やって来たお巡りさん達(一)
めぐる「ブクマが一つ増えたー!」
でも、ランキングからは消えたね。
めぐる「……なんでそー水さすよーなことゆーのよっ!」
調子に乗ったキャラは諌めないとだから。
めぐる「(無視)読者様方! ブクマ、ポイント等下さった皆様方! ありがとーございますっ! 今後共、美少女なあたしを宜しくお願いしまっす!<(_ _*)>」
やっと少し落ち着いたかなあ……自分で天才とか言わなくなったし……ふう。
では読者様方。今後共宜しくお願い致します<(_ _*)>
あたしがお巡りさんの視線を追って、外を見ると――
「あ!」
なんと! なんと、なんと、な・ん・と!!
こんな山奥の町に、普通のパトカーが!!
しかも二台も!!
あたしは本気でびっくりして、お巡りさんの顔を、じぃ~っ、と見つめちゃった。
「ふふふ。びっくりしたやろう? 僕がここに来るがが遅うなったがはね? 隣町にある支部に連絡しよったからながよ。
真世理会の勧誘がしつこ過ぎて、あちこちの市町村から、苦情が入っちょったき。佐藤さんが被害届けを出すと聞いて、この機に、色々取り調べ出来んかと警察の方でも考えよったがよ」
でっ、でもお巡りさん。霊力とかない普通の人じゃ――なかったね!
警察の人ってみんな色んなお守りとか、警察を護ってくれてる神様の御加護とか頂いてるはず。
このお巡りさんだって、ちょっとだけ気配とか感じられたり視えたりする人だった。
この時代の警察の人は大なり小なり、霊力やら魔力を感じられたり視えたりする人じゃないと勤まらないのよね。
実際そーゆー人はこの時代には多いしねえ。
「ねえねえ。お巡りさん」
あたしはお師様から離れて、お巡りさんの隣に立った。
「あのね。あたしと手を繋いで欲しいの」
と、お願いはしたけど許可は取らずに、お巡りさんの手を握っちゃった。
「め、めぐるちゃん!?」
あたしの名前を呼んだお巡りさんは、ちょっと脅えてる。
いや、うん。しょーがないとは思ってるよ。
あたしが物理的に強いことは、この町にいる誰もが知ってるんだから……。
もしかして、お巡りさんより強いんじゃないか? とまで言われちゃってるんだから、脅えられるのはしょーがないよね……うん。
ほんのちょっとだけショックを受けつつも、応援で来たお巡りさん……? かな? いや、もしかしたら刑事さんかもだけど、制服着てないし……。
と、ともかく、応援で来た警察の人に連れられて、ミニパトではなくパトカーに乗せられて行く信者達のほうに意識を向ける。
多分、お巡りさんに伝えられるはず!
「あの信者さん達の肩とか背中とか頭の辺りを視て欲しいの。変な霊が憑いてるの視えると思うから。あたしがお巡りさんに力を貸すから、ちゃんと視えるはず」
お巡りさんはあたしの言葉に従って、信者達を視ている。と――
「うわっ!? なんだあの合成獣みたいな黒い奴!!」
どーやらお巡りさんは、佐藤のおばちゃんの従兄弟の、広って呼ばれたおっちゃんに憑いてる動物霊? らしきものを視ちゃったよーだ。
「他の信者さん達にも動物っぽいもの憑いてるでしょ?」
「……」
あ、お巡りさんびっくりして見入ってるみたい。
「……全員に何か憑いてたな……」
お巡りさんは、パトカーの中に入った全員を視終えたみたい。
だから、お巡りさんから手を離す。
――それから、佐藤のおばちゃんとお師様とあたしは、お巡りさんが運転するミニパトに乗って交番へ向かった。
交番に着くと、応援のパトカーから降りて来たのは、信者達のリーダーである田中ってお姉さんと、佐藤のおばちゃんの従兄弟でもある広って呼ばれたおっちゃん。
それから、あたしに触ろうとした須藤って呼ばれたおっちゃんと、スーツを着た警察の――多分だけど刑事さん――怖そーな顔立ちのおっちゃん。
ミニパトからは、お巡りさんと佐藤のおばちゃんとお師様とあたし。
全員で交番の中に入ると、いきなり佐藤のおばちゃんと従兄弟のおっちゃんが口ゲンカを始めてしまった。
「なんぼなんでも、大人しゅう我慢しよったあたしやち!! 店の営業妨害されたら黙っちゃおれんぞね!!」
このド田舎の県に住む女性達は、基本的に気が強い。
そーゆーあたしも例に漏れずなんだけど、佐藤のおばちゃんは、比較的大人しい性格してるはずなんだけど――そんなおばちゃんが本気の本気で怒ってる……。
あんなに怒ってるおばちゃん初めて見たよ……。
あたしのおかーさんくらい怖い……。
って、ゆーか、あたしの性格っておかーさん譲りなんだけどね。
「めぐるちゃんのゆうた通りよ! 人として恥ずかしいと思わんがかえ!?」
佐藤のおばちゃんお腹の底から声出してる。
あ、おかーさんが言ってたっけ。
――裕子はねえ。元コーラス部でめっっちゃくちゃ歌が上手いがやき!「あけび」にもカラオケの器械とか置いたらええと思うに、どういて置かんがやろう?――
とか、無茶なこと言ってたなあ……。
「あけび」はカラオケ喫茶じゃなくて、普通の喫茶店なのに……。
で、つまり、佐藤のおばちゃんはコーラス部で腹式呼吸を習ってるから、お腹の底から声が出せる。
だから、本気の本気で怒った時は、凄く大きな声が出るし……おまけに、今まで一度も聞いたことない低めの声を出してる。
さすがのあたしも……怖い……。
『ほほう……佐藤の裕子も中々にやりよるな』
(いや、感心してる場合じゃないでしょ)
『感心してはならぬのかえ?』
(そーゆーことじゃなくて!)
と、あたしが、姫神様と声には出さずに会話をしている間にも、佐藤のおばちゃんと従兄弟のおっちゃんの口ゲンカは続いて行く。
めぐる「お読み頂きありがとうございます!<(_ _*)>」
ありがとうございます<(_ _*)>
めぐる「美少女なあたしのお願いでっす! ブクマ、ポイントお願いしまっす!」
……あー……と。次話も宜しくお願い致します!<(_ _*)>(ずーずーしいのは直ならないか……はぁ)