器を投げ込んでも無傷で跳ね返ってくる。」
「マジかよ。」
「じゃあ異能力者だけの特徴は、まず1つ、能力そのものになって敵の攻撃を避けることができる。例えば俺なら全身を炎ににすれば、時が止められて攻撃を加えられても触れられねえどころか、逆に体が燃えていく。」
「概念の場合は?」
薫の質問にフレアは顎に手を当てて考える。
「それは良く知らねえが、予想で答える。多分だが概念の場合は姿が消える。元々見えないものだからな。それで触れると、時間ならば急速に巻き戻るか早送りになるか、空間なら知らねえ宇宙に飛ばされるかとかじゃねえかな。そして2つ目、能力を使ってあらゆる武具を作れる。俺なら炎の剣、槍、薙刀...とかか?」
「弓とかは?」
「弓とか銃作ってどうすんだよ。そんまま炎うちゃ良いだけの話だろうが。」
「...それもそっか。」
「じゃあ3つ目、能力を極め続ければ、相性をぶち壊せる。まぁ、こっちが相性悪かったらだいぶ出力あげねえといけないっちゃいけないんだが。相性最悪な相手でも盤面ひっくり返して勝てるのさ。それが例え概念系の能力だとしてもな。これが血鎖狩人と異能力者の特徴的なに3つの力と、4つくれえ...かな共通した力がある。で、だ。」
話を終える雰囲気をフレア自身が壊す。
「この2つには一時的だが、力を爆発的に上げる段階が存在する。血鎖狩人は神器解放、異能力者は能力解放といった段階だ。実際はどっちも神器解放とか能力解放っては言わねえ。たしか、神器解放は紋様...で何たら感たら、能力解放は...わかんねえな。だが、わかりやすく総称してこの段階が存在する。しかも、No.1限定でな。」
「その力とか武器の頂点だけ?」
「そうだ。血鎖狩人ならば武器に異能を最初から纏わせることができたり、異能力者ならば能力の出力量が明らかにおかしかったりすると。その時点でNo.1クラスと断定される。それをよく頂点だの、最強だの、人型の神だの言われるわけだな。これがNo.1って肩書の危険性だ。元々で天体系を滅ぼせるのに、よりそれが強化される。しかも爆発的に、そりゃ人からすりゃ立派なバケモンだ。」
「バケモン...。」
「そんな奴らが5人...対して俺は1人。...無駄死にしろって言ってんのか? それとも無駄死にしに行くのか? 花仙。」
フレアの言葉に花仙はしばらく俯いた後に言う。
「簡単勝てる相手じゃないってのはよくわかった。失礼な事を言ってたことも分かった。このままやっても死にに行くだけってのもわかった。でも、この国に何もしないで、友達探しに行くのはあたしには無理だ。この国が過って集中できねえ。」
「...正直...私もそうです。こんな状態の国を見過ごしたくない。でも、クリードさんもバンバさんも、きっと反対します。もしかしたら清雅さんも光琳も...。」
「俺個人の意見として言うなら止めとけ、この国の事は忘れろ。でも、これはあくまで俺の意見だ。どうするかは自分らの仲間で決めろ。」
「はい。」
「私個人としては、死なない自信があるのなら...この奴隷制の状態を終わらせてほしいな。」
「そんなこと言っていいのかよ?」
「私はこの国好きだからね。もちろん強い騎士がいた頃とかね。」
「...フレア!」
「何だ?」
「もし戦うことになったら協力しろよ。」
「ふざけんなするか。この国の事はとっくの昔に見限ってんだ。今更救う気なんてない。何より救う義理がない。」
「...ノリ悪いなぁ。」
「ノリ悪いとかじゃないだろ。」
そうした会話をした後、花仙と薫は屋敷を出る。
「また明日も来ていいからね。もちろん何でも屋の名前を出してくれれば他の人も。」
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます。助けてくれてありがとう...ございます。」
そうして見送りに来たファーラに感謝を述べながら2人は屋敷を後にした。
「フレア?」
「ん?」
「何か眠そうね?」
「何か疲れた。」
「眠っていいよ。何かあったらすぐ起こすからさ。」
「奴隷だぞ? 俺。」
「奴隷って身分の家族みたいなもんでしょ。さっ、寝な寝なぁ~。」
ファーラに勧められてフレアはベッドに横たわり、目を閉じる。
次話「忠誠の騎士の夢」
クリード「眠っているとは言え、章の始まりは安定して出番がないな。」
バンバ「戦いが始まるまでいつも暇だ。」
クリード「次話は薫達すら出ないらしいぞ。」
バンバ「一話丸まる回想だと。」
クリード「また話が停滞する。」
バンバ「仕方ない。今回の話はサクサク進むことを願おう。」




