やって来たお巡りさん達(二)
めぐる「なんでかしら……この辺りの時代のゴールデンウィークってさ。『ごー、とぅー、ほーむ』……じゃなかったの!?」
いや、私もそう思ってたんだけどさあ……なろうさんだからこ、のくらいの伸びの低さでとどまってるんだよ?
めぐる「じゃあっ! あたしがいた別サイトは!?」
……知らない方がいいことも世の中にはあるのよ……。
めぐる「あたしみたいな美少女ほっとくなんて! 変異種ウィルスが蔓延してるのに……読者様なにやってるのー!? 危険なのよ! 第四派って言われてる今回の変異種ウィルスは感染力強いのよ!? なのにどーして読者様、なろう覗きに来てくれないの!?」
あーもー! やっかましーんじゃっ! ブクマ貰えただけでもありがたいと思いなさいよ!
めぐる「あたしのよーな美少女が! 主役張ってる作品なのにもっとポイント入ってもよくない!?」
その自信はどっからくるんじゃ!
めぐる「あたしが、可愛い天才美少女だからよ!」
天才なんて設定はないっ!
めぐる「でも、天才って言って貰ったもんっ!」
お世辞に決まっとろーが!
めぐる「お世辞じゃなーい!」
あーもーツカレタ……。
え、では! 仕切り直します!
読者様方、ここまでお付き合いありがとうございます!
これからも宜しくお願い致します!<(_ _*)>
めぐる「お願いねー! 宜しくねー! 美少女なあたしに免じて、ブクマやポイントちょーだいねー!」
読者様にねだるなー! そう言うことはやめんかぁっ!!
めぐる「やめないもーん!!」
「なんぼゆうてもおまんが集会所に来んがが悪ぃがじゃ! 人が親切で言いゆうがじゃに、迷惑そうにしよってからに! おまん俺らぁをバカにしちゅうがか!?」
おっちゃんが負けじと言い返すけど……いや、そりゃ、おばちゃんじゃなくてもバカにするよ。
悪い動物霊とかワケ分かんない変な使い魔憑けられて、悪質な勧誘する宗教に傾倒してるんだから、バカにされてもしょーがないよ、おっちゃん。
「人をバカにしゆうがはあんたの方やろう!?」
「何をアホなこといいゆう! おまんは人の善意が分からんがか!?」
「何が善意よね! あんたがやりゆうことは悪質で最悪ぞね!」
「なんじゃと!? もういっぺんゆうてみいや! いくらおまんでも許しゃせんぞ!!」
「だからさっきもゆうたろう!? そりゃあこっちの台詞ぞね!!」
「おんしゃあ俺をバカにしちゅうな!?」
「バカにするにき決まっちゅうろう!?」
「なんやと!?」
このままだと、いつまで経っても口ゲンカは終わりそうにない。
ってゆーか。
ここって交番よね? 警察の。
それなのに従兄弟のおっちゃん。おばちゃんと口ゲンカなんかして……いー大人が本当にアホでバカになっちゃってるんだ。
インチキ宗教って本当に怖いのねえ。
「まあまあ、二人とも、ここで言い争っても僕から見たら、どちらも印象悪くなりますよ」
見かねたお巡りさんが、間に入った。
あ、それとお巡りさんの方言が引っ込んでる。
「おい、杉本。被害届出したのは誰ぞ?」
応援に来た警察の人が、上から目線でお巡りさんに問い掛ける。
こっちは、あたしのおかーさんくらいの年齢かなぁ。
「あっ! はい! こちらの佐藤裕子さんです! 喫茶店を営んでいる方です!」
お巡りさんは佐藤のおばちゃんに視線を向けながら答えた。
そー言えばお巡りさんって杉本さんって名前だったな。いつもお巡りさんって言ってるから完全に忘れてた。
「初めまして、隣町の支所にある生活安全課の木村いいます。被害届を出された佐藤裕子さんですね。ここの交番は狭いですきに。これから隣町の支所で詳しいお話を聞かせて貰えませんか?」
いや、刑事さんではなかった。刑事さんは警察の刑事課に属する警察官のことを刑事って言うはずだ。
隣町の支所には生活安全課と交通課しかないんだった。あとあるのは警察の警務課とかかな?
でも、この町のお巡りさんは地域課のはず。
……ん~。この辺りは警察組織のことだから、あたしも詳しくは知らないんだよね。
……それじゃ、この町のお巡りさんってどこの警察署に所属してるんだろ?
ま、いーや。ここで考えてたってよく分かんないしね。
えーと、生活安全課ってゆーと、確か生活に関わる……えーと、例えば、未成年非行防止とか、風俗営業法違反なんかも生活安全課だったっけ?
被害届って最初に担当するのは地域課じゃなかったかな?
佐藤のおばちゃんが出した営業妨害の被害届とかも生活安全課の事案……になるのかな?
ともあれ、佐藤のおばちゃんは、木村って警官さんの言葉に黙って頷いた。
「杉本。おまんはそこの娘さんのとそっちの……えーと、小松さん……ですね?」
あ、隣町にいる警官さんまでお師様のこと知ってるんだ。
「あとからお孫さんと一緒に隣町の支所の方にも来て貰うことになりますけんど。……えー、いつも息子が世話になりよります。初めまして、木村芳樹の父親です」
と、刑事さんは頭を下げた。
――あ! 隣町からお師様の道場に通って来てる木村のにーちゃんのおとーさんか! この警官さん!
お師様は合気道の道場もやってるんだよね。
んで、木村のにーちゃんは高校一年生。
最低でも週に一回はお師様の道場に顔を出しに来る。
で、木村のにーちゃんは今、色々迷ってるところだ。
自分にも霊力があるけれど、それを伸ばして行くか、それともそっち方面には行かず、身を守る方法だけ知っておくにとどめるのか。
身を守る方法はもう、知ってるはず。
この町のお巡りさんくらいの弱い霊力(?)なら、警察を護って下さってる神様のご加護でどーとでもなるけど。
木村のにーちゃんは意識しなくても、視えちゃうし、聞こえちゃう人なんだよね。
でも、このまま霊力が消えちゃう可能性もまだ残ってるから、どーするべきかかなり悩んでいる途中だったはずだ。
「小松さんには一度、ご挨拶せにゃならんとおもうちょりましたが、忙しさにかまけて今までこちらに伺えんで申し訳ないおもうちょります」
警官さんはお師様に深く頭を下げる。
それにお師様、時々、警察に捜査協力してるもんね。無料で。
「いやいや、頭を上げてつかぁさい。そんなに畏まらんでえいですよ。ちゃんとこの『はた迷惑な』真世理会ゆうふざけた名前の新興宗教を取り締まってくれたらえいがです。
この町や、わしらぁの流派までろくでもない宗教に関わっちゅう思われたら、先人に顔向けできんなりますき。ようよう頼みましたよ」
お師様は笑顔で優しい口調だったけど、全っ然、目が笑ってなかった。
そして心底怒っているオーラ――いや、気配がした。
「は! はい! しっかり取り締まりますのでっ!!」
警官さんにもそれはきっちり伝わったよーで、お師様に向かって思わず敬礼なんかしちゃっていた。
因みにあたし、ずーっとこの町の駐在にいるお巡りさんのことを、お巡りさん。って言ってるけど、本当はお巡りさんも警官さんなのよね。
で、生活安全課の警官さんもお巡りさんなんだけど、明らかにこの町のお巡りさんより階級が上なんだろーな。
お巡りさん。木村のにーちゃんのおとーさんである警官さんに敬語だったしね。
えー、お読み頂きありがとうございます!<(_ _*)>
めぐる「ありがとー♪」
次話も宜しくお願い致します!<(_ _*)>
めぐる「お願いしまーす♪ ポイントブクマも宜しくねー♪」
ええぃ! しつこいんじゃー!
めぐる「やめないもーん♪」