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Blood Spare of Secret : The story of Creeds  作者: 千導翼
第三章 シルヴァマジア編

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動き始める影

 目が覚めると、布団の上に横たわっていて、クリードさんとバンバさんが、側に座っていた。


 「すみません。気を失っていたみたいですね。もう大丈夫です。」


 「いえ、無事ならなんとも。」


 「気を失っている間、夢などを見たりしませんでしたか?」


 「はい。夢というよりかは...この家で実際に起きたことだけを見ました。」


 私が落ち着いているのを確認すると、クリードさんは私に質問を投げ掛けた。私は、鮮明に情景が浮かんだあの夢の話を2人に話した。


 「...なるほど。あなたには、白雹という姉がいて、その姉との記憶は白髪の女性によって消され、その近くに仲間とおぼしき人物、名前をベートと命というものがいたその後に姉と親しげに話す緋愛という男性が現れた。その為、今のあなたには姉がいたという大きな事実と、それ以外の情報と、あなた自信が思い出していないことであるために姉の存在にも、他の人物にも心当たりがなく、少々混乱しているということですね?」


 「はい。そう言う解釈でいいです。」


 「では、「氷の女がいる」という言葉の謎はとりあえず解けてしまいましたが、これは一応、ルーク・ギルデアに報告しておきます。ですが...。」


 「これからのことですよね。...それは、今日と明日を通してゆっくりと考えてみます。目標のようなものができてしまっていることもあるので。」


 バンバさんの懸念を私は落ち着いて答えた。その後、クリードさんとバンバさんを玄関口まで送り、邸宅を離れるのを見届けた。そして、邸宅内に戻り、今日の出来事で得たものをゆっくりと咀嚼しながら理解し、考える。ちょうどいい、今回の一件で沈んでいた心も、同時に戻していこう。


時は戻り、ルーク・ギルデアの朝


 珍しく早く起きて今日、浦坂千波の尋問で訊く内容をまとめたはいいが、問題が1つ発覚した。


 「滅茶滅茶眠い。ぁあ~3時になんざ起きるもんじゃねえ...。いつも通り5時とか良かったかもしんねぇ。でも、3時間かかったんだよなぁ...。だから必要ではあったんだけど...眠りてぇ~。このあと尋問してから仕事だよ...。はぁ~尋問他地区の奴呼ぼうかなぁ~。でも折角中央だけで問題を収めて、自分で訊く予定の情報をまとめたってのに今更尋問お願いしま~す何ていえねえよなぁ。はぁ~。あ~嫌だぁ~尋問終わったら帰りてぇよ。」


 俺はあくび混じりに愚痴と後悔をこぼしながら、出掛ける準備を済ませる。そうして、いざ出掛けようとする際に、ライレトに連絡が入る。


 「もし~?」


 「もし~? じゃねえよ。俺だよ。」


 連絡の先に聞き覚えしかない声が聞こえてきた。俺はその瞬間に完全に眠気が吹き飛び、普通に話す。


 「ぁあ~リーフ。そっちは終わったのか?」


 「とっくにな。で、向こうが時間かかりそうだから俺だけ先に戻ってきた。」


 「戻ってきたって...もう着いたのか?」


 「ああ。早い方がいいだろ?」


 俺は若干冷や汗をかきはじめていた。なぜなら、リーフがいない間にスペアネルのNo.1と盗賊に国が襲撃にあったことを言うのを忘れていたからだ。


 「(やっべぇ!! マジやっべぇ!!! 襲撃だけならまだしも、ハッキングされてずっと後手でしたとか。絶対冷めた目で見られる!!) まぁ確かに...。」


 「ルーク...何かお前...。」


 「それで用件なんだよ? あったから連絡してきたんだろ?」


 俺は踏み込まれる前にリーフの言葉に被せるように訊いた。


 「あ、ああ。えっとさぁ、お前に会いたいって言う女性が2人いるんだけどさぁ、今日会ってやれる?」


 「えっと今日はぁ...先約があるから無理だな。その後もちょっと厳しいし...なんならお前が理由を訊いて俺に伝えてくれよ。」


 「わかった。彼女らがそれでいいんだったら、お前に会ったときに伝える。伝えなかったときは、諦めて時間作れよ。」


 「へいへい。それじゃなリーフ。」


 「...ああ。えぇ? (自棄に話をすぐに終わらせたがったな。何か隠してるんじゃねえのあいつ...。)」


 俺はライレトでの通話を切って、一旦リーフが帰ってきたという事実を忘れて牢獄に向かった。


尋問開始前


 早速尋問を始めようとした矢先、富士浪清雅さんとクリード、バンバの乱入によって、予定していた尋問時間が過ぎた。しかし、おかげで訊きたいことがある程度減ったことにより、多少楽になった。


 「利用され始めた12年間のうちのどこで七瀬愛翔と知り合った? 相棒みたいな雰囲気ではあったものの、それほど盗賊団にいた歴は浅かったようだが。お前の過去は知らないし、なんならお前の昔話でも全然出てこなかったから、そこらへんが曖昧なんだよ。」


 「...あたしもよく覚えていない。」


 「よく覚えていない? あんたなぁ...。」


 「いや本当に覚えていない。いつの間にか知り合っていたんだ。そんで、いつの間にか相棒になってた。唯一覚えていることとすれば、何度か仕事をこなしたな。一緒に、その時は.....。」


 話そうとする浦坂が言葉に詰まった。俺は首を傾げながら顔をのぞき込む。


 「どうした?」


 「何かおかしい。知り合った記憶はないのに、一緒に仕事をした記憶はある。でも、その記憶が一体いつのものなのかがわからない。あたしがラファス・ドゥイレルと知り合ったのは間違いなく今から12年前。だから、この12年間の間の記憶であるはずなのに...富士浪家関連の記憶の鮮明さに対して、他の記憶が酷く曖昧だ。なんなら矛盾が発生するところもある。」


 「...矛盾...。混乱してきたな質問を変えよう。ラファス・ドゥイレルはどんな力を持っているかわかるか?」


 「催眠系の力?」


 「催眠系の力? 本当にそれだけか?」


 「わからない...。何でこんなに...。」


 浦坂千波は頭を抱えて大量の冷や汗をかきはじめる。俺はタオルを手にとって汗を拭きながら、肩を何回か叩く。


 「落ち着けしっかりしろ。今無理に思い出さなくていい。ゆっくりでいいんだよ。」


 「...すまない。」


 「(過去の話を聞いた際に、ラファス・ドゥイレルとは定期的に会っていたはず。だから、何か情報があるかと思って聞いてみたもののこっちもダメか。ってか定期連絡が途絶えたから、そろそろ何かしてきそうはあるが、リーフが帰ってくるまで俺とアスカで監視するかぁ。) いや、いいんだ。お前混乱してきてるし、とりあえず今日の尋問はこれで終わりだ。はいこれ薬な。治りはしねえが最低限進行は抑えられる。」


 「ありがとう。」


 「じゃあな。気を付けろよ。」


 そうして、今日の尋問は終わらせた。ライレトの履歴を見ると、朝からのを抜いてリーフからのもの3件があった。


 「3件? な...。」


 俺はそう口に出しきる前に、無言で早めに職場まで戻っていった。そうして到着すると、雰囲気がやたらと暗いことに俺は何かを察しながらも、ハイテンションで挨拶をする。


 「イェーイ! 戻ったぜぇ!!」


 「あぁルークさん...戻ったん...すね。」


 「おん。」


 「取り合えず、執務室へ。」


 「...は~い...。」


 俺は少し遅めに歩いて執務室の前まで行くと、ドアのセンサーがギリギリ反応しないところで止まった。


 「...スゥゥゥゥゥゥゥゥ。」


 「ルーク。覚悟決めなくていいから入れよ。」


 「...。」


 中からリーフの声がした。俺は諦めてドアを開くと、執務室の机の上に座っているリーフと隣にアスカがいた。


 「よぉ。1週間ぶりだな。」


 「ルーク。」


 「ん?」


 「俺がいない間に起こったこと、事細かにアスカから聞いたよ。」


 リーフは真剣な顔で俺にそう言った。それに対し、俺は何も言葉がでなかった。


 「誠二さん。それに猟兵分隊と狙撃班の隊員と軍曹、班長が亡くなったんだってな。」


 「...ああ。」


 「遺族は?」


 「覚悟はしてたから大丈夫ですとだけ言われた。誠二さんの娘の清雅さんは細胞腐蝕症じゃなかった。そこは一先ず良かった。」


 「そこはな。」


 「だが、何でハッキング何てされた? 一応あの停電事件の後、お前には急いで作ったから1個しかない試作品だがハッキング防止のためのチップを渡してたはずだ。それで防げたんじゃないのか?」


 「ああ。それで、チップは起動させておいたんだが、まさかの自力で突破された。」


 俺の言葉にリーフは青ざめた顔をする。


 「え? 即席でも結構セキュリティ張ったチップをそんな簡単に突破したの? ふざけんなよ。」


 「うん。俺もあんな早く突破されるとは思ってなかった。」


 「...まぁいいや。取り合えず、後でその白澤光って子と七瀬愛翔、浦坂千波に会わせてもらっていいか?」


 「ああ。わかった。」


 その後、俺はリーフを、ついでにアスカも連れて、浦坂千波と七瀬愛翔、白澤光が収容されている監獄に行った。


同時刻 テゼルの盗賊団アジト


 シャインティアウーブの主に中央地区の一件以来、千波の定期連絡が途絶えた。その後、協力者である白澤光と用意した捨て駒の七瀬と共に捕まったという報告が入った。しかも、よりにもよってに地下の監獄に収容された。


 「どうするかぁ~。消しに行くにしたって、リスクがたけえ。シャインティアウーブのトップ3の相手なんざごめんだ。他の国家戦力も同様に。どうすっかねえ~。計画に氷の能力があれば、楽だったんだが。」


 俺はそうぼやきながら頬杖をついて考える。


 「ねぇ~ボスぅ~。」


 「んあ?」


 ねっとりした声と共に、乳房と股だけを隠したエロ女がすり寄ってきた。


 「その白澤光ちゃんに関連する人物がねぇ~シルヴァマジアに現れたって報告があるんだけどぉ~。」


 「何?」


 「黒崎闇裏って奴とぉ~、天海銀河って奴なんだけどぉ~。あなたの計画って、白澤光ちゃんも巻き込んで大混戦にしてみたらぁ~。案外うまくいかないかなぁ~。しかもぉ~白澤光ちゃんってぇ~、割りと義理堅いぽくてぇ~。その、千波って子を人質にとれば、利用できるんじゃない?」


 思いの外有用な情報がこいつから出てきたことに俺は素直に驚きながらも、感心してそれを実行することを決めた。


 「ほぉ? なるほどぉ。お前にしてはいい情報だ。だが、その力を俺に振り撒くのはやめろ。もうお前には飽きた。」


 「ひっどぉ~あんなに愛し合った仲なのにぃ冷たいじゃな~い。」


 「だから、褒めてやったろ今。じゃあ追加で一言。よくやった。ギリギリだが、まぁ計画を進めてもいいだろう。俺直々に出ないといけないのはちぃとばかし面倒くせぇが。」


 俺の計画。シャインティアウーブのトップ3である、ルーク・ギルデア、リーフ・イン・クライヴス、無月アスカ。シルヴァマジアのトップ3である、ジーク・ヴィネア、クレイ・オブ・エンシェンター、神川エリナ。この6名の抹殺だ。


 「(シャインティアウーブのとシルヴァマジアこの二大国が陥落すれば、世界に大きな大打撃を与えられる。テゼルの盗賊団の名が知れ渡る。) 橘さん、見ててくれよ。あんたから奪ったこの力で、俺を助けたことを後悔させてやるよ。あの世でしっかり見ててくれよ。」


 「なぁ~に独り言いってんのぉ~?」


 「巴。服着て戦いの準備しとけ。」


 「はやくなぁ~い?」


 「はやけりゃ早いほどいいだろ。」


 「はいは~い。」


 「取り合えず俺は、千波に会ってくる。リスクは承知の上でな。」


 「りょうか~い。」


 俺は巴のそう言って、千波が収容された監獄施設へ向かう。


同時刻 餓狼鬼虎本部


 2度の任務失敗で俺は本部に呼び出され、灸をすえられている。


 「バラガラ。君には期待しているんだよ。だから早く深天極地の純血を持ってきておくれ。」


 「こちらはアカザサという貴重な戦力を失っているのだ。なるべく早くしてもらいたい。何のために気に餓の節のボスを任せていると思っている。」


 「力をつけてからでは遅いのだ。君は餓羅様の意思を継ぐと言って、我らに接触してきたのだ。もし、なんのメリットもないのなら、我らが直々に君を消しにかかる。肝に命じておくといい。」


 「怪我が治ったのならさっさと任務に取りかかれ、仲間は君の集めたものだけでもちろん行ってくれ。こちらの戦力を減らされてはたまったものではない。」


 本部に呼び出されて早々、お小言とやらをもらった。面倒この上ない。


 「直々にって。いつも鎮座してばっかで自分等じゃなにもしない奴等に言われても何も響かねえんだよ。でもまぁ、そろそろ動かねえと行けねえなとは思ってた頃ではあるしな。はぁ~流石に仲間連れてくかぁ。」


 俺はそう言いながら、餓の節のアジトに戻り、出迎えにいた2人が目に入った。


 「カデーレ、メモリア。深天極地の純血を狙いに行く。協力してくれるな?」


 「あたしいいですけどぉ。こいつは...。」


 「うん。行こう行こう。待ってるの暇だしぃ。」


 俺の言葉に、カデーレは即座に了承し、メモリアは緩い返事をした。


 「全く。元の人格を忘れるレベルだなメモリアは特に。」


 「でも強いからいいだろぉ?」


 「まぁな。」


 「で? 出立はいつで?」


 「準備ができ次第だ。」


 「了解。」


 俺の言葉にカデーレは返事をした後に、メモリアを連れて準備に取りかかった。


 「エゴとテューフェルは引き続き、本部の動きと取引相手との交渉を進めておいてくれ。」


 「了解しました。」


 「おけおけ。」


 相変わらずなエゴをテューフェルが睨み付ける。それを見ながら、俺はポケットの中の4枚の写真を手に取る。


 「橘薫。また、あの金髪女とドライ男の相手をすることになるのか...。クソダルいな。」


 俺は橘薫と初めて対面したあの夜を思い出した。

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